竹田恒泰氏vsデヴィ夫人

皇紀2671年(平成23年)11月20日

 http://ameblo.jp/dewisukarno/entry-11081274801.html
 ▲デヴィの独り言 独断と偏見:竹田恒泰氏より 私に 残念な脅迫が。

 GHQによる占領統治下、わが民族の力強い結束と協調の源流と見なされた皇室の弱体化を目的とし、11の宮家に対して臣籍降下(皇統離脱)という国際法上違法な措置が取られましたが、そのうちの一つが竹田宮であり、よって慶応義塾大学の竹田恒泰講師は旧皇族でいらっしゃいます。

 一方、尼国(インドネシア)のスカルノ元大統領の第3夫人だったデヴィ・スカルノさんが募っておられる署名運動については、既に11月17日記事で取り上げ、結論を申しました。署名しないで下さい、と。
 
 竹田氏と私は、憲法学に於いて全く違う考えを主張していますが、世にはばかる「東宮批判」に対する考え方は初めてお会いしたときから一致していましたので、ともに各所で同じことを訴えてきました。

 デヴィさんは、竹田氏が「畏れ多くも、皇室のことを民間の夫人が言うのは」と言われたとされる部分に反応し、これを「この神経」とした上で、これこそが「皇后陛下を長い間いじめ、苦しめた」と述べられたことで分かったことは、やはり彼女は皇族と臣民(民間人)の別が分かっておられません。

 当時、正田美智子さまから皇太子妃殿下になられたことで、美智子殿下は臣民ではなく皇族です。仮にも殿下をいじめた臣民がいるなら、それはとんでもないことであり、先帝の皇后陛下が美智子殿下にどう接せられたかを敢えてつけ加えれば、それこそ私たち臣民が勝手に推測することではなく、まさか皇后陛下を非難するなどこれまたとんでもありません。

 デヴィさんは、かつての美智子殿下を庇うような論述を提示しながら、堂々と同じ境遇の雅子殿下をいじめ、苦しめています。

 しかし、彼女は小和田家に苦言を呈しておられ、そこまで分かっているなら「なぜ」と思うのですが、それは、署名運動の目的が徳仁親王殿下の皇位継承を機とする「皇室解体」への布石、或いは一種の破壊工作であるなら、何の不思議もないでしょう。

 再度申しますが、皇族であらせられる雅子殿下を私物化しているのが小和田家と外務省であり、彼らは宮内庁に腹心を配置してますます雅子殿下の御病気を悪化させているのです。デヴィさんが指摘されている通り、確かに創価学会の関与も疑われてきました。

 目下の東宮批判は、このような事実と虚実を織り交ぜた巧妙な詐欺のごとき手口から発展したものであり、多くの人々が信じこみ始めた理由と言えましょう。

 畏れ多くも、秋篠宮の文仁親王殿下と紀子殿下を論評する立場にでも立ったかのような態度で「次の天皇はこっちがいい。あっちはいや」と言うことの出来るような神経で、宮中祭祀を語らないでもらいたいのです。

 祭祀を司られるのは天皇陛下だけであらせられ、だからこそ「神聖にして侵すべからず」であり、それが「宮中祭祀をなさらない皇太子妃はいらない」と述べられた部分から、デヴィさんがまるで無知であると分かります。

 それにしましても、この手の人は抗議されるとすぐに「脅迫された」と主張する習性があるようです。あたかも竹田氏が暴力行為に及んだような書き方が出来る時点で、よくある「保守派」の看板を掲げた革新系活動家(テロリスト)か、そのものズバリの日教組や自治労と同種の「国民様」「個人様」の臭いが漂ってきます。

 繰り返しますが、これには署名しないで下さい。

【追記】
 本記事への反響が大きいこともあり、一つだけ明確にお断りしておきますが、私は本文中にもある通り竹田恒泰氏とは憲法観を全く異にしています。皇室典範の問題とも申せるこの重要な議論で、残念ながら互いに相容れない関係にあることを否定しません。

 私がここで申しているのは、正統な皇室典範を取り戻し、皇族会議を復原することで、仮にも東宮に問題があるならば天皇陛下にお決めいただくことであり、現世臣民個人が勝手に騒ぎながら決めることではないという真実です。占領憲法(日本国憲法)の有効状態を放置し続ければ、第一条により天皇陛下の廃位も「国民の総意」で可能になってしまうでしょう。

 よって、これは竹田氏を擁護する目的の記事ではありません。それでも最後にもう一つだけ申したいのは、竹田氏に対しても伏見博明氏(旧伏見宮家)に対しても、根拠薄弱な誹謗中傷はやめましょう。

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総連と民団のための民主党

皇紀2671年(平成23年)11月19日

 天皇陛下の御病気が気管支肺炎と診断され、宮内庁は本年の新嘗祭(今月23日)に陛下の御主席を戴かないと発表しました。

 さすがの私もこれには衝撃を受け、とても落ち込んでいます。御即位以来、一度も執り行われないことなどあらせられなかった今上陛下による新嘗祭でしたが、陛下の1日も早い御回復を心より祈念するとともに、私たち臣民が自然の恵みに感謝し、伊勢の神宮に向かって本年の新米を炊いて差し出しましょう。おいしくいただきたいと思います。

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 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111118/stt111118……
 ▲産經新聞:鳩山氏ら外国人参政権早期成立を「約束」 民団記念式典

 鳩山由紀夫元首相が「永住外国人地方参政権付与法案」と名づけられた在日韓国・中共人限定地方参政権付与という人種差別法案を国会に提出しようとしていたことは事実ですが、在日本大韓民国民団(韓国民団)の関連式典に出席したという点では、現職の野田佳彦首相も同じです。

 創価学会のための公明党や、破壊活動(テロリズム)を政治思想と混同させてきた旧日本社会党を源流とする民主党と社会民主党の国会議員たちは、わが国が目下抱える諸問題を解決しようともせず、この手の集金活動に余念がありません。

 韓国民団はむしろ、この者どもに「喰いもの」にされていると自覚し、距離を置くべきです。

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111118/crm11111808200001-n1.htm……
 ▲産經新聞:朝鮮学校補助金「総連が流用」 元幹部が告発 数千万円単位で度々抜き出す

 一方、「地方参政権は不要」と主張してきた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に関連し、朝鮮学校への補助金が総連の資金源の一つであると指摘した私たちの声は、やはり正しかったと分かりました。

 このような実態があるからこそ、特に授業料の無償化を実施してはならないと指弾してきたのです。北朝鮮が朝鮮総連を守るのは、わが国からの送金装置として機能している間だけで、本部不動産の差し押さえなどが進めば、北朝鮮は在日朝鮮人を見捨てるでしょう。

 本来であれば、その工作に関与した総連が日本人拉致事件の全面解決を訴え、被害者ご家族に陳謝すべきです。

 民主党本部が小分けにして、経済制裁より恐ろしい金融制裁の実施で干上がりかかった北朝鮮を「民主党議員や自称地域政党の事務所が入居する某ビルの持ち主である在日朝鮮人の元送金屋」経路を通じて経済支援してきたことは、私が2度の講演でその実名を挙げて申しました。このような裏支援は、国際社会に於ける犯罪行為です。

 既に核実験に成功したと主張していた北朝鮮は、平成17年の金融制裁を受け、核保有宣言の断念をも一度は想定したものを、わが国が、そう、非核を唱えてきたはずのわが国が北朝鮮の核兵器を米国に認めさせてしまう結果に持ち込みました。

 米国の対北朝鮮外交がぶれ始めたのはこの時からで、共和党も民主党も日本人拉致事件解決への協力にも後ろ向きになり始め、わが国では「米国の裏切り」との声まであがりましたが、これを招いたのは日本の民主党だったのです。

 いわゆる「親米保守」というのは、時に(軍事的に実体のない日米同盟ではなく)米韓同盟を支えることになり、自民党はこの分野でせいぜい私たちが得るはずだった利益を米韓両国に貢いだ売国政党ですが、民主党はこの筋を温存したままさらに北朝鮮を支えて売国の限りを尽くした政党に他なりません。世界基督教統一神霊教会(統一協会)の両党への関与が常に疑われるのもこのためでしょう。

 いつまでもこのような政党の「どちらがいいか」を論じていても何一つわが国の根本的問題は解決しないのであり、私たちの全員が祭祀を実践し、自分たちの国家を護り抜こうとすれば、必ず真っ当な政党による政権が誕生します。まだまだ頑張らねばなりません。

日泰各政権はまさに不敬罪

皇紀2671年(平成23年)11月18日

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111117-OYT1T0……
 ▲讀賣新聞:宮中晩さん会を欠席、一川防衛相を厳重注意

 16日夜、来日中である不丹(ブータン)のジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王陛下と、本年10月に御成婚されたばかりのジツェン・ペマ・ワンチュク妃殿下を歓迎する宮中晩餐会が皇居の豊明殿で開かれましたが、その場に招かれていたはずの川端達夫総務相と、細野豪志環境相、一川保夫防衛相、山岡賢次国家公安委員長の4閣僚の姿はありませんでした。

 しかも、一川防衛相は民主党の高橋千秋参議院議員の政治資金パーティーのほうに出席し、あろうことか「私はこちらの方が大事だ」と挨拶していたことが、17日の参議院予算委員会で発覚しています。

 さらにもう一つ申せば、この三重県選出の高橋議員は、日本・不丹友好議員連盟の副会長を務めており、その不丹から国王陛下が来日されている最中に政治資金パーティーを開いていたことも問題です。

 野田内閣の「不敬」ぶりは、主催された天皇陛下(現在御病気のため、名代を務められたのは徳仁親王殿下)に対してのみならず、不丹国王陛下に対してもあらわになりました。

 ワンチュク朝の第5代国王陛下は、欧米印での留学経験を経られ、わが国の慶応義塾大学と泰国(タイ)のランシット大学の名誉学位を持っておられますが、実は泰国のインラック内閣も、もはや「不敬だ」と指弾せずにはいられないような政治決断をしています。

 それは、あれほど「しない」と公言して選挙に当選したインラック・チンナワット首相が15日、実兄で国外逃亡中のタクシン・チンナワット元首相らを対象とする恩赦令を承認したことなのですが、問題はその日付で、プミポン・アドゥンヤデート国王陛下御生誕記念日である来月5日(父の日)だというのです。

 恩赦の性質として、国王陛下の名のもとに行なわれるのは意外なことでも何でもありませんが、泰王室を軽視し、当然国軍とも対立したタクシン元首相の帰国が赦されることになる日付としては、極めて不適当で不敬と言えましょう。

 泰王室とタクシン元首相(旧タイ・ラック・タイ党)と中共の、まさにわが国の「東宮批判」に直結していく不敬極まりない破壊工作について、私はこれまで何度かその存在を警告してきました。

 西蔵(チベット)仏教を国教とする不丹は、農業を基幹産業としながらも規模が小さく、国土の豊富な高低差を利用した水力による電力輸出(主に対印)以外に資源もないため、国際社会では小国の扱いになっていますが、中共と国境の対立を経験し、印国との経済連携を深めてきたその立場から、実はわが国にとって重要な存在と考えるべきで、一方やはり不丹王室も中共の破壊工作の対象に組み込まれるかもしれません。わが国は「何としても不丹を護る」と約束すべきなのです。

 その場に、いるべき友好議連の副会長はおらず、閣僚が4人も欠席したという野田民主党内閣は、信じられないほど「護国のための兵站」が頭にありません。

 早速いくつかの週刊誌は、徳仁親王妃雅子殿下が天皇陛下の御見舞いに行かれなかったことや、不丹国王陛下の歓迎関連式典に御出席出来なかったことをあげつらっていますが、雅子殿下の御病状を勝手に推測し、事実確認していないことを断定的に表現することも不敬であり、指弾するなら雅子殿下を振り回して私物化し、ますます御病気を悪化させる原因そのものである小和田家と外務省と宮内庁にせよと言いたい。

 わが国は各界でことほど左様に隙だらけであり、米国や中共、韓国と北朝鮮による対日工作に、日頃「護国」だの「愛国」だのと言っている方すら簡単に引っ掛かってしまいます。

 これが、60年以上も占領憲法(日本国憲法)を「憲法」と呼び続け、その下に置かれた占領典範を「皇室典範」としてきたわが国の現実であり、だからこそ私たちは正統の皇室典範と大日本帝國憲法を取り戻さねばならないのです。

 どうか皆様もこの想いを共有して下さい。さもなくば、政治家たちが繰り返す不敬行為にただ文句を言う日々が、これからも延々と続くだけなのです。

某芸能人の不敬な署名運動

皇紀2671年(平成23年)11月17日

 http://ameblo.jp/dewisukarno/entry-11078455667.html
 ▲デヴィの独り言 独断と偏見:現皇太子を廃嫡『皇太子位を秋篠宮文仁殿下へ移譲』署名運動 国民は我慢の限界
 http://www.dewisukarno.co.jp/cojif/cojif.html
 ▲デヴィ夫人のホームページ:皇太子位を秋篠宮様に移譲することを求める請願書への署名運動

 尼国(インドネシア)のスカルノ元大統領の第3夫人だったデヴィ・スカルノさんが、インターネット上で徳仁親王殿下の「廃嫡(廃太子)」を訴え、その請願署名を募っておられます。

 彼女は、その呼びかけの中で「皇室を敬愛する私達は、日本の未来のため、皇室を崩壊より護り、そして 国の安泰と国民の幸せを守るため、皇統の存続と皇室の繁栄を求め」と書かれており、私に対してかつて同様の主張をされた方々と全く同じことを皇太子殿下の廃嫡の理由に掲げておられるのです。

 私は今月6日、日比谷公会堂でもお話ししましたが、特に「保守派」「尊皇」を自称する方々の間に蔓延しつつある東宮批判の背景に、泰国(タイ)の王室とタクシン・チンナワット元首相と中共が関係していることを、以前から警告してきました。

 それは、涅国(ネパール)の王室が共産党の前に廃絶させられたこととも関連し、泰チャクリー(ラッタナーコーシン)朝のワチラーロンコーン王太子に対する国民的不人気と、わが国ではどこも報じなかった実態として、現在結党を禁じられている共産党の元党員に彩られていたタクシン内閣およびタクシン元首相が結党した旧タイ・ラック・タイ党(泰愛国党)の王室軽視、または党北京支部が存在していたこと、すなわち背後に中共の「衛星国化構想」があったことにより、現プミポン・アドゥンヤデート国王陛下(ラーマ9世)を最後に泰王室が廃絶させられるかもしれない危機を迎えているということです。

 確かに、もともとワチラーロンコーン王太子の評判はよくありませんでした。しかし、それが中共とタクシン元首相にとっては利用価値の高い国民感情となり、聡明で謙虚なシリントーン王女への王位継承を望む声の陰なる増大が工作化しています。

 とはいえ、現状間違いなくワチラーロンコーン王太子へ王位は継承されるのであって、その時こそが中共工作員にとって泰王室解体の機となるでしょう。これで泰国からも王室は消え、ともすれば共産党の結党禁止に関する法律が改正されるかもしれません。

 デヴィ・スカルノさんらが主張されていることは、つまるところこれを踏襲するように、徳仁親王殿下に皇位が継承された場合、そのような天皇陛下は認めないと「国民様が言っているんだ」ということになります。

 これのどこが「皇室を護る」気持ちでしょうか。徳仁親王妃雅子殿下に対する批判も書き並べられていますが、民間人である国際司法裁判所所長の小和田恆元外務事務次官を批判するのは構わないでしょうし、私も散々東宮を引っ掻き回す小和田家の姿勢を質してきたからこそ、雅子殿下を皇族として「国民様が認めない」という態度は決して許せません。

 百歩譲ってデヴィさんらの気持ちを理解したとしても、何度も警告してきましたように、この「国民感情」は皇室解体を目論む破壊工作員(テロリスト)に利するのです。その隙を彼らにわざわざ与えて「尊皇」とは何事でしょうか。NHKが或る番組の紹介の中で「皇室」を「王室」と記載したのも、破壊工作と無関係ではありません。亜州を覆うこの工作は、幻想ではなく実在するのです。

 もっと直言すれば、これこそが天皇陛下の「地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と書いた日本国憲法(占領憲法)の、国民こそが主権者であり、天皇陛下は主権者の総意に基づかなくなればいつでもその地位をやめさせられるという考えの招いたものに他なりません。

 デヴィさんのブログのコメント欄も酷いもので、目下御体調が心配される今上陛下に対し、一見優しい視点ながらも「引退すべき年齢」などと書いた方がおられますが、無意識なのか意図的なのか今上陛下に廃位を迫っているようにさえ読み取れ、これを窘める者も現れないことから、ことほど左様に国民主権の毒が回っていると分かります。

 大日本帝國憲法にあった「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とは、天皇陛下が祭祀を司られる御存在でおわすからであり、権力者として臣民を弾圧等されたことは一度もありません。

 これを取り戻さない限り、いわゆる「天皇条項」の削除を目指す改憲派と「尊皇」を掲げていたはずの改憲派があたかも「薩長同盟」のように手を組んでしまう可能性すら、誰が否定出来ましょうか。皇族を選別するほど「偉い国民様」が「やむをえない」と言うに決まっているのです。

 秋篠宮の悠仁親王殿下に対する御教育は、文仁親王殿下と妃紀子殿下があまりに限られた御予算の中でも懸命に取り組まれており、皇位を継承されるに向けて、今上陛下も皇后陛下も御力を尽くされています。

 皇室典範も憲法も占領統治体制(安倍晋三元首相の言う「戦後レジーム」)を保守したいとするのが現下日本の保守主義であるなら、保守派を自覚されている方ほどこのような請願に署名してしまうのでしょうが、どうかおやめ下さい。「日本の皇室をお守りする会」の住所はデヴィさんのご自宅です。実体はあるのでしょうか。

 デヴィさんは、大東亜戦争を「侵略戦争」とせず、靖國神社への参拝も奨めてこられましたが、ご承知のように尼国が国交を樹立していることから北朝鮮との関係は濃密で、拉致事件に関して政治家に妙な口利きをしているきらいがあり、これがまさに目下日本の保守派の姿そのものです。自民党も結局はその程度だったではありませんか。

 もう一度申します。署名しないで下さい。

外国人に生活保護支給へ

皇紀2671年(平成23年)11月16日

 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111114-OYT1T……
 ▲讀賣新聞:外国籍理由に生活保護却下、大分市が一転支給へ

 大分県大分市で生活している中共籍女性が生活保護の申請をしたところ、外国籍であることと銀行の預金残高が相当額あることを理由に却下され、処分の取り消しなどを求めて平成21年6月に提訴しましたが、1審の大分地方裁判所が「外国人に生活保護法は適用されない」としたにもかかわらず、市は一転して支給を決めてしまいました。

 大分市は、生活保護法(昭和25年改訂)を破ったのです。或いは、昭和29年の厚生省(当時)社会局長通知に基づく政治的な解釈改正をしたとも言え、裁判所は判決文の中で支給を「贈与」とし、実のところ大分市に支給しやすい要件を与えました。まるで改憲論者のような振る舞いです。

 外国人の生活保護不正受給問題を指摘しますと、必ずと申してよいほど「外国人差別だ」と(大抵の)護憲論者は批判しますが、私は法治を無視した改憲論者のような大分地裁と大分市を叱っているのです。また、このような運用は、決して大分市だけの所業に収まりません。現在全国で5万人以上もの外国人が実際に受給しています。

 この中共人女性がご病気を患い、ご夫君も入院するに至るご苦労を背負われていることは、国籍を問わず心中お察し申し上げますが、彼女が本来頼るべき先は中共政府でしょう。経済的に困窮する人民を世帯ごとに救済する制度は中共にありませんが、それは彼女が籍を置く国家の問題です。

 しかし、日本政府は「いつもの外圧」に屈して、講和条約国籍離脱者ではない密航者の在日韓国・朝鮮人にまで「特別永住者」という制度を異端にも設け、認めてしまった例があり、そもそもこの中共人女性の永住権がどのように認められたのか調べねばなりません。それによっては、やはりこの女性に対してわが国の法律をこそ適用しなければならないのです。

 つまり、国籍の条件によって彼女に生活保護を支給してはならないのであって、地方自治体単位でこうも「外圧」に屈されては、それこそ地方行政にも侵入してくる環太平洋経済連携協定(TPP)の合意事項に引っ掻き回され、生き残れるのは東京都のみという様相を呈するに違いありません。

 わが国は、生活に困窮した人のための社会福祉が実は極めて充実した国家です。一方、国民年金と厚生年金の支給が破綻しかかっていることは、資産と債務を国民に公開しない財務の根本的な間違いにあり、福祉制度全体がいびつになっています。

 日本の将来に責任を持たない、持たなくてよい外国人が、目先のカネ欲しさに生活保護法に基づく制度を悪用している例は、個人の権利(国民主権)を叩き込まれた日本人がはたらかなくなって悪用し始めたのと同程度存在しているのかもしれません。

 ともすれば、大した政府資産もなく債務が2000兆ウォンにまで膨れ上がっている韓国から大量に密航者がやってきて、大分市のようなことをした場合、一体誰がそれによって膨らむ地方の債務を償却するのでしょうか。

 欧州各国で起きてきた混乱と人種間憎悪をわが国で繰り広げようとする安易な「外国人かわいそう」がどれほど罪深く、そして国家主権を侵害するものであるか、私たちは理性と意志と心情に惑わされないよう法治国家であり続ける努力をしましょう。