皇紀2673年(平成25年)2月25日
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37151
▲Japan Business Press:技術流出は防止できるか? NHKのドラマ「メイドインジャパン」を見て
半導体の開発研究で知られる微細加工研究所の湯之上隆所長は、わが国の半導体・電機産業に於ける本来機密性の高い開発技術情報がことごとく韓国の三星(サムスン)電子へ流れていた疑惑について、一部仮定であることを断りながらも、事実として日本企業の技術者が名を連ねる「顧問団」の存在に言及しました。
私は以前にわが国の電機産業が低迷した原因を「技術力と開発力の齟齬が生じた結果だ」と指摘しましたが、これは現在いわゆる「管理職」に対して「技術職」が決して社内で強い発言権を持たない企業風土にも起因します。
東京通信工業というあまりにも小さな会社が「世界のソニー」へと変貌出来たのは、技術者の盛田昭夫氏と井深大氏が創業したからであって、その後営業から駆け上がった出井伸之氏が技術開発を阻害するような「コンテンツ事業」にこだわって一気にソニーを凋落させてしまいました。あくまでソニーエンタテインメントの営業を守るという概念では「ウォークマン」を「ipod」に進化させられず、米アップルに先を越されたのです。そのくせわが国のコンテンツ産業はいまだ世界戦略に弱い。
私たちは、占領憲法(日本国憲法)が無効になっている現状を知らないまま「平和を愛する諸国民」を前提として今なお政官財が動くままに身を任せてきました。ですから私たちの暮らしを豊かにする経済活動が、まさか巧妙にして狡猾な、特に中韓の産業工作員に狙われていることをあまり想定していません。
加えて皆が「ものづくり」を誇るくせに技術者を給与面で評価せず、開発した技術の流出を防ぐための施策も講じてこなかったがために、単に中韓両国出身者の潜入を官庁にさえ許してしまうのみならず日本国民が進んで中韓へ技術を持ち込んでカネに換え始めました。
企業も物が売れなければない袖は振れないでしょうが、高い技術は企業の資産となり、開発した者はまさに財産です。技術者は給与等優遇と引き換えで機密厳守の規則に縛られてもかえって技術職としての自覚を持つのであり、現下のわが国企業で倫理だの国益だのを問われても彼らは答えられません。
産業の分野を含めた海外からの不正な工作活動を防止するための法整備を一刻も早く国会で進めなければ、たとえ安倍内閣が内需回復の経済政策を打ち出しても穴の開いた器から私たちの利益が無尽蔵に零れ落ちていくのです。
そうして起きたのがかつてここでも取り上げた「新日鐵=ポスコ事件」であり、一旦回避したものの危険水域に達しつつあった「シャープ=鴻海」の資本交渉でした。三星の技術の盗み方は極めて大規模であり、協力した「○士通」の某故人は百人単位の日本国民をカネの力に任せて引き抜いたのです。
そう、湯之上先生は「ブスっと後ろから刺されるのも嫌だ」から名前は書かないとされていますが、この某故人とは、湯之上先生の論文を異常な早さで盗用して『はじめての半導体ナノプロセス』(工業調査会 すでに倒産)を出版した人物でしょう。この人脈が動いてわが国のDRAM市場が韓国に負けてきたとすれば、これはもう本当に大変な事件なのです。
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皇紀2673年(平成25年)2月24日
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2302L_T20C……
▲日本経済新聞:ロシアから電力輸入構想 ソフトバンクや三井物産 事業化調査、16年以降の実現目指す
安倍晋三首相は二十三日(現地時間二十二日午後)、米国のバラク・オバマ大統領との首脳会談で、日米共に「関税の聖域」があることを確認し合って環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加の意向を表明[訂正]に向けた議論の継続を示唆しました。
この顛末を事務方級で確認していても米政府が日米首脳による共同会見を拒否したのは、以前に申しました通り、もはや米政府にとってTPP交渉への日本参加に関する話題は「宣伝すべき大きな成果(日米首脳会談の最重要項目)」でないからです。
とは言え、私たちはこれで大変なことになりました。何度も申しますが、私は交渉の戦列に加わることを最初から否定しません。しかし、占領憲法(日本国憲法)の有効期限が六十年前に切れていることすら確認出来ず、事実上米軍による占領統治体制を継続させてきたような政府の言う「交渉」は全く国民の信用を得ていないのです。
これから安倍首相の真価が問われます。とりあえず就任からわずか二ヶ月で示して見せた経済政策の効果が文字通りの「余興」となるほど、不参加の決断を出来るか否かが今後注目されるのです。
交渉参加の是非をこれから国内で判断するという段階で協定そのものへの不参加を首相が決断出来るかどうか問わなければならない背景には、私たちの意識の問題があります。
まず、協定の諸問題を繰り返し申すことは避けるとして、協定に参加することで国内産業または事業に於ける規制緩和が促進されるという無根拠な思い込みはやめなければなりません。
そして、協定の形成経緯からして「環太平洋」の国家群が参加すべきであるという前提など一切ありません(実は「パン・パシフィック」ではない)から、不参加によって孤立するといった、これまた無根拠な恐怖に駆られて間違いを犯すべきでもないのです。
ところが、これと別の問題のようで別ではないので取り上げますが、ソフトバンクと三井物産のように露国の電力企業と共謀して電力を輸入すれば目下国内の諸問題が解決する、或いは新規参入を促進して内需が活性化するといった間違った意見を平然と口にして、政府の経済政策に介入しようとする動きが厳然と存在します。
これのどこが間違いかと申せば、国家安全保障上外国に社会基盤(インフラストラクチャー)の一部でも依存した場合、仮にその外国が「送電を止める」と脅せばわが国が何かを差し出すか、何かを諦めて結果大損害を被ることがあるからです。現に、私たちはこれまで資源の対外依存で何度も損をしてきました。その最大の犠牲が大東亜戦争に於ける約三百万人とも言われている人命です。
だからこそ、安倍首相が成すべき成長戦略の要は資源と食糧の自給であり、それがわが国は可能であると何度も申しています。
私たちの中には、わが国にそのような力はなく、農業も弱いもので「保護」を前提としがちですが、そうなりますと規制緩和の先は日本企業よりもむしろ外国企業に向けられ、それが協定参加で促進されれば、気がつく頃には私たちが私たちの国で経済活動の環からはじき出されているかもしれません。
そうではなく、新資源採掘分野を興して成長を目指したり、わが国が独自に南亜、東南亜との経済連携協定を作成して見せるといった自信を取り戻すことこそ、安倍首相の目指す日本の力強い姿ではないでしょうか。
私たちが政府に訴えるべきはその道であり、特にソフトバンクのような「寄生型」の「口先成長戦略」の道は、確実に内需回復の阻害要因を創出してわが国を弱体化させます。決して騙されてはなりません。
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皇紀2673年(平成25年)2月23日
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130220/chn130220……
▲産経新聞:サイバー攻撃で反論「米国から攻撃多い」中国国防省
安倍晋三首相の訪米について、わが国の一部報道では「歓迎されていない」といった珍妙な自虐的解釈があるようですが、米政府が日米首脳会談後の共同会見を拒否した理由は、安倍首相ではなくむしろ自分たちに問題があって何も発表したくない、或いは出来ないからです。
米国の情報保安企業「マンディアント」は十九日、企業に相次ぐいわゆる「サイバー攻撃」の発信元が中共の人民解放軍六一三九八部隊(上海市浦東新区)であることを突き止めました。
この報道に対し、中共国防部の耿雁生報道官は翌日、これを否定した上で「米国のほうが攻撃している」と反論しましたが、沖縄県石垣市尖閣諸島を巡って開戦前夜のような行動を取った人民解放軍を抱えて常にわが国を挑発しながらザ・ワシントン・ポスト紙に掲載された安倍首相の発言に「一国の指導者が公然と隣国を批判するとは」などと非難して見せたのも、全く同じ「出鱈目線上」にある言動です。
中共内部の問題は過去に述べた通りですが、米政府の問題を改めておきますと、国防総省のみならず中央情報局関連に至るまで予算規模を縮小したため、安倍首相が懸命に太平洋防衛という日米の共通目標を掲げて中共の問題を提起しても、米政府自身は現状ほとんど有用な答えを提示出来ないでいます。
ですから米政府は出来るだけ日米首脳会談の「重量」を軽くしたかったのでしょう。昨日も申しましたが、対中戦に於ける目下の当事者は米国であるという認識が米国自身に欠落しているのです。
一方、安倍首相の外交意図は明確ですが、それを機能させるための国家の基本法がわが国にはありません。それは占領憲法(日本国憲法)の有効状態を継続させているためです。
もし自国の憲法(大日本帝國憲法)に基づく政府であれば交戦権のもとに外交が出来るようになりますから、首相の発言以前に周知活動を展開させて主張が通りやすい下地を作れるでしょう。例えば、私が一月三十一日記事で指摘した状況を打開すべく、ソフトバンクの嶋聡社長室長(元衆議院議員)が訪米しているようなものです。
ソフトバンクはスプリント・ネクステル買収のための「ロビー活動」を始めたわけですが、間違った主張でも通ってしまうことがあるのは「ロビー」の結果であり、逆に正しい主張でも相手にその存在を伝えなければ通りません。
わが国の占領憲法政府はこれが出来ない、または極めてやりにくいのであり、よって本能的に危機を感じても理性でそれを押し殺し、また「そうすることが正しい」と無気力に信じ込んできました。
人民解放軍系の機器を日米にばら撒きつつあるとの指摘がされているソフトバンクに何ら対処してこなかった政府のままでは、あまりにも安倍首相の理想が空回りしてしまいます。そうはさせないよう占領憲法体制から脱却することで、本当に米国を味方に引き寄せられるのです。
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皇紀2673年(平成25年)2月22日
本日は島根県が条例で定めた「竹島の日」です。これは閣議決定を経た明治三十八年二月二十二日に、国際法上有効な島根県告示第四十号をもって竹島を正式に島根県隠岐郡隠岐の島町へ編入したことにちなみます。
県主催の式典には島尻安伊子内閣府政務官が政務三役として初めて出席するに留まりますが、韓国による違法な武装占拠によって特に多くの県民漁師たちから安全に漁が出来ない現状を憂う悲痛な叫びがあることを、私たちは忘れてなりません。
竹島の奪還を政府が決断するよう私たちも訴えてまいりましょう。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013022200022
▲時事通信:森・プーチン氏会談の要旨
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130221/amr……
▲産経新聞:【尖閣国有化】 「米国が軍事衝突に巻き込まれる可能性も」 尖閣問題で米議会調査局
安倍晋三首相はバラク・オバマ大統領との日米首脳会談のため米国に向かい、森善朗元首相はウラジーミル・プーチン大統領と会談するため露国を訪問しました。
北海道千島列島と南樺太、ならびに大東亜戦争の日露講和がいまだなされていない問題について、本日はわが国政府が取るべき原則を繰り返し申しませんが、前民主党政権がプーチン大統領による「引き分け」発言の真意を全く解明出来ず、日米関係をこじらせてドミートリー・メドヴェージェフ首相(前大統領)の暴走を招いたわけですから、日露関係をも悪化させて政権を放り投げたことになります。
いわゆる「北方領土」問題は、橋本龍太郎首相が「クラスノヤルスク合意」で最も返還に近づけましたが、その後の「川奈会談」はボリス・エリツィン大統領の決断の後退を確認するに終わり、森首相が再び返還交渉に着手しました。
ところが、森首相の支持率はわずか数%にまで凋落し、元外務官僚の佐藤優氏によりますと実はこの時、自民党内では橋本元首相の再登板が確実視されたことからプーチン大統領に外務省を通して「交渉は森首相ではなく私とやって欲しい」という橋本元首相の私信が伝えられます。しかし、実際に首相になったのは小泉純一郎元郵政相でした。
小泉首相はまるで日露交渉をしないまま対米従属を貫いたため、領土返還の兆しなど一切なく時間だけが過ぎましたから、大統領による決断で大きく国家が動く露国との交渉に安倍首相こそ動き出すべきです。
現在は資源問題でもむしろ安倍首相のほうが露国に対して優位に交渉出来る立場にあり、機としては決して悪くありません。プーチン大統領が「引き分け」と発言したのも、経済の安定なくして自身の政権の安定もないためです。
一方、日米関係の改善を最重要課題と意気込んで訪米した安倍首相ですが、米連邦議会は実のところ対中戦に於いて「当事者」という自覚があまりありません。あくまで日中の想定される領土紛争に「巻き込まれる」という主旨の立ち位置を主張するのであれば、ただちにわが国の占領憲法(日本国憲法)の無効確認を急がせてしかるべきです。
この点についても、阿爾及(アルジェリア)で先月発生した破壊活動事件の間接的責任を、いわば軍の予算縮小に奔った米国が負っており、日本国民から多数の死者を出したことから、日米交渉の優位は安倍首相にあります。
それが証明された結果によって、プーチン大統領の態度も変わるはずです。目指す日露の「引き分け」は、決して私たちが「桑港講和条約で一度提示された返還案」以下で妥協することではありません。自立した国家の政府は国民の資産を自力で守るものなのです。
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皇紀2673年(平成25年)2月21日
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201302/2013021700076
▲時事通信:TPP賛成58%、反対22%=日本の交渉参加-時事世論調査
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2434
▲WEDGE INFINITY:TPPでコメの関税撤廃!? 農水省の“残念な”奇策
時事通信が行なった世論調査では環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加について、賛成が五十八%に達し、反対二十二%を大きく上回りました。
個別面談の質問は「協定に参加することの是非」ではなく、「協定の交渉に参加することの是非」が問われたのであって、ならば今回の結果は或る意味当然のものに思え、と申しますのも以前明言しました通り、私も交渉の列に加わること自体を決して否定していません。
しかし目下問題なのは、安倍晋三首相が打ち出した経済政策(成長戦略)の成功にTPP参加は不可欠な条件であるという論調が形成されつつあることでしょう。
米国通商代表部は二十日にも、日本の参加には米を含む全品目を交渉の対象とするよう求めています。例外はありません。つまり、依然としてわが国の交渉参加をあまり望んでいないように見えるのです。
その理由は、交渉の長期化を回避したいという思いがあるのに加え、早稲田大学の原田泰教授のご高説とは裏腹に、何度も申しますが投資家・国家間の紛争解決手続き(ISDS)条項が日米のような先進国間で締結されるものではないためでしょう。
占領憲法(日本国憲法)の有効期限が切れていることにも知らないふりをするような立法府しかないわが国から見ても明らかに法治に問題のある開発途上国との間で締結の効力があるものを米国も日本と締結したくはないはずですが、環太平洋の二大国が参加すればこれも無条件に避けられません。日米間で訴訟の泥沼となればその経済規模はあまりに大きく、次第に日米の協調関係が相互の疲弊を誘発して破綻していく可能性すらあります。
安倍首相が打ち出すべき成長戦略は、大胆に資源と食糧の自給を目指すことであり、特定産業または事業に於ける規制緩和にTPPは何ら役立ちません。TPPは、求める声も多い規制緩和とほとんど関係がないのです。
にもかかわらず、本年に入って特に「TPPへの参加が規制緩和を促して経済成長を促進する」といった根拠なき「上げ潮」論が出回り始めました。国内市場に於いて緩和される項目があるとすれば、それは日本企業にではなく海外(多国籍)企業に対してでしょう。私たちがよもや給与の上昇などを期待できる代物では全くありません。
従前の政府は米の減反を進めながら高関税で保護するという出鱈目に手を染め、農家の戸別所得補償制度で農業をむしろ規模縮小へと導いてきました。原田教授は「この程度の賢さで満足するしかない」などと記事を締めくくっておられますが、農業の成長戦略に欠かせないのは、高関税で輸入を事実上規制する以外にも減反を撤回し、国家安全保障上「食糧自給は国策だ」と表明することです。
国防力もなく資源も食糧も自給できない国家の政府に交渉を委ねることがどれほど恐ろしいか、よく考えてから物を申しましょう。
分類:日本関連 | コメント2件 »