「日本の選択」というウソ

皇紀2683年(令和5年)5月11日

 本日午前四時十六分ごろ、千葉県南部を震源とするマグニチュード5.4の地震が発生し、木更津市で最大震度五強を観測しました。早朝のことで大変驚かされたでしょうが、関東地方の皆さん、大丈夫ですか?

 石川県の能登半島でも大きな地震が起きたばかりですが、特にしばらくは強い揺れにご注意ください。

Exclusive: Prime Minister Fumio Kishida Is Giving a Once Pacifist Japan a More Assertive Role on the Global Stage

The official residence of Japan’s Prime Minister is a spooky place. Inspired by American architect Frank Lloyd Wright, the stone and brick mansion in central Tokyo…

(TIME)

 米誌「タイム」の表紙を飾った岸田文雄首相。そこには「日本の選択」という表題がつけられていました。何ごとかと記事を読むと、いきなり首相官邸の悲劇(5.15事件や2.26事件)に始まり、かつて晩餐会で米大統領が首相の膝に崩れ落ちた話から、どうも「呪われた場所」とでも言いたげです。

 まもなく広島市で開かれる先進主要七か国(G7)首脳会議に、米民主党のジョー・バイデン大統領が欠席する可能性が浮上しました。予想される理由は、四日記事で申した米国の債務不履行(デフォルト)が避けられないからです。

 しかし、本来ならそれこそG7の場で、迷惑甚だしい影響を受ける他の主要六か国首脳に説明しなければなりません。何らの解決力を持たない呆け老人が引きこもっている場合ではないのです。

 一部には、広島平和記念資料館の訪問を「嫌がっているのではないか」との憶測もありますが、バイデン氏が副大統領時代、ただ「核のない世界を」と口走ってみただけで、曲がりなりにもノーベル賞のうち「唯一全く価値がない」平和賞を受賞したのは、米民主党のバラク・オバマ大統領(当時)です。米民主党政権がこの世界にもたらした広島の被爆体験を刮目して見るがいい。

 そこでタイム誌の記事に戻りましょう。大きな表題に付記された小見出しには「岸田文雄首相は、かつては平和主義だった日本を軍事大国に変えようとしている」と書かれています。本当でしょうか。

 妙な文章に始まった本記事を読み進めますと「再分配政策を通じて中間層を成長させるための『新しい資本主義モデル』」や日韓関係の修復、国防費を五十%以上増やして「世界第三位の経済大国を、それに匹敵する軍事的存在を備えた世界大国に戻すことに着手した」と書かれています。

 海外では左翼的(リベラル)指導者と評された安倍晋三元首相が国内では「極右の徒」「殺されて当然」などと口汚く誹謗中傷されましたが、その国内で「左翼の売国奴」「財務省の犬」と厳しく批判されている岸田首相が米国には右翼政治家にでも見えているのか、と見紛うほどの評文です。

 岸田首相が掲げた政策を表層だけで並べると、確かにこうなるのでしょう。もしもこの全ての中身が十分に伴っていれば、岸田首相は、日本国民のための保守系政治家として高く評価されるはずです。

 ところが、直近の厚生労働省の発表では、給与が下落したまま物価が上昇し始めた(最悪のスタグフレーションを起こしている)ため、実質賃金が前年同月比ですら二.九%も減っています。

 何度も申しますが、平成以来の政府の無策と失策により、私たち日本国民の価値が下がりました。人に値段をつけるような話ではなく、私たちがはたらいたところで受け取れる賃金は、他国の経済成長にどんどん抜かれていったのです。岸田首相も、中間層の成長とはまるで逆のことばかりしています。

 防衛費増強についても、繰り返しになりますが純然たる防衛省・自衛隊の予算増はわずかで、他省庁の予算を無理矢理に関連づけて総称しているにすぎません。世界に与える軍事的存在は、これまでとほぼ変わらない「あれもできません・これもできません」のままです。

 続いてわが国を取り巻く情勢の厳しさが延延と綴られていますが、改めてこれらに全く対応できない日本政府の醜態をまるでわざわざ晒しているかのような記事であり、真っ当な日本国民が読めば情けなくなり、それでも不勉強な左翼市民が読めば現実の認識能力がないため発狂するのでしょう。

 この記事は、財務省の犬であり米国の犬である岸田首相への「ご褒美」か何かだったのでしょうか。

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外圧をすべて叩き出せ!

皇紀2683年(令和5年)5月10日

カナダが中国外交官追放、ウイグル問題巡り議員に圧力

[オタワ 8日 ロイター] – カナダは8日、在トロントの中国外交官を追放した。同外交官を巡っては、中国・新疆ウイグル自治区の人権状況に批判的なカナダの議員に圧力をかけようとしたと、カナダの情報機関が報告書で指摘していた。…

(ロイター通信社)

 この英連邦加州を全て「日本」に置き換えてみましょう。既にわが国でも起きていることです。私たち国民も、民主主義(民意の反映)のためにこうした不当な外圧の一切を拒否しなければなりません。

 わが国の選挙で当選したはずの国会議員やわが国の国家公務員が日韓友好を謳って実のところ北韓(北朝鮮)派と接触していたり、日中友好を謳って共産党の工作員にまんまと「やられて」きた過去は、恐ろしいほど枚挙にいとまがないのです。

タクシン派優勢、革新猛追 タイ総選挙、親軍と連立も

 【バンコク共同】14日に実施されるタイ下院総選挙まで7日で1週間となった。タクシン元首相派の最大野党「タイ貢献党」が4割近い支持を固めて優位な情勢だ。若者を中心に支持を集める革新系も追い上げており、終盤での混戦が予想される。貢献党は、支持が広がらない親軍最大与党と連立政権を組む可能性も取り沙汰されている。…

(一般社団法人共同通信社)

 例えば旧タイ・ラック・タイ党(泰愛国党)のタクシン・チナワトラ元首相(客家系華人)が政権を獲って以降、混沌の淵に堕ちたタイ王国(泰国)で何が起きていたのか、かつてたびたび取り上げました。旧泰愛国党は、北京市内に支部を設けることが許された「タイ・カーイ・タイ党(泰売国党)」だったのです。

 タクシン氏のやり方は、貧困にあえいできた主に東北部(イサーン地方)の人びとに現金をバラ撒き、圧倒的支持を集めました。しかし、当時のプーミポン・アドゥンヤデート国王陛下(ラーマ九世)をも畏れぬ不敬行為を繰り返し、自身創業の電気通信会社をシンガポール(華僑の都市国家)に売り渡した利益の節税工作で批判を受け、訪米中に政権を転覆されたのです。

 そこから泰国は、延延と政権の混乱が続き、今や王室の弱体化が実現して尚の混乱に政治が疲弊しています。泰売国党の後継であるプアー・タイ党(泰貢献党)がタクシン氏の実妹で「コメの買い上げ制度で不正に泰国の利益を損じた」インラック・チナワトラ元首相(同じく海外逃亡)以来、再び政権を獲るなら、現状の親軍政権に問題があったとしても、さらに悪いほうへ転落していくだけです。

 北韓や中共寄りの共同通信社は、最大野党・右派の泰貢献党だけが約四割の支持を集めているように書いていますが、世論調査で次期首相第一位のピタ・リムジャロンラット元下院議員が党首を務める野党第二党・左派のカオ・クライ党(前進党または進歩党)も同程度の支持を集めています。

 若いピタ氏は、ともすれば(過去を含め)女性問題をあげつらわれる可能性こそあれ、左翼が腐り果てたわが国とは違い民主進歩党が与党の台湾と同様、右派よりも左派の前進党が政権を獲ったほうが泰国を守ることになるでしょう。

 問題は、どのほかの党と連立政権が組めるかにかかっており、中共の外圧に屈しない政治家や実業家の勢力が一刻も早く泰政治の主導権を奪取しなければなりません。

 ことほど左様にわが国も、韓中に配慮し続ける一方で米国の外圧に最も弱い現行憲法(占領憲法)政治が続いたままです。対米自立を目指した中共経済を尻目に、中共を牽制するよう同盟国にばかり注文をつける米国が、では中共の増長をどう抑えるでしょうか。

 特に米民主党のジョー・バイデン大統領は実際、一月二十四日記事でも申したように「対立ごっこ」を繰り返して同盟国を煽るだけで何もできないのです。台湾を守る気があるかどうかも極めて怪しいと指弾せざるをえません。

 先の日韓首脳会談をめぐっても、米国は私たち国民の歴史的名誉になど当然と言えば当然ながら何ら関心がなく、形式的日米韓関係だけを押しつけてくるなら、こちらはお断りなのです。

 他国との協調を前提としても、まるで自立思考のないわが国の立法と行政は、泰国の現状よりも深刻で質が悪いかもしれません。私たち国民が声を上げていかねばならないのです。

保守派を裏切った稲田朋美

皇紀2683年(令和5年)5月9日

 自民党の稲田朋美衆議院議員(福井一区)がツイッター上の保守系アカウントをつぎつぎにブロック(閲覧拒否)し始めたようです。第二の河野太郎デジタル相(神奈川十五区)でも目指しているのでしょうか。

 発端は、二日記事で言及した同性愛・全性愛・性同一性障害・性不特定(LGBTQ)の理解を促進する法案を稲田氏らが推進しているのを、ツイッター利用者が指摘したことです。政治家が(誹謗中傷ではなく)事実を適示した国民を排除するのは、あるまじき態度です。

 私が完全に稲田氏を見限ったのも、或る福井県内で発行されている保守論壇紙の受け取りをわざわざ拒否した(送り返した)と知った時でした。それは、私も寄稿したことがあったと思いますが、安倍晋三元首相らの寄稿文も掲載されたことのあるごく真っ当なものです。

 だから「こういう女なんですよ」と。高市早苗内閣府特命(経済安全保障)担当相の悪口を吹いて回っていたのを、某自民党議員から知らされたのはその後ですが、実は女性蔑視が背景にある夫婦別氏(姓)制で高市氏をあてこすったことも含め、全く見下げ果てた人です。

 稲田氏のお父様(故・椿原泰夫先生)は、本当に優しい方でしたし、不義理なことを一切なさいませんでした。なのになぜ娘はこのザマなのか、分からないというより極めて腹立たしいのです。

韓国各紙、岸田氏発言は「不十分」 大統領府は意義アピール

【ソウル=時吉達也】韓国各紙は8日、前日7日の日韓首脳会談を1面トップで大きく報じた。岸田文雄首相がいわゆる徴用工訴訟問題を巡り「心が痛む」と述べた点について…

(産經新聞社)

 さて、昨日記事で指摘した通りに行動する韓国の左翼・極左報道権力は、もはや見ていて哀れと評すほかありません。

 しかし、ソウル特別市龍山区の大統領室を取り囲んだ団体が対日ヘイトスピーチ(日本憎悪差別扇動)勢だけではないことを、ここで皆さんにお伝えしておきます。保守系の「新自由連帯」こそ、対日ヘイトが約三十人程度しか集まらなかったのを横目に、約五十名を集めて「岸田首相の答礼訪問を歓迎します」と声を上げました。

 すると対日ヘイトが私たち日本人の蔑称である「お前らはチョッパリ(※明らかなヘイトスピーチ)! 親日うせろ!」などとわめき散らしたため、保守派が「反日扇動をやめなさい!」と返す一幕がありました。

 日韓に共通しているのは、対日ヘイト勢の文字通りヘイトの口汚さです。これに怒った保守派が「嫌韓」となり、口汚く言い返す場面も従前ありましたが、最近では「もうどうぞ叫んでいなさい」という声のほうが多いように思います。

 一方、日米韓関係の破壊を目論んできた中共・共産党機関紙の国際版「環球時報」が尹錫悦大統領の関係修復作業を中傷し、駐北京韓国大使館がこれに抗議したところ、外交部が「民意を反映している」と返したのは、失笑を禁じえません。共産党機関紙のどこに「民意」があるのか、彼らの頭の中にはさぞ虫が湧いているのでしょう。

 やはり口出しせずにはいられない北韓(北朝鮮)派と中共の分かりやすい態度に、本来「日韓は離間してはならない」ことが分かります。北韓が煽った対日ヘイトと、それを我慢するよう求めてきた米国に苦しめられたわが国は、今後一歩も譲らぬものは譲らず、ヘイトのつけ入る隙を与えない覚悟を持たねばなりません。必要もないのに謝るからヘイトがなくならないのです。

 裏切られたら「はい、さようなら」しかありません。また嘘をついたら「二度と口きかん」でいいのです。

追記)七日記事で申した通り主題は、北韓有事でしたから、日韓双方が米国から要請されたままレーダーシステムを連結しました。韓国が再び北韓派に政権交代すれば解除してしまえばいいのですが、火器管制レーダー照射事件のお詫びなく合意したのは、岸田首相の失点です。

韓国に課題~日韓首脳会談

皇紀2683年(令和5年)5月8日

 警視庁第四機動隊に所属する二十五歳の男性巡査が五日午前四時四十分ごろ、首相官邸(東京都千代田区永田町二)敷地内にある西門守衛所のトイレの個室内で拳銃自殺を図ったものと思われ、亡くなりました。衷心よりお悔やみ申し上げます。

 本年一月二十七日午前三時二十分ごろにも、自民党本部の隣にある合人社東京永田町ビル(同永田町一)一階のトイレの個室内で、警視庁特科車両隊に所属する三十九歳の男性巡査部長が拳銃自殺を図るという事件が起きたばかりでした。三月にこの前を通りがかった際、すぐに思い出し手を合わせましたが、特に公務中の極端な選択には「申し訳ない気持ち」になります。

 何が原因だったかを詮索する気はありません。しかし場所柄、どうしても申し訳なくなってしまいます。或いは、首相や閣僚らの安全をも脅かす可能性について考えた時、警備に当たる警察官の精神的健康介助(メンタルヘルスケア)が必要ではないでしょうか。

首相、徴用工「心が痛む」 尹氏配慮も懸案置き去り

岸田文雄首相が3月に東京で開いた日韓首脳会談からわずか52日後にソウルを訪れたのは、日韓連携を安定軌道に乗せ、経済安全保障や北朝鮮による核・ミサイル対応の強化…

(産經新聞社)

 さて、昨日記事でも申したように官邸の主は、韓国ソウル特別市龍山区の大統領室にいました。日韓首脳会談で岸田文雄首相が余計なことを口走っていないかどうか、今後も日韓双方の煽り報道など当てにせず、正確に調べます。

 とりあえず訪韓初日を終えた段階で、岸田首相が慎重に言葉を選んだ形跡が見られ、三月の尹錫悦大統領訪日の「返礼」が前面に押し出された、いわば(訪韓したことに意味がある)形式的会談でした。

 ただ、日韓併合条約発効下の労働者を「徴用工」と言い出した日韓離間工作に対し、かつて「forced to work(労働を強いられた)」などと表現してしまった外務省の過ち(意図的?)と、それに気づかなかった岸田外相(当時)の「犯歴」があるため、先述の通り詳細な情報を取らねばなりません。

 合同記者会見の発言だけを見れば、岸田首相が「当時厳しい環境のもとで多数の方がたが」と述べており、決して「多数の朝鮮人(当時)」という言葉を用いなかったため、単に当時の労働環境が全世界で厳しかったことを意味しています。

 これを日韓の左翼・極左報道権力と、共に民主党のような北韓(北朝鮮)政党が見逃さないでしょう。岸田首相を非難し、尹大統領をさらに攻撃するに違いありません。

 また、東京電力福島第一原子力発電所事故の処理水(汚染水ではない)放出についても、既に韓国の専門家も認めている「全く問題ない」の追認作業を受け入れることにし、対日ヘイトスピーチ(日本憎悪差別扇動)を牽制する段取りが決まりました。

 さらに申せば、岸田首相が「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」という表現には、もちろん今後一切の「お詫び」を否定した安倍晋三元首相の立場も引き継がれており、それ以前の「河野談話」だの「村山談話」だのといった過ちは、平成十年の「十月に発表された日韓共同宣言を含め」という前提の文言でかき消したように見えます。

 むろん日韓共同宣言も、当時の金大中大統領によって北韓有事への日韓対応が極めて生ぬるく、その必要もないのにわが国が何度も謝罪(お詫びと賠償)したことを韓国国民に説明していない問題の追及も、島根県隠岐郡隠岐の島町竹島の問題も、何もかも中途半端な結論でお茶を濁したものにすぎません。

 これらからさらに踏み込むには、形式ではない会談が開けるようになるのを待たねばならず、そのためには尹大統領が多くの課題を解決しなければならないのです。その課題は、ここでも示してきた通りあまりに多いですが、それでもやってもらわねばなりません。

 そのような立場をこそ日本側が崩してはならないのです。

韓国大統領は靖國に来い!

皇紀2683年(令和5年)5月7日

 岸田文雄首相は本日、韓国の龍山大統領室で開かれる尹錫悦大統領との日韓首脳会談のため、ソウル特別市を訪問します。韓国警察庁は、これまで日本の首相に適用していなかった「A等級警護対象」に岸田首相を格上げし、米大統領ら国賓級を迎えるのと同じ体制を組んでいます。

 岸田首相はまず、銅雀区にある国立ソウル顕忠院を参拝する予定です。ここは、歴代大統領や6.25韓国戦争(朝鮮戦争)、ヴェト・ナム戦争の戦没者らが祀られています。わが国の首相で初めて参拝したのは、平成十八年十月に訪韓した安倍晋三元首相でした。

 二度目に参拝した野田佳彦元首相以来、十二年ぶりにいわゆる「日韓シャトル外交」が再開するというなら、次回の韓国大統領訪日では、首相と共に必ず靖國神社を参拝しなければ相互主義になりません。

 何度も申しますが、日韓外交が「日本ばかり役割を課され、韓国は何もしない」のでは、正常な日韓関係を構築できず、太平洋防衛のための日米韓関係に影響します。

 今回の日韓首脳会談では、恐らく北韓(北朝鮮)の核と弾道弾をめぐる安全保障協力が主題になるはずです。しかし、北韓工作員の文在寅前大統領が韓国軍に命じた自衛隊機への火器管制レーダー照射事件に対する正式な謝罪がなければ、わが国が韓国に「準宣戦布告」を受けたままかなうものではありません。

 日韓の経済・貿易に関する諸課題は、入口程度の話しかしないことになっていますが、尹大統領は岸田首相に対し、捏造された日韓史に本来全く不要な「お詫び」を表明してくれるよう期待しているらしいのです。

 精一杯の日米韓関係修復作業で支持率が下げ止まらない尹大統領は、これまでの自身の働きに「せめてもの返礼」をわが国側に求めています。とはいえ、そもそもの日韓史が歪められていることに加え、さんざん日韓関係に配慮してきたわが国に非礼を重ねてきたことへの「韓国の謝罪」こそが一切ありません。

 わが国に求めるばかりで、相応の働きをしているとは未だ言えない韓国側が何もしないのは、先述の通り正常な日韓関係とはならないのです。

 北韓やその裏から中共が工作している対日ヘイトスピーチ(日本憎悪差別扇動)を一掃しない限り、主に日韓の若い世代が築き始めている「新しい未来」が政治の世界にも姿を現すことはないでしょう。

 ところで、中共に「握られている」林芳正(リン・ファンヂャン)外相は一転、中南米五か国を歴訪中ですが、二日記事でも取り上げたパラグアイのサンティアゴ・ペニャ次期大統領を表敬訪問しました。

 日台関係を軸に本来ならこの面会は、まさに安倍元首相が米国のドナルド・トランプ前大統領の就任前に面会したのと同等の外交成果であると評すべきですが、中共に頭が上がらない林外相に行かせても大した話になりません。

 このような日本外交の「アベコベ」感が酷い岸田政権は、果たして日韓の外交史に何を刻めるでしょうか。韓国政府に何度騙されても懲りない間違いを犯すようでは、日韓に明るい未来はないのです。