尖閣:日本漁船の締め出し

皇紀2670年(平成22年)12月24日

 いわゆる「尖閣ビデオ」の内部告発について、インターネット上に映像を公開した神戸海上保安部の一色正春海上保安官は、国家公務員法の懲戒処分を受け、22日付で依願退職しました。

 何度も指摘してきたことですが、中共漁船による海上保安庁巡視船への当て逃げ事件発生からしばらくは全く「機密扱い」になっていなかった映像を、例えば北朝鮮の工作船事件のように公開されると思っていたところ、菅内閣がいわば米中両国からの圧力に屈して事件を矮小化すべく、一部公開(国会議員のみ)としたため、一色氏は公知性の高い・機密性の低い情報として公開したものです。

 彼は、懲戒処分については覚悟していたと思います。しかし、仙谷由人内閣官房長官は一貫して逮捕させようとしていたのが明け透けです。ならば(形式上は)司法が政治判断をするという越権行為に及んだ那覇地方検察庁職員への処分はどうなっているのでしょうか。

 もちろん、これは出来ません。推測の域は出ないものの、今まさに起きていることから判断しても、首相官邸が当て逃げの主犯である中共人船長の釈放を指示し、その通りにした検察を懲戒処分には出来ないのです。現にしていないではありませんか。

 この一色氏の内部告発とはまったく異質の、しかも極めて重大な機密漏洩に当たるのが、国際テロリズム捜査情報流出事件です。中には家族構成や健康状態まで記載された緊急展開班班員名簿まであり、まったく公知性の低い・機密性の高い流出させてはいけないものに他なりません。

 この犯人は未だ判明していないのですが、平成19年以降に警視庁公安部外事3課にいた誰かという可能性が高いという情報があります。流出させた目的も分かっていませんが、金銭目当てであれば組織内の士気低下が疑われ、一方で公安に極左が潜伏している可能性があるでしょう。事実上の警察官僚の頂点が岡崎トミ子国家公安委員会委員長ではないかと言われればそれまでですが、これでは職務遂行に熱心な大多数の警察官が浮かばれません。

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101222/crm1012222102037-n1.htm
 ▲産經新聞:菅主導?尖閣沖で日本漁船に執拗な“嫌がらせ”検査

 第一線で国家・社会を守る職に就いた方々ほど、自民党も民主党も全く国家を守る気のない政治をしていると気づいてしまうのではないでしょうか。菅内閣は村山内閣以来特に顕著ですが、小泉内閣や福田内閣に対しても同じことを感じていたはずです。

 一見すれば、海上保安庁はなぜ日本漁船を日本領海から締め出すような行為に及ぶのかと腹を立てるかもしれませんが、日本漁船に「強盗中国 我々の領土を荒らすな」という垂れ幕を掲げられるにまかせ、もし日本人漁師たちが中共漁船と衝突すれば、海上保安官たちが戦場に立つことになりかねません。

 日本政府が覚悟を持っていればよいのですが、皆様ご存じの通りですから、中共漁船が工作船の様相を呈していると知っている海上保安庁はこうせざるをえないのです。彼らは絶対に戦場に立てない、彼らにその覚悟はあっても政府にはない、と。

 漁師たちの言うように、日本領海内で自分たちの漁が出来ないのは間違いなく不当です。日本政府が覚悟を持てないのは未だに占領憲法下にあるせいであり、日本国憲法の無効なくして沖縄県石垣市尖閣諸島とその領海、島根県隠岐郡隠岐の島町竹島とその領海、北海道択捉島・国後島・色丹島・歯舞諸島とその領海を守ることは決して出来ません。国会にはたらきかけてまいりましょう。

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