稲田防衛相、組織的隠蔽を容認 陸自にPKO日報、国会で虚偽答弁
南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が二月に行わ…
(東京新聞)
聞いた話では、十九日の新聞各社のテレビ欄に「蓮舫」(国籍詐称疑惑の会見日)の文字は一つもなく、二十日のテレビ欄には「稲田」(日報問題の発覚)の文字が九つも並んだそうですが、週刊文春(該当記事参照)は、獣医学部の新設に反対してきた(一箇所新設のみを政府に明記させた)日本獣医師会側から内部資料をもらい、山本幸三内閣府特命(地方創生)担当相が「加計ありき」発言をしたかのように報じました。
しかし、この資料を読みましたが山本担当相は、単に旧民主党政権でようやく検討に入った愛媛県今治市と加計学園の経緯(土地・建物に関する設置費用のこと)を話しているだけであり、山本担当相が弁明している通り「加計ありきだからよろしく」などとはいっていません。
むしろ自身が担当相になる前の経緯説明を内閣府職員から受け、当時の現状をきちんと把握し、嫌がる獣医師会に「大変申しありませんが」と事前説明に行った山本担当相は、ただ仕事をしただけです。経緯の把握もできず、仕事もしない大臣のほうがよいとでもいうのでしょうか。
これと同じように、報道のほうがおかしいという典型例が南スーダンに派遣された連合国(俗称=国際連合)平和維持活動(PKO)部隊の日報問題です。
稲田朋美防衛相が日報の「隠蔽」を了承したか否かといいますが、二月十五日に隠蔽を決める緊急会議が防衛省内で開かれたと共同通信社に報じられました。
ところが、日報そのものは、既に二月六日に統合幕僚本部から公開されているのです。PKOについては、統幕の管轄ですから、彼らがいつものように日報を公開したのは当然でしょう。それでどうして十五日に「公開しないで隠そうか」などと話し合えるのでしょうか。
地方自治について、記者たちがあまりにも無知だとは以前に申しましたが、自衛隊のことについても全く無知なのでしょう。記者ならば少し調べればわかることを間違って騒ぎ、稲田防衛相の問題をさらに盛る態度は、報道ではなく倒閣工作そのものです。
はっきり申し上げて稲田防衛相は、もう東京都議会議員選挙中のかばいようもない失言で「アウト」なのであり、溺れる者をさらに棒でつついて殺してしまおうとする(確かに稲田防衛相の答弁・説明も悪いが)やり方は、それが本当に新たな問題なのであれば仕方ありませんし当然の報道ということにもなりますが、とても見ていられません。
今回出てきたとされる日報は、陸上幕僚監部からですが、統幕から出た日報は、陸幕も共有しており、報道が「日報が隠蔽された」というから、「いや、うちにありますよ」と出されたものでしょう。
一連の工作めいた報道をきっかけに陸上自衛隊が悪者に仕立てられたことへの反逆、或いはそもそも内局(背広組)と外局(制服組)の対立がまたも招いた背広組に対する制服組の嫌がらせだったかもしれません。
かつて指摘したように南スーダンでは、私たち国民を代表して派遣された陸自隊員の少なくとも二名が戦闘に巻き込まれた可能性があったため、小泉内閣以来の「戦闘地域か非戦闘地域か」という空疎な議論が海外では一切通用しない実態を露呈しています。
この問題の本質はそこであり、日報にある「戦闘」の文字を背広組が嫌っていたのは事実です。それでも隊員たちの目と鼻の先で戦闘があったのは確かであり、制服組が一連の報道や背広組に対してイライラしていたとしてもおかしくありません。
さらなる問題の本質は、現行憲法(占領憲法)そのものであり、その議論から国民の目をそらせたい報道各社は、ならばこのような騒動を起こすべきではありませんでした。
安倍内閣憎さに「寝た子を起こす」ことになって、悔しい思いをするのは朝日新聞社や毎日新聞社、中日新聞社(東京新聞)らなのです。私たちは、そのような視点をもって報道に接しましょう。