天皇陛下、平城宮跡へ

皇紀2670年(平成22年)10月9日

 先月28日に恒例の稲刈りを終えられたばかりの天皇陛下は、皇后陛下とともに8日、奈良市の平城宮跡で開かれた平城遷都1300年記念式典に御出席されました。9日午前には、元明天皇陵光仁天皇陵に御巡幸されています。

 http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20101008-OYO1T00913.htm?from=top

 ▲讀賣新聞:遷都1300年、天平賛歌…両陛下迎えて舞や雅楽

 私も平城宮跡を訪ねましたので、ご紹介したいと思います。遠方からの親友を案内したかったものの、私の仕事の都合で駆け足になってしまいましたが、なるほど平城宮だけでかなりの広さでした。

      ▲復元された第一次太極殿

      ▲復元された朱雀門

 皇后陛下の御体調も大変気掛かりですが、やはり天皇陛下の御体調はあまりよくあられないようです。先月15日から19日まで神奈川県葉山町の葉山御用邸で御静養されていたところを、17日に菅直人首相の「命令」で改造内閣の認証式に呼び戻されてしまわれました。(9月17日記事参照)

 私が一瞬ひやりとしたのは、天皇陛下が式典で語りかけられた御言葉の「遷都1300年をことほぎ」の部分で御詰まりになられた時です。しかしながら、御言葉そのものは、まさに今上陛下の大御心を強く感じ取ることの出来るものでした。

 遣唐使船の度重なる遭難を指して「危険を冒して国のために力を尽くした人々によって、様々な発展がもたらされたことに、深い感慨を覚えます」と語られるに留まらず、「百済をはじめ、多くの国から渡来人が移住し、文化や技術の発展に寄与してきました」「桓武天皇の生母は、『続日本紀』によれば百済の武寧王を始祖とする渡来人の子孫」とし、平成15年以来再び「ゆかり」を御示しになられています。

 これらを私たちがどう受け取るかです。失礼ながら「ふざけた人たち」が、御皇室を穢すような言葉を吐き、日本の民族文化を貶め、現下の日韓関係に当てはめて敢えて日本の屈辱を謳ったりするのを、私はたびたび目にしてきました。

 天皇陛下は世界唯一の「祭祀王」です。祭祀の基本に立って大御心を知らねば、正しい答えなど出てきません。

 平城京以前の天智2年、白村江の戦いに敗れた倭国は「日本」へと駆け上がっていきます。このような歴史の縁を、日本民族はもちろんのこと朝鮮(韓)民族こそ知るべきなのです。今日の「反日」「嫌韓」の浅はかさを思い知るでしょう。そして何より、日本政府が自立心を喪失して何も出来ていないことに愕然とする筈です。

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テレビ番組がつまらない

皇紀2670年(平成22年)10月8日

 化学反応「クロスカップリング」の研究成果により、北海道大学の鈴木章名誉教授と米パデュー大学の根岸英一特別教授がノーベル賞化学賞を受賞したことに沸くテレビメディア自体が、もう既に面白くありません。

 実に日本民族らしい発想で「中間子」の存在を証明した湯川秀樹博士以来、日本人ノーベル賞受賞者はこれで18人を数えますが、これから大丈夫でしょうか。

 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101007-OYT1T00440.htm

 ▲讀賣新聞:ノーベル賞根岸さん、日本の受験競争を評価

 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1008&f=national_1008_051.shtml

 ▲サーチナ:中国人、ノーベル賞をなぜ取れぬ…答え「自分の頭脳で考えない」

 中共人も韓国人も一向にノーベル賞を受賞しないのは(いわゆる華僑でない中共籍の受賞者は0人、韓国人は口先だけで佐藤栄作元首相やバラク・オバマ大統領でも受賞できたような平和賞の金大中元大統領ただ1人)、確かに「独創的な思考がない」ことに加え、言語の問題も原因として挙げられるでしょう。

 漢字発祥の中共も、日本と同様に使用してきた韓国も、すっかり思考表現の道具である漢字を破壊してしまいました。ノーベル賞を受賞するような人の多くは例えば英語で論文を書きますが、湯川博士を見ても分かるように自国語での表現も見事なものです。日本語で話す言葉を持たない者が、いくら外国語を操っても何の説得力もありません。

 日本語は漢字、および漢字から創造した平仮名・片仮名を用い、仮に科学界の新語にはほぼ片仮名で対応しています。ところが、韓国は偏狭な愛国心を振りかざしてハングル一辺倒にした結果、言語表現に乏しくなり、中共では漢字の持つ意味を無視した当て字を横行させ、しかもその漢字が元の体を成していないではありませんか。

 研究論文を英語や独語、仏語のいずれで完成させようとも、まず自ら発想するにあたってその思考に向かない言語体系で育ってはどうしようもないのです。根岸博士が日本の受験競争を「若者の訓練」と言われていますが、第一にわが国語で際限なく思考する能力を培われなければなりません。

 日本人とてかつては西欧列強による東洋人差別にさらされ、初受賞が遅れました。不平等条約の解消など、そもそもこの排他的差別と闘ったのが私たちの先人でした。そして、大東亜戦争には敗れても日本はこの闘いに勝ったのです。未だ東洋人に対する差別を「受賞できない理由」に挙げていることこそ、中共人がノーベル賞を受賞できない理由そのものではないでしょうか。思考停止も甚だしいのです。

 しかし、私たちとて他人事ではありません。テレビメディアの有り様を見ているだけでも、日本人の思考停止傾向も酷いものです。大東亜戦争に敗れた衝撃だけで世界平和を語ってる姿は、まるでオペで大きなミスをした医者がその場で頭を抱え、原状回復のナードもしないでクランケを放り出し、泣きながら「もう手術はご免です」とわめいているようなものではありませんか。

 目下やたらとクイズ番組を放送していますが、あれは何なんでしょうか。例えば『アップダウンクイズ』や『クイズタイムショック』に見られたような独創性の欠片もありません。製作者はすぐにカネのことを言いますが、今なお続く『バネルクイズ・アタック25』の製作費は安くついている筈です。

 堺正俊(フランキー堺)先生が司会をしておられた『霊感ヤマカン第六感』にしても、作曲に山下毅雄氏を起用しての、その趣向を凝らしたオープニングは、アイデア一つでカネは大してかかっていないでしょう。それでも湧き出た発想から必要なもの(ここでは大きなパネル)を作り出す力があったのです。

 各局とも、いっそのこと映像コンテンツ配信局として再放送だけやっていれば、とも思いますが……。韓国映画『TSUNAMI』のように、ただ大型ディザスター映画を作りたいだけ、日本海を「東海」と言いたいだけで映画を作ってしまうような力と勇気が、現下の日本人には必要なのかもしれませんね。

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検察審査会って大丈夫か?

皇紀2670年(平成22年)10月6日

 平成20年2月に日教組が教育研究全国集会をグランドプリンスホテル新高輪で開催しようと予約し、その予約が受理されていたにもかかわらず取り消されたのは旅館業法違反であるとして、警視庁保安課に書類送検されていた株式会社プリンスホテルと同社幹部2名が起訴猶予処分になっていた件について、東京第一検察審査会は「不起訴は相当」と議決しました。日教組が8月に審査を申し立て、先月30日付けで議決されたものです。

 http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY201010040223.html

 ▲朝日新聞:プリンスホテル不起訴「相当」 日教組拒否めぐり検審

 この件が起きた時にも申したことですが、一旦予約を受けつけておきながら、前年11月になって突如解約を通告し、東京高等裁判所の仮処分命令を無視して日教組を排除したプリンスホテルのやり方は、たとえ日教組の不正行為を追及し続けている私でも正しいとは思いません

 予約を受けるかどうかはプリンスホテルの自由ですから、何度も申しますが、このような態度に出るならば宴会担当は日教組の実態をきちんと把握して最初から契約しなければよかったのです。一旦契約しておいて突如「右翼団体が来るから」などという理由で解除されたほうの身にもなってみよ、或いは日教組と右翼団体の対立を先鋭化させるようなホテル側の物言いを許しておくのか、と。

 この処分に対して「日教組よ、ざまぁみろ」などと笑っていると、例えば保守派の集会を受けつけた会場の一方的な解除通告も許すことになりましょう。ホテルは宿泊者の安全を守ることが第一です。「あちらは悪いがこちらは良い」など通りません。この結果は「右翼団体が悪い」ということを流布したい意図が見え見えではありませんか。

 で、それが検察審査会の議決なのですが、どうもこの検審の「これが世間一般の常識的見解なり」とばかりの「そこのけ、そこのけ、頭が高い」という傾向に、私は疑問をもつのです。本当に十分な環境で審査されているのでしょうか。

 東京第五検察審査会は4日、民主党の小沢一郎元幹事長に対して「起訴相当」と議決しましたが、皆様もご存知のように、第一回の審査補助員を務めたいわゆるヤメ検の米澤敏雄弁護士が突如降板し、今回の第二回では検審機能強化派の吉田繁實弁護士がつきました。

 くじで無作為に選ばれた11名が何によって審査するかと言えば、決して法律の専門家ではない検審事務局が整理した証拠品なのです。独立総合研究所代表の青山繁晴氏も自身の取材により、彼らがただの元裁判所職員で構成されていると言っています。

 敢えて書くならば、膨大な証拠品から素人が選別したものを素人が見て、法律家が誘導していくということではないでしょうか。ヤメ検・ヤメ判の米澤弁護士、それに「検審だ、控えおろう」を言いたい吉田弁護士による誘導がなかったと、本当に言いきれるでしょうか。

 本件でも私は当初から小沢氏起訴に懐疑的でした。たとえ小沢氏が汚いカネ集めに手を染め、日本政治を占領憲法に浸しきるようなことをしている政治家だからといって、有罪を証明できない事件を持ち出して叩きまくるのは正しいと思いません。これを許せば「あいつの主張からいって、どうせこのくらいのことはやっている」という決めつけで人を犯罪者に仕立て上げることになるのです。

 メディア各社は、小沢氏が不正な政治資金収支報告書の作成を容認したと報じていますが、それを証明する証言など、実は大阪地検特捜部で本件を担当した(証拠を改竄してまででっち上げる)前田恒彦検事でさえ誰からもとれていません。新聞社の「飛ばし」はいつものことです。沖縄県石垣市尖閣諸島の領有を訴える2000人規模のデモひとつ取り上げられないメディアを信用していてはいけないことなど、皆様もよくご存知でしょう。

 ですから何度でも申しますが、小沢氏は強制起訴されても平気なのです。法廷に持ち込めても恐らく有罪には出来ません。問題は、彼がどう政治生命を維持させるのかということだけです。今こそ政界再編なのか、カネをバラ撒いて民主党を乗っ取るのか、それは本人に聞いてみませんと、ね。

 そのカネ、どこから出てきたのですか? 誰の言うことをよく聞く仕組みですか?

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共同戦線を張って民族団結

皇紀2670年(平成22年)10月5日

 中共の山東省で4日、開かれた蹴球19歳以下亜州選手権の日本―アラブ首長国連邦戦で、君が代の演奏中に中共人男性が乱入し、日章旗を奪って中共人観客から歓声を浴びるという事件が発生しました。試合は日本が2?1で勝っています。

 http://www.asahi.com/international/update/1004/TKY201010040320.html

 ▲朝日新聞:君が代演奏中に男乱入、日の丸奪う サッカーU19

 http://sankei.jp.msn.com/world/china/101004/chn1010041654005-n1.htm

 ▲産經新聞:サッカー場で日の丸奪う 「国辱を忘れるな」トレーナー着用の男を連行 中国人か アジア選手権

 日中対立を収めようとする朝日新聞社の論調と、日中対立を煽るような産經新聞社の論調の両論を読んで恐らく丁度よいのでしょうが、なぜこの時こそ朝日新聞社は「チューゴクの偏狭な愛国心を許すな」と訴えないのでしょうか。

 日本でも偏狭な愛国心を掲げて暴論を振りかざす向きもありましょうが、日本の保守主義が天皇陛下によって司られる祭祀に基づき、自然と生命を次世代へ継承してゆくことと知った者たちは、むしろこの種の愛国表現に何の意味も見出していません。ですから、今回のような中共人の所業も実に情けなく、物悲しく映るのです。「ああ、本当に莫迦で哀れだなぁ」と。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101004/stt1010041743009-n1.htm

 ▲産經新聞:共産、「尖閣領有の大義」主張を 弱腰政府にねじをまく

 例えばこの記事を読んでどう反応するかです。私も指摘したように、日本共産党は沖縄県石垣市尖閣諸島の日本領有を揺るぎないものとして以前から主張しています。ならば領土を守る戦いでは、基本の違いから共闘までは出来なくとも、共産党と共同戦線を張ることが可能な(ともすれば前述のような偏狭な性質の人物とのほうが共同戦線を張りにくい)のです。

 こうして天皇陛下より賜った教育勅語の「億兆心を一にして」を実現させようと考えるのが、元来の日本保守主義者ではないでしょうか。日本民族一致団結の留意点は別の機会に論じるとして、少なくとも日本解体の目論みを察知して団結を提示してみる必要はあると思います。その私たちの差し出した手を彼らがはね除けるなら、それ以降一切は彼らの責任です。

 もし仮にも共産・反共の差なく日本民族が一致団結して領土保全の大声を上げたなら、それでも仙谷由人内閣官房長官は「立場は一致している。菅直人首相に伝えたい」などと言っていられるでしょうか。本物の売国・守銭奴が恐れるのは、まさに私のこの提案が実現してしまうことに違いありません。

 しかし、この提案を絶対に邪魔するのが、国際勝共連合という隠れ蓑を纏って日米政界に入り込んだ統一教会(世界基督教統一神霊協会)であり、組織政党としての自民党であり、民主党なのです。日本が民間の決定的な思想対立でもって勝手に分断され、占領憲法の護・改のみを論じるようにしている間にご皇室を自然消滅させる仕掛けに手を染めた組織、と申してよいでしょう。

 この企みを打ち破って日本を守るには、ここで繰り返し述べてきた真正護憲論(占領憲法新無効論)しかありません。これだけが、保守主義者のみならず共産主義者の理解をも可能にする学術論なのです。

 さぁ、日本共産党の皆様、一緒に日本政府の間違いを正してまいりましょう。そして、日本領土を何で守るか論じ合いましょう。まさか在日米軍にすべてを任せますか? 米国の戦争につき合わされ続けるのはご免でしょう。祭祀は世界平和の扉を開く鍵です。

 まさか人民解放軍では尖閣諸島を守れませんよ。

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話があべこべになる理由

皇紀2670年(平成22年)10月4日

 日本が逮捕していた中共人船長と、中共が急遽拘束した日本人ゼネコン社員。いつの間にか日中の立場が入れ替わったような印象を与えています。実際はそう単純なものではないのですが。

 なぜこのようなことになってしまうかと申しますと、中共内部の権力闘争疑惑はさておき、あくまで日本国内の利権の綱引きによって解決されるからです。民主主義の泣きどころをよく知る中共中枢に対する政治工作は米国でも難しいと言いますが、諜報機関を持たず国家戦略もない日本はただ中共に工作されるままでしかありません。

 民主党の細野剛志前幹事長代理が訪中したのは、確かに「個人的判断」だった、つまり首相官邸の意向ではなかったようです。仙谷由人内閣官房長官の密使だったりすると話としては面白いでしょうが、菅直人首相と仙石長官にとってはまったく面白くない話でしょう。

 http://sankei.jp.msn.com/world/china/101002/chn1010021942004-n1.htm

 ▲産經新聞:今月初めの首脳会談打診 細野氏が訪中時、戴氏に

 これは恐らく「後づけ」ですね。菅首相が細野訪中を「知らない」と言ったのが事実で、日中首脳会談などの打診は(たぶん中共側からの提案だろうが)どちらの発案かまでは不明なものの「体裁繕い」であり、本当は強制起訴されても平気な小沢一郎元幹事長の密使でしょう。

 細野代議士が言った「個人」とは「政府・与党とは直接関係ない」という勝手を意味しており、遺棄化学兵器処理事業利権に絡んで、中共に事業再促進を提示しに行ったに違いありません。かつてパシフィック・コンサルタンツを巡る不正疑惑があがって近頃は静かでしたが、キックバックは小沢元幹事長が受け取るのでしょうか。「脱小沢」だろうが何だろうが、政府・与党の知らぬ存ぜぬは通りません。それで何人の民主党所属議員が助かるのでしょうか。

 ですからフジタ社員3人の釈放は細野代議士の力で実現したものではありません。1人が残っているのも中共の計画通りで、わざわざ毒入り餃子事件を起こした天洋食品工場のあった河北省石家荘市だったことにやはり意味はあったと思うのです。

 日本がそのような中共の勝手な事情に振り回されることは決してないのですが、日本も国内の利権絡みで事を運ぼうなどとするからつけ込まれます。それで「うまく解決できたな」などと政治家が笑うから売国奴政治であり守銭奴政治なのです。こういうのを「国民にメシを食わせた」とは言いません。

 それにしても、米国防総省筋、或いはいくつかの米シンクタンクが日中の様子を見て随分と喜んでいますね。単に彼らは漁父の利を得るのか、または少し手を突っ込んだ結果なのか。非常に不愉快です。

 何度も申しますが、私たちに出来ることはまず日本の政治家に対するロビー活動です。近視眼的で、論外たる売国奴・守銭奴政治の蔓延を許してはなりません。訳の分からない連中ほど既に政治家の周辺をうろついていますから、純粋に国想う・共に民想う気持ちを政治実現の場へ届けましょう。

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