治安を騒乱させた地検判断

皇紀2671年(平成23年)4月7日

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110405/dst11040502000006-n1.htm
 ▲産經新聞:福島地検が釈放の容疑者また逮捕 問われる地検の判断

 事件報道ほど信用出来ないものはありませんが、東日本大震災発生直後の11日から16日に、仙台地検と福島地検が勾留中の容疑者計58人を釈放していたと分かった先月29日以来、被災地の治安維持に関する不安が一部で指摘されていました。

 容疑者の全員が必ずしも罪を犯している、或いは特に凶悪であるとは全く言えませんから、別の安全な場所に移送し、聴取などの捜査を続行すべきではなかったでしょうか。

 残念な結果論とはいえ、窃盗事件の容疑者を処分保留で釈放するという前代未聞の「解き放ち」をしてしまったことで、同じ女性が福島市内で窃盗目的と見られる建造物侵入の現行犯逮捕されたことは、やはり福島地検の判断が間違っていたのです。

 震災で殉職者を大勢出していた福島県警は、目下も震災対応のある中、よく犯行を見つけて対処してくれたと思います。

 警察が混乱の直中にあっても職務を遂行している限り、治安に対する不安をことさら抱くこともありませんが、窃盗や傷害、覚醒剤取締法違反、強制猥褻といった罪状の容疑者が十分な捜査を経ずに釈放されている現状は、決して望ましくありません。

 宮城県警の要請で釈放を決めた仙台地検のほうは、それなりの警察による拘留根拠薄弱とする判断があったものと推察しますが、福島地検は県警の捜査判断を聞かずに「解き放ち」をしてしまっています。

 政府が災害対策手引きを今後作成する場合、このような事態も想定して、震災発生時に該当の警察・検察による捜査中容疑者の取り扱いも決めておかねばなりません。

 指針もなくおのおの勝手な判断に任せていると、このような間違いが起きるのであり、福島地検も対策手引きを作ってこなかった菅政権を含む歴代政権によって批判の種を植えつけられてしまった、いわば被害者と言えなくもないでしょう。

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本来「非常事態宣言」だが

皇紀2671年(平成23年)4月6日

 蓮舫節電啓発担当相が東京都の石原慎太郎知事のもとを訪ね、都内の節電協力を要請したのが先月14日のことでしたが、その場で石原都知事が「なぜ政令を出さないのか」と問うたのに対し、彼女は何も答えられませんでした。

 私もこれ以来、政府関係者に「出さねばならない政令は出すように」とお願いしてきましたが、力及びませず、民間の東京電力による計画停電(輪番停電)に頼るばかりです。

 石原都知事の日頃からの高圧的な物言いに、私も多少なりとも反感を抱いたことはありましたが、四の五の言っても、緊急時に適切な対応が出来る政治家の提案を無視してはいけません。

 民主党の菅政権が該当する政令を出さない理由は、パチンコチェーンストア協会がパチンコホール5団体による「屋外広告塔等の終日消灯合意」から離脱したことで見えてくるように思います。

 むろん、この協会は自民党や公明党(=創価学会)所属の国会議員との関係を大切にしてきましたが、現政権で電力行政に関する海江田万里経済産業相と池田元久副経産相、中山義活経産政務官の民主党所属3氏は、皆パチンコチェーンストア協会の政治分野アドバイザーです。

 経済活動そのものの萎縮は避けねばなりませんが、真正保守政策研究所が研究会員の安否を確認している最中、寄せられたお声の中に「今は街灯くらいしか点いていないのに、パチンコ屋さんだけが煌々と電力を無駄遣いしていた」というご指摘を頂戴していました。

 すべての経営者がそのような神経だとは思いませんし、例えば渋谷駅前のパチンコ屋さんが電飾を消灯していたという別の話も聞いていますが、政令を出さないからこのような要らぬ誤解を招くのです。

 まして福島第1原子力発電所の放射性物質漏れ事故は、非常事態宣言を出して対応しなければならない事案に違いありません。

 何度も申しますが、大きく手を打って安全を確認、確保していくはずを、最初から「直ちに健康被害はありません」を繰り返し、結局「400ミリシーベルト毎時を観測しました」と言った菅政権の対応は、今後とてつもない禍根を遺しかねないのです。

 では、なぜ民国連立政権は非常事態宣言を出さないのでしょうか。まさか、それが「大東亜戦争後2度目の異例」と報じられたくはないからなのでしょうか。

 1度目は昭和23年4月14日から26日にかけて、当時の占領統治下でGHQによって布告されています。大阪府と兵庫県で、GHQ指令に基づく文部省(当時)の朝鮮学校閉鎖通達に従うほかなかった各都道府県に対し、日本共産党と在日朝鮮人が起こした民族教育闘争に出されたものでした。

 これは「阪神教育事件」と呼ばれ、ご存知の方もおられるかと思いますが、ついには共産党員や在日朝鮮人から計7400人以上もの(公安資料による)逮捕者を出した騒乱事件で、大阪府庁や兵庫県庁への乱入、周辺の破壊活動を止めるには、非常事態宣言を発令するしかなかったようです。

 よもや民主党は、これと同列に語られて事件が思い出されることを避けようと、出すべき宣言を出さずに適切な対応すらしていないのかもしれません。

 阪神教育事件は、各都道府県庁に大きな心的外傷を負わせ、今日に至るまで教育行政を歪ませてきた一因とも言えますが、過言を承知で申しますと、政権それ自体が極左の手に墜ちれば、今回のような現象をも巻き起こすのかもしれません。

火事場泥棒は国内外に…

皇紀2671年(平成23年)4月5日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110401/plc11040120510032-n1.htm
 ▲産經新聞:今度は航空機が異常接近 中国国家海洋局、3月以降3度目
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110330/kor11033008490001-n1.htm
 ▲産經新聞:韓国、竹島不法占拠を強化へ 「震災支援とは別」日本の教科書検定へ対抗
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011040401001111.html
 ▲東京新聞:韓国、竹島の海洋基地建設に着手 今月中にも

 先月29日記事で、13日記事以来ここで警告してきたことが露中両国によって現実化していることを取り上げましたが、中共国家海洋局は1日午後にも再び海上自衛隊の護衛艦に、今度は航空機を異常接近させました。

 東日本大震災の発生で、菅政権の無能ぶりが誰の目に見ても明らかなほど露呈されたことは、かくのごとく他国の暴挙を加速させるのです。

 特に露中韓との友好をことのほか唱えてきた人たちにとっては、いかにもわが国政府の国防力が著しく低下した時ほど、その願望から現実を遠のかせるのだと知らねばなりません。

 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_seigan.htm
 ▲衆議院:第177国会 請願の一覧(法務委員会の一覧を参照)
 http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000711104020001
 ▲朝日新聞:大震災で考える マイタウン山梨

 今国会の衆議院請願314番に、社民党の阿部知子代議士が提出した「外国人住民基本法の制定に関する請願」とあります。

 また、山梨外国人人権ネットワーク・オアシスの山崎俊二事務局長が朝日新聞に寄稿した内容を拝読しますと、なぜか被災者に対する「頑張れ、日本」の掛け声すら「頑張れ、日本人」を意味する外国人排外主義になるのだそうです。

 被災地には多くの外国籍の人々がおり、中でも中共人留学生や職業訓練生らが救援物資の運び込みなどを手伝ったという話を聞きました。四川大地震に対するわが国の救援活動への謝意を表し、被災者を助けようとする中共人もいたそうです。

 どこの誰が外国人を排斥したのでしょうか。そのような論調で、仮にも日本人被災者と外国人被災者を差別化しているという話など聞いたことがありません。

 むしろこの国難を悪用するように、国籍意識を混乱させ、破壊してしまうような政治運動を呼びかけ、国会議員がそのような請願を出していることこそが、無用な外国人(明確にするならば中共・韓国・朝鮮人)に対する憎悪の種を巻き散らしているのです。

 請願の採決阻止にご協力下さい。大震災の被害から国民を守ろう、という意識の欠片もない連中が語る「人権」ほど大嘘で偽物であるものはない。

われらの怒りの矛先を

皇紀2671年(平成23年)4月4日

 http://www.asahi.com/national/update/0403/TKY201104030075.html
 ▲朝日新聞:皇居侵入容疑で逮捕 大震災政府対応に不満の封書持ち

 東日本大震災に対する政府の対応への不満を数枚もの便箋につづったタクシー運転手さんが、正装して天皇陛下に直訴しようとしたことは、やり方がまずかったために逮捕されてしまったとはいえ、その心情をお察しするに余りあります。

 米国のバラク・オバマ大統領も先月24日づけで、日本政府に対してではなく天皇陛下に御見舞いの親書を送っていました。

 大東亜戦争後の占領統治期に天皇陛下の処刑を策謀しながら、畏れをなして出来なかった米国は、卑劣にも緩やかに皇室を消滅させる仕掛けとしての占領憲法と、その下に位置づけた皇室典範を置き逃げしましたが、オバマ大統領は外交儀礼上世界最高位の天皇陛下に御送りするほか親書の適切な宛先を見つけることが出来なかったのです。

 http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201104030098.html
 ▲朝日新聞:日赤義援金の配分基準、国が策定へ 片山総務相が言及

 ことほど左様に信用ならない政府に、私たちも贈った日本赤十字社の義援金を勝手にいじくり回されたくはありません。基礎自治体が壊滅した市町村はありますが、上位の県庁は青森県から千葉県に至るまで生きているのですから(県庁も信用出来ないが言い出せばきりがないので)彼らと日赤の協議で配分されることを私は望みます。

 何を勝手に菅内閣がしゃしゃり出てくるのでしょうか。いずれにしても、被災した各自治体が義援金を受け取るのはもう少し落ち着いてからになるでしょうから、断じてカネ使いの怪しげな民主党の出番などありません。

 災害対応のあまりの悪さに対する私たちの怒りの矛先は、責任ある政体に向けるのが当然であり、何度も申しますが、福島第1原子力発電所の事故に対しても、東京電力だけが悪いと考えるのは間違っています。

 http://topics.jp.msn.com/wadai/rocketnews24/column.aspx?articleid=548359
 ▲ロケットニュース24:東京電力の寮を取材しようとしたCNNに激怒「やめてくれってんだよ!」
 http://www.youtube.com/watch?v=gftknx0LsBg
 ▲YOUTUBE:Public anger growing against TEPCO – CNN

 改めて申しますが、福島県の佐藤栄佐久前知事が指摘していた通り、歴代内閣と経済産業省(原子力安全・保安院)と東京電力の「三つ巴の無責任」が今回の事故を招いているのです。

 米CNNは一体何を求めて東電社員寮なんぞを取材対象にしたのでしょうか。挙げ句、インターネット上に「東電役員を処刑しよう」などと口汚く書き連ねられたものを肯定的に報じるとは、もはや気でも触れているのかと指弾せずにはいられません。

 「米日」の主従関係にある資源管理者たちは、今回の原発に対する世界的不信の発生責任を、東電にのみ押しつけて事を収めようとしています。東電も何らかの見返りがもらえるのかもしれません。

 民間人をいじめて楽しいですか? 1カ所だけを吊るし上げて自分たちの下手な民主主義が否定されないよう目を瞑るつもりですか? 歴代の政権を担当してきた全ての政治責任を問わずに東電や菅直人首相を私刑(リンチ)にかけても、悲劇は繰り返されるだけです。

 日本の國體(国家の本能)を感じて下さい。そうすれば、今後の原発行政のあるべき姿、自前の資源確保と自立した資源外交の必要性がはっきりと見えてくるはずです。もう大本営発表に「騙された」なんて言いたくなければ、現下の悲劇を無駄にしないよう、後世のために私たちが考えましょう。

「菅内閣大人災」の間違い

皇紀2671年(平成23年)4月3日

 政府は1日、気象庁が命名した東北地方太平洋沖大地震の発生による目下の大災害を「東日本大震災」とするよう閣議決定しましたが、はっきり申し上げて「菅内閣大人災」と呼称するべきでしょう。

 平成7年の阪神淡路大震災でも、一部で「村山内閣大人災」と指摘されることがありましたが、今回は専ら福島第1原子力発電所の事故を巡り、東京電力と原子力安全・保安院、菅内閣の「三つ巴の無策」と申して過言ではありません。

 http://takedanet.com/2011/03/41_70dc.html
 ▲武田邦彦(中部大学):原発 緊急情報(40) これからの福島原発と被曝

 むろん賛否両論はあるでしょうが、私が得て公開してきた情報と、中部大学の武田邦彦教授(元旭化成工業株式会社ウラン濃縮研究所所長)によるこの指摘は、多くの点で一致しています。

 特に「政府やメディアは『もっとも汚染をあびない方が良い時期』に『安全だ』を繰り返したので、『直ちに健康に』という呼びかけはまったく、まずいと思います」という部分は、その通りです。

 http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020166.html
 ▲朝日新聞:放射性物質予測、公表自粛を 気象学会要請に戸惑う会員

 にもかかわらず、日本気象学会はまるで「大本営発表に逆らうな」とでも言わんばかりに、放射性物質の風向きも考慮した大気中拡散の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう、研究会員に通知してしまいました。

 しかし、海外ではすでに予測成果が公表されており、わが国土の太平洋側に放射性物質が拡散していることを警告しています。国際原子力機関(IAEA)による土壌汚染の指摘をも一蹴した菅内閣は、正しい判断をしているのでしょうか。

 http://www.dwd.de/
 ▲独国 交通・建設・都市開発省:Nuclear reactor incidents in Japan(英語版)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011033100027
 ▲時事通信:飯舘村に避難勧告を=IAEA

 政府が情報を公開しないから対応への不信を招くのです。そして、それこそが風評被害を拡大させるのであり、いたずらに恐怖を煽るような広瀬隆氏の発言は問題だと私も思いますが、あるべき対策の方法論から「最初に大きく手を打つ」という意味で警告することを「風説の流布」としたがる政府こそが、風説を流布しているのではないでしょうか。

 http://getnews.jp/archives/105404
 ▲ガジェット通信:広瀬隆氏『ニュースの深層 福島原発事故 メディア報道のあり方』での発言へのいくつかの修正(北村正晴 東北大学名誉教授)

 いわば米国に主導されたわが国の原子力発電に対する賛否(左右)の政治運動によって、安全保障の基本が損なわれるのは厳しく非難されるべきです。そもそも占領憲法の問題を何も言わずに論じていることは、ただ滑稽でしかありません。

 現に福島第1原発より大きな規模の津波被害を受けたはずの宮城県女川原発(東北電力)はまったく問題なく、仮にも原子炉を冷やすために不可欠な電源が失われることもありませんでした。私はまさか「原発反対運動」で退避を呼びかけ続けてきたのではないのです。

 何度も申しますが、元々わが国政府に災害対策マニュアルが存在していないこと、菅内閣が極度に無能であるために対応を間違えていることが、現下の混乱を生み出しています。

 これからのわが国を考える時、土壌と水質の汚染は致命的です。最悪の事態を想定して多くの人々の生命の安全を確保出来るよう、平時より私たちの叡智を結集して、或いは叡智の結集を要求して考えておかなければなりません。それが得意な国ではない、と肝に銘じるところから始めて下さい。