森本敏教授が選ばれた理由
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012060400068&j4
▲時事通信:防衛相に森本敏氏、民間初=農水相は郡司氏-野田再改造内閣、夕に発足
野田再改造内閣が四日、天皇陛下の認証を賜って発足しました。とりあえず注目されたのは、拓殖大学大学院の森本敏教授が防衛相に任命されたことでしょう。
自民党の石破茂元防衛相は民間人であることを理由にこの人事を批判しており、選挙の洗礼を受けていない者が国防の責任を負えるとは思えないと述べましたが、議員バッヂを着けた国会議員が誰も責任を取らないのだから仕方ありません。少なくとも菅直人前首相を見る限り、この論述は破綻しています。
まして、一川保夫元防衛相にこの人事を批判する資格はないでしょう。記者団の取材に答えて「いかがなものかと思う」と腕組みしていた様の、あまりの厚顔無恥ぶりに私たちは呆れるほかありません。
ではなぜ森本教授が選ばれたのでしょうか。
わが国で「在日米軍普天間飛行場移設問題」とされる重要事案は、米国政府にとって実は「瓜姆島=旧大宮島(グアム)への海兵隊移転問題」なのであり、(片方は占領憲法のままで機能停止していますが)日米が共有している太平洋防衛戦略の一環です。
これについて事態を著しく悪化させた鳩山内閣以来、まず国会での議事においてまともな答弁もできない状態が続いてきたため、この現状を改善するために森本新防衛相が着任するものと思われます。
はっきり申し上げますと、実務より答弁の正常化が最大の目的(実務上の事態打開は望まれていない)だったのです。対する自民党は、いざとなれば優れた答弁要員である森本防衛相との質疑応答なんぞまったく楽しくない(攻めどころが大してないどころか下手をすると「いやいや、今私が指摘したのは自民党の時の決定事項なんであって……」などと返り血を浴びせられる)に違いありません。
何としても政府資産を温存して海外にばら撒くため、消費税増税に踏み切ることだけが「媚米」の目的と化している野田内閣は、その環境を整えるためになりふり構わない改造人事をやってのけました。
ですが、これは民主党と自民党の連携、或いは大連立に繋がりません。それだけは現状分析として申し上げておきます。自民党の一部は、もうすでに違うほうを向いているのです。そこに石破元防衛相は含まれていませんが。


