省庁の立ち位置が分かる

皇紀2675年(平成27年)4月3日

※ 本日は配信時間を変更しました。ご了承ください。

 http://www.sankei.com/west/news/150402/wst150402……
 ▲産經新聞:起立したのは卒業生たった2人…「国歌」着席のまま、曲だけ流す 国立奈良教育大付属中、入学・卒業式

 国立大学法人の学校でこのありさまです。「日章旗だから掲げよ」「君が代だから唄え」というより、現世私たちが先人以来のさまざまなことを血とし骨とし肉とし自らもその一人として皆のために唄うということを否定するような教育は、恭倹と博愛を必要としない自己の心情のみを優先する人を作り出してしまうことにほかなりません。

 そのようなことも子供たちに教えられない教育大学は、付属校を含め必要ありません。

 http://www.sankei.com/politics/news/150402/plt150402……
 ▲産經新聞:対韓国「価値共有」 HPに続き削除 平成27年版外交青書

 日韓関係で従前使用してきた「基本的な価値を共有する」との表現がホームページ上で削除された経緯については、三月二十八日記事で取り上げましたが、外務省がまとめた平成二十七年版の「外交青書」でも削除されることが分かりました。

 例えば内閣府が発行する「経済財政白書」や法務省の「啓発白書」、防衛省の「防衛白書」などと併せ、私たちが何らかの政策提言をする際にまず省庁がどのような前提を築いているか確認しておかなければなりません。

 よってその前提そのものに疑義がある場合、そのように指摘して提言すれば官僚諸氏の耳に入りやすいという実情があります。

 外交青書(これだけが「青書」であり、他の省庁刊行物はすべて「白書」)のこのような変化は、島根県隠岐郡隠岐の島町竹島やいわゆる「慰安婦問題」などで韓国政府の対日政策に異様なものを指摘せざるを得なかった私たちとしては、少なからず話がしやすくなったとみてよいでしょう。

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安倍内閣と橋下都構想

皇紀2675年(平成27年)4月2日

 http://www.sankei.com/west/news/150401/wst150401……
 ▲産經新聞:橋下氏、国会病欠後旅行の上西議員に「辞職を」 猛批判

 自民党でも民主党でも日本共産党でさえも、一年生議員にいわば「世間知らず」を抱えています。共産党の池内沙織衆議院議員(比例東京)が安倍晋三首相を誹謗中傷する内容をツイッターに書き込んだ際、党は「不適切で申し訳ありませんでした。指導します」と詫びたものです。

 党として幹部が応援演説に立ち、私たちに向かって懸命に支持を呼びかけた人物の失敗を執行部がどう処理するかで、私たちのその党に対する信用が変わります。

 維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)が同党の上西小百合衆院議員の行動を批判するのはもっともで、彼女の行いは私たちの不信を買い、立法府を冒涜した可能性を示唆していました。(※注)

 しかし、橋下顧問が上西衆院議員に直接叱っている場面ではありません。記者会見で「上西議員を批判し続ける」とまで感情をあらわにしてしまいますと、私たちは今後橋下氏の応援する人物や推す政策を支持できなくなるのです。

 橋下氏の言動が大阪市民の反発を大きく買い始めた最大の原因は、このようなものの言い方であり、彼はこれまでにも何度か「他人事に聞こえる」或いは「自己保身」のような同党議員に対する非難の言葉を口にしてきました。

 党としての清潔感や自身の「正義」なるものをアピールしたいのでしょうが、常に逆効果であり、彼のやったことで正しいことは「正しい」と申してきた私が基本的に彼への批判をやめないのは、市民を含む他人に対する心配りより他人を蹴落としてでも自分をよく見せようとする悪癖が(恐らく)ご本人無自覚のまま露出するからです。

 橋下氏がこの期に及んでそれを先鋭化させたのは、大阪都構想に関する住民投票を控え、上西衆院議員のような行動を擁護する政治家とは思われたくないという保身が強くはたらいたせいでしょうが、かえって「橋下市長が推すすべてのものに対する不信」を招きかねません。

 安倍首相が橋下氏にエールを送り、都構想に理解を示していると報じられたことがありますが、私の知る限り内閣府や総務省には「都構想の実現は大阪だけでなく関西経済全体の沈没すら招く」という危機感があるようです。

 憲法問題での協力関係構築へとたどり着く前に、都構想が景気(内需)回復に懸けた安倍首相の致命的な足かせになるかもしれません。

(注)上西衆院議員および家城大心秘書の態度は、まるで反社会的勢力のそれのようであり到底許されません。

【追記】 橋下最高顧問は三日、上西衆院議員とともに記者会見に姿を見せました。ここでの対応はリスクマネジメントとしてはよくできており、むしろ橋下顧問に好感が持てました。私が記事中に指摘したようなことを周囲のどなたかが忠告したのか、ご本人がすべきことを自覚されたのか分かりませんが、会見に出たことおよび発言の内容は、信用の回復に一役買ったかもしれません。

日本主導銀からの鞍替え?

皇紀2675年(平成27年)4月1日

 http://www.sankei.com/world/news/150331/wor150331……
 ▲産經新聞:【アジアインフラ投資銀】「戦わずして日米に勝つ」中国が狙う21世紀の“孫子の兵法” 雪崩を打って各国参加

 産經新聞社配信のこの記事の表題のつけ方がよくありません。「戦わずして日米に勝つ」「二十一世紀の『孫子の兵法』だ」というのは中共人の自画自賛ですし、極めつけに「雪崩を打って各国参加」で私たちに焦燥を煽情しています。

 かくして昨日記事の続きを申さねばならなくなったのですが、与野党国会議員の中にはすでに亜州インフラ投資銀行(AIIB)への参加を政府に要請する声が複数あるのです。

 報道各社が好きな「日本は世界から取り残される」という不安を扇動して間違ったほうへと世論を誘導する手口は、一部国会議員や官僚諸氏の常套手段でもあります。例えば国民を戦争へとかき立てる時も、時期尚早も甚だしかった消費税率の引き上げも同種の類いにほかなりません。

 ここで改めて申します。米国に比べてわが国がまったく焦る必要もないのは、わが国主導の亜州開発銀行(ADB)に何らの不安がないからです。亜州・太平洋、欧米のあわせて六十七か国と地域が参加しています。

 歴代総裁(九人)の全員が日本人であり、現在わが国の代表総務は麻生太郎副首相兼財務相です。本部をフィリピンの首都マニラに置き(AIIBはもろに北京に置く)、さまざまな問題を抱えながらも、AIIBが設立前に抱える「中共共産党人民解放軍用施設の建設計画ばかりが採用されるのでは」といった問題は一切ありません。

 各紙に煽られないよう、今一度ADB参加国の一覧をご確認ください。そうそうたるメンバーです。

 http://www.adb.org/about/members
 ▲Asian Development Bank:Members

 と申しますのも「AIIBに参加するとADBから脱退する」という勘違いがあり、ご質問をいただきましたので、はっきりお答えします。

 設立時より参加したドイツ、オーストリア、イタリア、イギリス、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドらがこぞってAIIBに鞍替えするのではありません

 フィリピン、ヴェト・ナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インド、台湾、そして中共さえADBに参加したままなのです。

AIIBに手を出すな!

皇紀2675年(平成27年)3月31日

 http://www.sankei.com/economy/news/150330/ecn150330……
 ▲産經新聞:菅官房長官、AIIB参加に慎重姿勢崩さず

 イエメンの内乱で米政府の中東政策は大きく混乱しているようです。イラン(義国)との核交渉も周辺国の反感を買っています。私は米国がどうあろうと日義関係を良好に維持するよう唱えてきましたが、ことほど左様に米国の外交方針は一貫しないのです。

 三月十八日記事でも「仏独英ら欧州各国がすでに『米国の凋落』を見ている」「仏独英のいずれも決して中共を信用しているわけではなく、米政府の要請に応える必要がないという一点」と指摘しましたが、亜州インフラ投資銀行(AIIB)に豪州までもが参加を表明したのは、米豪関係よりも英連邦としての立場を豪州に優先されてしまった結果にほかなりません。

 また、表向きの友好や同盟は「カネ」より優先されないことを、これらの国の態度が物語っています。

 しかし、AIIBについて、わが国が米国に比べまったく焦る必要がないことは、前出の過去記事で簡単にご説明したとおりであり、日欧米分断の底意が潜むとされるAIIBが発足するからこそ欧露各国が日本の立ち位置を確認したがっているのです。

 一部で報じられているほど、AIIBに慎重な姿勢をとる安倍内閣は米国に盲従していません。米財務長官が中共の国務院総理とこの話をしていますが、少なくとも私の知る限り、中共が融資するどころではないことを「米政府はどこまで分かっているのか」と首相官邸が心配しているほどです。

 にもかかわらず、与野党を問わず国会議員の中には「AIIBに参加しておかないと大変なことになる」と言い出す者がおり、麻生太郎副首相兼財務相や菅義偉官房長官が会見でいちいち牽制しなければならない事態にあります。

 わが国までこれに参加してしまえば、必ず欧露各国から非難と失望の声を浴びることになるでしょう。なぜなら、彼らは「(AIIBのその謳い文句と)実態はほぼ異なるであろうことも折込み済み」で日本にしっかりしていて欲しいからです。

 ずいぶんと勝手な話ではありますが、これがわが国にとっていわゆる「損して得取れ」ということでしょう。そういう展望が国会議員にないから浮足立つのです。

韓国の常識は日本にない

皇紀2675年(平成27年)3月30日

 http://www.sankei.com/politics/news/150329/plt150329……
 ▲産經新聞:「韓国軍が慰安所設置」 ベトナム戦争時 米公文書に記述

 安倍晋三首相が米ザ・ワシントン・ポスト紙のインタヴューで、いわゆる「慰安婦問題」について「人身売買の犠牲」と述べ「心が痛む」と答えたことに対し、韓国外交部や報道各社が「軍の関与をぼかす意図がある」などと非難しています。

 しかし、すでに徹底した調査の上にまとめられた米公文書のどこにも大日本帝國軍が慰安婦を強制連行した記述はなく、証拠がありません。また、何度も申しますが、わが国から韓国人慰安婦の話(吉田証言)が出たことを受け、韓国の済州新聞社が現地調査した結果でも「女性が連れていかれた」というような証言は誰からも得なかったのです。

 これまでそのようなことを現代史家の秦郁彦氏らが指摘しても、朝日新聞社の報道を前提とする人たちによって「右翼の妄言」と片づけられてきたわけですが、虚報の発覚でまだなお「妄言」とでもおっしゃるのでしょうか。

 それどころか朝鮮戦争のみならずヴェト・ナム(越国)戦争に於いても、韓国軍が「トルコ風呂」という名称で慰安所を設置し、そこで越国人女性に売春させていたことが二十九日、米公文書で明らかになりました。

 越戦争に参加した韓国軍の暴虐はかねてより指摘されてきましたが、米公文書の記述により単なる「嫌韓の妄言」ではなくなったのです。

 かつてわが国でも現在の「ソープランド」のことを「トルコ(土国)風呂」と呼称していましたが、韓国でもほんの十数年前までこの呼称を用い、土政府から改称の要請を受けました。よって現在は使われていません。

 これは「日本だけが悪いのではない。あなたたちだってやっていたではないか?」ではないのです。「日本はやっていない。あなたたちがやっていたのではないか!」なのです。

 自分たちがやったからと言って、日本人も平然とやったに違いないと思い込むのはやめてください。日本軍は不正な慰安所設置に罰を与えていたのであり、日本のことも自分たちの尺で測れると思ったら大間違いなのです。