皇紀2676年(平成28年)5月25日
トルコ(土国)の新首相が二十四日、決まりました。経緯は八日記事で申した通り、やはり自身の権力拡大を目論むレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の側近であるビナリ・ユルドゥルム運輸海事通信相が与党・正義発展党(AK党)党首になり、新首相に任命されました。
日土関係は従前通り、歴史的友好を保ったままでよいのですが、彼らが何かやらかす度にわが国の態度の示し方が難しくなっていくことが予想されます。それほど土国の動向が世界に与える影響は、騒がしさとともに拡大するでしょう。
友好関係との切り離し方をうまくしないと、必ずわが国も面倒なことになります。
http://news.mynavi.jp/news/2016/05/23/339/
▲マイナビニュース:実質賃金、5年連続マイナス – 物価上昇に追いつけず
http://www.sankei.com/economy/news/160524/ecn160524……
▲産經新聞:2015年末の対外純資産は339兆円 5年ぶり減少も世界最大
さて、いよいよ明日から主要七か国首脳会談(G7伊勢志摩サミット)が始まりますが、今回ほど私たちの暮らしに直結するような問題を安倍晋三首相が提起しようとしていることもないにもかかわらず報道各社は、その脇にある「警備の方法」や「警備に対する市民の反応」ばかりを取り上げています。
むろん各地から応援要員をかき集めて対応する警察をはじめ、最高レヴェルの警備に当たられる全ての方がたに敬意を表し、国民の一人として協力するつもりですが、議長国のわが国が世界一の債権国という優位を維持しながらデフレーション(給与・物価下落)から今なお脱却できないでいる現実を、私たち自身が正しく認識できているでしょうか。
債権と債務の違いも説明できない自称・経済評論家が情報番組などで出鱈目なことを言うものですから、日本国民の「人件費」としての値打ちまで下がり始め、もう決してわが国が世界の中で「高い国」ではなくなっているのです。
あれよあれよという間に、韓国よりも最低賃金が低い(OECD調べ)有り様で、それはすなわちいわゆる「失われた二十年」のうちに経済が弱くなったということに他なりません。安倍首相がやろうとしていることは、これを取り返すための財政出動であり、サミットの主題の一つです。
しかし、英独仏伊がわが国の要請に応えられないでしょうから、欧州経済が弱めに転じるのを回避できず、良い成果は得られないでしょう。だからこそわが国は、露国との連携という講和発効後の計画から逃げてはならず、要点は安倍首相の対露経済協力実施のタイミングに移っています。
日露平和条約締結による領土問題解決を棚上げにして経済協力を前倒しすることはありえず、首相が判断を誤らないよう私たちが注視しなくてはなりません。
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皇紀2676年(平成28年)5月24日
十一日記事で指摘した墺国(オーストリア)大統領選挙の決選投票は二十三日、即日開票で得票率が拮抗したため郵送票集計までもつれこんだ結果、難民・移民政策に反対している自由党のノルベルト・ホーファー国民議会(下院)第三議長が落選しました。
……と申してしまって大丈夫でしょうか。実はまだ分からない(日本時間二十三日午後十一時ごろ)のですが、現地最新情報で「アレキサンダー・バン・デ・ベレン候補が逃げ切る」というので、極右政権誕生の欧州連合(EU)危機をぎりぎり回避したと申しておきます。
仮にホーファー大統領になっていたならば、まさに独国のアンゲラ・メルケル首相が放った矢によってEUが目に見えて瓦解を始めるところでした。しかしながら難民・移民受け入れの許容を超えた無理を通すと、国民の道理が急進的に突出するのです。
よってこれほど自由党が僅差にまで食い込んだということは、まだEU瓦解の危機は去っていないと考えるべきでしょう。露国の工作が続きます。
http://www.sankei.com/west/news/160522/wst160522……
▲産經新聞:二階俊博総務会長の長男、御坊市長選で落選、絶大権勢に影響か
さて、ここでは申しませんでしたが、自民党の二階俊博総務会長の長男である俊樹氏は、父親の政策秘書を務めているころから既に評判が悪く、会長自身が衆議院和歌山三区の後継者にはとてもなれないと判断して御坊市長にでも据えるしかないと謀ったほどでした。
私に応援の意思が少しでもあれば先にここで申したのですが、周囲からの問い合わせに「ほぼ間違いなく落選する。それほど地元でも本人が莫迦とバレている」と答える程度で、危機意識を拡大共有して当選を目指す意図などさらさらなかったのです。
そして、事前予測通り現職の柏木征夫候補が再選されたのですが、柏木氏もまた、二階会長にかつて政界に誘われ市長になった人物で、氏にしてみれば会長に裏切られた選挙でした。このようなことを地元のみならず和歌山市(和歌山一区)などでも繰り返してきたからには、いよいよ本人が当選できなくなるでしょう。
ということは、やはりこういうことになる(動画)と思います。党総務会長が転落した与党は、とても強気には出られません。
二階会長は、定員を集めるにも苦労した訪中時に親書を預かるという恩を受けた安倍晋三首相にますます頭が上がらなくなり、衆参同日選だけは「勘弁してください」と頭を下げることになるでしょう。
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皇紀2676年(平成28年)5月23日
わが国では、それほど大きな問題と受け止められていないことが実は、大変なことになっているという典型例が本日申し上げる二つの事件です。
http://www.sankei.com/world/news/160506/wor160506……
▲産經新聞:クリントン氏の事情聴取へ 「アキレス腱」のメール問題でFBI 側近ら関係者すでに聴取
まず、民主党のヒラリー・クリントン元国務長官が起こしたいわゆる「私的メール流用問題」。彼女個人のメールアカウントを公務で使ったことの何が大問題かと申しますと、送信した相手とその内容です。
つまりクリントン女史が、国務長官時代に外交機密を漏らしてはならない相手に垂れ流したらしいことが判明しています。次期大統領候補として指名確実とされながも苦戦が際立っている原因は、これに他なりません。
もし彼女が共和党候補と本選を争うことになれば、間違いなく米国民は、その間ずっと外交機密を他国に漏らしたという国家的犯罪の実態を聞かされ続けることになります。米司法当局の動きにも注目です。
だからこそ悪夢と言われる「ドナルド・トランプ大統領」の可能性に向けて各国が動き始めた(日本も……三月三日記事参照)と申してよいでしょう。米国は、今しばらく史上初女性大統領の誕生を祝うことができないかもしれません。
http://www.afpbb.com/articles/-/3075331
▲AFP:13歳少女、移民による「レイプ」被害は事実無根 独当局
そしてもっと深刻なのが、独国内で起きた難民絡みの犯罪を巡る独国と露国の対立です。昨年末から独西部ノルトライン=ヴェストファーレン州ケルンなどで発生した中東・北阿からの難民たちによる集団強姦事件をベースに、露国系独国人の女生徒が難民に強姦されたと虚言を弄した事件は、実のところ現在に至るまで独露関係をこじらせています。
独国のアンゲラ・メルケル首相は、長らく露国のウラジーミル・プーチン大統領を慕っていると言われてきましたが、難民対応でしくじった独国の失点を捉えて露国が欧州政治・経済の主導権を握ろうとしているようです。
安倍晋三首相の財政出動要請にも首を縦に振れなかったメルケル首相は、十一日記事で申した欧州政治の大混乱を招いて全く余裕を失っており、環境先進国と言われた独国主導の欧州連合(EU)がまさかの「パリ協定」批准も困難な事態に堕ちています。
このままでは、英国がEU脱退に踏み切る国民的判断を回避できないかもしれず、露国がそうなるよう工作していてもおかしくありません。少なくとももはや独国主導の地位が揺らいでいるのは確かで、日本政府はそれを念頭に首脳会議を済ませ、日露講和交渉にあたるべし。
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皇紀2676年(平成28年)5月22日
http://www.sankei.com/world/news/160519/wor160519……
▲産經新聞:米FB、偏向疑惑で「炎上」 「保守系ニュースもみ消し」に「中立」と弁解 ザッカーバーグ氏は火消しに躍起
わが国の放送法には、政治的公平性が明記されていますが、米国にはそれに該当する法がないため、視聴率を稼げる次期大統領候補のドナルド・トランプ氏(共和党予定)の演説が多用されています。
しかし、インターネット上は違ったようです。むしろ共和党に関するニュースが意図的にもみ消されるという疑惑が浮上し、わが国では保守系報道がもみ消され(放送法に抵触し)、インターネット上にあふれるというのとは全く違った様相を呈しているのでしょうか。
確かに思い当たるのは、米国の動画配信サイト「ユーチューブ」も、「(彼らが勝手に思う)保守的」な意見を述べた動画に対する嫌がらせが厳然と存在します。私が毎週と定めた配信をやめたのも、体調やスケジュールの問題が発生したことに加えて配信に関する「監視」の不透明さにうんざりさせられたからです。
フェイスブックは、北阿・中東のいわゆる「アラブの春」工作に大いに利用されたツールでした。政治的に偏向しているに決まっています。
http://www.sankei.com/world/news/160520/wor160520……
▲産經新聞:【米大統領選】潘基文氏が国連批判重ねるトランプ氏に「投票しないで」異例の呼びかけが波紋 中立踏み越えた発言に「政治的」との批判も
そのような中、またもやらかしてしまったのが連合国(俗称=国際連合)の潘基文事務総長です。この人物の無能さを、一体何人の関係者がこれまで指摘してきたことでしょう。
韓国人の大量採用や、特定の国寄りの歴史認識を披露して他方の国を非難するといった偏向を日常的に繰り返し、ついには三月二十二日記事で取り上げたように、モロッコ政府を激怒させ、連合国職員が全員追い出されてしまいました。
中立の意味が分からず、中立であるべき立場も分からない人がそのような職に就くべきでないことを、潘氏もわが国の報道記者たちもせめてそれだけは分かっていただきたいのですが、本当に分からない人というのは、何もかも理解できないのです。
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皇紀2676年(平成28年)5月21日
もう本当に東京都の舛添要一知事に関する情報にはうんざりされているかもしれませんが、読者の方のご指摘通り、彼が仮に辞めさせられるとしても次の知事を誰にするかが問題です。
実は自民党内では既に名前が挙がっているそうで、それほどまでに(十八日記事で申しましたが)自民党はもう舛添知事を庇わないということに他ならず、しかしながらその名は私が「最も嫌いな」と申して構わない某衆議院議員であり、たとえ「何もしない人が知事になっても大丈夫なのが東京都」とはいえ賛成しかねます。
むしろ確かに何もしない(知事としての職責のみを淡たんとこなす)人であれば構いませんが、この「出馬要請を受けるとも思えない某(受けるな!)」や舛添知事のような目立ちたがり屋は、余計なことをするので困ります。前回選挙で極左団体が推した日本弁護士連合会元会長のような人物と同種の類いです。
それにしましてもテレビ報道などでは、相変わらず舛添知事を「辞任すべきでない」と庇う人が多いそうで、昨日記事で再確認した都有地の不透明な使途に関する方針を実現させようとする力が働いているのではないでしょうか。
自公連立与党に見放されたと知った舛添知事は二十日の会見で、前回より明らかに神妙な面持ちで登場しましたが、このような力に支えられて「何とかまだやれる」と考えているかもしれません。彼は安倍晋三首相が、恐らく参議院議員選挙と都知事選挙のダブルを嫌悪するであろうと踏んでいるのでしょうが、意外とそれは分からないものです。
http://www.sankei.com/world/news/160520/wor160520……
▲産經新聞:【台湾新総統】演説に関係維持のキーワードなく、中国「未完成の答案だ」と不満表出
さて、ようやく台湾の蔡英文新総統が二十日、就任しました。その演説を指して「未完成の答案」などと揶揄した中共の国務院台湾事務弁公室(共産党台湾工作弁公室)は、あまりにも典型的な中共共産党的解答で、一体何様なのかと首を傾げずにはいられません。
蔡総統の演説について、産經新聞社記事は中共との関係に一切言及しなかったような書き方をしていますが、実際には台中対話の必要を口にしています。
一月十六日記事で申しましたが、蔡総統は現実路線のいわゆる「安全運転」派です。現状に満足してわが国が台湾に何もしないでいると、いとも簡単に袖にされてしまうでしょう。
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