「親日国」という思い込み
田母神俊雄前航空幕僚長が代表を務める頑張れ日本! 全国行動委員会と草莽全国地方議員の会は1日、「民主党(菅)内閣倒閣宣言! 12・1国民大集会」を開催し、たちあがれ日本の平沼赳夫代表や自民党の山谷えり子参議院議員、西村眞悟前衆議院議員、三宅博前大阪府八尾市議会議員らが登壇して約1700人が参加しました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/
101201/plc1012011929017-n1.htm
▲産經新聞:「頑張れ日本!全国行動委員会」が菅政権批判大規模集会
民主党政権に対する強い不信は、自民党政権の時と変わらない対米従属と対中隷属が主因とも言える経済・財政の無策にあり、資源を獲得する計略もなく内需を回復させることは出来ず、軍事力もなく私たちの生命・財産を守る社会福祉の充実もありません。ついでにわが国は官民を挙げた情報の収集と分析すら出来ていないのです。
政権交代以前、私が大阪市内の街頭で「民主党は自民党の劣化版に過ぎません。政権交代は現状より私たちの暮らしを悪くする選択です」という主旨のことを訴えた時、それでも自民党候補者か何かの街頭演説に間違われて随分白い眼で見られ、通りすがりの方から抗議すら受けたことを思い出します。それほど街は「民主党へ交代」一色だったのです。
それが11月21日記事でもご報告申し上げたように、子供を連れたご家族や若いカップルまでもが民主党政権への怒りを隠さなくなりました。以前はまるで大東亜戦争開戦直前に帝國政府の失策を訴えて国賊扱いを受けるような感覚だった私も、ようやく分かっていただけたか、と胸をなで下ろしています。
しかし、「頑張れ日本!」とはいえ、昨日記事で申したような情報工作力をわが国が得たとしても、日本民族が覚悟しておかねばならない「世界の大海原」があるのです。
例えばそれは10月22日記事で少し取り上げましたが、欧州各国は未だに土国(トルコ)や希国(ギリシャ)の扱いに手を焼いており、歴史的には主としてハプスブルク家とブルボン家でこれを話し合ってきたようなものでした。
私の親しい独国人や墺国(オーストリア)人に言わせれば、米国を「論外」とし、英国王室すらまったくの格下と言い切り、英国教会を問題視しています。或るハプスブルク家後裔の方の英米または中共に対する認識を伺っていても、私たちは欧州人の選民意識が筋金入りのものと理解しておかねばなりません。彼らは米国との友好関係をゆとりをもって利用しているのです。
先の記事で土国や希国を「いわゆる『親日国』」と表現しましたが、これも実はそう思い込むのは危険だと思います。友好を前提としてもそのようなものは一国もない、と思っておいてほぼ間違いありません。日本外交の幼さは、この思い込みが逆の結果を招いた時、何らの策も持ち合わせていないことにあります。
よく泰国(タイ)を「親日的」と理解している日本民族が多いように思いますが、私はかつてチュラーロンコーン大学の学生たちとの親睦計画に参加していたお陰で、わずか数ヶ月の滞在をもってしても、彼らの事大的性質に「親日と思い込む日本の落とし穴」を発見しました。泰国民はいわゆる「白人至上」であり、強い亜州人にはそれなりの敬意は表しますが、弱くなったと見るやいなや直ちに攻撃に転ずるのです。
泰国の日本貿易振興機構(ジェトロ)職員の或る方が「泰国に来る駐在員や旅行者に限って、平気で天皇陛下の悪口を言う人が多いように思う。日本にいられなくなった人ばかり来るんですかね? それは国王への尊崇の念を忘れない泰国民の軽蔑を著しく誘うので、全ての日本人が時には致命的な迷惑(生命の危険)を被る」と言っておられたのを思い出します。
日本民族はもう一度、吉田松陰の言った「飛耳長目」をやり直さなくてはならないのではないでしょうか。前述のハプスブルグ家後裔の方は「そんな私も欧州の旧皇族として天皇陛下には最敬礼するが、未だに日本民族はまるで正体不明だ」と言います。これでは日本の行いが「謎」或いは「不気味」にしか思われません。そこで受ける無用の反発を避けるためにも、日本政府は全世界に向かって自分たち自身を説明する必要があるのです。そのような能力が菅直人首相にあると私は思いません。
この記事の関連動画
http://www.youtube.com/watch?v=8hDpegrcj90
▲日本にも情報収集分析機関を作れ! (6:21)
遠藤健太郎講演会より 10月24日名古屋
▼北方領土の哀しい歴史を忘れるな!