安倍外交の致命的失敗

皇紀2674年(平成26年)7月24日

 台湾で二十三日午後七時ごろ、高雄発・澎湖諸島馬公行きの復興航空(GE)二百二十二便が着陸に失敗、馬公空港付近の民家を巻き添えにして墜落し、五十人以上の方が亡くなられました。衷心よりお悔やみを申し上げます。

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140723/mds140723……
 ▲産經新聞:【イスラエル・ガザ侵攻】ガザ地区住民の7割120万人以上が水不足 国連「身を隠す場所などない」

 私は七月一日記事で、安倍晋三首相とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との首脳会談について、安倍首相が狙った外交的成果よりも失うもののほうが大きかったとし、批判しました。

 現在イスラエルは、バレスチナ自治区に断続的な攻撃を仕掛け、六百人以上もの犠牲者を出しています。産經新聞社記事の指摘どおり、もはやパレスチナの人たちに逃げ場はなく、悔やんでも悔やみきれません。

 イスラエルが目の敵にしてきたハマースは、攻撃のきっかけにされたイスラエル入植者三人の死に関与しておらず、そもそも二年前の停戦合意以降、ハマースは一度もイスラエルを攻撃していませんが、ネタニヤフ首相は一体何を思い立ってこれほど苛烈な行動に出たのでしょうか。

 前出の一日記事では、回教スンニーの過激派が「イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)」を建造したことにも触れましたが、ISISと対峙するにはイランの協力が不可欠であり、米国もイスラエルを非難しています。

 何度でも申しますが、わが国は日米関係を重視しながらも、イランとの外交関係は維持してきました。その積年の努力がありながら、占領憲法(日本国憲法)有効論によって外交基盤が弱体化したせいで成果の実らない現実を、安倍首相はまったく省みていないのです。

 米国家安全保障会議(NSC)のエヴァン・メデイロス亜州上級部長は二十一日、訪米中の自民党の河井克行衆議院議員と会談し、マレーシア航空撃墜事件について「日本のしっかりした発言を期待している」などと述べました。

 これも日露関係の回復を狙った安倍外交をもってして、とんだ失敗をした典型例であり、イスラエルとの関係強化といい、すべてが裏目に出ています(日露関係の回復は、ひるまず目指すべき)。

 七月二十日記事で申したように、ウクライナ国内の反体制派(親露派)は、露国政府の激しい怒りを買ったはずであり、誤って撃墜してしまった可能性を指摘された彼らを、ウラジーミル・プーチン大統領が厳しく叱責することで、事態の展開はかなり変わったはずです。安倍首相が促すべきでした。

 また、イスラエルに対しても何も言えなくなっている安倍首相は、イランのみならず欧米から見ても、何を考えているのか分からない不気味な極東の為政者にしか見えません。これは、私たち国民にとって不本意です。

 ハマースを「決定的な脅威」と規定するにはいささか無理があり、一方イスラエルの所業はまさに「大虐殺」と申すほかありません。今はイスラエルを非難しにくいと言うのなら、停戦調停のために安倍首相がイェルサレムを訪問すべきです。

 それまでもが無理な理由はただ一つ。占領憲法です。大虐殺をやめさせることもできない「自称・平和国家」の弱点は、今さら自衛権問題を議論しなければならない私たち自身なのです。

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日教組、違法行為の狙い

皇紀2674年(平成26年)7月23日

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140722/crm140722……
 ▲産經新聞:「慰安婦ツアー」違法に募集 大分県教組、中学生ら対象に韓国側の一方的主張学ぶ 観光庁が指導

 大分県教職員組合(県教組)が旅行業法に違反し、韓国の「慰安婦」関連施設などを見学する旅行を募集していた件。観光庁の指導は、あくまで三回にも及んだ同法違反行為についてですが、問題は、県教組が法律違反を犯して臨んだ真の狙いのほうです。

 日教組は、各地で法律違反を犯しています。地方公務員法違反、教職公務員法違反は日常茶飯であり、罰則規定がないのをよいことに、児童・生徒の教育に携わる者たちが「何食わぬ顔」です。

 カネにもがめつく、組合活動を市民・県民の税金で負担させることすら厭いません。実際に、組合事務所の家賃・光熱水費を市に負担させ、教育委員会で確認したこの事実を指摘しても、「問題があるとは思いません」と答える厚顔無恥ぶりは、公務員の本来の姿ではないのです。

 ところが県教組は、自分たちが旅費の一部を負担してまで違法な「慰安婦ツアー」を募集していました。「親子一組(二人)、二泊三日で二万五千円、三十組」という募集内容は、とても集金目的とは申せません。

 彼らの真の狙いは、そうしてでも私たちを「反日」に洗脳することです。

 このツアーに組み込まれている「日本軍『慰安婦』歴史館」や「西大門刑務所跡」には、事実とは無関係に、韓国の「反日」によって扇情的に書き換えられた資料(朝日新聞社記事の複写なども)が展示されているという多くの指摘があり、無思考・無批判・無気力にそれらを盲信することは、かえって日韓対立を煽り立てることにしかなりません。

 これのどこが「親子で学ぶ、韓国平和の旅」なのでしょうか。はっきり申しまして、これは「親子で突っ走る、日韓戦争準備の旅」の間違いです。

 ことさらに憎悪を強調し、韓国の政官民を挙げた一方的な主張だけに耳を傾けようとすることは、決して「平和」には繋がりません。ですから、私の意見と反対の意見を読み比べていただいて結構なのです。

 自分たちの公務員法違反行為を税金で一部負担させておきながら、浮いたカネで「反日洗脳ツアー」を助成してまで募るとは、開いた口が塞がりません。

韓国の喧伝活動は迷惑

皇紀2674年(平成26年)7月22日

 http://www.nikkei.com/article/DGKDZO74419920Y4A7……
 ▲日本經濟新聞:記者手帳 韓国メディアに託した思い
 http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2014/07/21/……
 ▲聯合ニュース(韓国):平昌冬季五輪組織委員長 突然辞任=韓国

 真正保守政策研究所「韓国テレビ局から出演依頼あったが…」の記載どおり、私は本年二月、韓国のSBS(ソウル放送)から、日韓関係のよき将来を考える教養番組への出演依頼が届きましたが、私自身がいわゆる「嫌韓」ではないことなどを伝えると、とたんに彼らはそれを取り消しました。

 よく分かりませんが、韓国報道は日本側から「嫌韓」を出演させ、対立を煽った上で、自国の主張を正当化する演出を狙っていたのではないでしょうか。

 或いは、彼らの企画書にあった「韓国植民地時代」の記述に対し、すでに「日韓併合条約発効下」とことわる旨を申した上で、発言(韓国語訳)を歪曲して編集しないでほしいとお願いしたことが、最初から不都合だったのかもしれません。

 韓国の政官民を挙げた「反日」活動の結果、わが国政府はこれに耐えきれなくなり、目下の関係は過去最悪と申して過言ではありませんが、それをよくしようという教養番組でさえ、自分たちが本気で日韓関係を改善させる方法を模索するつもりはないのでしょう。

 彼らの願いは、わが国から韓国にすり寄ってくることであり、そのための土下座と資金援助を求めているだけにすぎません。

 安倍晋三首相の狙いは、特に米国に対し、日韓関係改善の意志が自分にはあること(対立の原因が朴槿恵大統領にあること)を分からせるだけで十分なのであり、日韓財界の後押しで実現した今回の韓国報道代表団の訪日で、韓国側に土下座と資金援助の用意があるようなことを示すつもりはないはずです。

 しかし、朝鮮日報の宋煕永主筆(代表団長)は「日本の多くの方が韓日関係を正常化させたいという熱意を持っていると感じた」と語ったことは、またぞろ誤った政治喧伝工作の始まりを予感させます。

 時を同じくして、四年後に韓国江原道平昌で開かれる冬季五輪大会の金振先組織委員長が突然辞任しました。理由は判明していません。

 平昌五輪は、そもそも降雪量が足りないことや、建設費などにかかる資金不足が指摘されており、東京都の舛添要一知事による二十三日からの訪韓で、何か無用な約束をしてくるのではないかと不安視されます。

 韓国側が誤った喧伝を仕掛け、私たちからカネを引き出し、それで仲良くしてくれるのであれば構わぬ出費ですが、相変わらず私たちの悪口雑言を世界にばらまき続けるのですから、ならば「日本側が仲良くしたがっている」などと思われたくないのです。

外国人生活保護支給は違憲

皇紀2674年(平成26年)7月21日

 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140719/……
 ▲産經新聞:【生活保護訴訟】批判と抗議…外国人受給世帯増加 自治体職員は対応に苦慮

 十九日記事で述べた外国人(日本国籍を有さない者)生活保護支給問題。昭和二十九年五月八日付の第三百八十二号厚生省(当時)社会局長通知は、行政が占領憲法(日本国憲法)有効論をとるがゆえに議論なき解釈変更が常態化した結果として、第二十五条違反を犯しています。

 第九条の解釈改憲とともに、これは占領憲法が単に原文(英文)の和訳に過ぎないことを表しており、原文さえ改正しなければ訳し方をこっそり変更しても改憲にはならない、と国家三権が言い張っているも同然です。

 よって、最高裁判所の判断を受けてなお、厚生労働省の或る職員は「人道的見地から外国人への支給が必要になることもある」と答えました。

 行政が「違法だがやる」と言うのなら、人道的見地から年収二百万円以下の国民(日本国籍を有する者)が約十万円もの住民税を支払わされるのをやめてください。納税のために借金せざるをえない国民が、それでもはたらくのをやめず、生活保護にはしらず、つましい暮らしで耐え忍んでいるのです。内需回復のデフレーション(給与下落)対策がなされるものと、安倍政権を信じて。

 まったく逆の政策しか提示しない「安倍自民党」に一票を投じた国民は、このまま餓死するしかないのでしょうか。納税の事実ではなく、当該国籍を有する「義務」と「責任」を負った国民より、当該国にそれらを負わない他国民に法外な優遇措置をとる理由は、どこにもないはずです。

 外国に行って暮らしていけなくなれば、祖国へ帰るしかありません。目の前で人が飢えて倒れれば誰であろうと助けますが、その人が他国籍の者と判れば、本国に帰してあげるのが本当の人道的措置なのです。

 産經新聞社記事にあるとおり、地方自治体は、霞ヶ関から飛んできた本来違法な六十年前の局長通知に未だ苦しめられており、特に最も支給の多い在日韓国・朝鮮人の関連団体と思われる人たちから恫喝されることもしばしばだと言います。

 不正受給の外国人逮捕者が続出していることからも、この局長通知は、違憲確認をもって破棄すべきです。最高裁判断が出たことで、私たちの訴えはこの段階に進みます。よろしくご協力ください。

マレーシア航空の悲劇

皇紀2674年(平成26年)7月20日

 http://www.afpbb.com/articles/-/3020876
 ▲AFP:ウクライナでマレーシア航空機撃墜か、295人全員死亡の情報

 まずは、衷心よりお悔やみを申し上げます。

 マレーシア航空(MH)では、本年三月にもクアラ・ルンプール(KL)発北京行きが消息を絶ち、行方不明のままです。私もKLへ行くために利用したことがありますが、MHは三年連続で赤字に転落しており、経営難に陥っています。

 昨日記事で少し触れましたが、墜落現場の様相は、地対空弾による空中爆発ではなく、まるで不時着に失敗したようであり、AFPが報じているほど多くのご遺体はばらばらになっていません。

 ウクライナ東部ドネーツク州では、反政府派(親露派)がウクライナ軍用機二機を撃墜したばかりで、しかしながら彼らが宣言した「ドネーツク人民共和国」は、州全体の掌握にまで至っておらず、組織としても極めて脆弱です。

 それでも地対空弾の発射装置「ブーク(BUK-M2)」を保有していたのは間違いなく、目下露国軍に慌てて返却するような動きも見せていますが、おそらく露政府の激しい怒りを買ったのではないでしょうか。少なくとも本件にウラジーミル・プーチン大統領は関係していません。

 「反政府派による民間機への誤射」という報道は、力づくの体制変更後に就任したペトロ・ポロシェンコ大統領による「撃ったのは反政府派」という断定に基づいており、状況は確かにそのように見えるのですが、私たちがそう思い込むのはまだ早いでしょう。

 と申しますのも、あらゆる情報戦と武器弾薬を駆使してウクライナの体制転覆に成功した現政府は、それほど露政府より信用できる存在なのか、ということです。露国への不信を隠さない方もおられますが、あまりにも都合よく民間機を犠牲にされたようにこそ見えませんか?

 MH十七便(ボーイング777-200ER)は、左翼側のターボファン・エンジンから火を噴いているため、熱源探知の赤外線誘導弾によって撃墜された可能性があり、ならば必ずしもブークが「犯人」ではなくなります。

 露国からの情報をすべて信じるわけではありませんが、彼らはウクライナ管制による不審な動きを指摘しており、MH十七便のすぐ近くをウクライナ軍戦闘機二機が飛んでいたという情報を得ているようです。これが事実であれば、赤外線誘導弾を犯人とする説明がつきます。反体制派は、自分たちが誤射してしまったと思い込まされているかもしれません。

 大切なのは、一時の激情で外交判断を誤ってはいけないということであり、陰謀の類いを妄信するのでもなく、まずあらゆる可能性を排除せずに事実を特定していくことです。

 二百九十八名もの人の夢も希望も奪い、革命や紛争の正当化を図られるのは我慢なりません。決して許してはならないのです。