セクハラやじ問題の本質

皇紀2674年(平成26年)6月26日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140625/lcl140625……
 ▲産經新聞:セクハラやじ問題で都議会、信頼回復を決議 別の発言者調査は否決

 東京都議会のいわゆる「セクハラやじ問題」。どうしても「セクハラおやじ」に見えるわけですが、男女の差なく性的に揶揄されることなどあってはなりません

 その上で、私はある方面からこの問題の対応を相談されたので、まず「今回の件をどう捉えているのか」と尋ねると、そのまま「多くの者が女性蔑視問題だという見かたをしている」という答えが返ってきました。

 これは捉えかたを間違えていますし、そのようなものの見かたに迎合し、自分の意見がない典型的な官僚思考です。

 私が申したのは、今回の問題が政治家という仕事の筋にかかわることであり、政治家は個人の政治信条のみならず、この場合、都民からの不妊治療などに関する陳情を背景にしていることを一切無視した不規則発言の可能性を追及すべき、ということでした。

 よって議員個人の状況は、必ずしも議員の発言(提言)と関連づけられません。にもかかわらず「(塩村文夏議員は)子供を産んだこともないのに」といった不規則発言が(なかった疑惑も浮上していますが)あったらしいのです。

 私のような者にも、さまざまな団体や悩める個人から「この問題を取り上げてほしい」「議員や官僚に言ってほしい」といった要請があり、特に女性団体からは、教育や母体保護の問題、家族を守るための政策提言を相談されたこともあります。

 そのような私に向かって「結婚していないくせに」といった中傷をする人もいますが、私が個人の考えだけで行動しているわけではないことを何も知らないのでしょう。また、未婚の男女が教育者になってはならないという法もありません。

 さて、これが本当に女性蔑視問題だというのなら、なぜ塩村議員が議場で毅然と「誰だ! 今発言したやつは?」と言い返さなかったことを誰も指摘しないのでしょうか。女性は泣くしかなかった、というものの見かたこそ偏見です。

 そして、彼女が日本外国特派員協会での会見で、自分に降りかかった問題を「日本の恥部」のように誇大に表現したことは、都議会議員として不適切で視野が偏狭ではなかったでしょうか。

 結婚することが「必ず女性は家庭に入るもの」にならなくなって久しいわが国で、さも「日本は女性の社会進出を阻む国」と喧伝した政治家に申したいのは、目下わが国は、女性に「子供を産め」「しかしながら働け」と言い放つようになり始めていることをどう考えているのか、ということです。

 安倍政権は、配偶者控除の廃止も視野に検討を始めました。これに私は反対しています。なぜなら、子供を産み育てながら働く女性をじわじわと締め殺すような制度改悪だからです。男女共同参画策ではありません。単に徴税を増やしたいだけの改正案なのです。

 これこそ塩村議員が自民党と対決すべき問題ではないでしょうか。この政治家は、闘う相手を間違えています。

【追記】
 内閣府の政府税制調査会は、安倍首相から指示があった配偶者控除廃止の検討結果、一旦見送る方針を固めました。関係各位のご協力に感謝申し上げます。
 ただ、自民党税調はあきらめていないようなので、引き続き牽制が必要です。

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事実婚の体外受精問題

皇紀2674年(平成26年)6月25日

 http://sankei.jp.msn.com/life/news/140106/trd140106……
 ▲産經新聞:事実婚でも体外受精実施へ 日本産科婦人科学会が方針、婚外子の民法改正受け

 日本産科婦人科学会は二十一日、これまで「結婚している夫婦に限る」という条件で認められてきた体外受精の実施を、事実婚(同棲状態)の男女にまで認めることを正式決定しました。

 上記の産經新聞社記事は、本年一月六日配信のものです。つまり、私が昨年十一月三日記事で指摘した「結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子と同等とする民法の改正」と、それを促した最高裁判所大法廷の判断が、非嫡出子の「大量生産」に手をかける現場判断を創出してしまったのです。

 産科学会が初めから乗り気だったのは、少子化で産科自体の需要が低迷し始めていたからで、早い話が「商売のための好都合な理由」でしかありません。

 彼らにとっては死活問題とも申せますが、しかしながら、これはまったく筋の違う話です。事実婚の男女にまで体外受精を認めることと、あくまで遺産相続問題に端を発した司法判断と立法判断が、同列の問題であるはずなどありません。

 何度も申しますが、非嫡出子であるという理由だけで就職や婚姻などの蔑視的差別扱いを受けてはならず、人が人として扱われる権利は、祖先祭祀に基づけば当然存在するものです。

 これは、例えば殺人の罪を犯した人も「人」とし、死刑または獄中死のあとの御霊の扱いによっても明確であり、だからといって「殺人を犯してもよい」ということにはならないでしょう。今回の問題は、これに似ています。

 「夫婦のあり方の多様化」というあいまいな言葉が、医師の生命倫理にも軽率な判断をもたらし、今後政府と地方自治体の公費助成方針にも影響を与えることは、ほぼ間違いありません。助成しなければ「差別だ」と訴えられてしまうようになるのです。

SB、インフラ乗っ取りか

皇紀2674年(平成26年)6月24日

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ1809Q_Y4A……
 ▲日本經濟新聞:ソフトバンク、孫人脈フル活用 Tモバイル買収大詰め
 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140617/biz140617……
 ▲産經新聞:「5千万人に電力と通信のセット割引も」とソフトバンク孫社長が語る

 電気通信・インターネット関連企業ソフトバンクについて、私は皆さんに何度もいくつかの問題を取り上げて注意を呼びかけてきました。下手な英語で米政府に意見したこともあります。

 まず米スプリントの買収を目指した孫正義社長の前に、米政府から「待った」がかかり、それを何とかかわしたかと思いきや、今度は傘下におさめたスプリントを使ってTモバイルUSと合併させようとしていますが、これもまた速やかにはいきません。

 はっきり申しますと、米政府は孫社長をまったく信用していないのです。

 それでもスプリントの買収は認められました。孫社長は、TモバイルUSとの合併も今夏までに認めさせる気でいます。だからこそ彼は十八日、ソフトバンクアカデミアという講演会を企画し、コリン・パウエル元国務長官(元統合参謀本部議長)を来賓に招いてみせたのです。

 パウエル元長官は、今や燃料電池発電企業ブルームエナジーの社外取締役であり、この会社はすでにソフトバンクと提携関係にあります。

 講演会前日にキャロライン・ケネディ駐日大使と会い、当日は安倍晋三首相とも官邸で会った孫社長は、通信のみならず電力分野にも中共共産党人民解放軍系の製品を浸透させ、わが国の社会基盤(通信・電力インフラ)を中共の思惑どおりに乗っ取ろうとしていると申して過言ではありません。

 何度でも申しますが、電力の発送電は国家安全保障にかかわるのであり、電力データを共産党軍に覗かれ続けるかもしれず、わが国政府も私たち国民もこの手の「お安い」話に対して脇が甘すぎるのです。

 韓国にデータセンター(KT社との合弁)を持つソフトバンクの孫社長は、韓国国家情報院が日本で利用者の多い無料通話・メールアプリ「LINE」を傍受していたことが分かったばかりの官邸にいる安倍首相に対し、一体何を話したのでしょうか。私たちの首相が脅されたかもしれません。

 米政府は、この種の経営者にカネで買われたふりをして、その実そのカネで経営実態を徹底的に監視します。パウエル元長官が雇われるのかもしれませんが、決してソフトバンク程度の企業に妙なマネはさせません。

 わが国政府も、ソフトバンクを「日本の有名企業」とは思わないほうがよいのです。

河野氏を国会に呼び出そう

皇紀2674年(平成26年)6月23日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140621/plc140621……
 ▲産經新聞:【河野談話検証】河野洋平氏、報告書は「すべて正しい」「慰安婦のなかには自分の意思で来た人も」

 私は十九日記事で、いわゆる「河野談話」について、「この検証は、韓国を『悪』に仕立てるものではなく、いかに日本政治(一部の政治家)がいい加減かを明らかにするものです」と申しましたが、対して「韓国は悪でよい」というご意見の方もおられました。

 しかし、わが国政府は、韓国にけんかを売っているのではなく、談話作成の歴史を直視し、第三者による政治的意図を排した検証をもって衆議院予算委員会理事会に報告することで、私たち国民に結果を報告する行為自体が、欧米の言う「民主的」である証左です。

 日韓関係の改善を目指したわが国の行いが、韓国によってつけこまれ、かえって関係を悪化させられたのは、自民党の責任であり、河野洋平元内閣官房長官を追及しなければなりません。

 彼にとって不都合な事実を含んだはずの検証結果報告に対し、なぜか彼は「報告書には引くべき所も足すべき所もない。すべて正しい」と答えました。

 それは、いかに河野元長官が国会の参考人招致や証人喚問を避けたがっているか、ということです。妙に反論すると、呼び出されてしまうと考えているのでしょう。

 「慰安婦の中には自分の意思で来た人もいるかもしれないが、中に入ってしまえば軍の命令には逆らえない。そうした意味での強制性があった」などという論述は、反論ではなく強弁・妄言の類いであり、自分の意思で働きに来た人が検番(置屋)のルールに従うことを「強制」とは言いません

 軍の関与は、治安の乱れや慰安婦の不健康化を防ぐことであり、それも「強制性」の証明にならないのです。

 河野元長官が講演などでこうも強弁して回るのであれば、本人が恐れる証人喚問にかけるべきであり、まずは参考人招致を要求しなければなりませんが、自民党は問題を創出した党であり、自分たちでしようとはしません。

 石原信夫元官房副長官の参考人証言は、官から出た政への「責任をとれ」の声であり、自民党は本来あるべき自浄能力を発揮すべきです。

 できないのなら、野党から要求を出すしかない。

英国をも脅した中共の野望

皇紀2674年(平成26年)6月22日

 http://www.afpbb.com/articles/-/3018103?ctm_campaign……
 ▲AFP:中国は「落ち目の」英国抜き去った、国営紙が社説

 すでに皆さんもご存知のように、訪英した中共の李克強国務院総理は、エリザベス二世女王陛下への拝謁を許され、デーヴィッド・キャメロン首相との英中首脳会談では、約二兆四千億円規模の通商協定を締結しました。

 外交儀礼上、首相級が天皇陛下(世界唯一の皇帝陛下)、国王・女王陛下への拝謁を許されることは、原則としてありませんが、独国のアンゲラ・メルケル首相らの前例を挙げて、中共側が英政府に強く謁見を要求したのは間違いありません

 中共国営の環球時報(人民日報の国際版)は、英国の一部報道がもたらした情報のように書き、偏狭で誇大だと批判していますが、私が聞いたことをそのまま申しますと、英政府高官が「脅されたようなものだった」と言っているのです。

 屈したキャメロン政権にも問題はありますが、中共が目下、あらゆる国に対してこのような態度で終始一貫している理由を、独立総合研究所の青山繁晴氏が見事に一言でこう表現しておられます。

 http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1576.html
 ▲ぼやきくっくり:「アンカー」中国軍機“異常接近”だけでなく“撃墜行動”も!組織的な異常行動の理由は?

 青山氏「清の時代じゃなくて、明の時代に戻りたいっていうのが、中国(※)の野望なんですよ」(※原文まま)

 朝貢貿易のみを許した明のような国家を再現したいと考える中共は、異民族による支配を恐れ、よって旧東トルキスタンやチベットでいわゆる「民族浄化」を強行してきたわけです。

 また、朝鮮半島を属国化した明に習い、北朝鮮を制御しようとしてうまくいっていませんが、それならばとばかりに韓国を日米から引き剥がしてでも隷属させようとしています。何度も申しますが、韓国国民は、この中共の罠にはまってはいけません。

 ヴェト・ナム(越国)やフィリピン(比国)に対する態度も青山氏ご指摘のとおりで、国体の継続性はまったくありませんが、中共が明を目指していると考えれば、一連の行動や今後とりうる態度を分析・予測できるでしょう。