的外れ共産・志位氏のほう
立憲民主党の辻元清美元衆議院議員が立ち上げに関わった「ピースボート」が航行の危機にさらされ、海上自衛隊の防衛下に入った際にも世間の耳目を集めましたが、日本共産党の志位和夫委員長の発言も酷いものです。
ここで多くを語る必要はないでしょうが、まず共産党の綱領を拝読しますと「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる(日本共産党ホームページを参照)」とあります。
段階的解消を目指す組織に「今は命を賭して国民を守れ」とは、そのようなことが自衛隊員を前にしていえるのでしょうか。いえるとすれば、それこそ共産党は人の命を何だと思っているのでしょうか。
有事活用案に批判が出たことに「的外れ」だと反論した「委員長歴二十二年目の独裁者」こそ、自分が全く的外れな反論をしていることに気づいていません。
国民の身体、安全、生命、財産を守るための自衛隊を、現行憲法(占領憲法)に照らし合わせれば「第九条に違反している」と主張し続けるほうがよほど的を射ています。
だからこの占領憲法をどうするのかという議論をこそ提起し、反論しなければならないのです。かつて大日本帝國議会で「こんな占領憲法は認められない」と発言したのは、共産党の野坂参三衆議院議員だったことを忘れてはいけません。
これでも護憲を貫くなら、まさしく人でなしです。もし共産党が政権を盗れば、自衛隊は一時解消されて共産党を守るための共産党軍にされるのでしょう。私たち国民とその際に党軍に加わらない「元自衛官」たちは、政権与党に異議を唱えて党軍に殺されるのです。
露国がやむなくウクライナ侵攻に及んだ今、対露と中共を睨んでさまざまな安全保障の議論がなされています。
自民党の安全保障調査会(会長=小野寺五典元防衛相)でも「専守防衛」の解釈変更が提起されましたが、北朝鮮にさえ見られる弾道弾発射技術の高度化からも、安倍晋三元首相が提起した敵基地の中枢を先に破壊する必要にも駆られているのです。
これは高市早苗政務調査会長も提起していましたが、さんざん報道権力によって揶揄され、まるで議論にもならないことであるかの扱いを受けています。確かに、実際に行なうに当たってそれこそサイバー攻撃を含めて高度な技術が必要ですが、何よりそれを可能にする法的根拠が必要です。
それは、占領憲法ではどうにもなりません。どう議論してもどうにもならないのです。
自民党は、改憲を党是に政権を長期間維持してきました。政治家と政治活動家は違います。政治家なら結果を出して評価されねばなりません。
かつて自民党を去った多くの政治家が提唱してきた自主憲法の系譜を護ることこそ、私たちに「これで命が助かる」という一縷の望みが見えてくるのです。
大日本帝國憲法は、正確には一度も改正されずに占領憲法に代わりました。内閣法制局のその場しのぎの法解釈(占領憲法は大日本帝國憲法を改正したものなど)に自衛隊が翻弄され続けてきたことは、つまるところ共産党のいい加減な説明と似たようなものです。
今こそ大日本帝國憲法の正統な改正を提起する政治家がいないことは、私たちが安寧と暮らしてはいられない現実を如実に表しています。
いい加減な説明はうんざりです。私たちの国、私たち日本人を本気で守る議論の提起を、私たちから起こしていこうではありませんか。