皇紀2673年(平成25年)12月11日
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/131210/mca131210……
▲SankeiBiz(産經新聞社):農業輸出、2020年に1兆円へ 農業創造本部で安倍首相が「大改革を実現」
内閣は、本年五月から農林水産業・地域の活力創造本部(本部長=安倍晋三首相)を設けていますが、十日には首相官邸での会合が十一回を数え、農林水産物の輸出を平成三十二(東京五輪開催予定)年までに一兆円に倍増させることや農地の大規模化による競争力強化、米の減反廃止など農政の転換も盛り込んだ「農林水産業・地域の活力創造プラン」を策定しました。
その主旨は従前の自民党農政をほぼ全否定するものであり、大いに賛成しますが、安倍政権の危うさは、法律やいわゆる「プロジェクト」の設置を目指した政策としての立派な本分から、内容の詳細や施策がみるみるブレていくことです。
米の生産を自由に増やすといいながら、飼料用の米を生産する農家への補助金のみを高額に設定するなど、最初から極めて恣意的な内容であり、飼料用穀物の自給を目指すのは大いに結構ですが、やはり自民党農政の悪しき体質を脱していません。
また、生産支出を抑えるべく必要な農地の大規模化に於いて、私たちが必ず気をつけなくてはならないのが、決して米国型工業的農業を導入させないことです。あのようなものを見習う価値はありません。
わが国でも例えば米モンサント社の遺伝子組み換え(GMO)種子で大量作付などやり始めれば、農地の汚染のみならず、農家はモンサント社との契約の義務に縛られて次第に身動きが取れなくなり始めます。日本農業が守り続けなければならないのは、「F1」種を作るにしてもまず固型種であり、固型種でなければその種から次の世代は育たないのです。
敢えて申し上げるなら、わが国は仏国を参考にすべきであり、決して米国と歩調を合わせてはなりません。仏国の自給率が高いのは、自国生産への自信と広報の巧さにあり、農薬の使用や「GMO」の扱いにとてもうるさいことでしょう。仏最高裁判所は、モンサント社の除草剤の「人に安全で環境にも優しい」という広告を「虚偽」と断罪しています。
ところが、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加交渉を巡り、わが国が農産物の重要五項目で相手国に有利な低関税の特別輸入枠の設定を柱とする譲歩案を先月、米国に初めて提示したことが判明し、それすらも米国にはねられていたと分かりました。
安倍首相は、仏国のように高関税で自国農業を守り、妥協はせず、交渉の結果として納得のいかないものであればすぐにでも参加交渉から脱退する、と私たち国民に約束したはずです。
もしもこれを破ったら、ただでは済まないでしょう。今や農協(JA)や農家だけが怒るのではなく、消費者である大多数の国民が怒って、売国政策を反省するまで何度でも自公連立政権を引きずり下ろすのです。しかしながら、売国政策にしか手をつけなかった民主党の政権が復活することは二度とありません。
仏政府は自国の農産品の価値を高めるため、それが正しいことか否かはともかく、明確な基準を設けた格付けを自ら実施しており、それは農地そのものに対しても行なわれています。葡萄酒(ワイン)の名称にあるボルドーやブルゴーニュなどは、皆様ご存知の通り産地そのものです。
これこそ、安倍政権が目指す「クール・ジャパン戦略」の参考例ではありませんか。その筋から考えても、TPPで米国に妥協し、誤った手法で農業を大規模画一化してはならないのです。
分類:日本関連, 欧州露・南北米関連 | コメント1件 »
皇紀2673年(平成25年)12月10日
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1209kaiken.html
▲首相官邸:平成25年12月9日 安倍内閣総理大臣記者会見 (動画あり)
安倍晋三首相は九日、第百八十五臨時国会の閉会を受けて記者会見を開きました。何度も申しますが、今国会はその場で安倍首相が述べたほど「成長戦略実行国会」になっておらず、民間投資を喚起する産業競争力強化法や、規制緩和と関連する国家戦略特区法、ついに英断された米の減反政策廃止に伴う農地集積バンク法、再生医療促進法、電気事業法の改正などが極めて不十分な審議のまま、ただ可決されていったというだけです。
よって改正を求めていくとした特定秘密保護法よりむしろ、これらの改正も今後訴えていかなければなりません。これまた以前にも申しましたが、成長戦略とは決定的な内需回復と輸出拡大の起爆剤ですから、政府は発表の仕方に気をつけるべきでした。
安倍首相が随時、自ら官邸の会見室で記者会見を開き、新資源の採掘・商業化を決めたとか、自民党農政の過ちは私の代でやめます、といった具合に鮮烈に発表させなくてはならなかったのです。
いわゆる「ぶら下がり取材」を断っているのですから、首相の都度の会見が世界に与える影響は大きく、一方その点から申せば、秘密保護法案の類いはわざわざ会見で首相に発表させるものではありません。国会での審議に於ける答弁などで十分です。
しかし、会見で安倍首相が最も多くの時間をこの説明に費やしたように、法案が処罰の対象を絞っていないため、特定秘密とされる国家機密情報の定義が特定されないという皮肉なことになっています。
それでも安倍首相は会見で四つの重要な点に触れました。第一は現行約四十二万件の特別管理秘密の九割が衛星画像、残りが暗号、自衛隊の装備性能などであり、第二に歴代政権で生まれた外交密約などが首相にも知らされない現状(官僚主導政治の原因)、第三に約三年間で三万件もの防衛機密を廃棄した民主党政権での責任の所在が不明である現状、第四に菅民主党政権で発生した中共漁船衝突事件で証拠動画を隠蔽しようとしたのが菅直人首相か仙谷由人官房長官か、福山哲郎副長官か分からず、事件の真相は私たち国民と世界中の人が知るべきだったという認識を現首相が有していることです。
これは、これまで「知る権利」や「言論の自由」を盾に反対してきた官公労や自治労、日教組らで彩られてきた過激な反対運動の主張が根底から覆る内容であり、これこそ私たちが知らなくてはなりません。
民主党こそが防衛機密を大量に廃棄し、国民の知る権利よりも秘密保護法制の必要を唱え、一色正春元海上保安官のような人物を生み出しながら逮捕させようとしたり、福島第一原子力発電所の現状を公開した青山繁晴氏を逮捕させようとしたのです。これらは既にここでも取り上げてきました。
また、今回確かに与党の国会運営は酷いものでしたが、民主党が「こんな強行採決は民主主義を殺すものだ」などと批判する資格はありません。民主党政権下では、最大野党だった自民党が欠席したまま、或いは彼らの制止を振り切って十五回も強行採決されています。
これからは秘密保護法をいわば「スリム」なものに改正すべく再審議を求めますが、その過程に於いて、決して彼らの言い分が法の問題点ではない、すなわち衛星画像や暗号の解析は国民の知る権利と全く別の問題であることを明らかにし、あさっての方を向いて反対していた言論こそ本法案の問題を未整理なままにした「戦犯」であることを前提に、提言してまいります。
分類:日本関連 | コメント1件 »
皇紀2673年(平成25年)12月9日
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131207/amr131207……
▲産經新聞:米情報長官顧問を辞任か 中国企業兼務の米教授
国家機密を扱う情報機関を統括する米国家情報長官の顧問を務めていたジョージタウン大学の教授が、中共の通信機器大手で共産党人民解放軍系とされる華為技術(ファーウェイ)のコンサルタントを兼務していたとして、顧問を辞任したことが六日、分かりました。この教授は中共の対外投資の専門家だったとのことです。
なお、米国のゲイリー・フェイ・ロック(駱家輝)駐中共大使(元ワシントン州知事・元商務長官)が先月二十日、来年一月中にも辞任する考えを突如発表し、さまざまな憶測が飛び交いました。
実は米政府内部で目下、このような突然の辞任劇が度重なっており、国防総省のアシュトン・カーター副長官も今月四日付けで辞任し、後任にはクリスティン・フォックス氏が女性で始めて同職に就いています。
ロック大使もカーター前国防副長官も、辞任の理由は未だ明かされていませんが、カーター副長官の辞任について、外交・安全保障の分野で何もしないバラク・オバマ大統領に「彼はレオン・パネッタ前長官末期から既に嫌気が差していた」という話もあり、オバマ政権に対する著しい求心力の低下は、早くも内部から始まっているのかもしれません。
中共が米国の、特に太平洋側の州から影響力行使(太平洋侵略)の土壌を育てつつあるということは、ここで何度も指摘してきましたが、ロック大使はその最大の功労者でした。
ところが、中共の彼への評価が変わったのは、盲目の人権活動家として知られる陳光誠氏の事実上の米国への亡命に関与した時からです。ロック大使は北京駐在の現状に、家族の身の危険を感じているものと見られます。陳氏の家族が山東省当局からどれほど酷い暴力を受け続けたか、私たちはよく知るべきであり、中共とはそのような国家なのです。
特定秘密保護法案を巡り、自民党と公明党(創価学会)の国会運営が滅茶苦茶だったことは、少なからず私にとっても迷惑でしたが、本法案の成立を安倍政権に急がせた米政府こそ、機密情報管理がなっていません。
国土安全保障省や中央情報局が中共の華為を国内通信網敷設に於いて危険な企業と認識していたことは明らかで、国家安全保障局(NSA)の盗聴という機密がそもそも漏洩され、連邦議会上下両院でその弁明に追われていたジェームズ・クラッパー国家情報長官の頭脳として、機密情報にも触れる立場に華為関係者を置くなどあってはならないことです。
安倍晋三首相が参議院での審議で、唐突に第三者「的」機関の仮称を口にしましたが、これほどいい加減な対応はありません。何度でも申しますが、機密保護法制の整備を目指した本分を政府の誰一人とて忘れてはならないのであり、今後は外交・安保に機密情報保護の対象を絞るよう改正を目指して提言します。
諮問委員会だの監視委員会だの、何者が潜り込んで機密情報に触れるか分かったものではないことが、米政府すらやらかした今回の間違いを見ても明白なのです。
分類:亜州・太平洋関連, 日本関連, 欧州露・南北米関連 | オバマ政権がしっかりしろ はコメントを受け付けていません
皇紀2673年(平成25年)12月8日
http://www.shinhoshu.com/2013/08/post-270.html
▲真正保守政策研究所:【オピニオン】東宮批判に隠された陰謀(新聞『アイデンティティ』平成二十四年八月一日号・第五十七号掲載)
泰王国のインラック・チンナワット政権打倒を目指す反政府行動を巡る報道は、皆様も目にしてこられたと思います。ステープ・トゥアクスパン元副首相は六日、九日に首相府を囲む大規模行動をもって活動を終結させると表明しました。
今回の騒乱に於いては、主として行政府が集中するバンコク都ドゥシット区内でほぼ完結しており、その他の地区では殆ど反政府行動の息吹きを感じないようです。これは、三年前の「暗黒の土曜日」と呼ばれたタクシン・チンナワット元首相派による反政府(アピシット・ウェーチャチーワ政権打倒)行動を除いて、泰王国民の認識としてよくある現象とも言えましょう。
タクシン元首相派は、都心にあるルンピニー公園を占拠し、商業施設センタン・ワー(北側に伊勢丹も入居しているセントラル・ワールド)に放火して半壊させてしまったほど、いわば全国民を巻き込むことに躊躇しませんが、反タクシン派の行動はそれほどでもないのです。
この違いは、はっきり申し上げて泰王国の崩壊を目論んでいるか否かでしょう。
南部出身のステープ元副首相とて、かつて南部プーケットにおける農地改革に絡む汚職事件を起こして第一次チュワン・リークパイ政権を崩壊させた疑惑の持ち主ですが、今なおタクシン元首相を支える大きな力とは、タクシン政権が全国の農家にバラ撒き続けたカネであり、その恩恵に授かった多くの者が過激な行動に参加してきました。
よって、参加者の殆どはタクシン元首相ら旧タイ・ラック・タイ党(泰愛国党)の真の目的を知りません。旧泰共産党員を擁し、北京支部の開設を中共共産党に許された彼らの目的は、王国としての泰国を崩壊させることに他なりません。
今日その過激度を増し、行動を繰り返しているのは、旧涅王国(ネパール)での成功例から中共の対泰(王制破壊)工作がいよいよ佳境に入ったことを意味しており、これまでも数ある反政府行動を収めてきたプーミポン・アドゥンラヤデート国王陛下(ラーマ九世)の威信低下は、単なるご病状とご高齢だけが原因ではないのです。
五日のご生誕の記念でも、プーミポン国王陛下は事態収拾に繋がる発言をなさいませんでした。いえ、出来なかったのです。反タクシン派がタクシン元首相の帰国を恐れるのは、王制崩壊工作が最終段階に入る可能性を阻止したいという想いであり、一部の利権屋を除いて、タクシン派の正体を知る人たちは真剣です。
私はかねてより、これが他人事ではないことを各所で警告してきました。中共はこのようにして亜州各国に入り込み、その国の政党や政治家たちにカネをバラ撒いて王室を弱体化させ、わが国に対しても皇室の崩壊を目論んで次代の東宮を批判するよう深く静かに扇動しています。彼らは、皇室や王室の解体に何年かかっても構わないのです。
政権を追われて殺人罪で起訴までされてしまったアピシット前首相を私が擁護してきた理由は、泰王国が亜州に於ける王制継承の最後の砦だからであり、世界唯一の皇室をわが国で潰してしまうわけには絶対にいかないから以外にありません。
この事実は、全世界人類が知るべきです。私はそのために隠然たる活動をしています。決してやめません。皆様に於かれましても、これが周知の事実となりますよう、何卒お力をお貸しください。
分類:亜州・太平洋関連, 日本関連 | タイを見てほくそえむ中共 はコメントを受け付けていません
皇紀2673年(平成25年)12月7日
英連邦南阿のネルソン・マンデラ元大統領(第八代)が五日、九十五歳で亡くなりました。衷心よりご冥福をお祈りします。彼はわが国が連合国軍による占領統治下にあった昭和二十三年に南阿で法制化された「アパルトヘイト(白色人種と有色人種とを分離・隔離する人種差別政策)」から祖国を解放した人物として知られています。
昭和三十七年八月、マンデラ氏は政治活動によって逮捕され、二十七年間も収監されていましたが、実のところ人種差別政策から南阿を解放した最初の人物は、フレデリック・デ・クラーク元大統領(第七代)ではなかったでしょうか。
件に対するノーベル賞平和賞の受賞も、一般にマンデラ元大統領ばかりが取り上げられますが、デ・クラーク元大統領との共同受賞だったことを忘れてはなりません。だからこそ、マンデラ政権は黒人種と白人種との協和を目指せたのです。
しかし、不屈の精神で民族の誇りを取り戻した現実主義の政治家だったことは、単独でも高く評価されてしかるべきだと思います。彼が遺した言葉の通り、間違った政治に対して多くの人が黙って何もしないままでは、素晴らしい国になどならないのです。
——————————
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131127/plc131127……
▲産經新聞:ポツダム宣言受諾は無条件降伏? 衆院文科委で論争
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131129/plc131129……
▲産經新聞:【中国防空識別圏】 首相、即時撤回求める自民決議に「冷静かつ毅然と対応する」 国会決議も
最後の最後まで特定秘密保護法案で混乱し続けた今臨時国会ではありましたが、会期中、実は他に興味深い議論もあったのです。一刻も早く取り上げたかったのですが、遅くなって申し訳ありません。
衆議院文部科学委員会は先月二十七日、自民党の池田佳隆代議士(愛知三区で近藤昭一元副環境相を破った政治家)が「戦後レジーム(体制)からの脱却をはかるうえでも、先の大戦で日本が無条件降伏したかどうかは重要な問題だ」と述べました。
下村博文文科相は明解な答弁を避けましたが、西川京子副文科相は「大変大きな問題で、文科省だけで発言していいとは思えない」とし、政府見解としてまとめる必要に言及しています。
以前から何度も申していますように、一般に「無条件降伏」とされてきた大東亜戦争の終戦合意は、連合国軍から突きつけられた「ポツダム宣言を受諾するという条件」をわが国が受諾した「有条件降伏」です。
占領憲法(日本国憲法)の受諾と同様、早くもここに嘘があり、占領統治期以降の政治と教育の出鱈目の根源とも言えましょう。わが国は無条件降伏などしておらず、占領憲法はわが国の憲法ではありません。
自民党は、中共が東支那海上空に設定した防空識別圏の即時撤回を求める決議文を取りまとめ、衆参両院本会議は六日、民主党を除く全会一致でこれを採択しましたが、占領憲法のままでどのようにして中共に詰め寄ることが出来るのでしょうか。
長崎県五島市は、東支那海に浮かぶ無人の鳥島(肥前鳥島)を構成する北岩、中岩、南岩の名称を全て「島」に変更し、国土地理院へ届け出ることを決めています。自治体にとっては目の前の暮らしの安全の問題ですから、もう待っていられません。
国会内のさまざまな場所で、少しずつ重要な問題提起が為され始めています。是非、注目してください。
分類:中東・阿関連, 日本関連 | 会期中、こんな議論も… はコメントを受け付けていません