新幹線に泥塗った焼身自殺

皇紀2675年(平成27年)7月1日

 本日は「うるう秒」が設定され、本記事が配信される一秒前がそうでした。動画配信日は午前の記事更新をしない予定でしたが、少し申しておきたいことが起きましたので。では、午後六時に再びここでお会いしましょう。

 http://www.sankei.com/affairs/news/150630/afr150630……
 ▲産經新聞:【東海道新幹線放火】火をつけて死亡した男の身元判明 新幹線初の「列車火災事故」

 あれはもう八年前のことでしょうか。東京都豊島区南池袋の「池袋パルコ」(八階建て)屋上から女性が飛び降り自殺(死亡)し、路上を歩いていた男性を直撃して死亡させた事件を思い出しました。

 自殺に至ったであろう気の毒な事情などはともかく、それでも自己顕示欲を抑えられなかったのか、なぜ七十一歳の男性は多くの人が乗る新幹線の車内をわざわざその場所に選んだのでしょうか。他の乗客に「あなたも逃げなさい」と言っているわけですから、自らの行ないの影響を分かっていたはずです。

 昔から「お伊勢参り」の道程で事故に遭う人もいたようですが、伊勢の神宮を目指して新幹線に乗り、巻き込まれて亡くなった女性こそ気の毒でなりません。衷心よりお悔やみを申し上げます。

 無事故を誇ったわが国の新幹線に泥を塗った容疑者の行ないは、まるで「自爆テロ」のようでした。しかし、報道各社が騒ぐ「対策」がなされていたからこそ新幹線は燃え広がらずに済んだのです。例えばライター以外の可燃物の持ち込みを断わる以上の対策をJR東海に求めるなら、確実に現行の利便性を犠牲にします。よく考えてモノを言うべきでしょう。

 ですから国土交通省が「新幹線初の火災事故」と認定することに(新幹線自体が火災を起こしたのではなく「車内自殺事件ではないのか」ということで)私は異論を唱えましたが、容疑者以外に死者が出たことなどから「省として認定を免れない」とのことでした。

 自殺した人を責めるのは悪趣味だと思いますが、巻き込まれた女性を想うとかえすがえすも腹立たしい

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ロシアもインドも承知の助

皇紀2675年(平成27年)6月30日

 http://www.sankei.com/world/news/150629/wor150629……
 ▲産經新聞:「極東の知事に中国人も!」ロシアで中国への農地貸与に反発広がる

 中共主導の亜州インフラ投資銀行(AIIB)は二十九日、北京の人民大会堂で設立協定の調印式を開きましたが、参加予定だった五十七か国のうちフィリピン、タイ、マレーシア、デンマーク、ポーランド、クウェート、南アフリカの七か国が署名を見送りました。

 親中ナジブ・ラザク政権のマレーシアが署名を見送ったのは意外でしたが、フィリピンが勿体つけたのは当然でしょう。南支那海域の領土・領海を中共に侵略されかかっている彼らの現状は、共産党人民解放軍が岩礁内の強引な埋め立て施設を「軍時利用」と認めたことで、この種の「インフラ投資」を中共主導で進められることの危険性を如実に表しています。

 どのタイミングで署名するかは七か国それぞれの間合いがあるのでしょうが、韓国が無理して大量出資(出資額順位五位)しても理事国入りはかなわぬ一方、欧州勢で一番乗りを表明していた英国はわずかな出資(同十位)に抑えました。また、独中「蜜月」などと言われてきた独国が理事国入りを敬遠して出資額を抑えたようです。

 結果として、中印露の出資額上位三か国が理事国になったわけですが、印国のナレンドラ・モディ首相は経済で中共と握手しながら裏で対中防衛策を強化しています。そしてそれは、露国のウラジーミル・プーチン大統領も全く同じなのです。

 産經新聞社配信記事には「国際的な孤立感を深めるプーチン政権が中国との“蜜月”を演出している」(原文まま)とありますが、これはプーチン大統領の方針を正しく記事にしているとは申せません。

 産經はまだ何となく「米ソ冷戦」の感覚を引きずっているのでしょうが、プーチン大統領がなぜ安倍晋三首相と心を通わせて七回も首脳会談を開いたかと申しますと、いわば同じ「美しい祖国を取り戻したい」「民族主義的」なところがあるからです。

 プーチン大統領の方針とは裏腹に露国内で中共または中共人民への警戒が高まっているかのような報じ方になっていますが、中共への警戒はプーチン大統領が最もしていることであり、中共人民のこのような土地の獲り方はわが国でも問題になり始め、いずれ日露で共闘して追い出しにかかるでしょう。そのためには年内のプーチン大統領の訪日が不可欠です。

ギリシャ破綻へ…日本は?

皇紀2675年(平成27年)6月29日

 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0P70Y0……
 ▲ロイター:ユーロ圏がギリシャの支援延長を拒否、債務不履行に現実味

 六月二十六日記事で申したように、現代の戦争はサイバー空間や金融の世界で繰り広げられ、米国の調査会社ユーラシア・グループが本年初に掲げた通り「金融の兵器化」は進んでいます。

 ギリシャ(希国)問題であまりそう申しますと「第四帝国」呼ばわりされている独国がさらに悪者になってしまうので避けますが、独国民とて希国のために自分たちは増税されてでも他国を助けようとは思いません。

 前出記事のちょうど一か月前に当たる五月二十六日記事で「私の責任で申しますが、欧州連合(EU)の対希国方針は既に『債務不履行(デフォルト)させてしまえ』というもの」と申しましたが、これに対して「本当ですか?」「なんだかんだ言って希国を助けないと欧州危機が起こるでしょう」など、さまざまな方から疑問や反論をいただいていました。

 しかし、事実上独国を中心とした二十七日のEU財務相会合の結論は、もうこれ以上希国を助けられないというものでした。彼らは希国がデフォルトすることのリスクを十分承知しているものの、つまり希アレクシス・ツィプラス首相を助けるようなことはしないという意思表示だったと思えばほぼ正確です。

 希国ではいよいよ銀行業務が休止され、欧州中央銀行(ECB)理事会が昨日、希銀行に対する資金供給を増額しないと決めましたから、最近加速していた希国民の預金の流出に制限がかかるのは不可避でしょう。

 一方で緊急流動性支援(ELA)を現行水準で維持するとも決めましたから、希中央銀行と間合いを計りながら希ヤニス・バルファキス財務相が「何らかの行動」を取るのを待つのかもしれません。七月五日の国民投票結果など誰も当てにしていませんから「力づくの変更」が起きる可能性を捨てきれないのです。

 で、私たち日本国民に何の影響があるのかと申しますと、それは二十日記事で少し触れたように円高基調へ揺り戻されてしまうかもしれないことでしょう。

 希国のことは「調子に乗っていい加減な国やその国のすることに投資するとこうなる」という典型事例ですから、中共主導の亜州インフラ投資銀行(AIIB)参加の欧州各国は早くも腰が引け始めたわけです。

※ 今週より動画配信を再開します。長期に渡って休止していましたが、さらに出来るだけ多くの方へお届けしたい情報や考えを述べます。毎週月曜、水曜、金曜日の午後6時からです。お楽しみに。
※ ただし、動画配信日の午前の記事更新はありません。本日の動画配信はありません。

中共の盗聴と記者の盗聞き

皇紀2675年(平成27年)6月28日

 六月二十二日記事米国務省が今年からザ・ウォルドルフ=アストリアを使わないと言い出した情報を皆さんに提供し、安倍晋三首相にももう使わせないよう申しましたが、二十七日に産經新聞社がその詳細を記事にしました。

 http://www.sankei.com/premium/news/150627/prm150627……
 ▲産經新聞:米国務省、中国資本が買収の名門ホテル「使用×」 情報漏れなど警戒…日本政府も追随検討

 安全保障というのは、このようなことを指すのです。中共に対する侮蔑的差別や偏見ではありません。危機を察知して致命的敵対の原因となる惨事を未然に防ぐことを「友好」の二文字による弾圧をもって政府にさせないよう謀るほうがおかしいのです。

 米国は同盟国や友好国の為政者すら盗聴の対象にしてきましたから、よく分かっているのでしょう。褒めているのか貶しているのか分かりませんが……。

 さて、私は作家の百田尚樹氏にはお会いしたことがないので、どのような方なのかよく分かりませんが、もし以下の新たな発言が事実なら「やはり」と申すしかありません。

 https://twitter.com/hyakutanaoki
 ▲ツイッター@百田尚樹:質疑応答で、一部の議員から「偏向報道するマスコミを、スポンサーに圧力をかけてこらしめるのはどうか?」と質問されたが、私は即座に「それはやってはいけません」と答えている。ドアのガラスに耳をつけていた記者は、その発言も聞いてるはずだが、それは記事にしない。/私が本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞です。

 ですから昨日記事で「要はなぜ記者締め出しの会合の発言がこうもダダ漏れになったのか、ということ」と指摘し、ついでに(列挙順まで同じ)「朝日新聞社も毎日新聞社も東京新聞社も」と申したわけですが、報道記者が盗み聞きしたものを適当に報道したいところだけ取り出し報道したくないところをないことにして騒ぎ、非難するよう煽ったようです。

 本当に百田氏が「報道企業への圧力」を即座に否定していたなら、私が昨日申したようなことを分かっている方ということでしょう。木原稔衆議院議員が責任を取って自民党青年局長を更迭される段取りになったのも、やむをえません。前進あるのみです。

 

沖縄二紙つぶせ発言に思う

皇紀2675年(平成27年)6月27日

 http://www.asahi.com/articles/ASH6V43P7H6VTPOB001.html
 ▲朝日新聞:琉球新報「表現の自由への挑戦」 百田氏「つぶせ」発言

 自民党有志が開いた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔党青年局長)の二十五日の初会合で、作家の百田尚樹氏が「沖縄二紙(沖縄タイムズと琉球新報社)を潰さなあかん」、大西英男衆議院議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」などと発言したことが問題になりました。

 民主党の寺田学衆議院議員が安倍晋三首相にこれを問い質しましたが、国会内では野党有志が作家の大江健三郎氏らを招いて会合を開くこともあり、誰を呼んでどんな勉強会を開こうとそれこそ自由です。

 よって百田氏に対する評価は別にしても、氏の発言の自由を脅かすような質し方は認められません。もし百田氏を国会議員が断罪すれば、「民間人から言論・表現の自由を剥奪しよう」と民主党議員が言い出したという話になってしまいます。もう大江氏を招いて会合も開けなくなるでしょう。

 問題は与党代議士が「マスコミを懲らしめよ」と発言したことです。

 心情はお察しします。朝日新聞社も毎日新聞社も東京新聞社も沖縄二紙も、社の思想信条に着地させるための強引な記事が目立っており、報道の自由が聞いて呆れるほど事実関係を無視したものまでありました。朝日やNHKが自民党に呼び出されたのもそのような経緯があったからです。

 しかし、この発言は裏を返せば「政権批判を懲らしめよ」となり、その政権が民主党や日本共産党へ渡った時にも適用されかねません。いえ、今でこそ寺田代議士は今回のことを涼しく批判してみせましたが、自分たちが(もうないと思うが)再び与党になれば平気で政権批判を封殺にかかるでしょう。以前にも申しましたが、民主党政権時代に「内閣打倒」を掲げていた私は、実際に(某省官僚に救われましたが)圧力をかけられる寸前だったのです。

 現に民主党政権下で松本龍内閣府特命(復興対策担当)相が宮城県庁で「書いたらその社は終わりだから」などと報道機関に圧力をかけました。ですから、このようなことを与党議員が言うのは不適切なのです。

 要はなぜ記者締め出しの会合の発言がこうもダダ漏れになったのか、ということでしょう。政権批判は自由にしてよいがどこの国を想って言っているのか分からないような報道企業を懲らしめるのは、正直「あり」だと思います。

 祭祀の国・日本を想って安倍自民党政権を批判するなら、堂堂とすべきことです。