米国の対中政策は経済次第

皇紀2672年(平成24年)10月1日

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120929/k10015382041000.html
 ▲NHK:米 中国企業に投資中止命令

 米国のバラク・オバマ大統領は九月二十八日、中共系企業がオレゴン州の海軍施設周辺にある風力発電企業を買収したのは国家安全保障に関わる問題になりうるとして、九十日以内に出資を引き揚げ買収を撤回するよう異例の大統領令を出しました。

 この決断をもって米国政府が「反中」に舵を切ったと見てはいけません。沖縄県石垣市尖閣諸島をめぐる日米安全保障条約の適用云々とも一切関係がないのです。

 以前から申しておりますように、米国政府の対外政策は多国籍企業の意向を強く反映し、よって猫の目のように変わることがあります。目下米国に向けられている最大の関心事は大統領選挙の行方と、以国(イスラエル)が来春にも義国(イラン)を攻撃する可能性について、米国政府が支持するのか否かということでしょう。

 これらに関連してはっきりしていることは、実は米国内では先月に発生した中共人民による「反日デモ」という名の暴動または破壊活動(テロリズム)がほとんど報じられなかった理由が、中東における「反米デモ」との同一化を嫌悪するほど多国籍企業が現段階ではまだ中共経済と強く結びついていることと、オバマ大統領再選のための経済的混乱の矮小化にあり、日米関係を差し置いてでも日本が深く傷つけられたことは大きく取り扱うべきではありませんでした。

 米国政府はその基本方針としてまさかわが国のように「屈中」化することはなく、情報当局が中共共産党内部の権力闘争を「行方次第」と値踏みしながら、現在進行中の多国籍企業による「中共脱出」が完了してしまえば、平然と中共経済の不安を最大化させるでしょう。

 わが国の外交方針は占領憲法(日本国憲法)である限り他国にただ屈していくしかありませんが、本物の憲法(大日本帝國憲法)を復原すれば、太平洋防衛を共有している以上米国のこのような動きを常に分析するのは当然ですが、自ら動き出す時を見極めることができます。つまり、尖閣諸島とその周辺海底資源の採掘権を死守する策を打ち出すべき時はそう遠くない将来に間違いなくやってくるからこそ、その前提となる憲法復原を急がなければならないのです。

 米国政府は自立しており、中共政府に対して無用の「配慮」や「遠慮」などしません。ただあるのは多国籍企業の利益を守ることであり、国民の雇用状況を改善することであり、そのためであれば(米国政府の政策決定過程を批判する前に)中共政府関係者に対して「日本に肩入れしていません」と述べたかと思えば、自国から中共企業を叩き出します。

 わが国が占領憲法のままでは逆立ちしてもできない芸当ですが、本来国家を守るためには他国と握手もすれば同時に足蹴りを喰らわすこともあるもので、いわゆる「日中友好」や「日韓友好」を口にしながら(新潟市内の領事館建設予定地とされる不透明な土地購入事件も含めて)自国領を守るための強烈な政府決断は絶対に不可欠であり、それができて初めて「大人の外交」というのです。

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