相撲界×遊技会社×暴力団
メディア各社が連日報じているように、昨年の大相撲名古屋場所で、指定暴力団山口組弘道会傘下の組長らに土俵下の「維持員席」で観戦できるよう親方らが便宜を図ったとされる問題が発覚し、日本相撲協会は27日、関わった清見潟親方を譴責(けんせき)とし、木瀬親方を委員から無役の年寄へ2階級降格させ、木瀬部屋を閉鎖する処分を決めました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2010052700840
▲時事通信:「維持員席」調達に74万円=2席分、親方側支払い?名古屋場所、暴力団観戦
まさかここで周防正行監督の『シコふんじゃった。』をご紹介申し上げるつもりはありません。あれは不純な動機で学生相撲を始めた主人公(本木雅弘)が、次第に相撲の世界に魅せられてゆくという物語ですから、また別の機会にしましょう。
それはともかく、なぜかメディア各社がチラリと報じて決して深追い(解説すら)しないもう一方のほうが気掛かりで仕方ないのです。それは、暴力団組員に手配されたとされる6席のうち、2席は親方からコンサルタント業の男性を通じたとのことですが、あとの4席もが「遊技会社」社員から直接暴力団組員へ渡っています。
この「遊技会社」と表現されている業態は、早い話がパチンコ関係でしょう。パチンコ店チェーンか、或いはパチンコ機器メーカーだと思われます。こちらのほうがよほど暴力団に対して直接的で、悪質だとは思われませんか?
メディア各社は、もはや「遊技会社」からの広告収入を頼りにし、報道番組や情報番組でも彼らの不祥事は取り上げないようにして、一方の「近頃何かと不祥事を起こす不透明な伝統の塊」である相撲界叩きに終始しています。
私はやはりここで、この一本をご紹介申し上げておきましょう。それは、昭和27年製作・公開の日本映画『お茶漬けの味』です。私のもっとも尊敬する小津安二郎監督の作品であり、「松竹三羽烏」といわれた佐分利信の枯れた芝居と、小暮実千代の気の強い女の芝居が見事に調和してゆく物語でした。
昨年11月29日記事「小津安二郎と日本人」でも取り上げましたが、本作では小津組の笠智衆がパチンコ店店主を演じており、当時早くも小津監督と脚本家の野田高梧先生はこう言わせるのです。パチンコを指して「こんなものが流行る世の中はイカンですよ」と。
小津監督の時代の先見性は言うまでもありません。であるからこそ、人間が生きていくために普遍の「食べる」という行為が、小津映画に於ける物理的な空間と物語の説話論的持続を維持したり、分断したりする有用な映画的要素になっている、と東京大学元総長の蓮實重彦先生は自著『監督 小津安二郎』(筑摩書房刊)で指摘しています。本作では、まさに「お茶漬け」がその主題を担いました。
これほどまでに汚れ墜ちた占領憲法下の日本を、なおご存命なら小津監督はどう描いたでしょうか。
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