日銀アクセル財務ブレーキ

皇紀2673年(平成25年)9月20日

 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE98H03220130918
 ▲ロイター:米FOMC声明全文

 米連邦準備制度理事会(FRB)は十八日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した声明で、月額八百五十億ドル(米国債四百五十億ドル、モーゲージ担保証券四百億ドル)の資産買い入れを当面継続する方針を表明しました。

 つまり、米国は金融緩和を続けるということです。ベンジャミン・バーナンキ議長はこの数ヶ月に及んで「緩和縮小(テーパリング)」を口にしてきただけに、意外な決断でした。

 わが国も第二次安倍政権になってようやく政府と日本銀行が共闘して給与・物価下落の悪循環(デフレーション・スパイラル)に対処すべく、何しろ十五年以上も続いた内需萎縮(不景気)から国民経済を開放しようと、大胆な金融緩和に挑んだところです。

 目下、日米共にゼロ金利政策が続いていますから、金利ではなく量的な緩和で、すなわち通貨をばら撒くことで調整するしかありません。私たちの暮らしにそのよい成果をもたらすまでは少なくとも数年かかり、今回FRBが「まだまだ不十分」と判断したように、日銀も緩和策を当面続けることになるでしょう。

 しかし、九月十七日記事でも申した通り、来月には安倍晋三首相が消費税率の引き上げ判断を行ないますが、もし引き上げてしまえば、いわば金融緩和で加速した車を増税で急減速させ、ひっくり返らせてしまいかねないのです。

 緩和策は延長よりも中止を決める時が難しいのですが、拡大や縮小は内需(景気)の状態によって言い易くもなり言い難くもなります。要は政府与党が「低所得者に給付金を」などと言わなくても済むと目されるほど内需が回復すれば、緩やかに緩和縮小を始めるだけです。

 そのためには、日銀が国債を直接引き受けても(財政法第五条が求める議決をしても)よいはずであり、そうして実質金利の壁さえ取り払われれば市中にお金が回り始めます。そこで打つべき手が増税のはずなどありません。逆に一時減税でお金を回し、給与・物価下落から脱却してしまえば、日銀が内需の動向を見ながら「売りオペレーション」に転じられるのであって、緩和縮小の市場への衝撃は最小限度にとどめられるでしょう。

 わが国では間違いなく消費増税が金融の引き締めに相当してしまいます。珍しく日銀が前へ進んだのに、それを財務省がおもいっきり後ろへ引っ張って、安倍首相もろとも一億の国民を大怪我させるに違いありません。

 バーナンキ議長が言及した米政府・連邦議会の政策的混乱は、私たちに置き換えますと安倍政権に於ける「成長戦略の不発」に当たります。最も重要なのは、流動性が高まったところへ国民経済活性化の起爆剤を投与することであり、忘れないよう何度でも申しますが、占領憲法(日本国憲法)体制から脱却して自立した資源・食糧政策を打ち出すことです。

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民主が遺した防衛大綱の難

皇紀2673年(平成25年)9月19日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130916/plc130916……
 ▲産經新聞:自衛隊で内紛勃発 対中有事めぐり四分五裂

 産經新聞社が「防衛オフレコ放談」と題する連載の十六日配信分で暴露した通り、防衛省・自衛隊の内部では目下、年末に予定する「防衛計画の大綱(防衛大綱)」改定を巡って揉め事が起きています。

 防衛大綱の改定は、昨年末の第二次安倍内閣発足直前から言われてきたことで、前民主党政権下の平成二十二年十二月に策定されたものは、この時から「間違いなくごみ箱行き」と省内でも目されてきました。「国家十年の計」といわれる大綱が、たった二年で用無しになったのです。

 その背景には、民主党の大綱がいわば「ど素人」の介入によって策定されたものだったという、特に制服組(現場自衛官)の怒りと呆れがあり、防衛相と財務相を中心とした関係閣僚会議に国際大学の北岡伸一学長のような安全保障を専門としない政治学者をわざわざ潜り込ませ、彼らの言うなりにまとめさせたということがあります。

 ところが安倍晋三首相は、盛り込むべき戦略の内容を議論する有識者会議の座長に、またもや北岡氏を充ててしまいました。これには制服組も愕然としたでしょう。安倍首相の真意は今もって分かりません。

 いずれにせよ、北岡氏が再び前の大綱の「動的防衛力」を口にし、自衛隊の編成や装備に口を出せば、それが本来は運用と機能の「夢物語」でしかないため、議論が全くかみ合わなくなるでしょう。

 安倍政権が改定で示す基本方針はやはり「統合運用」であるべきで、それに基づいて必要な部隊編成と装備の数量をはじき出すのが筋です。

 しかし、ここへ来てかつての陸軍省と海軍省の対立という悪夢を彷彿とさせるような内紛が、陸上自衛隊と海上・航空自衛隊で起きています。沖縄県石垣市尖閣諸島に代表される領土・領海・領空防衛に於いては、当然海自と空自が主戦力であるにもかかわらず、陸自は大綱での過小評価に伴う予算分配の縮小などを予想して「陸自も入れろ」と怒っているらしいのです。

 制服組は「統合防衛戦略」を策定し、第一級の戦略文書とするつもりですが、今度はそこへ背広組(内局の防衛官僚)が制服組の権限拡大を嫌って反対してきました。背広組はかねがねこの調子であり、田母神俊雄元航空幕僚長もこの原理で嫌われて組織を追われたようなものです。

 「わが国にとってもはや朝鮮半島は重要でなくなった」ということをご説明した時にも申しましたが、現在は陸戦が中心ではなく、中共の人民解放軍が侵略してくるのも艦船や戦闘機が中心で、防衛の概念としては海自と空自で対処します。

 一方、上陸でもされれば、或いは同時多発的侵略行為で破壊活動(テロリズム)を仕掛けられでもすれば、陸自は私たち国民に最も近いところで私たちの身の安全を守るために行動することになるでしょう。

 私はそこまで大綱に入れても、統合運用を目指すのであれば差し支えないと思います。大東亜戦争下の過ちを繰り返さないためにも、統合運用の方針を明確にすべきであり、一刻も早く占領憲法(日本国憲法)の有効状態から私たち国民と防衛省・自衛隊を解放すべきではありませんか。

 このような内紛が起きるようでは、中共のとてつもない謀略に決して勝てません。昨日記事では外務省のはたらきを取り上げましたが、防衛省こそ現場の役割を果たすべきであり、占領統治体制の継続のまま防衛権の議論をしのごの始めるのか、そこからの脱却を実現させて自動的に防衛権を手にするのか、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を胸に秘めた為政者です。必ずや後者の自然な道を歩むものと期待し、且つ要望します。

中共の米国征服を潰す日本

皇紀2673年(平成25年)9月18日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130916/plc130916……
 ▲産經新聞:米知日派“育成”に本腰 重鎮議員死去で危機感

 米民主党のダニエル・ケン・イノウエ上院議員が亡くなったのは、昨年十二月十七日のことです。連邦議会上院の最古参として、亡くなるまで大統領継承順位第三位の地位にあった仮議長でした。これは米国史上、日系はおろか亜州系議員として最高位にいたことになります。

 同じく米民主党にはマイケル(マイク)・ホンダ下院議員がいますが、これは既に韓国系から多額の政治献金を受け取り、そもそも中共系の世界抗日戦争史実維護連合会(抗日連合会)のおかげで議員になれたようなものですから、わが国政府から見て対米交渉の架け橋としては全く使い物になりません。

 在米中共系の目的が「自分たちの中から大統領を輩出し、米政治を乗っ取ることで日米同盟を破壊し、中共による太平洋の覇権掌握を実現すること」にあるのは何度も申してまいりましたが、彼らは恐らくイノウエ議員の例を見て可能だと感じ、しかしながら参考にはならないと考えてきたでしょう。

 なぜなら、亜州系でもここまでの地位を得られると分かった一方で、イノウエ議員は米国の政治家として決して米国を裏切らず、日米貿易摩擦問題が発生した時はわが国の経済政策を批判するのも恐れなかったのであり、中共は彼のような政治家を米国で育てるつもりはありません。

 だからこそわが国は、太平洋防衛を共有する極東西(日米)の関係を安定的に維持するべく、特に米民主党人脈が希薄とされてきた現状を打破し、中共系のとんでもない謀略から日米両国を守らなければならないのです。

 安倍晋三首相がそのことに気づいているかまでは不明ですが、外務省の齋木昭隆事務次官は想定される事態の打開に向けて動き始めていると思われます。

 事実上外務省の頂点と言われる佐々江賢一郎駐米大使の評判はあまりよくないですが、千葉明駐米公使は中共系の実態をよく知る人物です。あくまでこの策の一点について申せば、第二次安倍政権下の外務省は極めて優れた布陣になっています。

 米国に於ける「知日派」は概して「ジャパン・ハンドラーズ」であり、中韓の言う「知日派」は単に国語(日本語)が話せるだけか、ともすれば日本左翼との交流があるだけ、日本にはカネがあると知っているだけの場合がほとんどで、わが国との親密な関係を構築しうる人材とはなりえません。

 中韓による激しい「反日」を是とした政治喧伝(ロビー)活動に対して、わが国も現地国政府に影響を及ぼしうる現地人を喧伝活動員(ロビースト)として雇って喧伝しかえすべきだと提言してきましたが、とりあえず外務省は自分たちに出来る範囲でこれに少し近いことを始めたのです。

 目下注意すべきはこれらの情報が見事に中韓へ筒抜けになることであり、省内職員や職員と接触する国会議員には目を光らせていただきたいと思います。

消費増税で安倍政権は終了

皇紀2673年(平成25年)9月17日

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130911-OYT1T01590.htm
 ▲讀賣新聞:消費税率、来年4月に8%…首相が意向固める

 讀賣新聞社らが十二日に配信した「安倍晋三首相が来春の消費税率引き上げを決めた」という報道は、現段階で誤報でした。即日、菅義偉官房長官がこれらの報道を否定しています。私たちはあくまで来月に、安倍首相の決断を伺うことになるでしょう。

 私はこれまでいわゆる「消費税増税」に反対してきました。自民党や旧太陽の党(日本維新の会)などの国会議員にもさまざまな意見があり、同意を得たところとそうでないところがあったのは事実です。

 ですから、皆様の中にも多様なご意見がおありだとは思いますが、私が反対してきた理由は、内需(景気)回復を真っ先に掲げた第二次安倍政権を短命に終わらせてしまう可能性が極めて高い判断だからであり、世に言う「アベノミクス」を無力化してしまう税制改正に自民党自身が賛成してしまうなど、私から見てありえません。

 故・橋本龍太郎元首相は、自らが決断した五%への消費税率引き上げが致命的な景気失速を招いたと認め、のちに日本歯科医師連盟からの献金疑獄で晩節を汚されてしまいました。この発言がいかに財務省にとって不都合な真実だったか、よく分かります。

 目下財務省は、平成九年以降の著しい内需縮小の原因を、亜州通貨危機や山一證券の破綻に象徴される金融危機が端緒だったと触れ回り、各所で国会議員や有識者たちに喋らせていますが、経済評論家の三橋貴明氏も指摘するように、民間需要(個人消費や企業投資)の低落は引き上げが断行された四月にいきなり始まっており、七月の通貨危機、十一月の山一破綻は決して「きっかけ」ではありません

 自民党内では低所得者向けの「一万円の一時金給付案」があるようですが、このような話がつきまとう現状で税率を引き上げようというのが根本的に間違っているのです。給付に係る自治体の負担を賄うために、また増税するつもりでしょうか。

 わが国経済は、平成九年四月以前に記録した民間需要や名目国内総生産(名目GDP)、そして税収額を、十五年以上一度も上回ったことがありません

 あの頃、通貨危機や国内の金融危機が内需縮小に拍車をかけたのであれば、消費税率の引き上げによってわが国の経済は再び一切の危機に耐えられない脆弱な体質に堕ちるということであり、安倍政権が日本銀行と共に最初に手をつけた量的金融緩和の効果も一瞬で水泡に帰すでしょう。

 需要が縮小するから内需縮小(不景気)なのであって、消費税率を引き上げられて需要が拡大することはありません。政権の背後にいる大企業のための日本経済団体連合会(経団連)が引き上げに賛成するのは、輸出戻し税益と、法人税減税が一体の税制改正であることを期待しているからであり、これは将来の内需縮小による業績悪化に全く責任を持とうとしない現経営陣たちの保身以外の何物でもないのです。

 これでわが国の産業が活性化したり、雇用が促進したりは絶対にしません。それどころか、人件費削減が一層進み、失業率はまたもや高くなり始めるでしょう。

 平成三十二年の東京夏季五輪大会の開催決定が、消費税率引き上げの言い訳にならないと私が申してきたのは、連合国の国際通貨基金(IMF)や世界銀行らによる増税圧力に安倍首相が屈して欲しくないからであり、自民党の背後には経団連が、財務省の背後にはIMFや世銀がいます

 近年中に中共経済の泡沫(バブル)状態がはじける可能性があり、韓国経済も転げ落ちている最中ですから、断固として安倍首相は消費税率の引き上げに手をかけてはなりません。かつての通貨危機や金融危機と同じ効力を中韓の経済財政破綻が有するとすれば、平成九年当時より現況がさらに悪いですから、今度こそわが国経済は二度と立ち上がれなくなるでしょう。

 政府のいわば「借金」は一千兆円でも、特殊法人などが抱え持ったままの政府資産は約六百二十九兆円もあり、これは財務省が公開している分だけです。IMFや世銀が知りたいのは、未公開の資産でしょう。これを明かさない限り、彼らはわが国に不当な内政干渉を続けるつもりです。

 しかし、大東亜戦争で初めて辛酸を舐めた日本と、二度の大戦に敗れた独国は、決して「隠し資産」を公開してはいけません。その隠然たる国力を背景に、公表する赤字国債の発行額がたとえ嵩んでも、内需回復の必要な時期に増税などしてはいけないのです。

中韓にとって不都合な真実

皇紀2673年(平成25年)9月16日

 気象庁によりますと、台風十八号は十六日午前から午後にかけて、東海や関東甲信越地方に進み、非常に強い風と雨をもたらす模様です。既に近畿地方では、各地で大雨や突風の被害が出ており、進路に当たる地方にお住まいの方も、どうかお気をつけください。

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 http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130913/……
 ▲zakzak(産經新聞社):習近平指導部が圧力か 日本を拠点にする中国人研究者ら相次ぎ消息不明

 主に在日中共人向けに発行されている新華時報の蘇霊編集長が本年五月、北京市に出張して以降、消息が分からなくなっており、東洋学園大学の朱建栄教授は七月十七日に上海市を訪問したところ、情報漏洩容疑でいきなり国家安全省当局に身柄を拘束されました。

 蘇編集長は沖縄県石垣市尖閣諸島を巡る日中対立を回避しようと署名運動をしていた経緯があるものの、日本国籍を取得した中共系から国会議員を輩出しようと積極的に活動しており、朱教授もその主張は決して産經新聞社が書いているような「日本寄り」ではありませんでしたが、外交部が彼の中共国内法違反行為を指摘して拘束の事実を認めています。

 目下、習近平指導部は薄煕来元重慶市共産党委員会書記が甦らせた「毛沢東の亡霊」を事実上公開裁判にかけて処分し、ついでに周永康前共産党政治局常務委員も葬ろうと余念がありません。

 彼らの権力闘争は文字通り「血で血を洗う」ものであり、時には「敵の血肉を削いでそのまま喰らう」かの有り様で、私たちの理解を遥かに超えています。中曽根康弘元首相が胡耀邦元共産党総書記の地位を守ろうと(無駄に)靖國神社参拝を中止しても何ら影響を与えなかったことからも、私たち外国人の介入余地が全くないのは明白です。

 その真っ只中でわが国在住の中共系文化人が相次いで帰国後に捕まるのは、当局が彼らに課す何らかの新たな「対日政策」の指令を受けるためかもしれません

 何度も申しますが、蘇編集長による中共系の国政関与を促す活動の目的は、中共がわが国や米国を内側から統制しようとするための時間をかけた侵略であり、朱教授も尖閣問題などでは一貫して北京政府の見解を繰り返していました。

 その過程の中で、わが国側との交流による変節の兆しでもあって、それに気づいた中共当局が彼らを捕まえたのかもしれませんが、いずれにしても、このようなことを自国民に対してしていなければ体裁が保てない国家なのです。

 拓殖大学の呉善花教授も、韓国への入国を拒否されるという形で言論を統制されていますが、そうでもしなければ中韓(北朝鮮は言うに及ばず)は政府主導の「悪しき歴史修正」が人民にばれてしまうのでしょう。

 中韓朝はわが国との戦争によって独立を勝ち取ったわけでもないのに、あくまで「抗日」が「正義」だと人民に吹き込んできました。昨日記事で取り上げたような「日本統治時代は良かった」という高齢者たちの告白こそ、中韓両政府が最もその口を塞いでしまいたい不都合な真実なのです。

 これらの体制が吹聴してきたことの出鱈目を証明する日は必ず来ます。それまで私たちが「いかに正気を保っていられるか」が勝負です。大阪市の橋下徹市長のように、焦って余計におかしなことを叫んではいけません。まして「日中韓友好」の口車に乗るのは言語道断です。

【追記】
 朱建栄氏について、沖縄県石垣市尖閣諸島に関する档案法(非公開規則)に触れる中共側の外交記録を、社会科学院の学者から入手し、それを日本の政府当局者や記者ら三百六十人以上にメールで送付していたことが分かりました。恐らくこれが拘束された理由です。