日米英vs欧露中の構図

皇紀2672年(平成24年)9月18日

 ※ 本日は十五日記事で「つぶやいた」ことの本題をきちんと論じ直します。

 中共国内で発生している「反日」デモは十六、十七日に過去最大規模となりました。わが国企業のみならず欧米企業の店舗に至るまでほとんどが破壊と略奪の対象であり、百貨店や工場が軒並み営業・操業停止に追い込まれた結果、現地採用の中共人従業員は下手をすればこのまま職を失います。

 一方「もともと職のない暇な人たちが暴れているだけで迷惑だ」との中共人による指摘もあり、広東省深圳市では共産党委員会の建物までもが襲撃されました。

 これらの暴動がいわゆる「官製デモ」であるとの分析は一部で間違いありませんが、少なからず誤算があったとも言えるでしょう。しかもそれは目下激しい権力闘争の最中である共産党指導部にとってではありません。欧州の金融家たちと露国政府にとってです。

 私は何度も「露中韓による日米包囲」が始まったと申してまいりました。軍事的実体を有する米韓同盟をもってしても日米との通貨交換だけではもたなくなった韓国が中共に頼り、露中はまず韓国をけしかけて大統領に島根県隠岐郡隠岐の島町竹島へ(一年前は米国の横槍で実現しなかったが)不法上陸させました。これはドミートリー・メドヴェージェフ首相と同じ手法です。

 ウラジーミル・プーチン大統領が中共政府を信用しているとはまったく思えませんが、英米への対抗のためであれば「莫迦とも手を組む」ことを恐れていません。その利害はユーロ危機を迎えた欧州の金融家たちと一致しているのです。

 韓国債を盧国(ルクセンブルク)や瑞国(スイス)、諾国(ノルウェー)が桁違いに買い支えていることは以前にも申しましたが、彼らが本来財政破綻寸前の韓国に投資するのはそれだけの価値を見出しているからというよりも価値の創出を計略してのことでしょう。

 それはまさに「東亜の混乱による特需効果」であり、中韓がわが国との関係を悪化させることによる混乱は彼らの背後にあるソブリン危機にあえいだ欧州大陸圏(必ずしもユーロ公式使用国に限らない)の利益になります。阿州北部と中東で起きた「革命ごっこ」に武器弾薬を提供したのは英米だとも申してまいりましたが、現在回教徒たちを煽って米国大使館を襲撃させ英王族の殺害を予告させているのは英国以外の(名指しは控えるが)金融家たちです。つまり今回の混乱の創出はどうも英米資本主導ではないようなのです。

 これまた何度も指摘してきましたように、仏国や独国、墺国、瑞国人らからすれば英国は「欧州のはずれ」という意識があり、そのくせ英米資本から瑞国の金融構造そのものが攻撃の対象にされてきたことと今回の件は無縁ではありません。また昨今は多国籍企業がレマン湖周辺に拠点を設けてきましたが、特に仏独からこれらに対する処置を瑞政府に求める圧力が強まっています。英米資本が欧州の真ん中に入り込んでいることを良しとしないからです。いや、この動きそのものが英米資本に騙されて「瑞国潰し」に加担してしまっていると言えるかもしれません。

 露プーチン政権は「漁夫の利」を得ようとしていますが、彼らの誤算はいわゆる「中共人の民度の低さ」でした。中共が収束不能の混乱に陥って現体制から何らかの形で変化すれば情勢も変わってしまうのであり、欧州各国もまた歴史的に露国を決して「仲間」だとは思っていません。彼らの連合はあまりにも脆弱なのです。まして韓国をはじめ後進国へのカネの影響力が中共へシフトしたのを見て、これから必ず米国は反撃に出ます。その時彼らはどうなるのでしょうか。

 これまで申してきたことはあくまで一予測に過ぎませんが、資本主義がいかに各国の国体(継承された国家存続の本能)をいとも簡単に壊し、国家をただの「容れ物」にするものかお分かりになるでしょう。わが国は六十年以上も米軍による占領憲法(日本国憲法)体制で外交工作もできずにきたのであり、米国の保護国扱いで一方的に英米資本と欧州資本や露中の思惑に振り回されてきました。

 それが「平和」と誤魔化された占領憲法体制で起きる私たちの災厄であっても、座して死を待たなければならないのでしょうか。仮にもこれだけの情報があっても何もできない政府を私たちはただ眺めるだけでよいのでしょうか。

 連合国(俗称=国際連合)の事務総長が歴代最悪評価の韓国人であるうちに、常任理事国どうしで勝手なことをやりまくっています。実は天皇陛下がおわすおかげでわが国はそう簡単に潰されない(現に「天皇制打倒」の過大評価が韓国大統領の命取りになった)のですが、米国と共に政治経済的には抹殺されかかっているのです。

 わが国が占領憲法から「おさらば」して自立しなければ、米国は反転しても私たちは「日米同盟」が幻影だったと思い知らされて最貧国化するかもしれません。それは太平洋防衛において米国の利益にもならないでしょう。しかしながらこの流れに「抗し得ない」と嘆き、のちに「騙された」と落胆するくらいなら今立ち上がるべきです。

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ユニクロは日本企業でない

皇紀2672年(平成24年)9月17日

 http://media.yucasee.jp/posts/index/12021
 ▲ゆかしメディア:上海ユニクロ「尖閣中国固有領土」でカムフラ

 中共各地で「反日」破壊活動(テロリズム)が盛んになり、日本人というだけで中共人民に暴力を振るわれ始めた中、進出した日本企業が各自防衛に苦心しています。

 上海に店舗を構えるユニクロでは「支持釣魚島是中国固有領土(尖閣諸島は中共固有の領土であるということを支持します)」と書いた紙まで店頭に貼り始めました。改めて申しますが、尖閣諸島は沖縄県石垣市です。

 このことをもって「ユニクロは日本企業ではない」「売国守銭奴だ」と批判するつもりはありません。彼らは「ユニクロはけしからん、と怒る人がうちの店を守ってくれますか」とでも言いたいのでしょう。そもそもわが国政府が領土を守れなかったからいまだにこの混乱を創出し、結果として店も守れなくなってしまったのです。だから「領土は守りきれ」と何年も前から主張してきたのに、という想いが私たちにはあります。

 ではユニクロというファストファッション企業に何か他の問題があるでしょうか。

 わが国の企業経営には特別な哲学があって、松下幸之助氏のみならず「社員従業員の暮らしは企業の責任」という考えがありました。ですから会社は間違いなく経営者と社員従業員と顧客のものだったのです。

 ところが、新自由主義経済を有難がった小泉・竹中政権の頃から会社は株主のものだと言い始める輩が現れ、人間よりも「人間が考え出した或る種のシステム」こそ重要視され始めました。それが資本主義の非人間性をいみじくも暴露したのです。

 そうなりますと企業が国を選ぶようになり、企業の利益と国民の利益が一致しなくなります。いわゆる「グローバル化」の正体は国民経済の萎縮、そして崩壊を促進する猛毒でした。

 ユニクロは日本企業であることをすでにやめた会社です。楽天などもそうでしょう。米国内に本社があるからといって必ずしも米国企業とは呼べずに多国籍企業であるのと同じであり、私たちもそのような有様をそうであると認めなければなりません。

 ということは、ユニクロをわが国政府が保護する必要はないかもしれません。経営者個人がどれほど納税の義務を果たしているかという問題とは別に、もはやわが国を選ばなくなった企業は結局どの国からも守られないことを知らねばなりません。だからこそ多国籍企業の先駆者たちは使える手は犯罪も含めて全部使って自らを守ってきましたが、「元日本企業」にその知恵がないことをこの貼り紙がもう表してしまっています。

 何度でも申しますが、ファストファッション全盛期はもうおしまいです。

「ブランド」の終わり

皇紀2672年(平成24年)9月16日

【コラム】

「高いものは売れない」という「デフレ根性」って言いますかね、
 そういうものがわが国の不景気の正体なんじゃないか、と。

 わが国の経済が巧く回っていた頃は、高級車のみならずファッション分野における欧州のブランド品もよく売れた。ルイ・ヴィトンやプラダ、シャネルやエルメスなどで財布や鞄などを購入することが「きれいなカネの使い道」だったのである。

 ところが、いわゆる「デフレ不況」に陥って購買力が落ちてからというもの、私たちのブランドに対する考え方も変わってしまった。というか買い物に対してシビアになったわけよ。

 まぁ自動車はそもそもわが国の交通法規を無視した「左ハンドル車」なんぞ乗るもんじゃありませんがね、トヨタや日産にありがちな車体デザインのつまらなさから、いまだにフェラーリだポルシェだベントレーだって人はいる。

 宝飾品でも百貨店の外商は今でも売りまくっていて、つまり買う人がいるわけね。特にすごいのが高島屋と西武。昔ながらの名家を顧客にしてきた高島屋と三越は外商で生き残ってきましたが、バイヤーの目利きというかトンデモナイ品でもすぐに製造元から持ってこさせる力はさすがである。

 一方の西武は、こう言っては何ですが「一代成金」をしっかりつかんできた。某ベッド屋さんの社長なんかが外商の持ってきた品の、しかも二億や三億のものをポンポン買っていく。店頭販売が駄目でもこうして百貨店は稼いできた、と。百貨店ってのはもうほとんど内需依存ですから、ここの業態を調査するとわが国で起きていることの一端がよく見えるわけね。

 そんな西武こそが主要な海外ブランドの日本代理店となった先駆けで、もう昭和五十年代の西武の広告なんぞ、そりゃ尖ってましたよ。私は大学の専攻が映像広告だったおかげで、この頃のコピーライトやグラフィックデザインは一通り目を通してきましたが、見る人にちゃんとイメージを与えている。

 ブランドの語源こそ「他との差別化」であり「希少性」の記号だったので、そのイメージこそがブランドの支えであり、ブランド品は高級感のあるショップで買うものだった。いろんな百貨店が店舗面積を埋めるために入居させるようになって、売れなくなり始めるまではね……。

 ヴィトンやプラダがこちらの購買意欲をそそらなくなったのは、世界各国で売れるからといって大量生産を始めたからだ。あちこちにショップがあって、店員たちも感じはよい。でもね、私が最も行きたくないブランドショップは、実はエルメス。

 なぜかって? エルメスは売れに売れても絶対に職人による手作りを壊さなかったから、欲しけりゃ待て、と。そもそもそれ以前に私なんぞが店に入ろうとすると「場違いだから帰れ」とでも言わんばかりの店員の態度ね。あれ、パリの本店はもっときつい。

 しかしこれがブランドのイメージを守り、ブランドそのものを守ってきた。だからバーキンの新作は半年待ちでも買う人が絶えない。エルメスの経営方針は見上げたものです。目下のわが国を覆った「高いものは売れない」という「デフレ根性」って言いますかね、買う側より売る側のそういうものがわが国の不景気の正体なんじゃないか、と。エルメスを見ていると、フランス人がよく言う「私たちがよいと思うものは世界中がよいと思うに決まっている」という自立した誇りそのものを感じる。

 安価なファストファッションの需要はまた別にあるとしても、労働者を安い賃金で働かせ、大量生産して国境を無視していくという新自由主義が最後に笑うなんてとても思えない。むしろ彼らは自ら経済規模を縮めて自滅していくだろう。エルメスはその逆の好例だ。

 文=遠藤健太郎 (真正保守政策研究所代表 大阪芸術大学元副手)

あー、そういうことですか

皇紀2672年(平成24年)9月15日

【週末のつぶやき】

一 尖閣と政局

 下品な表現にはなりますがね、今回の自民党総裁選「裏のテーマ」は長州の「ハラクダシ」と「チャッカリデブ」(注 複数の自民党所属議員が実際に用いた表現)の闘い。つまり、決選投票で石破茂元防衛相につく安倍晋三元首相が勝つか、石原伸晃幹事長につく林芳正政調会長代理が勝つか、である。両者は絶対に一歩も引かない。

 石原幹事長が総裁になれば民自公連立政権はありうる。すなわち次期首相は石原幹事長だ。そして約十五億円の「尖閣募金」はその時はじめて政府に渡る。国有化は悪くないという算段。ならば石原内閣が魚釣島に施設を造らなければならない。私たちはそれを強く求め、受け入れられなければ倒閣に追い込むだけだ。

二 中華人民共和国

 先月から警告してきたように、やはり中共国内で日本人が暴力を振るわれ始めた。すでに犠牲者が出ている。日本テレビのドラマ撮影組も十二日午前、香港で「日本人は撮影するな」といって襲われた。もう一度申しますが日本企業は駐在員に即時帰国を命じてください。日本大使や外務官僚ですらすでに暴力を振るわれている。

 日本大使館はまたもや襲撃されるかもしれないが、回教徒たちの怒りを買ったために米国大使館も危険な状態にある。これからは英国大使館も狙われるだろう。決して狙われないのが露国大使館と中共大使館、韓国大使館らであり、もうこうなったら「襲撃されてナンボ」くらいに政府は構えておくべきだ。

 問題は国内にもある。以前から申してきたように中共は「人民総動員」の法(国防動員法)を持っている。在日中共人民も総武装蜂起の命令下におかれるのであり、人民解放軍が壮絶な権力闘争の中で暴走すれば私たちの街で今後何が起きるかわからない。

三 量的緩和と円高

 米連邦準備理事会(FRB)が新たな量的緩和を決断した。しかも住宅ローン担保証券を無期限に購入するという。米国内の物価上昇(インフレーション)はもう滅茶苦茶で、オバマ民主党政権の政策だけでは雇用の改善を見込めない。

 十八、十九日に日本銀行が開く金融政策決定会合では、恐らく小幅の追加緩和が決定される。わが国が法的(憲法)において自立していれば円高対策は大胆に行なわれて然るべきだが、米国のこの決定を受けて小幅にしかやれないだろう。

 日本企業はその規模を問わず製品を輸出していれば為替差で相当の損を被っている。これを埋める気のない政府と日銀こそが私たちの経済活動を阻害しているのだ。

【お詫び】
 上記「つぶやき」の注意書きのついた表現について、実際に掲載した判断は間違いでした。不適切であり、お詫びします。

これが中共の対日意識

皇紀2672年(平成24年)9月14日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/120912/chn120912……
 ▲産経新聞:頭押さえつけ取材対応を妨害 中国公安当局

 外務省の杉山晋輔亜細亜大洋州局長は十二日、北京で中共外交部の羅照輝局長らと会談した後、市内のホテル前で報道陣に取材対応しようとしたところ、現地の公安当局などに頭を押さえつけられ車に押し込まれて妨害されました。

 これが中共の私たち日本人に対する基本的態度です。決して大げさには申しておりません。

 私たちにとって外務官僚がどのような存在かを定義する以前に、わが国政府を代表して協議に当たっている日本人を自分たちの職員でもないのに頭を押さえつけてまで何もしゃべらせないようにできるということは、日ごろより中共がわが国そのものを軽んじている証左です。

 これはただごとではありません。例えば英外務省や米国務省の職員であれば間違いなく同じ目に遭わされることはないでしょう。もしも同じ目に遭わされれば、必ず中共は英米の激烈な抗議にさらされます。

 中共外交部が日本大使館に行政命令(今回は取材対応の禁止)のようなものを下す権利はなく、要請なら分かりますが、彼らは公安に妨害を命じて実行したのであり、要請だったとの言い訳はもう通用せず、韓国外交通商省が野田佳彦首相の親書をつき返したのと同じく「宣戦布告前夜」の様相を呈し始めました。

 何度でも申しますが、露中韓は「日米包囲」の謀略を実行に移しているのであり、その実験台に利用されたのが韓国です。つまり主導しているのは露中ですから、北方領土交渉ももうすでに「わが国がなめられた状態」から始まります。

 来月から赴任予定だった西宮伸一駐北京大使が東京都渋谷区松涛の路上で突然倒れて心肺停止、意識不明の重体にありますが、一日も早いご回復をお祈りすると同時に、まさか「それほど中共大使がお嫌でしたか」と申すほかありません。

 さらに、習近平次期国家主席(予定)が十日以上ものあいだ行方不明だという情報が入りました。胡錦濤国家主席と人民解放軍、上海閥らそれぞれの権力闘争が過去まれに見るほどの規模で激化しているとみてほぼ間違いありません。体制の危機です。

 彼らを懐柔することは絶対に想定してはいけませんが、彼らの混乱を利用する手はいくらでもあります。日米が共闘して露中韓の策謀を断念させることもできますが、ただ占領憲法(日本国憲法)ではどうにもなりません。だからわが国は米国政府に無効確認の事前情報を流し、それが日米の利益にどう繋がるかを説明すればよいのです。

 それこそが大日本帝國憲法の現存確認によってできる本物の外交ではありませんか。もしこれをやらなくてもよいと言うのなら、わが国の領土・領海はズタズタに引き裂かれ、太平洋防衛戦略に穴ができて米軍も自国を守れなくなるでしょう。実は中共が「反日デモ」を大きく取り上げれば取り上げるほど、それは彼らの混乱の隙をつくことができる絶好の機会という記号なのです。