内閣支持率下がらぬ理由
同じ産經新聞社記事に、民進党参議院幹部が「なぜこれ(二つの学園問題)でも安倍内閣の支持率が下がらないのか」と頭を抱えているとありましたが、安倍晋三首相に対する一定の国民的支持を維持しているのは、むしろ民進党の体たらくに原因があり、自民党内を見ても石破茂前内閣府特命(地方創生)担当相の態度が「次は自分」丸出しの反対意見ばかりで、決して国民的支持を得られていません。
また、北朝鮮情勢の緊迫化と同時に韓国大統領が北朝鮮の文在寅工作員になり、米国のドナルド・トランプ大統領とうまくやれるのは安倍首相しかいないと多くの国民に思わせたことも重なっているでしょう。
現にますますトランプ大統領と独国のアンゲラ・メルケル首相の関係が劣悪になる中、両者の間を取り持ったのは、メルケル首相の次にG7(先進主要国)古参の首脳となった安倍首相でした。
こと貿易問題や難民・移民問題では、トランプ大統領のほうが自立した国家と国民を守る姿勢であるのに対し、メルケル首相も実のところ安倍首相もまるで間違っているにもかかわらず、以前にも申しましたが多国籍金融による世界侵略(グローバリズム)を支持するような安倍首相の間違いを指摘する者がいません。
目下集中砲火を浴びる加計学園の件も、これまた「民進玉木問題」だと申したように日本獣医師会の既得権益を守る側についた前川喜平前文部科学事務次官が同じ旧文部省系の認可で進んだ話を蒸し返し、対立する旧科学技術庁系の困惑を誘発して、もはや「反安倍」「親北」の日教組らの支援を背景におかしな言論を繰り返しているだけです。
ならば安倍首相が毅然とそう説明すれば一気に片がつくのに、そういえないのにも理由があるのでしょう。既得権を打ち破って規制緩和を急いだ首相官邸の数名がいわば強引に動いたことを、おかしなように取り上げられたくなくていわないに違いありません。
それも行政の処理速度を上げるためにやむを得なかったといえばよいのに、よほど経済産業省出向の今井尚哉首相秘書官と国土交通省出向の和泉洋人首相補佐官(地方創生、健康・医療に関する成長戦略など政策担当)にあらぬ疑いをかけられたくなくて守っているのでしょう。しかしながら守りかたを間違えているような気がしてなりません。
この状態は、決して私たち国民にとって最良ではなく、ともすれば安倍内閣への消極的支持を常態化し、すなわちそれが安倍内閣のアキレス腱になります。
民進玉木問題にかこつけて自民党を出て行き、東京都の小池百合子知事に完全につこうとする若狭勝衆議院議員のような惜しい人材も取り逃がし、彼が早晩、小池都知事の没落と共にみじめな姿になるのを目撃するのも、決して愉快ではありません。
これらは、私たちの政治家を見る目がいい加減であることも関係しており、詰めるべきを詰めず、つまらぬことを騒ぎ立てる国民の程度に合わせられていると思い知ることです。安倍首相以外によい為政者が見つからないのなら、彼に鋭く切り込んで道を正すのも、国民の役割なのです。