中共の動きは日米離間工作

皇紀2673年(平成25年)12月4日

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013120200724
 ▲時事通信:防空圏拡大、結論を延期=米副大統領の歴訪見極め-韓国

 韓国政府は二日、管轄権を主張する蘇岩礁(韓国名=離於島)上空を含むよう防空識別圏の拡大案を決定するべく三日に予定していた協議を、延期すると発表しました。彼らは、二日から七日までのジョー・バイデン副大統領の日韓中歴訪の様子を見てから決めることにしたようです。

 ただ、既に米政府は韓国政府の目論見を認めない方針でありながら、安倍晋三首相とバイデン副大統領の三日の会談では、中共が東支那海に設定した識別圏の撤回を求めるには至りません

 中共外交部の洪磊報道官はこの前日、米国の航空大手三社が国務省主導で飛行計画(フライト・プラン)を中共側に提出してしまったことを「建設的な態度だ」と評価し、「日本は悪意ある喧伝をやめ、わが国と共に秩序と安全を守るべきだ」などと非難、しかしながら日米両国に対して「あれこれ言う資格はない」と述べました。

 共産党人民解放軍に突き上げられてきた北京政府ではありますが、彼らの言葉の中に日米中韓が置かれている状況を明示しているものがあります。それは、米中の今なお続く「G2」関係と、対米同盟の名の下に弄ばれる韓国と占領憲法国家(日本国憲法下のわが国)の哀しき実態です。

 日米関係を取材し続けてきた方から「中共が識別圏設定に出た原因は、何もしないバラク・オバマ大統領と対中迎合のジョン・ケリー国務長官のせいだが、スーザン・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官の存在が最大だ」との意見をいただきました。

 確かにこの指摘は政府内にもあるようで、ライス補佐官が十一月二十一日、突如「G2」の検討を口にしたため、人民解放軍は余裕を手にしたとの見方があり、識別圏設定はその三日後に中共国防部が発表しています。

 しかし、この「G2(米中による新しい大国関係)」という言葉は、決して中共が創り出したものではありません。米国内で既に使われていた言葉であり、そのことは国家安全保障会議(NSC)のエバン・メデイロス亜州上級部長も認めています。

 すなわち米政府内にこの検討を真剣にしてきた経緯があり、米中が手を組めば在日米軍の存在意義は殆ど低下するでしょう。米政府の外交方針は一貫しませんが、彼らから見てわが国の方針も、民主党政権の誕生と自公連立政権への揺り戻しで一貫しておらず、日本列島から米軍をつまみ出そうとした鳩山由紀夫元首相のような政権を想定する必要が出てきたのです。

 かと言って安倍首相は米国にとって、諸手を挙げて賛同出来る為政者ではありません。米政府内には、彼のことを本気で「極右の歴史修正主義者」とする見方があり、よって安倍首相の動きを牽制するためには米中の連携を断ち切れないのです。

 ところが、わが国が欧州、特に英国との同盟関係を再構築していれば、米国を日英で挟み撃ちにすると脅して東亜の混乱を押さえ込めたはずが、占領憲法の無効確認さえ済ませていないがために交戦権もなく、日英同盟は築けません。だから私は日欧関係は今後ますます重要だと申してきましたが、英国にとっても現下のような日本との同盟になど何の価値も見出せないのです。

 中共は米政府内の親中派に、いわば日米の離間を働きかけてきました。彼らは出方を間違えて各国から非難されてしまいましたが、国務省の動きを見て安心しています。そして、やはり日本を叩くことは出来るという手ごたえを感じているでしょう。

 何度も申しますが私たちは、識別圏内の飛行侵入を確認する能力がない人民解放軍と、爆撃機を飛ばした米軍を見て安堵している場合ではありません。非自立のままでは日米関係を維持しきれなくなり始めたのです。

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『中共の動きは日米離間工作』に2件のコメント

  1. *:

    Watch 青山繁晴「パンダハガー」 米国中枢の裏切り 12.04

    恐るべし 中国ロビー

    http://www.nicovideo.jp/watch/sm22386601

  2. ゆき:

    朝日のニュースステ-ションを見ていると、中国と日本に対して米国は二枚舌を使っていると思う。日本では韓国のことばかり話題に載せる傾向にあるが、中国に比べると些細なことで、中国の動向はこれから日本を無視し、勝手な振る舞いを太平洋地域で行うのではないか。防空識別で日本や米国は試されているのだろう。国内ではウイグルの土地収奪、チベットの宗教弾圧、農民から土地収奪などで騒乱が多いと聞く、とてもまともな国家とは思えないが、実際はどうなんだろう。学者が御用ばかりの意気地なしでは、全く中国という国が見えてこない。イラクはシーア派のイランに取り込まれてしまった。米国の存在感は薄れている。これを中国が見逃すはずがない。それにしても
    秘密保護法案で官僚が何を隠そうとしているのか、不気味な時代になってきたものだ。