わが領土問題に米国の思惑

皇紀2671年(平成23年)6月25日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110624/plc1106……
 ▲産經新聞:韓国機A380竹島上空デモ飛行 外相「侵犯は遺憾」も、懸念伝達は5日後 自民は議員派遣で対抗検討

 17日に韓国の海兵隊員が、仁川国際空港に着陸しようとしていたアシアナ航空(韓国)の旅客機を北朝鮮軍用機と誤認し、K-2ライフルを10分間にわたって発射した挙げ句、この程度のことには気づきにくい旅客機に慌てられることもなく、一発たりとも命中しなかったという「珍事件」を起こしたのは、大韓航空が仁川-成田間の「エアバスA380」就航前の試験飛行場所に島根県隠岐郡隠岐の島町竹島の上空を選び、実行してしまった翌日のことでした。

 これこそ明らかな領空侵犯であり、わが国の外務省が「遺憾(=残念)でした」で片づける話ではありません。直ちに防衛省・航空自衛隊が出動し、大韓航空機に警告射撃すべきでしたし、国土交通省は同機の仁川-成田間の就航を拒否する声明を出してよいのです。

 しかし、これではあまりにも決定的過ぎるのでしょう。本当はやらねばならないことを政府は決してやりません。あくまで「日韓友好の堅持」などと美辞麗句を並べながら、実のところ「日韓対立をわざと温存させている」のです。

 この問題の奥深くには、米軍によるわが国への占領統治があり、米国が「反共」の戦争を朝鮮半島で繰り広げ、その道具として在韓米軍を置いているのですから、本当に「日米同盟」なるものが親米保守派の言うように存在しているなら、とっくに「竹島は日本領」で解決しているでしょう。米国はこれまで、公式見解としてそう発表してはいるものの、占領統治期に韓国政府を説得しようとはしませんでした。

 つまり、日米同盟はわが国に対するただの「米軍基地提供協約」であり、親米保守派は単なる「従米」に過ぎず、よって米国政府は、日韓両国に対する「同盟」を口実に竹島問題の不干渉を公言しています。わが国も韓国も、ただ「反共」の砦に利用され、両国が米軍を頼って屈服する足枷こそが、竹島を巡る日韓の対立それ自体なのです。

 http://www.asahi.com/international/update/0623/TKYl……
 ▲朝日新聞:「北方領土問題への干渉だ」ロシア、日米共同発表に反発

 米国政府が外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で北方領土問題を持ち出したのも、全く同じ次元の理由に過ぎません。

 露国は、桑港(サン・フランシスコ)講和条約に調印しなかったことと、千島列島と南樺太の帰属が未だ日本にあることとの因果関係について、実はよく分かっているため、大東亜戦争下の日独伊三国同盟を持ち出してまで訳の分からないことを主張しています。

 このような法を無視した感情論が飛び出す時点で、本来ならば露国政府は完全に敗北していて当然なのですが、北方領土問題が全く解決しない、或いは自民党も民主党も解決のための具体的且つ決定的な行動を絶対に起こさない理由は、米国の「日本を取り巻く各国との対立を政治的に利用する思惑」が存在し、それにわが国政府が従っている(占領憲法に従うならいつまでも続く)ということを、私たちがよく分かっていなければなりません。

 わが国土(皇土)は、自らの手で取り戻すものなのです。

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「脱原発解散」のカラクリ

皇紀2671年(平成23年)6月24日

 菅内閣に対する不信任決議案が否決された2日、私は翌日に内閣改造の可能性を指摘しました。菅直人首相は、左翼系の市民活動家出身ですから、一度掴んだ権力の座をそう簡単には手放さないでしょう。

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011062300925
 ▲時事通信:大幅改造、亀井氏が進言=首相「検討する」−復興相任命27日の方向

 保身のためだけに菅首相があらゆる手を打つことは、あの時からはっきりしていました。国民新党の亀井静香代表がその手に乗り、首相に退陣を迫っていた民主党の岡田克也幹事長も、結局は今国会の70日間会期延長で手打ちしてしまったのです。

 自民党も衆議院の解散総選挙ばかりは避けたい(カネがない?)ため、菅内閣への退陣要求が極めて中途半端に終わりました。

 しかし、メディア各社は菅首相が「脱原発」解散に打って出る可能性までもを指摘し始めたのです。これは本当にそうなり、果たしてうまくいくのでしょうか。

 22日記事を改めてお読み願いたいのですが、菅内閣の基本方針は「原発推進」です。既に国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合で、海江田万里経済産業相がそのように発表しています。

 改造人事で(悪い冗談でしょうが)孫正義氏の民間人枠登用が噂されていますが、早い話がこれは耳障りのよい「自然資源」「再生エネルギー」を合い言葉に、少しばかり導入してみましょう、と。それらの新しい利権構造を官民で創ります、という話に過ぎません。

 よく小泉純一郎元首相の「郵政民営化」解散の踏襲を指摘する声がありますが、決して褒められたものではなかった解散劇と比較することすら出来ないほど、そもそも菅首相に何の信念もないのです。

 本当に福島第1原子力発電所事故から政府として多くを学んだのなら、もうとっくに放射性物質に汚染された表土を削り、瓦礫を撤去し、それらを原発にかき集め、半永久的に冷却しつづけなくてはならなくなった原発自身を取り囲む鉄壁の要塞造りが始まっていることでしょう。

 莫大な予算も編成しなくてはなりません。米国製軽水炉が一度事故を起こすと、とてつもなく危険な巨大債務をかかえることになるもので、そうと分かれば第2次補正予算などとっくに組まれていなくてはならないのです。

 その何一つもせず、被災された方々を置き去りにし、被災していない私たちまでもを置き去りにして自己保身に奔る菅首相の思惑を叩き潰すとすれば、それはもう国会議員ではなく私たち国民(臣民)の声しかありません。

 沖縄県糸満市の平和祈念公園で23日に営まれた「沖縄全戦没者追悼式」では、参列者から「菅首相は靖國神社に参拝しろ」という野次が飛びましたが、沖縄県遺族連合会の仲宗根義尚会長もそのように要求しています。全閣僚に対して一部(国史に於いて全てではない)英霊の招魂社を参拝してはならないと命じた菅首相が、今まさに被災者を見殺しにしようとしているのも同然なのです。

 珍妙な永田町の空気を打破し、この国難を乗り切るには、首相官邸や民主党、自民党へ丁重に手紙を書き送るか、電話をかけてでも、わが国(皇国)を守るための真の「脱原発」「自立再生」を実現すべく国会議員の総入れ替えを訴えましょう。

 真正保守政策研究所:新しい資源エネルギー政策を提言します

夏の節電は「大本営発表」

皇紀2671年(平成23年)6月23日

 4月に発表された資源エネルギー庁作成の「東京電力の設備出力の復旧動向一覧表」は、既に嘘の数字が並んでいるものだったと指摘され、のちに修正されたようですが、やはり今夏停電説は、原子力発電所の必要性を人々に思い知らせるための世論誘導に過ぎません。

 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/3a7e……
 ▲東洋経済:「節電しないと今夏、大停電」はウソ、火力・新エネルギーで電力需要は賄える

 ここで指摘されているのも、私が福島第1原発事故の発生直後から言い続けてきた「休眠中の火力発電所の再稼動」が実現しつつあることにより、8月には想定需要以上の供給力(5620万キロワット)を確保出来るという事実です。

 未だに原発が安全で効率的、且つ低費用の発電だと信じて疑わない方がおられますが、米国で開発され、わが国の全ての原発が採用した(当然させられた)軽水炉は、火力に比べて熱効率が低く、出力も放射性廃棄物排出量などの負に対して割りに合いません。

 しかも、一度事故を起こせば炉心の制御が事実上出来ないことまで分かり、汚染した冷却水の保管場所はおろか、実は福島第1原発は今後半永久的に冷却し続けなければならないのです。これのどこが安全で効率的、且つ低費用なのでしょうか。

 火力発電の燃料を大量輸入することによる電気料金の値上げに言及する声もありますが、だから自国で資源採掘の体制を確立しておかねばなりませんでした。沖縄県石垣市尖閣諸島の問題に目を背けてきた政治、或いは目を背けよ(日中友好が何より大事)と運動してきた一部の人々こそが、「脱原発」という大きな一歩を踏み出せるはずのわが国を立ち往生させているのです。

 資源採掘の基地建設や、新しい技術導入などの費用は当然かかります。これらはいわゆる「初期投資」であり、いわば「減価償却」出来るものと言えば分かり易いでしょう。それが原発と比べて明らかに「お得」な火力や水力で電力消費が賄えるものを、わが国は米政財界の言うなりになって「原発ありき」へと行政も立法も世論をも操作していました。

 大東亜戦争下、大本営発表に騙されたと感じた人々が、次にGHQの占領統治に騙され、それを「価値観の劇的な変化を体験した」などと言ってのけた世代の方ほど、失礼ながら「反原発」の歪んだ動機に溺れ、対する「原発推進」は思いっきり米軍に騙された口なのです。

 私たちは、福島の国土(皇土)の表面を削ることで放射性物質の汚れを払い、水資源を守り、壊れた原発を冷やし続けるほかありません。そして、自ら火力発電に必要な燃料を確保するよう政治に訴えましょう。一刻も早く義援金を被災者に届けるよう政府を叱りましょう。これらは全て、菅政権が何一つとして出来ていないことなのです。

 真正保守政策研究所:新しい資源エネルギー政策を提言します

菅内閣が裏切り原発推進へ

皇紀2671年(平成23年)6月22日

 菅直人首相の続投を望む声は、単なる政権延命策に過ぎない「再生可能エネルギー固定価格買い取り法案」の成立になぜか期待するとしている「反原発」運動家たちから多く上がっていましたが、本当にこの首相が新しい資源エネルギー政策を打ち出せる人かどうか、もう一度よく考えて下さい。

 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-21796420110620
 ▲ロイター:原発廃止すれば日本経済に大きな打撃=海江田経済産業相

 静岡県浜岡原子力発電所の稼動停止を突如命じた菅首相は、まさにここが限界でした。わが国の原発では、全て米国で開発された軽水炉を稼動させてきましたが、福島第1原発の事故により、私たちは軽水炉の重大な欠陥を学んだはずです。

 しかし、墺国の首都ウィーンで開催された国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合に出席した海江田万里経済産業相は、引き続き原発を推進していく政府方針を表明しました。これでも菅政権の続投が望ましいのでしょうか。

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110621/erp11062120280008-n1.htm
 ▲産經新聞:IAEA福島事故検証作業部会、菅首相の政治介入を批判

 国際原子力機関の「思惑」入り乱れるさまはともかく、事故調査に関する作業部会は、菅首相が現場を混乱させた責任を問うています。一方、福島第1原発の所長については、現場責任の自覚をもっていたと報告しました。

 何度でも申しますが、民主党政権は「政治主導」という体裁を繕うために、整理されつつあった指示命令系統を破壊し、官僚主導型と言われた自民党政権時代の仕組みを潰したのではなく、どこに情報が集まり、誰が何を判断するのかという政府の基軸を抜き去ったに過ぎません。

 それこそが被災地を襲った悲劇の原因であり、実は資源に恵まれているわが国の新しいエネルギー政策には目もくれず、ひたすら米政財界からの圧力に屈し、越国や比国と共闘して中共に立ち向かう方針など当然のように考えもしないで、原発の廃炉期限に言及しないどころか原発推進に舵をきった菅内閣は、明確に私たち国民(臣民)を裏切ったのです。決して「反原発」を政治運動の道具にしてきた連中だけが騙されたのではありません。

 これでもう、どこのどなたが菅首相を支持するのですか? 実は政権続投によるこれ以外の余計な法案(例えば在日韓国・中共人限定地方参政権付与という人種差別法案)の可決を待ち望んでいるだけなのではないでしょうか。被災された方々を文字通り置き去りにして政治運動に興じているのは、一体どこの誰なんだ!

 真正保守政策研究所:新しい資源エネルギー政策を提言します

孫正義氏が韓国で謝罪!?

皇紀2671年(平成23年)6月21日

 http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2011/06/20/0400……
 ▲聯合ニュース:孫正義氏、ソウルで世界にエネルギー政策変化訴え
 http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/06/20/0200……
 ▲聯合ニュース:“脱原発”主張の孫正義氏、「韓国の事情は異なる」

 先月27日記事で、私はソフトバンクの孫正義社長が急に提唱し始めた「大規模太陽光発電所(メガソーラー)構想」を「怪しい」と断じ、その理由を述べました。

 いわゆる革新派を中心とした「反原発」を掲げる運動でも、保守派を中心とした「原発推進」運動でも、全く見過ごされているのが「わが国には資源がある」という事実です。

 それは、かねてから申してきた沖縄県近海に眠る海底資源(石油や天然ガス、技術開発すべきオーランチオキトリウムからの石油産生)や、或いは新潟県沖や南海トラフに埋蔵し、やはり採掘技術の確立が急がれるメタンハイドレートを用いた火力発電のみならず、もちろん水力(揚水を含む)や水路、海流発電の技術導入も、わが国が持っている資源の活用と言えましょう。決して、価格に対して不効率な太陽光発電が全てではありません。

 彼らはどちらも極端なのです。だからこそなのでしょう。「脱原発」と言っているはずの孫氏が、ご自身の血の祖国に向かっては原子力発電所の運営体制を高く評価しました。

 国防についてもそうですが、わが国のいわば多数を占めているのが「日本でもよその国の戦争でも嫌だが、自分たちが加勢(平和の実現を目的とした有形力の行使)をしてでもやめさせようとまでは思わない」という思考停止であり、よって自国で戦争がなければそれでよいという利己主義を満足させるために、軍隊の保持を否定してしまいます。

 原発の否定もこれと同じ理屈であることが、孫氏の発言、または独国や瑞国、伊国の「反原発」を報じるメディア各社の態度からもはっきりしたのであり、このような思考停止と、思考の歪んだ「原発推進」の二極分化が、わが国を国防論ともども不幸にしていくのです。

 誰も既にそこにある自主憲法(大日本帝國憲法)と資源に気がつかないのですか? わざわざ作る必要も、輸入する必要も、当然ながら原発に依存し続ける必要もありません。再発見するだけでよいのです。

 孫氏に対して申したいのは、福島第1原発から漏れた放射性物質の件を韓国で謝罪するのなら、菅直人首相に向かって「あと10年でも総理をやって欲しい」などとよく言えたものだということと、中共の原発から放射性物質が漏れ出している可能性が指摘されていることについて、これほど勝手な謝罪をするのなら調べて下さい、と。

 それでもわが国だけが原発をやめればよく、東亜の隣国には「このままでよい」などと言えるのでしょうか。

 仏国が原発を推進するのは、隣国への電力輸出が目的であるだけでなく、欧州の事情として、天然ガスの輸入を露国に頼らねばならないからであり、露国はこの外交カードがきれるのです。わが国もそうなれるのであり、露国ほど陰湿な交渉をして各国に嫌がられなければ、それこそ日本の国際的信用はさらに高まるに違いありません。

 自然がどうの、世界平和がどうの、と言う(私自身これを言い続けてきた)からには、やはりまず自立再生可能な日本を確立しましょう。脱原発の期限も言えず、資源を採る政策も打ち出せない、すなわち米国や中共と闘うことなど絶対に出来ない菅首相のもとで、太陽光発電にまつわる利権を得ようとしているに過ぎない強欲な民間人が跋扈するようでは、わが国の復興はないのです。

 真正保守政策研究所:新しい資源エネルギー政策を提言します