大阪都構想にダマされるな

皇紀2675年(平成27年)5月16日

 http://www.sankei.com/west/news/150515/wst150515……
 ▲産經新聞:【大阪都構想】橋下氏「今のままでは市民は破滅的な暮らしに」 自民府議「二重行政は特別区と府の間でも生まれる」 17日住民投票 テレビ番組で討論

 いよいよ明日十七日、大阪市民は「大阪都構想」の是非について審判を下します。報道各社実施の世論調査結果とは裏腹に、賛成が上回るという見通しは変わっていません。内容がほとんどない協定書だけで二重行政解消の根拠にもならない都構想に疑問を持っている市民は、棄権するのではなく必ず反対票を投じに行ってください

 大阪都構想の不都合な真実(自由民主党大阪府支部連合会)
 大阪都構想Q&A(日本共産党大阪府委員会)

 しかしながら、四月二日記事の内容にさえ罵詈雑言を吐き捨てていく「oneosaka」の方がおられるのですから困ってしまいます。コメント欄の一般に閲覧できないデータに潜んでいたこの「oneosaka」の文字列は何かと思えば、大阪維新の会のURL(ウェブサイトの位置情報)だったのです。

 さて、菅義偉官房長官が自民党大阪府連と日本共産党大阪府委らの共同街頭演説を「個人的には理解できない」と批判した問題で、前出記事でも指摘した「憲法問題での協力関係構築」を見据えたものとして、安倍晋三首相ともども都構想に賛成なのではないかとの意見があります。

 そうであれば私が確認した政府関係者の「決してわが国に都を二つも認めない」という方針が現実のものではなかったことになりますが、さらに確認してハタと膝を打ったのは「都構想に賛成するとは一言も言っていません。官房長官は自民と共産が並んで共産党の街宣車で演説したことを『理解できない』と言っただけです」と言われたので、確かにそうだった、と。

 恐らく首相官邸は、投票結果を見て維新に寄っていくか、それとも突き飛ばすかを決めるのでしょう。しかし、維新の党の代表は江田憲司衆議院議員です。寄っていっても得るものは何もないと思いますが。

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日本産禁輸?台湾の事情

皇紀2675年(平成27年)5月15日

 http://www.sankei.com/world/news/150515/wor150515……
 ▲産經新聞:台湾、産地証明で譲歩 輸入全面停止は回避 日本食品規制強化で

 台湾の衛生福利部食品薬物管理署が通告してきたわが国産食品の禁輸騒動。ともすれば馬英九総統による「屈中」としての「日本外し」の一環かと思われるかもしれませんが、以前にも申したように現在の馬総統にそのような力すらありません。

 直接的な問題は、本年三月二十四日公表の産地偽装事件です。東京電力福島第一原子力発電所の事故後に輸入を禁じている福島、茨城、千葉、群馬、栃木の五県産の食品が、産地を偽って輸入されたということでした。

 そもそもこの禁輸措置がもはや科学的根拠を欠くものとして、政府が撤回または措置終了を要請していなければならなかったのです。

 しかし、食品薬物管理署は四月十六日、一方的に日本産品の輸入規制強化を発表し五月十五日より実施するとしていました。それが今回の騒動です。

 一方で台湾にも問題があり、それが昨年九月に発覚した廃油豚脂(餿水油)事件でした。食用油製造大手「強冠」が摘発されるも、揚げ油をよく使う料理文化の台湾で衛生福利行政への不満と不信が募り、「次に何かあったら承知しない」というような大衆の雰囲気に食品薬物管理署が呑まれていたのは事実です。

 食の安全に対して過敏になっている台湾人の事情を理解した上で、食品薬物管理署の措置がどれほど不当か丁寧に説明して解きほぐす努力がわが国に求められています。日中優先・日台断交の弊害は、このような時に最大化してしまうのです。

日米韓破壊工作のシワ寄せ

皇紀2675年(平成27年)5月14日

 第7回現代維新全国同志のつどいのお知らせ
 ここでお伝えし忘れていましたが、今月二十四日(日曜日)午後一時三十分より、神戸市生田神社会館で講演会があります。体調を崩すよりはるか以前からオファーされていたので、必ず「これだけは」という案件を持ち込んで皆さんに会いに伺います。ぜひご参加ください。

 http://www.sankei.com/world/news/150512/wor150512……
 ▲産經新聞:韓国、日韓防衛相会談を検討 米国の圧力で態度変えた?
 http://www.sankei.com/politics/news/150513/plt150513……
 ▲産經新聞:菅氏「友好国の首相を名指し、非礼だ」 韓国の安倍首相糾弾決議に猛反撃

 安倍晋三首相の米連邦議会での演説に対し、韓国国会が安倍首相を名指しで非難する決議を全会一致で採択しながら、韓国政府は対日外交の作業部会を設置、歴史問題と他の問題を分けるなどという苦しい言い訳を始めた上で、まずは日韓国防相会談の開催を検討しています。

 日韓関係について、米政府はこれまでわが国に改善の圧力をかけてきましたが、中韓連携による日米韓関係の破壊工作が効けば効くほど、その矛先は韓国に向かい始めました。

 すなわち日米韓関係の破壊は、そもそも中共が利を得て韓国はただ自爆を招くだけのものであり、それに拍車がかかったのです。

 以前に申した通り陸戦中心でなくなった昨今、米国から見て対露中の防波堤としての朝鮮半島のプレゼンスはただでさえ劣化していましたが、南北分断のまま停戦中の米国にとって「めんどくさくて手を引きたいがわざわざ敵に回してみすみす中共に持っていかれるのは癪だ」というのが韓国に対する本音でしょう。日韓の関係悪化を避けたがるのはそのためです。

 しかし、わが国はその限りでないという「必ずしも本音とは限らない」態度を示すことも必要で、拉致事件の解決に向けた北朝鮮への独自の姿勢は、日米双方が覚悟しなければなりません。また、完全講和を目指す日露関係も同じなのです。

日朝、まだ握る日本カード

皇紀2675年(平成27年)5月13日

 http://www.sankei.com/west/news/150512/wst150512……
 ▲産經新聞:北朝鮮産マツタケ不正輸入で総連傘下の貿易会社社長も逮捕 京都府警など合同捜査本部

 北朝鮮絡みの外為法(外国為替及び外国貿易法)違反事件を最初に扱った三月二十七日記事で、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の許宗萬議長の自宅などにも異例の家宅捜索に踏み切った「京都府警察および神奈川県警察の合同捜査本部は、恐らくこれで終わらせることはしない」と述べ、許議長が「家宅捜索で『押収されたものは何もない』と息巻いたのはまずかったはず」と申したように、ついに議長の次男である許政道容疑者と朝鮮総連傘下の貿易会社「朝鮮特産物販売」(東京都台東区)社長の金勇祚容疑者が逮捕されました。

 これに対して「謀略だ」などとさらに強弁した許議長は、そろそろ自らが置かれている立場の危うさに気づいて沈黙すべきです。わが国の警察や検察が、政治的思惑によって人を犯罪者に仕立てざるをえないよう上位権力に動かされてしまうことは残念ながらありますが、さすがに一点の証拠もなく逮捕はできません。

 何度も申しますが、北朝鮮本国と許議長の間には隙間風が吹きすさんでおり、そのような中で「本国との密使役」を担っていた政道容疑者が逮捕されれば、いよいよ本国との資金ルートまでばらされていくでしょう。

 政府は既にこの展開に伴う北朝鮮の抵抗を想定し、総連本部ビルの家宅捜索は見送るよう警察に指示したはずです。なぜなら本部の家宅捜索をするかしないかが「外交カード」になるからであり、日本国民拉致事件の解決に向けた協議に差し支えるような抵抗を北朝鮮がしてしまえば、或いは許議長がこれ以上吠えてしまうと、警察は一気に総連本部に乗り込むに違いありません。

 許議長は本国に示しがつかないような事態になることを恐れ、必死に抗議の声を演出していますが、もういい加減にしないとかえって本国に何をされるか分からなくなります。

ソフトバンクとグーグル

皇紀2675年(平成27年)5月12日

 http://www.sankei.com/economy/news/150511/ecn150511……
 ▲産經新聞:ソフトバンク孫社長が後継指名 決算会見で、元グーグルのアローラ副会長

 昨日記事では、米FBI(連邦捜査局)が盗聴業務をソフトバンクの支配下に堕ちたスプリント(旧スプリント・ネクステル)にそもそも依頼していたことに疑問を呈しましたが、日本郵政もATM(現金自動預払機)などの業務ネットワーク敷設工事をソフトバンクなんぞにまかせようとしたことが大間違いでした。

 この記事に頂戴したコメントにもあるように、公共工事設計労務単価が実質上げられていないため「デフレ脱却」に呼応しておらず、以前から申しているように大企業に於ける賃金上昇が末端の中小企業にまるで及んでいません。

 郵政側が訴えた遅延損害は、ソフトバンクの下請け、孫請けに当たる中小企業の悲鳴が生み出したもので、ソフトバンクという企業の性質を見極めれば重ね重ね公共工事を発注することにまず疑問を持たなければならなかったはずです。

 私は決して税金の無駄遣いや政官民の利権構造を温存する「談合」を全面肯定するものではありませんが、かねて「全面否定の『正義面』こそ極端だ」と申したのは、あまりにも低価格で入札させると現場に無理のしわ寄せがいくだけであり、まさに人間が制度や機械に押し潰されてしまいます。

 その上で、なぜソフトバンクのスプリント買収が達成されたのかを考えますと、米グーグルでシニア・バイス・プレジデント兼チーフ・ビジネス・オフィサーだった印国出身のニケシュ・アローラ氏をソフトバンクに移動させることがすべての条件だったのではないでしょうか。

 彼と孫正義氏は七年来の知人関係にあったようですが、ヤフージャパン検索のグーグル化があって昨夏に急接近があり、唐突な事実上の後継者指名という流れは、どちらから仕掛けたのか判然としませんが、いずれにしてもソフトバンク温存の切り札だったに違いありません。

 このような企業ばかりが得をする厚生労働制度の改定だけは、政府与党にやめさせなければならないのです。