本来「非常事態宣言」だが

皇紀2671年(平成23年)4月6日

 蓮舫節電啓発担当相が東京都の石原慎太郎知事のもとを訪ね、都内の節電協力を要請したのが先月14日のことでしたが、その場で石原都知事が「なぜ政令を出さないのか」と問うたのに対し、彼女は何も答えられませんでした。

 私もこれ以来、政府関係者に「出さねばならない政令は出すように」とお願いしてきましたが、力及びませず、民間の東京電力による計画停電(輪番停電)に頼るばかりです。

 石原都知事の日頃からの高圧的な物言いに、私も多少なりとも反感を抱いたことはありましたが、四の五の言っても、緊急時に適切な対応が出来る政治家の提案を無視してはいけません。

 民主党の菅政権が該当する政令を出さない理由は、パチンコチェーンストア協会がパチンコホール5団体による「屋外広告塔等の終日消灯合意」から離脱したことで見えてくるように思います。

 むろん、この協会は自民党や公明党(=創価学会)所属の国会議員との関係を大切にしてきましたが、現政権で電力行政に関する海江田万里経済産業相と池田元久副経産相、中山義活経産政務官の民主党所属3氏は、皆パチンコチェーンストア協会の政治分野アドバイザーです。

 経済活動そのものの萎縮は避けねばなりませんが、真正保守政策研究所が研究会員の安否を確認している最中、寄せられたお声の中に「今は街灯くらいしか点いていないのに、パチンコ屋さんだけが煌々と電力を無駄遣いしていた」というご指摘を頂戴していました。

 すべての経営者がそのような神経だとは思いませんし、例えば渋谷駅前のパチンコ屋さんが電飾を消灯していたという別の話も聞いていますが、政令を出さないからこのような要らぬ誤解を招くのです。

 まして福島第1原子力発電所の放射性物質漏れ事故は、非常事態宣言を出して対応しなければならない事案に違いありません。

 何度も申しますが、大きく手を打って安全を確認、確保していくはずを、最初から「直ちに健康被害はありません」を繰り返し、結局「400ミリシーベルト毎時を観測しました」と言った菅政権の対応は、今後とてつもない禍根を遺しかねないのです。

 では、なぜ民国連立政権は非常事態宣言を出さないのでしょうか。まさか、それが「大東亜戦争後2度目の異例」と報じられたくはないからなのでしょうか。

 1度目は昭和23年4月14日から26日にかけて、当時の占領統治下でGHQによって布告されています。大阪府と兵庫県で、GHQ指令に基づく文部省(当時)の朝鮮学校閉鎖通達に従うほかなかった各都道府県に対し、日本共産党と在日朝鮮人が起こした民族教育闘争に出されたものでした。

 これは「阪神教育事件」と呼ばれ、ご存知の方もおられるかと思いますが、ついには共産党員や在日朝鮮人から計7400人以上もの(公安資料による)逮捕者を出した騒乱事件で、大阪府庁や兵庫県庁への乱入、周辺の破壊活動を止めるには、非常事態宣言を発令するしかなかったようです。

 よもや民主党は、これと同列に語られて事件が思い出されることを避けようと、出すべき宣言を出さずに適切な対応すらしていないのかもしれません。

 阪神教育事件は、各都道府県庁に大きな心的外傷を負わせ、今日に至るまで教育行政を歪ませてきた一因とも言えますが、過言を承知で申しますと、政権それ自体が極左の手に墜ちれば、今回のような現象をも巻き起こすのかもしれません。

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『本来「非常事態宣言」だが』に1件のコメント

  1. さき:

    政府や官僚より、都知事のほうが頼りになりますね。
    高齢で大変でしょうがもう一期頑張ってほしい。
    都知事選は石原さんを応援します!