年金運用のウソと信じた罪

皇紀2675年(平成27年)2月28日

 http://www.sankei.com/economy/news/150227/ecn150227……
 ▲産經新聞:年金積立金、黒字6兆円超 過去2番目の高水準

 昨年十月下旬の講演会で、年金に関するご質問を受けました。年金受給世代にはお見受けしませんでしたが、そうだとおっしゃる或る女性からです。

 塩崎恭久厚生労働相の就任で、東京株式市場が沸いたと言われましたが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国民年金・厚生年金の市場運用を拡大するという塩崎厚労相の方針に、私は「危険だ」とあらゆる方に申してきました。

 その証拠に、共済年金の市場運用は過去別枠で、厚生年金との統合を前に慌てて運用拡大を言い始めています。GPIFの独立性を高めれば高めるほど、「損失拡大時の責任を誰が取るのか」という大問題に、塩崎厚労相はまともな回答を寄せないのです。

 現にこれまでの損失に政府は無責任で、いわゆる「損切りルール」がまともに策定されていません。占領憲法(日本国憲法)のままだからなのか何なのか、運用に米政府の意向も加味されているようです。

 さらにもうひとつの問題は、いよいよ厚労省が実施に踏み切った「マクロ経済スライド」であり、給与・物価下落(デフレーション)下の実施を見送ったがために、そのツケは確実に将来世代へ回ります。

 早い話が、議員選挙の際の候補者事務所に集まる現在老年世代という「利権」を守るために、あまりモノを言わない現在若年・壮年世代を犠牲にしているのです。そのくせ私たち国民に「年金はお小遣い程度ですから、貯金をしておいてください」という真実は、政治家も官僚も言いません。

 このようなことを見過ごしてきた私たちにも問題がありました。むしろ税収を減らしてきた消費税率の引き上げが年金問題の解決になるはずなどないことも私は申してきましたが、福祉の充実のために増税を了承するというような国民を騙してはいけないのです。

 結論を申せば、マクロ経済スライドの実施に突入した今、老齢年金の支給額は目減りします。また、障害年金についても、加入年金の種類に応じて将来支給要件が厳しくなるかもしれません。

 いかに資源や食糧に関する新しい産業形態を成長戦略として打ち出し、国債の買い入れについて日本銀行と連携していくか、或いは徴税のために「人間を輸入」してまで人口を維持させるのではなく、個人と家族の幸福の追求を重視した国づくりで覚悟を決めるか、私たちが真剣に答えを出すときに差し掛かっているのです。

■3.15集会のお知らせ■
 と き 平成27年3月15日(日曜日)13時30分~16時30分
 ところ 神戸市勤労会館4階
 講 演 「安倍政権には、常にわずかながらの軌道修正が必要だ」(仮題)
      遠藤健太郎(一般社団法人日本政策協会理事長)
 皆様のご参加、お待ちしています。

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露国が日本に発したサイン

皇紀2675年(平成27年)2月27日

 http://www.sankei.com/world/news/150225/wor150225……
 ▲産經新聞:原爆投下「人道犯罪は明らか」 ロシア下院議長「時効ない」

 「露国の政治家にこんなことを言われたくはない」と思う日米両国民は、一定数いるに違いありません。しかし、露連邦議会のセルゲイ・ナルイシキン下院国家会議議長が指摘した昭和二十年八月の広島と長崎への原子爆弾投下は、米軍による戦争以外の犯罪(=日本人大虐殺)であることに違いないのです。

 ナルイシキン下院議長は、ウラジーミル・プーチン大統領に極めて近い政治家として知られており、昨年六月には来日しています。欧米主導の対露制裁騒動の真っ只中でした。

 私は一貫して日露講和を目指す安倍晋三首相の方針を支持してきましたが、このころから半端な対応を始めたことに対して批判しています。一方、太平洋防衛を共有する日米関係を悪化させるような言動の扱いには慎重です。中韓のわが国に対するものの言い方の二の舞だけは演じたくありません。

 産經新聞社が掲載した共同通信社配信記事には「米国を暗に批判した」とありますが、もちろんそうでもありながら、実はわが国への牽制だということを私たちが意識できなければ、日露講和交渉などまったく進展しないのです。

 イラン(義国)が昨夏、急に対日批判を展開した際にも申したはずですが、これは中韓の「反日」工作が効いたのではなく、安倍内閣が対義政策で従米路線をとる可能性を見抜いて牽制したのであり、ホルムズ海峡の話を安倍首相が持ち出すたび、彼らはそれまで聞くつもりもなかった中韓工作員の与太話にも耳を傾けてしまいかねません。日義関係こそ米国抜きでも維持してきたのであり、私はそれを壊すなと提言してきました。

 ウクライナ問題を中共による海洋侵略の策謀などと同一視する外交評論家までいますが、露中のやっていることはそれぞれまったく別物です。プーチン大統領は大いなる露国を取り戻す本当の目的を、グローバリズム(多国籍企業による世界支配)への勝利と定めています。

 だからこそ、ナルイシキン下院議長の今回の発言があるのです。「日本はこれに加担してしまうな。共に闘おう」とプーチン大統領は言っています。

 これを私の妄想の類いとお笑いになるなら、それでも構いません。しかし、彼らが私たちに発したサインを見落とすことは、わが国のためにならないのです。

日本は韓国を見下してる?

皇紀2675年(平成27年)2月26日

 http://www.sankei.com/world/news/150225/wor1502250046-n1.html……
 ▲産經新聞:「日本は韓国を一段下に見ている」 重鎮、金鍾泌元首相の苦言に韓国メディア注目

 朴正煕政権初期に於ける日韓国交正常化交渉の大筋を、大平正芳外相(当時)との間でまとめた金鍾泌元首相は二十四日までに、亡くなったご夫人の弔問に訪れた客人たちに「(日本は)韓国をどこか一段下に見ているようだ」「朴槿恵大統領もそんな空気をなぜ読めないのか」「必要以上に日本を刺激し批判することは控えなければならない」「(元慰安婦を)引きずり出し難題を作ってしまった。誰の発想か分からないが胸が痛む」と語っていたことが分かりました。

 この弔問には、小沢一郎衆議院議員も訪韓して駆けつけています。

 国交正常化に挑んだ政治家は、大抵その二国間が現状関係を悪化させた場合、必ず苦言を呈するものです。それを前提としても、私はおおよそ金元首相の発言を否定しません。残念ながら氏のおっしゃる通りでしょう。

 私たちの多くは、決して台湾人を見下したようなことは言いません。しかし、台湾がかつての「抗日」を思い出して突き進んでいれば、今頃は大変なことになっていたでしょう。

 いわゆる「ヘイトスピーチ」という未だ定義不明ながら中韓を非難する言葉は、そもそも中韓から私たちに向けて「ヘイトスピーチ」が発せられまくったからこそ起き始めた或る種の現象であり、それさえなければわが国が韓国や中共を見下すようなことはなかったはずです。

 今や中共に取り込まれそうな韓国を嘲笑し台湾を心配しています。この「嘲笑」と「心配」の差がどこから来るのか、日韓両国民が立ち止まって考え直すときではないでしょうか。

歴史修正揶揄こそ歴史修正

皇紀2675年(平成27年)2月25日

 http://www.sankei.com/politics/news/150223/plt150223……
 ▲産經新聞:「慰安婦“強制連行説”は論理的でない。朝日の記事などは歴史修正主義」米国人ジャーナリスト マイケル・ヨン氏に聞く

 従前いわゆる「歴史修正主義」とは、例えば大東亜戦時下、わが国の慰安婦が「従軍」や「性奴隷」だったとする説、人口約二十万人の南京市で三十万人以上が虐殺されたという主張などに対し、「そのような事実はなかった」とする考え方や研究を指します。

 しかし私は、ここでもどこでも、不確定な政治的主張(或る説)をすでに確定された歴史認識とした上で事実(別の説)を指摘することを「歴史修正」とは言わず、むしろ不確定な政治的主張こそ「歴史修正」されたものだ、と申してきました。

 奇しくも、米国のジャーナリストであるマイケル・ヨン氏も同じことを言っています。「安倍晋三首相や産經新聞を歴史修正主義者と言っている人たちこそが歴史修正主義者だ。吉田清治氏やその本、朝日新聞の記事などは明らかに歴史修正主義だが」と。

 その上で氏は「(慰安婦像のある)グレンデール市には二度行った」「日本共産党機関紙『しんぶん赤旗』の関係者ら日本人の団体がいて」「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム(KAFC)のフィリス・キム氏(広報担当)氏と助手に『昭和二十一年に米政府がまとめた(慰安婦は売春婦であるにすぎないと指摘する)日本人戦争捕虜尋問リポートは読んだのか』と聞いたら、キム氏の様子が変わった。『そんな質問はすべきでない』という態度だった」と証言しています。

 何度も申しますが、ヨン氏の言うとおり、中韓と一部の日本人だけが騒ぎを起こしたがために日韓・日中の関係が悪化したのであり、彼らによる政治工作が広がるにつれ、日本は世界平和を希求する国家どころか、あらゆる国と(「歴史」とやらをネタに)新たな戦争の火種を抱えかねません。このような歴史修正主義者は、平和と友好の敵なのです。

与那国の陸自配備は必然

皇紀2675年(平成27年)2月24日

 http://www.sankei.com/politics/news/150222/plt150222……
 ▲産經新聞:与那国の陸自配備、「賛成」が大差 町長安堵も…なお「専決処分」求める訳は

 日本最西端の沖縄県与那国町(与那国島)への陸上自衛隊・沿岸監視隊配備の賛否を問う住民投票(即日開票)が二十二日に行われ、賛成が六百三十二票で反対の四百四十五票を百八十七票もの差をつけて上回りました。

 陸自を誘致した外間守吉町長は今後、駐屯地予定地を縦断する町道の廃止と水道の引き込みで町議会の議決を得ることが課題となります。

 しかし、産經新聞社記事の指摘どおり、自治体が政府の専権事項である安全保障問題で住民投票を行い、配備に反対する野党町議が中学生や外国人に投票資格を与えるよう主導したことは、いずれも主として大日本帝國憲法第十九条および占領憲法(日本国憲法)第十五条などの概念、或いは目的の規定に違反しているのです。

 与那国島は、よく「たった駐在警察官二名と二丁拳銃だけで守られている」と言われてきました。陸自配備でようやく心細いこと極まりない現状から脱します。これが本来の与那国町民に対する社会保障のあるべき姿でしょう。

 何度も申しますが、太平洋防衛は日米にとって最大の価値観の共有事項であり、これを揺るがし第三次世界大戦を引き起こしてはなりません。在日米軍の必要を前提とし、しかしながら普天間飛行場の辺野古移設に大きな疑問を呈してきた私としては、与那国への陸自配備が私たちの自国防衛意識の大きな転換につながるよう希望します。

 念のため断っておきますが、「基地なんか要らない」という移設反対闘争ではありません。日米の協力は必要です。占領憲法問題さえ解決すれば、いずれ日米政府間協議で例えばハワイ州への在米自衛隊基地配備も視野に入れてはどうか、という意味で申しています。

 自国は自国で守ろうという田母神俊雄元航空幕僚長の主張は正しいのです。誰が何と言おうと。