トルコ、121年の恩返し

皇紀2671年(平成23年)10月23日

 先月のことで恐縮ですが、どうしても取り上げたかったので是非ともお読み下さい。

 http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-2011……
 ▲日刊スポーツ:トルコから和歌山へ 121年分の恩返し

 9月3日の台風12号襲来により、壊滅的な被害を受けた紀伊半島については、特に和歌山県南部の観光地に人が戻るよう、私もここで皆様のご協力を求めました。

 しかし、その復興には土国(トルコ)からの強力な支援があったことを改めて知るとともに、県民の一人として全ての土国民へ心から感謝申し上げます。

 日刊スポーツ記事には、或る土国料理店の県内出店に関する可能性が語られていますが、確かに土国料理は「世界三大料理」の一つであり、ケバブ(ドネルケバブも)やマントゥなどは私も大好きです。

 明治23年の土帝国海軍艦「エルトゥールル号」沈没事故に対する和歌山県民、そして天皇陛下の御言葉を賜ってこそ実現した大日本帝國全臣民による支援を、121年もの時を経て今なお互いに忘れないことが「友好」の基礎にほかなりません。国家主権を振りかざさねば滅ぼされる外交の世界に於いて、これがどれほど貴重なものでしょうか。

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 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110605/asi11060……
 ▲産經新聞:大統領、英語でのスピーチは駄目ですよ

 これも少し古い情報なのですが、尼国(インドネシア)のスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領が国際会議などで英語の演説をたびたび行なうことに対し、国内で大論争になっていたというのです。

 産經新聞社記事にある通り、大統領と副大統領、その他の公職者が国内外で行なう公式演説は、すべて尼国公用語の使用が法律で義務づけられています。

 かつて私が平成9年当時のスハルト大統領に対する不満を尼国の友人から聞いた際、つい「ならば政権を倒せばよい」と口にして、その友人から「そんなことをしたら、多民族の島嶼国家はバラバラになる」と言われたことを思い出しました。しかしその直後、本当にスハルト政権の打倒が実現したのです。

 尼国は、250以上もの言語を有する国家であり、公用語の使用によっても「国家としての結束」を確認しています。

 多部族の統治は、先日にも申した利比亜(リビア)と同様、或る種独裁体制でなければ難しい側面があり、スハルト政権が必ずしも全てに於いて悪かったわけではありません。その後の混乱で弱体化した尼国は、ようやくユドヨノ政権になって盛り返していますが、これも就任当初は「実力者だが地味」と言われた彼が一方で強権的に諸事を進めてきた成果であるとも言えます。

 わが民族は、皇室の日本であることにより、国家という意識を特段に持つ必要もなく幸せに暮らしてこれたのですが、それがかえっていざ戦争となれば政権による天皇陛下の政治利用を誘発し、国家の解体を目論む破壊活動(わが国の左翼)に気づくのをも遅らせていました。尼国のこのような事例を目にすれば、少しは目が覚めるのかもしれません。

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リビア、革命国家の運命

皇紀2671年(平成23年)10月22日

 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-237377……
 ▲ロイター:カダフィ大佐は頭部への銃弾で死亡、首相が検視結果を発表

 利比亜(リビア)の国家元首だったムアンマル・アル=カッザーフィー閣下(カダフィー大佐)が20日、潜伏先の故郷シルトで死亡した模様です。

 私は、わが国が東日本大震災で深く傷ついている中、表向きは北大西洋条約機構(NATO)による、しかし実態は英米仏が、結果として9634回に及ぶ空爆によって利比亜内政に介入したことを厳しく非難し続けてきました。

 日頃から「反戦」を唱えていたはずのわが国の平和活動家たちが一様に決して大きな声を上げなかったのは、カッザーフィー閣下が「市民に圧政を敷いた独裁者」であり、よって「市民による革命」を支持するとした破壊活動家(テロリスト)にほかならなかったことをあらわにしています。

 彼らは、都合よく「世界に民主主義を広める」と言ってきた米国政府とよく似ており、あくまで個人を主権者とし、その理性と意志と心情によって都合よく「平和」の意義が書きかえられるのです。そのせいで多くの人の生命が奪われました。

 カッザーフィー閣下は革命を起こした人物であり、独裁によって少なくとも3州の連邦から始まった多部族混在国家をまとめてきたのですが、革命は次の革命を呼ぶのです。彼は狂乱した兵士に惨殺されました。(国際法によれば、カッザーフィー政権と国民評議会は抗戦団体同士であり、よって評議会側には捕虜の確保義務があったため、これに違反した新しい利比亜をわが国が国家認証してはいけないはすです)

 何度も申しますが、トリポリを拠点にした国民評議会を支援し、市民に銃をばらまいて殺戮を扇動したのは英米であり、その目的はガソリン精製に適した利比亜の石油利権を掌握することです。

 私たちは「そのためにこそ民主主義というものがある」という現実を思い知らねばなりません。「国民の意見が政治に反映される」などという綺麗事は、当の欧米各国ですら通用していないではありませんか。

 米国のヒラリー・クリントン国務長官は18日、突如トリポリを訪問して「(カッザーフィー閣下が)早く殺害されることを望む」と発言していたのであり、バラク・オバマ大統領も英国のデイヴィッド・キャメロン首相も、閣下死亡の報を受けてこれを歓迎し、両国の関係強化を表明しています。この連中は、世が世なら仏革命を支持し、保守主義を否定するでしょう。

 それでも、閣下が多部族の統治に苦慮していたように、国民評議会は想定通り既に分裂の気配を見せており、利比亜は欧米の石油強奪が終わるまで混乱させられるでしょう。まずは旧知の縁で伊国が乗り込んでいくかもしれません。

 中共にしても北朝鮮にしても、革命によって誕生した新興国は、また必ず革命によって討ち滅ぼされ、殺戮と破壊が繰り返されます。これを否定する英国の保守主義も政治的ですが、それを排した皇室祭祀によってのみ世界平和は実現するのです。

 ところが、そうなっては困る革命国家が世界中にあり、彼らは祭祀を理解したがりません。実践すれば軍産利権が消滅するからです。すなわち、わが国の「反天皇制」を掲げる平和・人権運動は、まず彼らに騙されて誕生したものであり、だからこそ利比亜の人々が爆撃で多数死亡しているにもかかわらず、私のように疑問を呈そうとも怒りの声を上げようともしません。

 わが国は2671年も国家のかたちが変わっていないからこそ、私たちが安心して自由でいられるのであり、資源を横取りして賭博に興じるような欧米的価値観に振り回されてはならないのです。振り回されるから対等ではいられなくなり、彼らをそうとよく知ってつき合えば、どの場面でも「日本」を失うことはないでしょう。

韓国には感謝されません…

皇紀2671年(平成23年)10月21日

 昨日は支援総額700億ドル(約5兆3600億円)にも及ぶ新たな日韓通貨交換(スワップ)について述べましたが、何度も申してきましたように、韓国政府は通貨介入でウォン安誘導し、輸出政策を推し進めて利益を上げてきたものの、ユーロ危機で国内から投資資金が流出し始め、今度はウォン安を止められなくなったのです。

 韓国は困ったときだけ同盟国に助けを求めてきます。恐らく最初は米国に泣きついたのでしょうが、中共が先日、大量にドル売りを実行したような対処法は拒まれ、拒んだ米国政府が「日本に出させる」とでも約束したのかもしれません。

 それにしても野田佳彦首相の決断はあまりに唐突で、米国政府ですら驚いたでしょうが、野田民主党内閣は、政府が日本国憲法(占領憲法)を「憲法」と呼ぶ限り、実は「すべて国民」より米国政府や連合国組織(IMFや世界銀行ら)を優先せざるをえないという法の実態に、愚かしいほど極めて忠実です。

 わが国が韓国政府に救済してもらわなければならないような経済状態に陥ることは、当面決してありません。財務省は増税実行のために隠したがり、メディア報道もこれに追従していますが、政府の保有する資産は膨大で、韓国とは桁が違います。それでも通貨交換に応じたのは、ただ韓国経済を救済する目的しかないのです。

 http://news.kukinews.com/opinion/view.asp?page=&s……
 ▲国民日報(韓国語):[社説]韓国・日本通貨スワップ拡大は歓迎するが

 私はいわゆる「旅行会話」程度の韓国語しか理解しませんが、堪能な方の翻訳によりますと、彼らは今回の日韓合意に(当然だが)喜ぶ一方、なぜか「日本がこれで我が国と本当に近づきたいならば、独島を自国の領土と言いはるような悪癖を捨て去るべきだ」と言っています。

 先に断わった通り、わが国が韓国政府に助けてもらう必要は全くありません。今回の合意をどう歪曲して解釈しているのか知りませんが、私たちは、島根県隠岐郡隠岐の島町竹島を勝手に「独島」と呼称して「韓国領」などと強弁し、不法占拠しているような国に近づきたいなどと、それこそ全く思っていないのです。

 それでも敢えて良心的に述べれば、困っている隣国に手を差し伸べることで、将来の真の友好を信じたいものですが、韓国人はわが国が差し出した手を取りながら、私たちの足を踏みつけて裏で嘲笑しようとしているではありませんか。

 http://news.hankooki.com/lpage/world/201110/h2011101……
 ▲韓国日報(韓国語):韓国BC級戦犯出身者、日本総理に謝罪・賠償要求

 この記事にある主張もそうですが、日韓併合条約下の(本来する必要のなかった)諸賠償の問題をわが国の善意で全面解決させた日韓基本条約を、韓国人の都合や感情によって「なし」にしたり「あり」にしたりされたのでは、もはや日韓間で何の約束も出来ないことになります。

 在韓日本国大使館前に、元「従軍慰安婦」と自称する者を支援する団体が「日本攻撃」を意味する石碑を建てようとしていることも、まさに韓国人がわが国にカネを出させようと近づいてきながら後ろ足で砂をかけてくる現実を浮き彫りにしているのです。

 この「日韓友好破壊工作」に手を貸しているのが、韓国で「反日」行動に参加した岡崎トミ子元国家公安委員長や、社民党の服部良一衆議院議員のようなわが国の政治家であり、私は彼らを批判することでこそ「日韓友好」の可能性を街頭でも講演でも訴えてきました。

 こうした私の「友好の可能性」を敢えて口にする手法に対する批判を受けたことはありましたが、今までより多くの人々に韓国の「反日」の実態を知ってもらい、何をすべきかお伝えするには、恩を仇で返すことを恥と知る日本民族の民族性に語りかけねばなりません。従前の「日韓友好」が、いかに「友好ボケ」を誘うだけの真の友好には背を向けたものであったか、わが国のほうが目を覚まして思い知るべきなのです。

「反日」の実態をみんなに伝えるために……
 11月6日(日曜日)13時、東京・日比谷公会堂に集合!
 決起集会とデモ(15時〜)を敢行します。
 登壇予定=田母神俊雄元航空幕僚長、南出喜久治辯護士、
  西村眞悟元防衛政務官、戸塚宏校長、若狭和朋博士、
  伊藤玲子元鎌倉市議会議員、佐藤一彦宮司、遠藤健太郎代表
 是非ともご参加下さい。真実を広めるために……。

ほら!韓国救済の野田首相

皇紀2671年(平成23年)10月20日

 10月20日は、皇后陛下ご生誕の日です。本年で77歳の喜寿をお迎えになられました。心よりお祝い申し上げます。

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 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-236988……
 ▲ロイター:日韓が外貨融通を5倍以上に拡大、リーマンショック時上回る規模

 野田内閣発足後、今回開かれた日韓首脳会談を予測して、私は野田佳彦首相が韓国にすり寄って終えるだろうと申しましたが、どなたか事前に支援総額700億ドル(約5兆3600億円)にも及ぶ新たな日韓通貨交換(スワップ)の合意案について知っていましたか? これはあまりに唐突です。

 3年前の12月、当時の麻生太郎首相が東南亜諸国連合(ASEAN)+3(日韓中)の「チャンマイ・イニシアティヴ」に基づく融通限度額の引き上げに合意した際、あたかも麻生首相が「韓国寄り」の決断をしたように非難する論調がありましたが、あれは国際通貨基金(IMF)の管理下に入るという条件が元々ついているもので、仮にも韓国債が債務不履行(デフォルト)して韓国経済が崩壊した場合、再度IMFが前回より強烈なやり方で韓国を統治し、結局わが国政府が拠出する資金は、韓国と取引しているわが国企業の債務を償却するために使われるはずでした。

 もう簡単に申しますと、「麻生銀行」は自国企業を守るため、全世界広域指定金融団「連合組系IMF会」の血も涙もない取り立てを背景に日韓の合意を演出して見せ、李明博大統領もとにかく合意を担保に出来たわけですが、「野田銀行」がやったことは、取り立ての保証もなく不良債権だらけの国家にカネを融通すると約束してしまったようなものです。李大統領は、田舎の阿呆な頭取に救われました。

 あの時、麻生首相を非難した者たちに申したいのは、あなた方がおっしゃったことを本当にやったのが野田首相なのです。ご満足ですか?

 米韓自由貿易協定(FTA)の問題について17日記事では、韓国があれほど酷い不平等協定を呑もうとしているのが国際金融資本の管理下に入るしか(安誘導してきた)ウォンの急落に伴う経済破綻を逃れる道はないからだと申しましたが、いわば日米両国が関係強化をうたって今にも倒れそうな韓国を救済しています。

 ところが、米国政府はまんまと自国有利の、北米自由貿易協定(NAFTA)でも見せた所業に打って出たにもかかわらず、野田首相率いる日本政府は丸裸になって韓国をただただ救済すると言ったわけで、それが野田首相の個人資金で賄われるなら美しいお話しでしょうが、私たちにほとんど見返りもなく政府の資金を韓国銀行とやりとりするなど「友好ボケ」もいいところです。

 本来隣国が困っているなら自国のためにも助けてあげればよいのですが、例えば島根県隠岐郡隠岐の島町竹島の韓国による不法占拠すらやめさせられずに、その必要性を国民(臣民)にどのようにして説明するつもりでしょうか。いえ、野田首相は私たちに説明する気はありません。

 ならば私たちは今すぐ野田首相の辞任を要求しましょう。ここで何度も警告している環太平洋経済連携協定(TPP)参加のような圧力に対し、もはや首相を頻繁に交代させて時間稼ぎするほか、現下の程度の低い政党政治には防衛手段がありません。いわゆる「首相の年替わり」を一概に悪いことだと思う必要はないのです。

中共vs泰緬という事態

皇紀2671年(平成23年)10月19日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/111016/chn1110161……
 ▲産經新聞:中国人船員殺害 高まる緊張

 目下、泰王国(タイ)では例年より遥かに酷い洪水被害で300人以上もの死者が出ており、在泰日本国大使館に問い合わせますと、首都のバンコク都内13区15カ所が極めて危険な状態にあるといいます。また、南部プーケット県でも大雨が続き、もはや国土の3分の1が水没しかかっているほどです。

 バンコクからパタヤーに向かう途中には、大規模な工業団地があり、わが国企業も多く進出していますが、本年はつくづく私たちが自然とどう向き合うか、厳しい現実を突きつけられることが多いように思います。自然祭祀を忘れた机上の市場競争原理だけでは、わが国企業の持つ生産力を次世代へと継承していくことなど決して出来ません。

 さて、そのような泰王国にもう一つの禍がふりかかろうとしています。今月5日、メコン川流域で商船の中共人乗組員12人が緬国(ビルマ=ミャンマー)の麻薬密売グループに殺害されるという事件が起きました。

 問題は、事件に対する中共人(実態としては現役の人民解放軍人)の反応が激情化し始めていることであり、泰王国と緬国に人民解放軍の特殊部隊を派遣して報復せよという声まであがっていることです。

 自国民が他国で武装勢力に殺害されたり、工作員に拉致されれば、当然「特殊部隊を派遣してでも」という対処法が検討されるでしょう。中共人の怒りはごもっともです。

 しかし、この問題は産經新聞社記事が書く以上に根深く、確かに中共の覇権拡大の手がメコン川流域に及ぶ可能性を一つとして、中共と通じてきたタクシン・チンナワット元首相の実妹であるインラック首相の対中「忠誠」度が問われており、最も緬国現政権の変化があります。ともすれば泰王国は悪いことの全てを(これまで通り)緬国のせいにして、中共の怒りを回避することが可能なのです。

 メコン川沿岸に人民解放軍が常駐すれば、間違いなく越国(ヴェト・ナム)が黙っていませんが、彼らは一党独裁体制の変化に向けた過程研究のため、以前わが国を代表団が訪問しており、実は緬国のワナ・マウン・ルウィン外相も20日、何と緬国外相として16年ぶりに訪日します。やはりその目的は、民政移行したとはいえ軍事政権からの本格的脱却過程に日本の支援と協力を求めることですが、その奥には中共と距離を置きたいという真意があるのです。

 中共は、周辺にいわゆる「衛星国」を置こうと計画してきた節があり、ここでも何度か指摘したように、泰王室を貶めるタクシンの旧タイ・ラック・タイ党を中共が北京に支部を置いてまで支援してきました。かつての涅国(ネパール)も、まんまと3年前に王室を奪われ、2つの共産党に政権を担当させています。わが国も対岸の火事では済まされません。

 緬国現政権の昨今の変化(政治犯の大量釈放や中緬協力事業だったミッソン発電所の建設中止など)は、媚中政策からの脱却という国家的転換を意味している可能性は極めて高く、中共の現役軍人たちがこれほど苛烈に今回の事件を取り上げるからには、北京外交部を無視した緬国への軍事的恫喝を目的としている可能性もあるのです。

 わが国は、こうした東南亜の情勢を黙って眺めていてはいけません。海底資源開発にも関わる沖縄県の防衛について、越国や比国(フィリピン)、緬国、そして印国(インド)との関係強化によって大きく前進させる絶好の機会を迎えています。「日中戦争」の火種を抱え続けることは、先々わが国の弱点にもなりかねません。亜州の多くの支持を得て一気に強攻策に出ておく必要が今こそ、あるのです。