総選挙争点の卑怯な歪曲

皇紀2672年(平成24年)11月10日

 http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20121108……
 ▲讀賣新聞:首相、年内解散を検討…TPP参加表明の直後に

 小泉純一郎首相(当時)が衆議院の解散総選挙に打って出た際、郵政民営化の是非のみを争点にしたのはまったくの出鱈目でしたが、それでも手法としては正攻法とも言えました。

 しかし、野田佳彦首相が仮にも環太平洋経済連携協定(TPP)への参加の是非を最大争点とし、解散総選挙を決断するならば、それはもうすべてがインチキと申すほかありません。

 TPPにわが国が参加する必要などないことはここで何度も繰り返してまいりましたが、むしろ同様の声が多くて民主党さえ分裂する危機を招き、とても推進し得ない雰囲気に永田町が包まれていたはずですが、一体いつ何者たちの差し金で野田首相はこれを思いついたのでしょうか。

 いわゆる「第三極」がTPPで一致しないことを目論んでのことなのか、そもそも彼らの体制が整っていないうちにやってしまえという話になったのか、いずれにしても民主党は私たち国民を莫迦にしています。

 ついでに申すなら、人権救済法案の今国会中に可決してしまおうという謀略も法務省の強烈な後押しで進められており、これは何としても止めておかなければなりません。

 さらにつけ加えておきたいのは、大阪第十七区(堺市西区・中区・南区)選出の辻恵法務委員会筆頭理事が今国会開会中に無断でわざわざ韓国を訪問していたことが発覚し、議院運営委員長から厳重注意を受けていた事実です。

 国会での議論を軽視し、韓国での何らかの催しに参加することを優先するような民主党議員は、一切わが国の国会に必要ありません。この選挙区はもともと西村眞悟衆議院議員の選出区ですから、もう皆様が投票すべき候補者はお分かりのはずです。

 私は早い選挙を望んできました。だからこそ歪曲された争点に惑わされません。争点は私たちが現行政権に突きつけるものです。あくまで「占領憲法(日本国憲法)根性」でよいのか否かこそを問いましょう。

スポンサードリンク

「暴走大臣」が遺すもの

皇紀2672年(平成24年)11月9日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121107/……
 ▲産経新聞:慰安婦問題で米紙に意見広告 強制連行裏付ける資料なし

 作曲家のすぎやまこういち氏らが米紙にいわゆる「慰安婦問題」に関する意見広告を掲載しました。韓国や別の問題で中共も同様に意見していますが、わが国の主張も人目に触れるべきであり、もっと資金があれば発行部数の多い新聞社に広告を掲載できます。

 これは中韓に対してわが国政府が何もしないからであり、沖縄県石垣市尖閣諸島でさえ購入費用を有志による募金で何とかしなければならないほどでした。その結果、政府自身が横槍を入れてきたのですから本当におかしな体制です。

 おかしいと言えば田中眞紀子文部科学相ですが、私が或る官僚から就任時に聞いた(ここでは表記を控えた)罵詈雑言の表す通りまたやらかしました。

 三つの新設大学を巡る「不認可」「認可」騒動を巻き起こしながら、挙げ句に「今回逆にいい宣伝になって四、五年間はブームになるかもしれない」などと吐き捨てる態度はまさにご夫婦そろって相変わらずです。

 この騒動の背景には秋田公立美術大学を潰したい思惑が田中文科相にあったと思われます。地元長岡の造形系大学を経営する学校法人と何らかの関係があるのではないでしょうか。

 田中文科相の言わんとしたことについて理解する声を散見しますが、質の問題を問えば既存の大学にも認可を取り消すべき事案は数多く存在し、仮にもこのような大学は低学力で入学した者を一人前の社会人に育て上げる工夫がありません。

 私は大阪芸術大学の映像学科出身ですが、わが国に少なくとも一年生から十六ミリフィルム撮影を実践する大学は日本大学芸術学部映画学科と大阪芸大映像(三年生から劇場用三十五ミリフィルムも使用)のたった二校しかないのです。その他有象無象存在する美術造形系の映像コースなどではビデオ撮影の程度しか学べません。それでは富士フィルムが化粧品を売り始めた理由もピンとこないでしょう。

 フィルム撮影したものをディジタル化して編集するにせよ、コンピュータ・グラフィックスを駆使するにせよ、その基本を学ばずに安易な方法だけを身につけるのは、まるで書道の基本も学ばずに「榊莫山!」などと言って出鱈目に書きなぐるようなものであり、榊氏も画家のパブロ・ピカソ氏も皆基本を知っていたからこそ空間をどう切り取るか表現することができました。

 学科長と学科長補佐の命を受けて私が約三億円の予算を編成して学院本部と戦った時は米国や台湾からも少なからず留学生が来ており、大阪芸大の学科で唯一桁違いの受験倍率が十三倍を超えていましたから、既存の大学とはいえ新しい撮影スタジオやドルビーステレオシステムの録音スタジオを建設しなければならなかったのです。業者と見積もりのやり取りだけで私の机の上は紙の山でした。

 しかし、そこから(私のような「大学にとっての失敗作」も存在しますが)多くの映画監督やテレビマンたちが巣立っていますから、人を育てるための努力を大学が怠ってはなりません。教える側にそれは求められており、映画監督や脚本家、撮影監督らが教鞭を取る意味は常に実践を見据えてのことで、何の役にも立たない落選中の政治家なんぞが名誉教授だったりする学科にはまず進学しないことです。

 わが国の大学に求められていることは、決して「秋入学」「すべて英語使用」といった小手先の「国際化ごっこ」ではなく、まず法学の理系化と研究と実践の均衡化であり、そのための予算と適性人員の確保をやり直さなくてはなりません。これは公立のみならず私立もです。

 筑波大学の敷地内にようやく確保された掘っ立て小屋でオーランチオキトリウムが研究されたような状態では、安直な合理主義に奔って基本を学ばない学生しか育てられず、その責任を回避して隔世のまま戯言を吐いていられる教授の類いをのさばらせるしかありません。東京大学社会科学研究所の和田春樹名誉教授なんかがその典型なのです。

まるで宗主国の選挙のよう

皇紀2672年(平成24年)11月8日

 http://www.cnn.co.jp/usa/35024141.html
 ▲CNN:オバマ大統領が勝利宣言 米大統領選

 米民主党のバラク・オバマ大統領は七日、事前に言われていたよりも早い時間帯に再選を確実にしました。以前にも申しましたが、これが以国(イスラエル)のベンヤミン・ネタニヤフ首相と共和党のミット・ロムニー候補の関係がかつてほどのものではなくなっていた可能性が事実であった上での選挙結果ならば、来春の義国(イラン)攻撃日程は予定通り進むのでしょう。最悪です。

 さて、わが国の報道は選挙戦の行方を追おうと過熱気味でした。まるで自国で選挙が行なわれているかのような速報体制が組まれ、特に日本放送協会(NHK)は午前から特別番組を編成していました。

 日米関係が重要であることを大前提としても、これはやりすぎです。

 オバマ大統領の再選やロムニー候補の当選に期待するようないずれの論調もいわゆる「他力本願」に溢れており、わが国自身の力ではなし得ない何かを求めています。オバマ大統領であれば「弱者救済」「反戦」、ロムニー大統領になれば「日本への利益誘導」「親日的人事」へと突き進むことへの限りなく幻想に近い期待です。

 しかしながら、占領憲法(日本国憲法)を「憲法」として護り改正しようとしかしてこなかったわが国にとって見れば、米大統領の存在がまさしく「宗主国の宰相」を意味してしまうのです。

 それでも米大統領は米国の、しかも多国籍企業の利益を優先します。その配分比率の違いを巡って二候補が戦っていたに過ぎません。わが国が米国と何らかの強い目標を持って共闘するのなら、そもそも彼らにだけその何かを求めていてはいけないのです。

 例えば義国問題について、わが国はホルムズ海峡の封鎖という状況を回避するために米国を説得できるでしょうか。独自の資源外交ができないのは、交戦権がないと言い続ける日本に火力の元を取引することそのものが認められていないからです。そのせいで電気料金やガソリン価格の高騰に苦しめられるのは私たちだという自覚が、私たち自身の中にもほとんどありません。

 そのような目でただ眺めていたのが米国大統領選挙でした。同盟国の大統領や議会の様相を把握するという当然の行いではなく、いつまで「わが国の総元締め」の変化に怯えるのでしょうか。変わらなければならないのは私たちの意識です。

日米離間に失敗する中共

皇紀2672年(平成24年)11月7日

 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121030/238785/
 ▲日経ビジネス:中国とは絶縁し東南アジアと生きる 「反日国家に工場を出すな」と言い続けてきた伊藤澄夫社長に聞く(上)

 亜州・欧州会議(ASEM)の会場で中共の温家宝首相は野田佳彦首相を無視しましたが、お二人とももう後がありませんから今さら話し合ったところで時間の無駄であり、そうでなくとも沖縄県石垣市尖閣諸島が議題にあがるような日中首脳の対話は決してすべきではありません。

 日本経済新聞社の鈴置高史編集委員は、伊藤製作所の伊藤澄夫社長との対談の中で日中対話の危険性について、「(日本が)話し合いに出た瞬間、中国(※)は『日本が中国の領有権も潜在的に認めた』と見なし、軍事力を行使しても世界から非難されなくなる、と考える」と言っています。(※=中共のこと)

 さらに「今まで中国が武力を使わなかったのは米国が空母打撃部隊を尖閣周辺に送って中国を牽制していたことが大きい」との事実を指摘し、にもかかわらず日中対話を始めればはじき出されるのは米国であり、そうして日米同盟を破綻させることが中共のもう一つの狙いではないか、とも言っています。

 昨日記事では尖閣諸島の「共同管理」をわが国に提案する対日工作機関の新設に関する中共の動きを取り上げましたが、何度も申してまいりましたように、日米は太平洋防衛という共通の価値観を有しており、そこに風穴を開けて太平洋のあらゆる権益を掌握したい理性に支配されているのが中共です。

 彼らが尖閣を狙う真意はここ数年で変化しており、当初は海底資源が目当てだったものの現在はその埋蔵量に疑問を持ち、むしろ米国と対等になろうという策略の元に太平洋進出の障害物を取り除きたい一心なのでしょう。そのためにはわが国から尖閣を奪い、沖縄県そのものを奪い、できれば米国が日本に不信感を抱くような方向へ誘導しようとしています。

 この「日米離間工作」に手を貸したのが鳩山由紀夫元首相であり、沖縄県内に侵入して目下も暗躍する対日破壊活動家(テロリスト)です。鳩山元首相の言動に核心的なものはありませんでしたが、中共の工作による「ふんわりとした世論」の操作(今回の温首相の態度も私たちを焦らせるための芝居だろう)だけで政策を猫の目のように変える政治家がわが国にいることは、まさしく日米の弱点以外の何ものでもありません。

 太平洋に進出される恐怖に駆られたかつての米国がわが国を占領統治する際、潰せないと知った皇室の弱体化を目論んでまで私たちに「日本は悪いことをした国だという自虐」を押しつけてきましたが、それがあたかも呪いか祟りのように米国を困らせ始めています。

 まもなく大統領選挙の結果が出ますが、国防総省にも中央情報局にまでも予算を削減せざるを得なくなった米国は、日本の自立なくして日米共闘で太平洋を防衛しきれなくなりました。この状況はバラク・オバマ大統領であろうがミット・ロムニー大統領になろうがほとんど変わりません。

 占領憲法(日本国憲法)の無効確認という法理論が確実に憲法論の机上に今乗り始めたのは、護憲はもちろんのこと改憲でももはやわが国が独立国として機能し得ないと気づき始めた人が増えたためでしょう。私たちが「日米離間」を恐れるのも、現状わが国のいわゆる「官僚政治」がただただ対米従属だからなのです。

尖閣めぐる中共の対日工作

皇紀2672年(平成24年)11月6日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/121102/chn121102……
 ▲産経新聞:「尖閣」共同管理へ定期協議要求 対日工作トップに習近平氏指名 中国が方針

 兵庫県警察の外事課らが二日に書類送検した中共共産党の薩蘇工作員は、沖縄県石垣市尖閣諸島への海上自衛隊の出方を探るため、主に佐世保基地に侵入していた模様です。表向きには環球時報の契約記者であり、中央テレビ(CCTV)にも出演していました。わが国の中にはこの種の中共人がまだまだ潜伏していると心得ておくべきでしょう。

 さて、中共政府はその尖閣諸島を巡る領有権問題の存在をわが国に自覚させ、周辺海域の「共同管理」などを話し合う定期協議を求めるとする対日工作方針を決めました。新設される対日工作調整委員会の長を習近平次期国家主席自らが務めるといいます。

 ここで重要な彼らの変節を見逃してはいけません。中共は勝手に尖閣諸島を「われわれの核心的利益」と規定し、一歩も譲らないとして私たちを挑発し続けてきましたが、突如「共同管理」などと言い出したわけです。

 わが国政府がもしこの「外交交渉」という名の「服従決定会議」に応じれば、間違いなく東支那海瓦斯田開発と同じ顛末を辿ります。日中の共同開発を謳いあげておきながら、彼らは日中中間線の内側で勝手にわが国の分の瓦斯をも吸い上げ始めました。中共政府の所業はいわば先に採掘したのですから当然であり、日中友好の声にそそのかされて完全に騙された私たちのほうが悪いのです。

 彼らの変節は、私たち日本人の対中不信の爆発的増加を知ってのことで、ならば世論誘導してから侵略してしまおうという手に出たためでしょう。しかし、もうこの手は通用しません。やればやるほど中共への怒りを増幅させ、終焉の途に入った経済関係はついに崩壊し、中共が自滅するだけです。

 ですから、いわゆる「尖閣問題」を言う一部保守論壇は日中戦争の創出を狙う米国資本の「犬」だとする論評を散見しますが、これは昨年ごろまでなら私も同様の主張をしたとして、もはや中共の現状は人民解放軍の暴走状態に注視しつつも日中対立にすら耐えられません。そんな中共に寄って日米と距離を置き始めた韓国は、完全に判断を誤りました。

 本当は打つ手をとっくに失っている中共に一切妥協の必要はありません。しかし、占領憲法(日本国憲法)の有効をこそ信じて交戦権を失った体制から脱しない限り、外交ができないのです。米国とは太平洋防衛という共通の価値観を有しますが、わが国がどの国を相手にしても服従するしかないことが前提となる条約の類いを桑港講和条約発効後も「憲法」として置き続ける国際法的根拠はまったくありません。

 私たちは勝つことができます。そのための元あった舞台をもう一度設置しなおしましょう。