輿石派の公選法違反手段
平成8年製作・9年日本公開の米国映画『マーズ・アタック!』は、6月17日記事で『エド・ウッド』を取り上げたティム・バートン監督の作品です。まさにそのエド・ウッド監督作品を地でいったようなのが本作で、米国では概ね「とんだC級映画」などと酷評を浴びましたが、私の評価は違います。
大統領と詐欺師の二役をジャック・ニコルソン、大統領夫人にグレン・クローズ、その娘に『レオン』のナタリー・ポートマンのほか、マイケル・J・フォックスや、英国の歌手で本作のエンディングでも歌う代表曲『よくあることサ』のトム・ジョーンズ、『アメリカン・ビューティー』のアネット・ベニング、『007』シリーズのピアース・ブロスナン、『セックス・アンド・ザ・シティ』のサラ・ジェシカ・パーカー、同監督作品『バットマン・リターンズ』ではペンギンに扮したダニー・デヴィートら、豪華出演陣だけでも見応えがありました。
奇怪な緑色の異星人襲来に対し、いわゆる米国的解決を試みる国防総省からは、過激な将軍(『夜の大捜査線』のロッド・スタイガー)と穏健な将軍(『ターミネーター』のポール・ウィンフィールド)が登場しますが、ともに何の役にも立ちません。私たち地球人に熱線を浴びせてくる彼らを撃退したのは、なんと家族想いの青年(ウディ・アレン監督作品『世界中がアイ・ラヴ・ユー』のルーカス・ハース)と、認知症気味の祖母(バートン監督作品『ビートル・ジュース』では口やかましい「あの世」のケースワーカーを演じたシルヴィア・シドニー)だったのです。
この展開が米国では受け入れられなかったのでしょうか、或いは友好的な態度をとりつつ地球を攻撃する異星人の姿が拝金主義の国民に居心地の悪さを与えたか、いずれにせよこれこそバートン監督の真骨頂でしょう。祖母の愛した古いカントリーヨーデルの曲『インディアン・ラブ・コール』(歌=スリム・ホイットマン)の発する周波数が、異星人の弱点でした。好戦的な父母(『007』に多数出演のジョー・ドン・ベイカーと、『シザーハンズ』のオーラン・ジョーンズ)や軍隊入隊志願の長男(『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラック)は、「もう半分あの世に行ってる」と祖母を邪険にしますが、次男だけは違い、祖母を助けて地球を救うのです。
車いすに乗って移動しなければならない祖母は、日本でいうところの養護老人ホームに入所しているのですが、彼女を訪ねるのはやはり次男だけであり、生命を継承したはずの家族の誰もが彼女を人間扱いしていません。そんな夫婦と長男は、まんまと異星人に殺されてしまいます。
わが国でも、呆れるほど老人を莫迦にしたような公職選挙法違反事件が何度か起きており、11日の参議院議員選挙では、山梨県教職員組合(山教組=日教組山梨)出身で民主党の輿石東参議院議員会長の支持者2名が、中央市の特別養護老人ホーム入所者の投票用紙を勝手に使って「輿石東」票を偽造投票し、山梨県警に逮捕されました。
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2010/07/14/1.html
▲山梨日日新聞:特養入所者の投票 不正代書の疑い 県警 中央市の施設幹部2人逮捕
先日もここで指摘しましたように、敗れた宮川典子氏(自民党公認・たちあがれ日本推薦)と輿石氏の得票差は、正確には3745票であり、これが日教組票の力だけでなく、福祉施設利権票も動いたとするならば、仮にも山梨県下に養護老人ホームは12施設・定員計725名、特別養護老人ホームは60施設・定員計3647名、認知症高齢者グループホームは44施設・定員計559名ありますから、極端な想定で4931もの「輿石」票を無効にして宮川氏が当選するのではないでしょうか。
http://www.pref.yamanashi.jp/hokensom/fukushi_kikaku/fukushi_shisetu/itiran.html
▲【資料】山梨県/社会福祉施設一覧
再度ことわっておきますが、これは極端な言い分です。すべての施設がこれほど悪辣な手段を駆使してでも「輿石」票を偽造したとは、現段階でまったく証明できていません。しかし、こうも書きたくなるほど、今回の輿石支持者のやり方はあまりに悪質ではありませんか。国旗・国歌を否定して天皇陛下を愚弄しているうちに、根本たる祖先祭祀を否定、または軽視する自分がいて、選挙のためなら老人をも食いものにしています。
残念ながら今回の事件概要を見る限り、輿石会長に連座制は適用されませんが、落選したのに大臣職続投となる千葉景子法相と、僅差で辛勝に追い込まれた参院会長のいる民主党がまだまだ政権を掌握しているということを忘れてはなりません。一部では、創価学会=公明党との連立を模索すべく、小沢一郎前幹事長が自身の返り咲きとともに狙っているとの情報もあります。
私には、小沢前幹事長や輿石会長が奇怪な緑色の異星人に見えて仕方ありません。さしずめ「日本に襲来」といったところです。本作が遺作となったシルヴィア・シドニーの名演に改めて拍手をおくりつつ、祖先からの生命の継承に感謝し、世界で唯一祭祀を司られる天皇陛下に畏敬の念を……。
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