二重処罰で怨念はらす石破
自民党の石破茂首相(鳥取一区)は六日、昨日記事でも改めて申した自民党内の集金と配分に関する政治資金収支報告書の不記載をことさら「裏金問題」と騒いだ野党と報道権力に押される形で、来たる衆議院議員解散総選挙に於いて四十三名もの所属議員を比例代表名簿(重複立候補)から外し、特に六名を公認から外す処分を公表しました。
既に党員資格停止一年の処分を受けた下村博文元文部科学相(東京十一区)、西村康稔元経済産業相(兵庫九区)、高木毅元国会対策委員長(福井二区)に加え、党役職停止一年の処分を受けた萩生田光一元政調会長(東京二十四区)、三ツ林裕巳元副内閣相(埼玉十三区)、平沢勝栄元復興相(東京十七区)の六名が党公認候補として出馬できません。
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発足してしまったばかりの石破内閣の支持率が極めて低く、衆議院本会議での所信表明演説の評価までもがあまりに低かったため、森山裕幹事長(鹿児島四区)と石破氏が「消えてほしい旧清和政策研究会を主たる標的にすれば一石二鳥。支持率浮揚を狙ってやってしまえ」と考案したのでしょうが、一事不再理の原則を破るかのように党として二重処罰を課した態度は、私たち国民に恐怖すらも与えるものです。
石破氏は、自分が権力の座に就いた途端、川に落ちた人間を棒で叩いて沈めてまで「これまでの自分と同じ目に遭わせようとする」類いの陰湿、且つ陰険な日本国内閣総理大臣なのだ、と。
そのような思想は、中共や北韓(北朝鮮)などで好まれるでしょうが、そもそも石破氏が「非主流派」に没していたのは、自民党から出て行き、出て行った先からも出て行き、戻ってきた自民党内でも繰り返した自身の言動が原因にすぎず、今回二重処罰を受けた代議士たちの知ったことではありません。
いえ、特に六名の顔ぶれを見る限り、これまで私が強く批判してきた代議士がほとんどですから、党に公認されず、よしんば落選してくれればよいくらいですが、それと石破氏らの思惑は全く別の話です。いくら何でも、やってよいことと悪いことがあります。
六名のうち、旧志帥会の平沢氏を除いて全員が旧清和会の所属だったこともあり、これは間違いなく、三日記事でも指摘した森山氏と石破氏による安倍晋三元首相の「遺産潰し」の一策です。
あくまでこの処分を「妥当」と言い張るなら、報告書の不記載が発覚した旧宏池会にも処分が必要であり、責任者だった岸田文雄前首相(広島一区)らも比例名簿はおろか(当時総裁だったため「宏池会に対する処分が甘かった」という処分理由により)党の公認から外せ、と。
しかし、森山氏と石破氏は、それを絶対にしませんし、できません。しかも、比例単独立候補だった杉田水脈衆議院議員(中国ブロック)らを「一網打尽にする」策しか頭にないのです。
これが党の幹事長と総裁のすることか、と。石破氏は、やはり未だ非主流派であり、自ら「冷や飯」を喰いにいっています。勝手にやってろ、という話です。
党の最高顧問でありながら今回の処分を「聞かされていなかった」であろう麻生太郎元首相が、高市早苗前経済安全保障担当相に「次の党総裁選に備えよ」と激励したらしいことは、文字通り石破氏の政権が短命に終わる可能性を示唆しており、党内でさえ支持されない内閣を前に党そのものが瓦解しそうである危機を表しています。
それは、自民党を支持してきた「どこかの莫迦曰くの劣等民族」にしてみても、定めし投票行動を悩ませるものでしかなく、石破氏らの態度は、現行の小選挙区比例代表並立制に於いて党の致命的敗北をももたらしかねません。
その傷を修復できるのは、やはり高市前担当相しかいないでしょう。石破氏らの「泥舟」に乗ってほくそ笑んだ「自民党の裏切り者ども」が次に泣き叫びながら沈んでいくのを見ても、もはや救いの手を差し伸べる者はいません。
岸田氏に沈められた者を、棒で叩いたのが石破氏らですから。