「高市首相」いつどう出すか
昨日自民党本部で開かれた両院議員懇談会ですが、十一日から始まる予定の臨時国会で本年度補正予算案が可決したのちに自民党評論家の石破茂氏の退陣を要求する声が上がりました。諸先生方(表立って報じられることになるのは青山繫晴参議院議員だけですが)、お疲れ様でした。
二時間を予定していた懇談会は、三時間にも及び、現行の「岸破森進次郎政権」側による現状維持(石破内閣の継続)を確認するのに手こずったのは事実です。ただ、石破氏の責任を追及する側にも或る考えがありました。
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それは、第五十回衆議院議員総選挙で大敗を喫した石破氏を使い捨てても、決して高市早苗前経済安全保障担当相を「使い捨て」にしてはならないというものです。
高市前担当相は五日、懇談会を前に先の党総裁選挙で自身を応援してくれた議員らと東京都内のホテルでささやかな会食を催しました。二十名程度のいわば「慰労会」でしたが、その場で高市前担当相が「党内で揉めている場合じゃない。このままだと本当に自民党が野党になってしまう」との危機感を示したと言います。
つまり、高市前担当相を河野洋平氏や谷垣禎一氏のような「首相になれなかった自民党総裁」にしてはならない、それでは意味がない、という決意が議員たちの間で確認されたのです。
昨日記事で申したように、石破氏が首相のままでは早晩、米国のドナルド・トランプ大統領ともうまくいかず、日米関係が破綻寸前に陥ってそのまま政権が崩壊する、と。
高市前担当相を「真打」にする算段は、麻生太郎元首相も熟考されているに違いありません。私たち国民が、安倍晋三元首相の「対トランプ外交」がいかにすごいものだったか(昨日記事コメント欄にいただいた読者の方の引用を参照)を思い知った時、自然と高市前担当相を次期首相に求めるでしょう。
光文社らしい「安倍元首相すらしなかった」などという書き方で、岸破森進次郎政権の横暴を指弾しているうちは、自民党の少ない議席で「高市新政権」が潰されてしまうかもしれません。これは、別の読者の方も指摘されている通りです。
参議院の党役人事で中曽根弘文元議員会長が議長候補にも挙げられなかったことといい、選挙対策委員長代理で小泉進次郎氏(前選対委員長)と同じ「戦犯」の一人だったはずの木原誠二氏を委員長に平気で据えたことといい、岸破森進次郎政権のやっていることは、議員選出に於ける私たちの民意を愚弄しています。
石破氏は昨日、勝利宣言後のトランプ次期大統領に電話で祝意を伝えたそうですが、自ら「初めて話した」と脈がないことをあからさまにし、通訳を介してわずか十分でそれは終わりました。やはり全く相手にされていません。
このままでは、来夏の参議院議員選挙でも自民党が大敗するでしょう。それを避けるには、そもそも国民民主党に押されて減税や財政出動をバタバタと議論し始めているようではお話にならず(自民党として自らこれらを主張すべきで)、私たち国民の「聞くべき声」をよく見つけることです。
それは、十月九日記事に指摘しました。一言で「民意」と申しても聞かなくてよい声に右往左往し、議席を減らすような政党に与党は務まらないのです。