消費増税に暗躍するのは…

皇紀2673年(平成25年)9月23日

【コラム】

いつもよりかなり放談気味に申しますがね、
 安倍首相を操っているのは財務省の香川氏らと、経産出向の今井秘書官だ。

 http://endokentaro.shinhoshu.com/japan/post3058/
 ▲九月十七日記事:消費増税で安倍政権は終了

 「木下」ねぇ……。

 えー、景気を良くしよう、と。つまり国内の需要を増やそうという時に、もしも消費税率なんぞを引き上げたら、そりゃあ内需が萎縮を始めるに決まっている。平成九年四月に五%へ引き上げられた時、確か「税収を増やして財政再建」と言っていたはずだが、結局は今に至るまで十五年以上、増税以前より税収が上回ったことはただの一度もない。もうみんな忘れちゃったんですかね。

 第二次安倍政権になって、消費増税の犯人は財務省の木下康司事務次官だって言うんですが、そういう声は前の野田政権でも勝栄二郎次官に対してあった。この勝前次官の直系とまで言われているのは、むしろ木下次官の後任に就いた香川俊介主計局長で、木下次官と香川局長、そして田中一穂主税局長、金融庁の桑原茂裕総務企画局長の四人は全員、昭和五十四年入省の「四天王」と省内で言われてきた。

 で、ここのところ主計局育ちの「財政再建派」が事務次官に続いてきたんだけど、香川氏は木下次官の次を狙っているのかしらね。香川氏こそ細川政権を失脚に導いた「国民福祉税構想」の影の功労者と言いますか、まぁ余計なことをした人だったわけで、民主党の小沢一郎元代表が没落しても主計局支配が崩れないよう自民党にも唾をつけておいたのが、彼ら「昭和五十四年組の四天王」たちである。特に田中氏は第一次安倍政権の首相秘書官だった。

 勝氏も香川氏も「メディア対策」をやってきた人たち。いわば「第四の権力」を国家三権の一角がコントロールしようとしてきたって言うんだから、とてつもなく怖い。日本テレビもフジテレビも朝日新聞も讀賣新聞も、みんなマルサにやられた。

 だから、普段は「弱者の味方」なんぞと張り切って「権力監視」を言うくせに、どのメディアも消費増税への批判があまりに手ぬるい。大っぴらにやると財務省を怒らせて、すぐに国税が飛んでくるからだ。こんなことを書いている私も、何やら嫌がらせされるのだろうか。叩かれても鼻血も出ないが。

 でもね、本当に国を思うなら、内需回復に舵を切った安倍晋三首相のことを信じるか信じないか、或いは信じられないかはさておきね、日本銀行まで出動させた民間需要の活性化策をまず軌道に乗せようと考えるのが当たり前だ。

 誰でも税金をたくさん取られるのはイヤ。でもね、これじゃ「納める」はもとより「取られる」でもなく、盗まれるほうの「盗られる」って感じ。単にイヤで反対するんじゃなくて、ちゃんと納められるよう内需を回復してくれ、と。今のままじゃ働くよりも生活保護を受けたほうがマシになっちゃう。

 生活保護って言えばさ、年金生活だとデフレのほうが助かるって言うけどね、あれも今のまま、まして消費増税でまたお金が回らなくなり始めたら、財政負担が嵩んでどんどん支給額は減って支給開始年齢の数字が増すわけよ。ロクなもんじゃない。

 安倍首相は返り咲き、今度こそ長期政権を考えていると思うんだけど、そう願えば願うほど、首相は財務省の言うことを聞こうとする。経済産業省出身の今井尚哉政務秘書官は、はっきり言って財務省寄りの「役立たず」だった

 メタンハイドレート採掘の話だって、五年後の商業化を目指すって言ったからには、その旗振りをするのが今井氏だと思ったのに、その正体はまるで「国際金融資本のスパイ」みたい。そんなにわが国の内需を萎ませて海外に資金を流出させたいかね。日本の官僚のくせに。

 もうね、やめさせましょう。この悪い流れを私たちが止めなきゃ。自民党に手紙を書いて送りましょうよ。ここで増税したら、もう二度と自民党には投票しない、と。これは自民党の候補者に投票した事実と、自分がどこの選挙区の有権者か、きっちり明記することで陳情しないといけません。

 このまま「財政再建」の出鱈目に騙されて、あとでブーブー言うのは無責任であり、あまりにも無自覚だ。自民党本部の住所は「〒100-8910東京都千代田区永田町1-11-23」ですから、短文でよいのでご協力くださいまし。

 文=遠藤健太郎 (真正保守政策研究所代表)

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直前!伊勢神宮の式年遷宮

皇紀2673年(平成25年)9月22日

【コラム】

「パワー・スポット」なんぞありはしなくても、伊勢の神宮は本当に不思議で、
 私みたいなね、穢れた人間が、自然の力で綺麗さっぱり洗い流される。

 http://sankei.jp.msn.com/life/news/130921/trd130921……
 ▲産經新聞:伊勢神宮、式年遷宮 毛利正守・皇學館大教授(上代文学)

 お伊勢丹は東京の新宿にありますが、お伊勢さんは三重にある「神宮」のこと。まぁこんな感じで始める話ですから、難しいことはさておき、十月二日には二十年に一度の「遷御の儀」が行なわれる。ついに式年遷宮だ。

 このご時世、国家全体が疲れ切っているのか「パワー・スポット」なるものの情報に溢れているが、どこか特定の場所へ行って「癒された」と思い込まないと、もうどうにもならない人が多いらしい。残念ながら、本当はそんな場所なんかなかろう。

 そう信じる私でも、神宮の御正殿の前あたりは、やけに空気が澄んでいるのが分かる。言ってみれば山や森の中はそんなものですがね、駅から近い外宮も、そこからバスで十五分ほど行く内宮も、何だかちょっと違うんですよ。私みたいなね、穢れた人間が、自然の力で綺麗さっぱり洗い流されるというような。

 鳥居をくぐって奥へ進むと、いくつかの御神体がおわしますが、これが石だったり木だったりする。そういうことが、あの感覚に繋がっていくんでしょうかね。何だろう、これ、っていう。

 外宮に祀られる豊受大御神(とようけのおおみかみ=トヨウケビメ)は、早い話が食べ物の神様。そういえば伊勢市は周辺から実にうまいものが集まる。内宮の前にある「おかげ横丁」でサザエやハマグリの串焼きを喰らい、讃岐うどんとは好対照な伊勢うどんを堪能し、宝永四年創業の赤福で五十鈴川を見ながら胃が落ち着くといった具合。私は次の参拝で、秘かに「手ごね寿司」を狙っている。近頃では伊勢海老や松坂牛を使った「三重県産フランス料理」もレヴェルが高い。

 全ての生き物が食わねば死ぬのであって、いただくお命の源は太陽だ。だから私たち日本民族の総氏神は、内宮に祀られる天照大御神(あまてらすおおみかみ=オオヒルメノムチ)であり、天皇陛下のまさに「皇祖神」であらせられる。

 天武天皇が御決めになり、持統天皇の御世に始められた式年遷宮は、皇學館大学の毛利正守教授がおっしゃる通り、二十年の都度に私たちの心が新たになるもの。そのような「仕組み」と言うか「機会」と言うかな、もう全部がもたらす自然と私たち人間の関係が、天皇陛下の「祭祀」によって表される、と。

 しかしながら「次は手ごね寿司を食べてやろう」なんぞと目論む私の、何と卑しいこと。「お伊勢参り」が流行った江戸時代の頃もそうらしいが、伊勢古市には、親が神宮参拝に出した少年を一人前にして帰す遊郭まであった。古代ギリシャでもディクテリオンという売春宿の収益で神殿の修復が行なわれたこともあったらしく、戦乱の時代で式年遷宮が中断され、荒れた神宮へ人と物とお金を集めるために始まったのが「お伊勢参りの流行」だ。

 自然があって生命が誕生し、性のたしなみがまた生命を誕生させ、それらがみな聖なわけよ。生きているってことね。あの神宮の清清しさは、ハタと呼吸そのものを意識し、生を感じるからなのかもしれない。

 文=遠藤健太郎 (真正保守政策研究所代表)

米国の「反日」結局はカネ

皇紀2673年(平成25年)9月21日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130919/amr130919……
 ▲産經新聞:米自治体、授業で「東海」紹介を指導 日本海呼称、政府が抗議

 政府は、米メリーランド州アンアランデル郡が公立学校の地理の授業で、日本海について、韓国が近年になって突然主張し始めた「東海」との呼称も教えるよう指導していることに対し、抗議した上で撤回を求めています。

 しかし、郡は今のところ応じていません。日本放送協会(NHK)の取材には「日本と韓国の間に論争があることを子どもたちに気づかせることが教育だ」と答え、撤回しない考えを示しています。

 既に指摘されている通り、これは在米韓国人団体が無理矢理はたらきかけたから起きたことなのですが、私もかねがね、国史などの教育では複数の見解が存在する過去の事象について、それぞれの説を併記すればよいと申してまいりました。

 ならばこの郡の教育では、例えば米軍が広島と長崎へ原子爆弾を投下し、非戦闘員の民間人を十数万人以上も虐殺したことに関する複数の見解を教えるべきです。が、決して実施されてはいないでしょう。

 在米中共人団体が裏で糸を引いてきた「反日」喧伝行為は、先日奇しくも取り上げた故ダニエル・ケン・イノウエ上院議員の行動から見ても、基本的にはほとんどの米国人にとって「どうでもよい」「どちらでもよい」話に過ぎません。

 イノウエ議員は米国に忠誠を誓った政治家として、日米貿易摩擦問題では血の祖国であるわが国を徹底的に批判することも恐れませんでしたが、いわゆる慰安婦問題ではわが国に謝罪を求めるような決議案そのものに反対しました。彼がそう出来たのは、中韓による「反日」思想など米国にとって「どうでもよいもの」でしかないからです。

 ところが、ここまで米国内で増長していった背景には、米政府が民主党政権を中心に経済戦略として「日本外し」を行なってきたことと無関係ではありません。わが国の地位を貶めるための小道具として、大東亜戦争後の占領統治もそうであったように、米国人の都合よく利用されてきました。

 利用出来る「どうでもよい話」に、在米の中韓団体は寄付や献金をしてくれるのですから、わが国政府が文書でいくら抗議しても言うことなど聞きません。紙切れではなくドルを持っていけば、彼らの屁理屈も飛んで消えるでしょう。何度も申しますが、現地で喧伝人員を調達するのに加え、活動のための予算を計上する必要があります

 十八日は柳条湖事件(満洲事変の発端)が起きた日で、昨年は官製デモが一気に暴徒化し、国内の「反日(というより反体制)」暴動が中共に進出したわが国企業だけでなく欧米企業にまで撤退の動機を与えたことから、経済の没落が見え始めた本年は何も起こらないよう統制されたようですが、彼らは国内で出来ない「反日」を外国でやり続けるつもりです。

 安倍政権になって抗議した政府の方針は間違っていません。私たちには地味に見えるかもしれませんが、このような事案を各国で見つけ出し、一つ一つ潰していかなければならないのです。

日銀アクセル財務ブレーキ

皇紀2673年(平成25年)9月20日

 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE98H03220130918
 ▲ロイター:米FOMC声明全文

 米連邦準備制度理事会(FRB)は十八日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した声明で、月額八百五十億ドル(米国債四百五十億ドル、モーゲージ担保証券四百億ドル)の資産買い入れを当面継続する方針を表明しました。

 つまり、米国は金融緩和を続けるということです。ベンジャミン・バーナンキ議長はこの数ヶ月に及んで「緩和縮小(テーパリング)」を口にしてきただけに、意外な決断でした。

 わが国も第二次安倍政権になってようやく政府と日本銀行が共闘して給与・物価下落の悪循環(デフレーション・スパイラル)に対処すべく、何しろ十五年以上も続いた内需萎縮(不景気)から国民経済を開放しようと、大胆な金融緩和に挑んだところです。

 目下、日米共にゼロ金利政策が続いていますから、金利ではなく量的な緩和で、すなわち通貨をばら撒くことで調整するしかありません。私たちの暮らしにそのよい成果をもたらすまでは少なくとも数年かかり、今回FRBが「まだまだ不十分」と判断したように、日銀も緩和策を当面続けることになるでしょう。

 しかし、九月十七日記事でも申した通り、来月には安倍晋三首相が消費税率の引き上げ判断を行ないますが、もし引き上げてしまえば、いわば金融緩和で加速した車を増税で急減速させ、ひっくり返らせてしまいかねないのです。

 緩和策は延長よりも中止を決める時が難しいのですが、拡大や縮小は内需(景気)の状態によって言い易くもなり言い難くもなります。要は政府与党が「低所得者に給付金を」などと言わなくても済むと目されるほど内需が回復すれば、緩やかに緩和縮小を始めるだけです。

 そのためには、日銀が国債を直接引き受けても(財政法第五条が求める議決をしても)よいはずであり、そうして実質金利の壁さえ取り払われれば市中にお金が回り始めます。そこで打つべき手が増税のはずなどありません。逆に一時減税でお金を回し、給与・物価下落から脱却してしまえば、日銀が内需の動向を見ながら「売りオペレーション」に転じられるのであって、緩和縮小の市場への衝撃は最小限度にとどめられるでしょう。

 わが国では間違いなく消費増税が金融の引き締めに相当してしまいます。珍しく日銀が前へ進んだのに、それを財務省がおもいっきり後ろへ引っ張って、安倍首相もろとも一億の国民を大怪我させるに違いありません。

 バーナンキ議長が言及した米政府・連邦議会の政策的混乱は、私たちに置き換えますと安倍政権に於ける「成長戦略の不発」に当たります。最も重要なのは、流動性が高まったところへ国民経済活性化の起爆剤を投与することであり、忘れないよう何度でも申しますが、占領憲法(日本国憲法)体制から脱却して自立した資源・食糧政策を打ち出すことです。

民主が遺した防衛大綱の難

皇紀2673年(平成25年)9月19日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130916/plc130916……
 ▲産經新聞:自衛隊で内紛勃発 対中有事めぐり四分五裂

 産經新聞社が「防衛オフレコ放談」と題する連載の十六日配信分で暴露した通り、防衛省・自衛隊の内部では目下、年末に予定する「防衛計画の大綱(防衛大綱)」改定を巡って揉め事が起きています。

 防衛大綱の改定は、昨年末の第二次安倍内閣発足直前から言われてきたことで、前民主党政権下の平成二十二年十二月に策定されたものは、この時から「間違いなくごみ箱行き」と省内でも目されてきました。「国家十年の計」といわれる大綱が、たった二年で用無しになったのです。

 その背景には、民主党の大綱がいわば「ど素人」の介入によって策定されたものだったという、特に制服組(現場自衛官)の怒りと呆れがあり、防衛相と財務相を中心とした関係閣僚会議に国際大学の北岡伸一学長のような安全保障を専門としない政治学者をわざわざ潜り込ませ、彼らの言うなりにまとめさせたということがあります。

 ところが安倍晋三首相は、盛り込むべき戦略の内容を議論する有識者会議の座長に、またもや北岡氏を充ててしまいました。これには制服組も愕然としたでしょう。安倍首相の真意は今もって分かりません。

 いずれにせよ、北岡氏が再び前の大綱の「動的防衛力」を口にし、自衛隊の編成や装備に口を出せば、それが本来は運用と機能の「夢物語」でしかないため、議論が全くかみ合わなくなるでしょう。

 安倍政権が改定で示す基本方針はやはり「統合運用」であるべきで、それに基づいて必要な部隊編成と装備の数量をはじき出すのが筋です。

 しかし、ここへ来てかつての陸軍省と海軍省の対立という悪夢を彷彿とさせるような内紛が、陸上自衛隊と海上・航空自衛隊で起きています。沖縄県石垣市尖閣諸島に代表される領土・領海・領空防衛に於いては、当然海自と空自が主戦力であるにもかかわらず、陸自は大綱での過小評価に伴う予算分配の縮小などを予想して「陸自も入れろ」と怒っているらしいのです。

 制服組は「統合防衛戦略」を策定し、第一級の戦略文書とするつもりですが、今度はそこへ背広組(内局の防衛官僚)が制服組の権限拡大を嫌って反対してきました。背広組はかねがねこの調子であり、田母神俊雄元航空幕僚長もこの原理で嫌われて組織を追われたようなものです。

 「わが国にとってもはや朝鮮半島は重要でなくなった」ということをご説明した時にも申しましたが、現在は陸戦が中心ではなく、中共の人民解放軍が侵略してくるのも艦船や戦闘機が中心で、防衛の概念としては海自と空自で対処します。

 一方、上陸でもされれば、或いは同時多発的侵略行為で破壊活動(テロリズム)を仕掛けられでもすれば、陸自は私たち国民に最も近いところで私たちの身の安全を守るために行動することになるでしょう。

 私はそこまで大綱に入れても、統合運用を目指すのであれば差し支えないと思います。大東亜戦争下の過ちを繰り返さないためにも、統合運用の方針を明確にすべきであり、一刻も早く占領憲法(日本国憲法)の有効状態から私たち国民と防衛省・自衛隊を解放すべきではありませんか。

 このような内紛が起きるようでは、中共のとてつもない謀略に決して勝てません。昨日記事では外務省のはたらきを取り上げましたが、防衛省こそ現場の役割を果たすべきであり、占領統治体制の継続のまま防衛権の議論をしのごの始めるのか、そこからの脱却を実現させて自動的に防衛権を手にするのか、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を胸に秘めた為政者です。必ずや後者の自然な道を歩むものと期待し、且つ要望します。