東南亜諸国を失望させるな

皇紀2672年(平成24年)11月30日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/121128/chn121128……
 ▲産経新聞:ベトナムが中国新旅券拒絶 別紙にビザや入国印、フィリピンも

 中共の新しい旅券(パスポート)は、南支那海上のあらゆる島嶼を自国領であるかのように描いています。この好戦的で出鱈目で違法な行為に、越国(ヴェト・ナム)と比国(フィリピン)が激怒するのは当然です。

 越政府も比政府も中共人入国の際に新旅券を拒絶し、査証(ヴィザ)の発給も入国印もわざわざ別紙を用意して対応し始めました。新旅券に張られた査証には「無効」の押印も忘れません。

 彼らは何か過激なことを始めたのでしょうか。或いは極右思想に奔って愛国主義を露呈させ、越中友好や比中友好を踏みにじっているのでしょうか。いえ、ごく普通の国家として当たり前の対処をしているだけです。

 ならば「普通の国家」とは何でしょうか。自国民、自国領を守るために主張する国家のことです。ではわが国はどうでしょうか。占領憲法(日本国憲法)の有効を信じ、またはそれを言い訳にして、自国民の拉致を放置し、自国領の強奪をみすみす見逃しています。

 私たちが「北方領土を取り返せ」「竹島を取り返せ」「尖閣を取り返せ」を叫べば、一方で「何か右翼的な時代の偏向を感じる」などと気取ってみせる連中の何と弱弱しいことでしょうか。当たり前のことが言えなくなった自分を恥じるどころか必死で正当化し、さらに多くの人を騙そうとする言論がテレビや新聞にあふれています。

 わが国はもちろんのこと、越国も比国も政府や社会全体は決して右翼化などしていません。むしろ中共が右翼化しているのです。太平洋への侵入願望を満たすためならば障壁となる他国領を、歴史や国際法解釈を歪曲し捏造してまでも「自国領」だと言い張っています。

 わが国と中共の間には沖縄県石垣市尖閣諸島がありますが、これを防衛しきれなければ東南亜の友好国たちを次次と裏切ることになるのだという自覚が政府にありません。これは私が何度も訴えてきたことです。海軍力で人民解放軍に劣る越国も比国も、本当はわが国の海上保安庁と海上自衛隊に熱い視線を送っています。

 これまで護憲がよかった、改憲で何とかなると思ってきたすべての皆様にもう一度考え直してほしいのです。世界唯一たる皇帝陛下の祭祀を守る崇高な国家の自立した憲法によって合憲化された軍隊でしか守れない亜州(アジア)があります。

 戦争をしようという話ではありません。敢然たる崇高な理念と軍事力こそが最大の戦争抑止力であると知らなければならないのです。

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野田首相の魂胆-日朝協議

皇紀2672年(平成24年)11月29日

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012112700372
 ▲時事通信:来月5、6日に日朝協議=拉致問題引き続き協議へ

 二回目となる日朝局長級協議は来月五、六日に北京で開催されます。一回目の協議を終えた時点で、各社報道にも「北朝鮮は日本人拉致事件を議題の一つとすることに積極的だった」とありましたが、私は極めて不穏な空気を感じました。

 その上で判明したことをはっきり申しますが、これは民主党の野田佳彦首相が十六日の衆議院解散、来月十六日の総選挙投開票を決断したことと無関係ではありません。最後までしたたかな野田首相は、拉致事件の何らかの進展に明確な手ごたえを得たのです。

 いえ、わが国の妥協に北朝鮮が応じたのですから、被害者家族にとっての手ごたえとはまったく同一ではありません。決して拉致被害者の全員が帰ってくるわけではないのです。

 野田首相は正規の日朝協議とは別の人脈で北朝鮮工作員と密約を交わした形跡があり、その舞台は泰王国(タイ)の首都曼谷(バンコク)で、あくまで日本政府が北朝鮮に数名の生存を確認させたという内容になります。

 それを投開票日の三日前(来月十四日午後の予定)に会見で発表し、一気に総選挙の形勢逆転を狙うという薄汚いことこの上ない魂胆です。もう一度申しますが、これで有本恵子さんや横田めぐみさんは帰ってきません。

 二十六日記事で「民主党と市民の党」について久しぶりに言及しましたが、米国が断行した北朝鮮に対する金融制裁の効力を奪い去った民主党本部の姿勢は、自分たちの利益のためであれば拉致被害者を選挙に勝つための道具にさえします。

 今回の日朝局長級協議は間違いなく出鱈目なものです。西村眞悟前衆議院議員(近畿比例予定=日本維新の会)が国会議員で初めて拉致事件の存在を追及して以来、その解決を訴える鋭さから民主党に嫌われ、はみ出していくことも辞さなかったような身を挺する想いで事件の解決を試みようという政治こそ、私たちが心から切望するものではありませんでしたか。

 何度でも申しますが、北朝鮮による日本国民拉致事件は桑港講和条約発効後も占領憲法(日本国憲法)の有効を私たちが信じてきたがために起きたものです。この無効なくして北朝鮮の妥協を引き出すことはできません。なぜわが国が妥協するのですか。

 総選挙の争点は「護憲か、改憲か、無効か」です。改憲を言うにせよ、限りなく無効に近い認識を持たないような政治家に経済も福祉も教育も任せてはいけません。拉致被害者を何としても取り返すためには、わが国が占領憲法の系譜ではないことを宣言するしかないのです。

【追記】
 上記本文内容は二十七日夜に二日分まとめて作成したうちのものですが、二十八日夕方放送の関西テレビ放送系列『スーパーニュース・アンカー』にて、独立総合研究所の青山繁晴氏が同じようなことをおっしゃったそうです。二十五日に大阪府八尾市(特定失踪者問題調査会常務理事である三宅博前市議会議員の地元)で開催された拉致問題総会で発言されたようですが、そこでは野田首相の密使が第三国で極秘に交渉したのは朝鮮労働党統一戦線部だと明かしておられます。

 また、内容は「再調査の開始」に留まり、会見でそう発表するのは投開票日の三日前ではなく前日を狙っていたようで、しかし青山氏の発言の影響で官邸はそれを断念したようだとも伝えておられました。まだどうなるかは分かりませんが、青山氏も私も決して今回の日朝協議はまったく評価に値しないどころか再度国民を危険にさらすものという点で一致しているようです。

 →十二月三日記事へつづく。

橋下氏こそいつの時代の人

皇紀2672年(平成24年)11月28日

 http://www.asahi.com/politics/update/1125/OSK2012……
 ▲朝日新聞:公共工事公約「いつの時代の政治ですか」 維新・橋下氏

 大阪市の橋下徹市長(日本維新の会代表代行)は二十五日、愛媛県大洲市での街頭演説で「自民党は公共工事をやりまくると言う。いつの時代の政治ですか」などと、公共投資の拡大で内需の回復を目指す自民党の安倍晋三総裁らの政策を非難しました。

 実は自民党が二度下野したことと公共投資の問題は、私たちがまったく意識しなかったとしても同期しています。

 泡沫(バブル)経済に沸き、市中にお金が出回り倒していてなお公がばら撒いてきた無駄が祟った挙げ句、民のお金回りを止めてしまった(出身省庁である大蔵省を制御できなかった宮澤喜一首相のせいもあり)自民党は平成五年に政権から引き摺り下ろされました。

 そして、長く苦しい円高と内需縮小からくる強烈な給与下落(デフレーション)状態にもかかわらず公がばら撒いて民のお金回りを活性化させるべきをことごとく否定した小泉純一郎首相の影響を払拭できないまま、自民党はまたも平成二十一年に政権の座を奪われたのです。

 すなわち、橋下市長の経済に対する認識は「いつの時代か」と問うより「勉強したことはあるのか」と問わなければならない程度であり、「20年間やって結果が見えない」ではなく政府はこの二十年間にやるべき公共投資をまったくと言ってよいほどしていないからこそ、結果が見えないわけでも出ていないわけでもなく、ただ「ない」のです。何もしていないのですから結果はありません。

 安倍総裁はこの重篤な間違いに気づき、報道各社が批判したがる公共工事の促進をそれでも掲げたのでしょう。叩かれると知っていても景気回復のためには言わなければならないことがあります。日本銀行法の改正提言といい、かつて私があれほど批判してきた安倍総裁の現在の状態は以前より少しよくなっているようです。

 公共工事ということで申せば、新党日本の田中康夫代表も「各地で社会基盤(インフラストラクチャー)が激しく老朽化しており、地方自治体と連携して補修や架け替えなどで内需を回復させられる」とおっしゃっています。これは私も以前に申したことでした。

 雇用問題を抱える米国政府も同じことを始めており、橋下市長の発言はそのまま多くの米民主党所属の連邦議員やバラク・オバマ大統領に向かって「いつの時代の政治ですか」と非難しているようなものです。彼らは昨年までの二十年間でわが国の六倍もの規模で政府支出を増額してきたのですから、是非そちらにも行って叫んでください。

 安倍総裁のおっしゃる通り日銀にお札を刷らせることは大切ですが、経済が実体を持たなければそのお札は金融の間だけでぐるぐる回って終わります。だからこそ利権構造が産む不正を防止することは勿論のこととしながらも、公が資源採掘の大号令なども総動員して民にお金を投下していく必要があるのです。

 そのようなことも分からない人は、私たちの目の前で外国製品(iPhoneやルンバなど)が売れていることを平気で讃えます。悔しいならば自分たちも売ってみろというわけですが、売ろうにも公が異常な円高を是正しようとしていません。まさしく橋下市長のおっしゃった「やる気のある民間の皆さんを邪魔しない、妨害しない、これが公の行政の役割だ」に則って「いつの時代ですか」などと邪魔するのは絶対にやめてもらいたい。

早くも提訴された韓国政府

皇紀2672年(平成24年)11月27日

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM22060……
 ▲日本経済新聞:米ファンドが韓国政府を提訴 「韓国銀の売却巡り損失」

  韓国政府は二十二日、韓国外換銀行の売却に関連し、韓国検察当局の不当捜査により損失が発生したなどとして米国の投資信託会社ローン・スター・ファンドに提訴されたことを明かしました。

 これは米韓自由貿易協定(FTA)発行後初めて投資家対国家の紛争解決(ISD)制度が適用される事例であり、いわゆる「毒素条項」が目に見える形で姿を現したのです。

 わが国では目下、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加の是非を衆議院議員総選挙の争点にしようという民主党の野田佳彦首相による目論見が展開されていますが、もう一度申します。このようなものは国政の今後を託す争点にはなりえません。

 皆様もご存知の通りTPPにもISD条項は組み込まれており、ローン・スターで申せば、破綻した東京相和銀行(現・東京スター銀行)の処理を巡ってわが国の国税局と揉めた経緯があります。

 米韓同盟のように「米軍に守られる」だけの、しかも韓国よりもっと悪いのは政府も私たちも占領憲法(日本国憲法)の有効を信じ続けてきたがためにわが国に交戦権のない日米同盟であり、間違いなくTPP参加の果てにローン・スターのような投資ファンドは日本政府をも提訴してくるでしょう。すでにはっきりしていることなのです。

 このISD条項は、かねてより各国が「OINK(韓国でしか起こりえない異常事態)」とささやいてきた税務当局や司法などの到底公平・公正とは言えない後進国に対して有効なものですが、日米間でも適用されれば司法の混乱は避けられず、日米関係も今日の日中や日韓、日朝のごとしになりかねません。

 TPPは米国の連邦議員たちもよく分かっていない代物であり、何度でも申しますが、これは多国籍企業が作り出した巨大な利権域拡大構想です。彼らの言いなりにならざるを得ない部分も多い米国政府は適用圏確定を急がされているため、決してわが国の交渉参加をもう望んでいません。

 昨日も申しましたが、資本や労働に関する規制を徹底的に緩和して自由貿易に興じた結果が今日の韓国の哀れにも程がある姿です。TPPを否定する者を「時代遅れ」だの何だのと批判する連中はほぼ間違いなく多国籍企業の代弁者であり、売国のみならずただの守銭奴にすぎません。そのような愚か者に騙されるのはもっと愚かなことなのです。

 それでも政府として交渉に参加すると言うようならば、一刻も早く占領憲法の無効を国会議員に確認させましょう。

潰れる韓国を他山の石に

皇紀2672年(平成24年)11月26日

 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012112400179
 ▲時事通信:財政・金融分野で協調維持=通貨協定、再拡充も-日韓財務対話

 民主党の城島光力(本名=城島正光)財務相(神奈川第十区)が訪韓したのは最初から日韓通貨交換の再拡充を提案するためでしたが、韓国の李明博大統領が島根県隠岐郡隠岐の島町竹島に不法侵入したことへの報復としてわが国側がこの拡充措置を終了させようとした際、朴宰完企画財政長官は「もともと必要ではなかった」などと強弁していたはずです。

 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とは日韓双方の蔵相級閣僚に言えることですが、城島財務相は政権の終了間際に、そして大統領選挙直前のこの時期に一体何をしに韓国へ行ったのでしょうか。

 かつて衆議院議員選挙落選期間中の平成十九年十一月に「市民の党」(詳細は真正保守政策研究所 平成二十三年九月十五日報告記事を参照)へ個人で百万円もを献金したことになっている城島氏は、まさか大統領選挙に絡んだ親北派工作のために訪韓したのではないでしょうね。

 はっきりしない話は一旦さておき、明確なのは韓国がわが国との通貨交換を保証にしなければ経済がもたないことであり、これは何度も申してまいりました。これまで潰れそうになると日米が支えてきたわけですが、一時はしごを外されたがために国際通貨基金(IMF)の管理下におかれた経験から彼らは中共に頼り始め、やがて日米とは離反し始めたのです。

 ところが、いわば「宗主国」を中共にした途端、その頼みの国がこけ始めました。中共経済がたった十年の繁栄で成長を終えたことはもはや明白です。これまた何度でも申しますが、彼らの統制された資本主義は最も賭博的側面に支えられた砂上の楼閣だったのです。

 IMFが韓国に導入したのは文字通りの新自由主義経済であり、過激な市場原理が生み出した莫大なカネは多国籍企業の資本による寡占化で国民には決して回ってきません。そうして韓国国民は雇用を奪われ内需を縮められ、今日の顛末となったのです。サムスンやLG、現代自動車などはIMFが韓国に産み落としたほぼ外資による新興財閥に過ぎません。

 つまり韓国は韓国としての姿を失い、資本や労働に関する規制を徹底的に緩和した挙げ句自由貿易に興じてあっという間に転落したのです。これを私たちが嘲笑っていられるほど、わが国も無事ではありません。規制緩和で景気がよくなるなどと嘘を吐く政治家は山のようにいます。

 私たちは今「次」の選択を求められているのです。政党の乱立で主張が見えにくくなっている分だけ立候補者本人がどのような国家観を持って国会議員を目指しているのか、よく見定めてください。