想像以上に「経団連官邸」

皇紀2673年(平成25年)10月3日

 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131003/fnc131003……
 ▲産經新聞:TPP、3日から閣僚会合 政治折衝へ

 これまでのところ安倍晋三首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加と、消費税率の引き上げを決めてしまったことになりますが、ことごとくこうなってしまった背景の一つに、先日私が「案外財務省寄りだった」と申した今井尚哉政務秘書官(経済産業省資源エネルギー庁前次長)の存在があるようです。

 実のところ、この先日の私の指摘は正確さを欠いていました。正しくは「日本経済団体連合会(経団連)寄りだった」のです。安倍首相に最も寄り添う今井秘書官は、旧新日本製鐵の今井敬元社長を叔父、旧通商産業省の故・今井善衛元事務次官を伯父に持つ、いわゆる「経産省のエース」ですが、今井敬氏は経団連の元会長でした。私はそのことを軽視していたのです。

 安倍首相の耳に入れる情報を取捨選択しているのも、恐らく事実上首席の今井秘書官であり、決して飯島勲内閣官房参与ではありません。よって、平成九年四月の消費増税が内需の萎縮と給与・物価下落(デフレーション)を招いたのではなく、あくまで亜州通貨危機と国内の金融危機(山一證券などの破綻)が長期不況の原因であるという、出所が財務省の情報を鵜呑みにして増税を決めさせたのでしょう。

 その一見「玄人っぽい」分析の出鱈目については、既に九月十七日記事でご説明しましたが、増税のために用意された情報を多用して官邸が安倍首相にその決断を迫ったのは、単に財務省が増税を望んできただけでなく、それが多国籍の投資戦略からの要求であり、大企業経営者たちの刹那的利益のみを追求するに堕ちた経団連の希望だったのです。

 私は一月十七日記事で、世に言う「アベノミクス」成功の鍵は自前で資源を採掘、商業化することであると申す中で、首相執務室のある官邸五階に陣取った三人もの「経産省(旧通産省)勢」に期待し、首相補佐官の長谷川栄一元中小企業庁長官、事務秘書官の柳瀬唯夫元経産政策局審議官、そして今井氏の名を挙げました。

 しかし、六月三十日記事で一転、私は今井秘書官のみを指して「期待した前言を撤回する」と申しました。こう断言した理由は、この段階で私が得ていた情報として、日本海側にもあるメタンハイドレートの五年後の商業化に向けた調査を官邸が一切行なっていない事実を知ったからです。

 今井秘書官の背後には、叔父を通して既得権益にまみれた経団連の強い意向があり、現行の原子力発電所の問題しかり、新興の資源産業がわが国で開拓されることへの強烈な抵抗があるものと思われます。

 今井敬元会長は、何と九月十二日記事で批判した日本総合研究所の寺島実郎理事長が会長を務める新潟県の泉田裕彦知事後援会の相談役でもありました。メタンハイドレートの採掘調査について今後、官邸から今井元会長を通して泉田知事に何らかの妨害があるかもしれません。

 このままではわが国私たちの経済活動は再び大きく萎縮し、かつての亜州通貨危機のような不測の事態にまたも耐えられず、外交や安全保障問題で妥協を繰り返さざるを得なくなるでしょう。特に東亜や対露外交の分野で八方塞になりかねません。

 そうはさせないために、私たちが安倍首相にさまざまな情報を提供することです。「玉石混交は当然」とされながらも、諦めずに訴え続けるしかありません。

 安倍晋三内閣総理大臣 〒100-0014 東京都千代田区永田町二丁目三番一号
 安倍晋三事務所 〒100-8981 東京都千代田区永田町二丁目二番一号 衆議院第一議員会館1212号室

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安倍政権へのテロだった

皇紀2673年(平成25年)10月2日

 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE9900……
 ▲ロイター:米政府機関を閉鎖、与野党が暫定予算案で合意できず

 米政府は一日、連邦議会で与野党が九月三十日夜になっても暫定予算案の合意に達しなかったため、最大百万人の連邦政府職員が無給休暇となる一部政府機関の閉鎖を開始しました。これにより、ニュー・ヨークにあって七月四日に再公開されたばかりの通称「自由の女神像(正式名称=世界を照らす自由)」も閉鎖されました。

 今回のような事態は以前にも経験があり、それは平成七年十二月十六日から翌年一月六日まで続き、約八十万人の職員が無給休暇に追い込まれました。そして、閉鎖が始まった前年(平成六年)十一月、村山内閣で消費税率を五%に引き上げる法案が可決・成立し、閉鎖が終わったのと同年(平成八年)六月二十五日、橋本内閣が翌年四月一日からの引き上げを閣議決定しています。

 十六年前と同じであれば、この混乱は今月中に収束する、或いは収束させなければなりませんが、日米両政府にあったことだけを並べますと、不思議なまでに前回とほぼ同じ状況、すなわち野田内閣で可決・成立した法案の通り、わが国の消費増税が安倍内閣によって実行されることになるのです。

 関係があるか、ないかは何も申しません。ただ、わが国の経済に於ける前回との決定的な違いは、平成八年当時の統計では経済成長率が三%を軽く越えており、平均株価は二万円以上だったのに対し、現在はそれらを全て下回った状態からなおも消費増税が断行されるということでしょう。

 昨日記事では、改めて米連邦準備制度理事会(FRB)のベンジャミン・バーナンキ議長が金融緩和の継続を決めざるを得なかったであろう背景に言及しましたが、ロイターの別のコラムにも書かれている通り、この時の会見で私たちに著しい違和感を与えたのは、彼が政府の雇用政策を「十分ではない」と評し、だから緩和を続けるとした発言です。他の政府機関が自らの職責を果たせないことに対してFRBが保険を掛けるような政策を採り、雇用問題に責任を持つなど聞いたことがありません

 だからこそ私は、バーナンキ議長が「緩和縮小(テーパリング)」の持論を引っ込めた無理を察知し、背後にある新興国投資の動向に言及しました。わが国にしても、安倍晋三首相は確かに海外からの投資を呼び込むための体制を整えはしましたが、日本企業の輸出力を高める為替差の是正、つまり異常だった円高水準をゆるやかに回復させる目標はどこへ放り出してしまったのでしょうか。来年四月以降、再び一ドル八十円台に逆戻りするかもしれません。

 それでは中韓経済の回復を許し、特にウォン安で躍進した韓国企業よりも有利な商取引を今後私たち国民に展開させるはずだった安倍首相のこれまでの施策は、一切水泡に帰してしまうでしょう。

 もう一度申しますが、消費増税を決めたせいで、対中韓外交も、靖國神社参拝も、憲法論議も、安倍首相が当初示してきたようなことは続けられなくなるのです。よって、一部では財務省による増税工作が「安倍政権への破壊工作」とも言われてきました。

 しかし、その真犯人は財務省というより多国籍の金融や投資の世界にいて、投資銀行のゴールドマン・サックスであったり、連合国(俗称=国際連合)の世界銀行や国際通貨基金(IMF)であったりします。占領憲法(日本国憲法)が有効なままでは、彼らに対して「勝ち負け以前」であり、だから「財務省も何が何だかよく分かっていない」と申したのです。

本日午後六時に首相が発表

皇紀2673年(平成25年)10月1日

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS3000U_Q3A……
 ▲日本經濟新聞:政府が賃上げ効果公表へ 与党、復興税廃止を午後了承

 安倍晋三首相は本日午後六時、首相官邸の会見室で、来年四月からの消費税率などの方針について発表します。恐らく引き上げられてしまうでしょう。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のベンジャミン・バーナンキ議長は先月十八日、それまでいわゆる「緩和縮小(テーパリング)」に言及し続けながら、一転して金融緩和を当面続ける方針を発表したようなことに安倍首相もなれば面白いのですが、復興特別法人税の一年前倒し廃止といい、規定通り消費増税へと向かうようです。

 何度も申してまいりましたが、これで第二次安倍政権が目指した内需(景気)回復と給与・物価下落(デフレーション)解消の、世に言う「アベノミクス」はおしまいに違いありません。またも安倍首相は長続きしないでしょう。

 その影響は計り知れません。例えば靖國神社への参拝についても、安倍首相の思い通りにはいかなくなり、目下中韓に対して或る程度「強気」の姿勢を保っていますが、これも一気に崩れるでしょう。

 なぜなら潰れかかっている中韓経済が持ち直すかもしれないからです。バーナンキ議長が持論を引っ込め、金融緩和の継続を決めたのも、そうせざるを得ない新興国投資組からの圧力がかかったためでしょう。

 そもそも「BRICs」という新興国(伯・露・印・中)への投資流行を生み出したのは、米財務長官を何人も輩出してきたゴールドマン・サックスです。所属していたジム・オニール氏が投資家向けにこの造語を最初に用いています。

 しかし、今やこの投資は危険なものになり、いずれの国も物価・給与上昇(インフレーション)が止まらず、伯国では暴動によって来年の国際蹴球連盟世界杯大会(FIFAワールド・カップ)の開催まで危ぶまれ始めました。

 この現象が起きた理由は、繰り返されたバーナンキ議長の緩和縮小発言にあり、よって資金が米国に戻され、新興国は次次と引き上げられていったのです。その中には韓国もありました。

 ところが、バーナンキ議長が緩和継続を発表した途端、もう一度新興国への投資が始まり、株価が上がったというわけです。私は「ゴールドマンが」と申すつもりはありませんが、わが国の一人勝ちを彼らが許すわけなどないことははっきりしています。

 九月二十日記事で、私は「わが国では間違いなく消費増税が金融の引き締めに相当してしまいます」と申しました。また、平成九年四月に現在の五%へ引き上げられて以来、それ以前の税収を上回ったことは一度もありません。

 安倍政権が決めてしまう消費増税でも顛末がそうなると分かっていて、同じように新興国投資組の圧力を受けた財務省の上層部が、安倍首相や麻生太郎副首相兼財務相を篭絡して決断させたものと思われます。財務省は自分たちでも何が何だかよく分かっていないでしょう。

 消費増税は、わが国の財政再建のためではありません。法人税減税は、私たちの賃金を引き上げる目標など達しえません。わが国の内需を萎縮させたままにし、ふんだんにある日本企業の資金を国外へ流出させる(国外で運用する)目的をもって、世界経済を動かしていこうとする「何者かたち」の思惑によって断行されようとしています。

 これは怪しげな陰謀論の類いではなく、今私たちの目の前で起きてきた、或いは本日午後六時に起きることです。安倍首相や麻生財務相だけは決して騙されて欲しくなかったのですが、これだけの経済大国にもかかわらず占領憲法(日本国憲法)が今でも有効なために抗しえなかったのです。

 私たちが果たすべきことは一体何でしょうか。生活が本格的に困窮し始める前に手を打たないと、私たちの多くが思考力を失い、そして国を失います。自分たちの憲法の系譜で政治を切り開くことがどれほど重要なことか、皆様、声を上げましょう!

韓国人は大英博物館へ行け

皇紀2673年(平成25年)9月30日

 http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130928/plt130928……
 ▲zakzak(産經新聞社):安倍政権、韓国に「撤回、返還」要求 ついに“ガチンコ勝負”

 訪韓した下村博文文部科学相は二十七日、韓国の劉震龍文化体育観光部長官に対して長崎県対馬市から盗まれた仏像の返還を要請し、確かに「返還すべきもの」との言質を取りましたが、劉長官はのちに「原則を申しただけ」と釈明し、その返還の手続きを明確にしませんでした。

 よって政府は、十月上旬に尼国で開催される亜州太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合に合わせた日韓首脳会談の開催を見送る方針です。

 禁輸措置問題については何度も申した通りで、とにかく現下の韓国は官民を挙げて、わが国を貶めるためなら何でもします。彼らがそうする理由も既に申しました。

 しかし、そこには私たちにも問題があって、すぐに「竹島を譲ればよい」とか「日本が悪い」というようなことを言って、彼らを増長させてしまうのです。今日まで日韓関係がこじれてきたのは、わが国側がすぐに問題を解決しなかったからに他なりません。

 朝鮮戦争の休戦中にあって、軍事的実体を持つ米韓同盟が、占領憲法(日本国憲法)によって米軍片務の日米同盟より常に優先される、と少なくともわが国の立法も行政も認識してきたため、自民党の歴代政権も、韓国による島根県隠岐郡隠岐の島町竹島の武装占拠すら解除させられませんでした。

 ところが、軍事政権からようやく文民政権に移行し、盧武鉉大統領の登場で米韓同盟が変化し始め、米軍はもはや韓国から撤退したがっています。李明博前政権の末期から中共へ寄り始めたことも、決して米政府は見逃さないでしょう。これらは東亜の均衡を崩す危機とも言えますが、同時に日韓関係を変える好機でもあります。

 野田前政権下の平成二十三年十月、宮内庁書陵部が丁重に保管してきたいわゆる「朝鮮王室儀軌」の五冊と他の一点を韓国側に返還して以来、彼らの対日返還要求はやはり増長し、更には窃盗事件も起き、挙げ句には「盗んだものでも返さない」という前出の問題にまで発展してしまいました。だからこそ、私たちはもう仮に韓国の要求を呑んでも日韓関係がよくなると思えなくなったのです。

 この朝鮮儀軌の一部は仏国立図書館も保管してきましたが、彼らは当時のフランソワ・ミッテラン大統領が返還するようとった措置に猛反対し、紆余曲折を経て、ニコラ・サルコジ前大統領が五年ごとの貸与契約を韓国と結ぶことで合意しました。そもそも国立図書館が反対した理由は、「仏軍による略奪」を言われたからではなく、お金をかけて厳重に保管してきたことを自負していたからです。

 英国では博物館のほとんどが(特別展を除いて)無料なのは、皆様ご存知でしょうか。世界最大級の大英博物館も例に漏れず、その入り口には、実に英国人らしく「国民の血税で保管しているものを見せるために、改めてお金は取らない。『他国・地域から略奪したものだから返せ』と言われても国民の血税でわが国が丁重に保管してきた事実をもって、それら要求には一切応じない」というようなことが書かれています。

 韓国人は一度これを読みに大英博物館へ行けばよいでしょう。いえ、わが国の政治家も官僚もこれに学ぶべきであり、よく理解したならば「勉強代」だと思って、入場料に代わって受けつけてもらえる寄付を置いて来ればよいのです。

 私がかつて朝鮮儀軌を「竹島の向こう側、すなわち韓国領海に向かって公船から投げ捨て、『返して欲しいならどうぞ拾いなさい』と言えばよい」と提案しましたが、保管してきた日本の手から貴重品を引き剥がすということの意味と、ついでに竹島の領有を明らかにする意味を込めた妙案でした。

 にもかかわらず民主党前政権のように簡単に返してしまうというのは、行政の徴税と立法の予算配分という任務を軽視した結果であり、決して許されません。私たちに欠けているのは、わが国が丁重に保管してきたという歴史の視点なのです。

中共こそ歴史を直視せよ

皇紀2673年(平成25年)9月29日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130927/chn130927……
 ▲産經新聞:日本の安保理入りをけん制 中国外務省

 中共外交部の洪磊報道官は二十七日、安倍晋三首相が連合国(俗称=国際連合)演説でわが国の安全保障理事会常任理事国入りに意欲を示したことに対し、「歴史を正視し、歴史に責任を持たなければならない」「第二次世界大戦の勝利の成果に挑戦することは出来ない」などと述べ、不快感をあらわにしました。

 連日同じことばかり言っている洪報道官は、まるで壊れた蓄音機のようであり、わが国に対して他に言うことがなくなった中共外交部の姿そのものです。人民解放軍の対日主戦論者たちを大いに呆れさせていることでしょう。

 しかし、私たちを最も呆れさせるのは、歴史を直視・正視した途端、実は中共こそ連合国安保理の常任理事国に唯一全く相応しくない国だと分かるにもかかわらず、よくもわが国に向かってこのような口がきけるものだということです。

 仮にもご存じない方のために簡単に申しますと、中共は連合国が組織化された後に建国された新興国であり、第二次大戦の結果とは何ら関係がありません

 また、組織の発足から突如として理事国入りが決まるまで、中共が連合国に加盟していた事実もないのです。では、なぜ現在のようなことになっているのでしょうか。

 それは、発足時から理事国だった中華民国・国民党が共産党との国共内戦に敗れて台湾に逃れ、大陸では中華人民共和国が建国されたため、いわゆる「中国の代表権」を巡る争いが勃発し、長年続いたところへ、越国戦争の停戦で中共の協力を得る他なくなった米国が妥協したこと、及び中共が当時友好国だった阿爾巴尼亜(アルバニア)に決議案の提出をそそのかしたことで、なぜか「連合国に於ける中共の合法的権利の取得」が昭和四十六年、他の決議案の採決を待たずに実現してしまったのです。

 俗に「アルバニア決議」と呼ばれる本決議の顛末は、ことほど左様に出鱈目なものであり、のちに中華民国は脱退宣言をしてしまいます。そして、中華民国・国民党が台湾を統治すると決めた条約や協定もないまま、これが日台断交のきっかけにもなってしまいました。

 連合国という組織自体の問題もさることながら、今日の常任理事国とは、すなわち戦争を巡る駆け引きによって正当性を逸脱した存在であり、あくまで組織内部の決め事が悪用されて選出された特定国でしかありません。このような組織の代表格に、わが国が加わる必要など本当にあるのでしょうか。

 安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げてきましたが、その本位は占領憲法(日本国憲法)の有効状態を解くことであり、国際社会を見渡せば連合国の解体、或いは改組を指すのかもしれません。

 ところが、彼は占領憲法の改正を言い、常任理事国入りを目指すようです。それでは決して「足を洗う」のではなく、足の小指を少し外に向けてみる程度の変化しかもたらしません。誰も「脱却」を信じないでしょう。

 安倍首相が中共の妨害行為を一切跳ね除けるには、もう一つの「日本を取り戻す」という目標の実現に本気であるところを明確に示す必要があります。実のところ今も中華民国が理事国(中共は代表権を継承したのみ)であるように、連合国のままわが国、独国と伊国が「敵国条項」から外され、理事国入り出来るはずなどありません

 私たちは確かに歴史を直視すべきです。