安倍首相、緊急の訪韓指示

皇紀2675年(平成27年)12月25日

 日韓間に或る種の「出鱈目な流れ」が起きつつあると思い、昨日記事に「重要な約束はまだ、日韓間でできない」と申しましたが、改めて首相官邸と外務省に伝えなければならないようです。

 韓国の尹炳世外交部長がいわゆる「韓国人慰安婦」問題の協議進展の可能性を示唆したというのですが、本来この場合の「進展」というのは、既に発覚した通り虚実と認めて問題の消滅を確認し合うこと以外にありません。

 しかし、韓国外交部にその兆候はなく、菅義偉官房長官も昨日午前の会見で「そのような状況について報告を受けていない」と述べています。もちろん菅官房長官の指す「状況」とは、単に日韓間で妥結点を見い出す話し合いを進めるという程度でしょうが。

 実は、それが危険だというのです。昨日記事でも申したように、韓国はわが国との関係をいたずらにこじらせておきながら、今ごろになって修復へと舵を切りました。

 本来ならば友好関係の増加は、歓迎すべきことですが、日韓について申せば先述の通りであり、手放しで喜ぶ人などどこにいるのだろう、という話なのです。

 そこで気がかりなのは、安倍晋三首相が昨日午後、首相官邸に岸田文雄外相を呼びつけ、日数も残り少ない年内に訪韓するよう指示したという情報です。

 どうやら韓国側から強く求められ、二十八日あたりの日程で岸田外相が訪韓するよう調整が進んでいます。あちらが何を言い出すかは事前におおよそ分かりますが、こちらが決してしてはならないのは、例えば産經新聞社前ソウル支局長を無罪へ導く努力をしたとして謝意を述べてしまうことです。

 何度でも申しますが、加藤達也前支局長の身柄を不当に長期拘束し、起訴したこと自体が「異常」だったのであり、お礼を言うどころか「あなたたちも少しは賢くなりましたか?」と確認しておかなければなりません。いつまた異常行動をとるか、現状では分からないからです。

 その念押しをしかるべき方にしていただかないといけませんので、少し動きます。笑って握手するだけが外交ではない、と日露関係で岸田外相も学んだとは思うのですが、かなり心配です。

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韓国の蒸し返し~日韓協定

皇紀2675年(平成27年)12月24日

 次世代の党(中山恭子代表)は二十一日、国会内で議員総会を開き、党名を「日本のこころを大切にする党」に変更することを決めました。

 また、自民党は二十二日、党本部でわが国の近現代史を検証する勉強会を開きました。谷垣禎一幹事長と稲田朋美政調会長を中心に、安倍晋三総裁(首相)の肝いりで始まったものです。

 http://www.sankei.com/world/news/151221/wor151221……
 ▲産經新聞:日韓請求権協定、韓国憲法裁が違憲性判断へ 23日に、半世紀前の合意“蒸し返し”

 日韓国交正常化で、日韓基本条約とともに締結された日韓請求権協定が「韓国政府の不作為」に当たるかどうか、またその判断によって、日韓間で既に締結された条約類が一方的に破棄されるに相当するのであれば、残念ながら日韓の国交そのものを再確認しなければなりません。

 日本国憲法(占領憲法)を論じる際にも、その内容が気に入らないからといって一方的に破棄するようなことを口走る方がいますが、大日本帝國憲法下に於いて占領憲法は、連合国との講和を目的とした条約として有効であり、つまりは講和発効により無効になったことを確認するだけでよいという法理原則に従えば、決して特に日米関係に悪影響を及ぼすようなことはないのです。

 しかし、内容が気に入らないから無効だと言ってしまえば、ことのほか米政府は対日危機感を隠さなくなるでしょう。東京都の石原慎太郎知事(当時)が米ヘリテージ財団という超保守系組織で占領憲法無効論を語れたのは、法理に則る限り米国は了承できることを意味しています。

 さて、韓国の憲法裁判所は二十三日、日韓請求権協定を違憲とする訴えを退け、違憲かどうかの判断をしませんでした。三年前の五月には、韓国の最高裁判所(大法院)が個人の請求権を「消滅していないもの」と判断したため、わが国企業三社が十三件もの訴訟に巻き込まれています。

 よって注目された憲法裁の判断でしたが、十八日記事で取り上げた件もありますから、韓国の強大な国家権力(行政・立法・司法の非分立複合体)が突然日韓関係の修復に舵を切ったということでしょう。

 それでも「協定は合憲」と言えなかったところに、なお予断を許さない韓国の国内事情があり、市民団体に責め立てられて方針を変えるような国家権力が再び何を言い出すか分かりません。重要な約束はまだ、日韓間でできないのです。

旅行代理店に潜む極左勢力

皇紀2675年(平成27年)12月23日

 本日は、第百二十五代天皇陛下の御生誕の日です。衷心より御慶びを申し上げます。今上陛下は昭和八年の本日、御生誕になりました。
 皇尊弥栄

 http://www.sankei.com/premium/news/151223/prm151223……
 ▲産經新聞:「沖縄座り込みツアー」の旅行会社 南京虐殺記念館、慰安婦資料館の見学旅行も主催

 このような日にお目汚しな話題を扱う不躾をお許しください。

 富士国際旅行社(東京都新宿区新宿二丁目)は、既に複数の逮捕者を出している普天間飛行場移設反対活動の参加者を募集し、旅行業法違反(違法行為の斡旋など)の可能性があるとして観光庁から口頭指導を受けました。

 このほかにも、展示資料の事実確認がいい加減との指摘もある中共南京市の「虐殺」記念館や「慰安婦」資料館、自称「元慰安婦」らが暮らすとされながら過去に園長による女性職員への性的虐待事件が起きた韓国広州市の「ナヌムの家」見学旅行などを主催していたことも判明しています。

 かつて旅行代理店が共産主義国家への旅行を大量に主催し、参加者を緩やかに洗脳する手口があると聞いたことがありますが、創業から五十年以上のこの会社も、日本AALAや日中友好協会に加盟しています。

 日本AALAとは、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会といい、わが国の非同盟化(すなわち日米同盟反対)をうたう政治団体であり、ほかに加盟しているのは、日本共産党系の全日本教職員組合(全教)や全国地域人権運動総連合(全国人権連)といった極左団体のみです。

 よって富士国際旅行社の経営理念にも、およそ旅行業と無関係な「戦争のない、地球環境や弱者の生命や権利が守られる世界を目指します」などと掲げられており、全世界の全ての企業が人と人との対立をなくすよう目標を語るのは結構なことなのですが、その種の純粋な想いを逆手に取る特定活動団体と連帯した特殊な代理店だということが分かります。

 船舶旅行を主催するピースボートや、大分県教職員組合(大分県教組=日教組・大分)がやはり韓国「慰安婦」関連施設見学旅行を違法に主催した事件など、端的に申せば「思想洗脳」の罠はあちこちに潜んでいるのです。

安倍・橋下会談二つの要点

皇紀2675年(平成27年)12月22日

 http://www.sankei.com/politics/news/151220/plt151220……
 ▲産經新聞:菅官房長官が安倍・橋下会談を解説「橋下氏が憲法改正や安全保障を質問し、首相が答えた」

 お待たせしました。十九日夜の安倍晋三首相、菅義偉官房長官と大阪府の松井一郎知事、大阪市の橋下徹前市長との三時間半に及んだザ・キャピトルホテル東急(東京都千代田区)の日本料理店「水簾」に於ける会談について、要点のみ取り上げておきましょう。

 まず、菅官房長官が二十日に出演したフジテレビ系『新報道2001』で語ったことは、実に当事者らしく慎重に多くを包み隠しています。しかし、大きく二つの要点が存在しました。

 一つは、松井・橋下両氏の政治手法に対し、菅氏が苦言を呈したことが分かっています。また、それに対し、両氏は「分かっています」と苦笑いだったようです。

 もう一つは、産經新聞社配信記事にもある通り、橋下氏が安全保障や外交について、安倍首相にいくつもの質問をしていました。つまり、橋下氏の政治家引退を前提とするような会談ではなかったということです。

 こうなりますと、九月十四日配信動画で申したことがいよいよ現実化するかもしれません。ことの運び次第では、来年に衆議院解散総選挙があり、橋下氏が立候補するでしょう。創価学会内部はともかく、公明党も異論はないはずです。

 http://www.sankei.com/west/news/151221/wst151221……
 ▲産經新聞:国歌「君が代」不起立で減給処分は適法 58歳教諭の訴えを棄却

 橋下氏の唱える日本国憲法(占領憲法)改正案は、地方主権という国家分断策を盛り込んだものになるようですが、一貫して政治的偏向を隠さない権利闘争者のくせに公務員になった一部の大阪府・市両職員に手厳しかったのは、間違っていませんでした。

 国歌斉唱は、橋下氏がかつて記者会見で説明していたように、教育委員会から全教諭に対して出された職務命令です。これに何度も違反すれば処分されるのは当然であり、提訴理由に信教を持ち出した奥野泰孝教諭に尋ねたいが、芦屋福音協会ではこれほど簡単な現実生活の規範も分からなくするような珍妙な教えでも説いているのでしょうか。

中共海警、年末のダメ押し

皇紀2675年(平成27年)12月21日

 http://www.sankei.com/politics/news/151220/plt151220……
 ▲産經新聞:中国船2隻が領海侵入 尖閣周辺、11日以来

 中共の「中国海警局」は二十日、沖縄県石垣市尖閣諸島周辺の領海に二隻の船を派遣し、わが国に対し領海侵入しました。二隻が「海警2307」と「海警2308」だったということは、国家級ニ十隻計画で新造された三千トン級の海警船です。

 実は「年末に向けてもう一回来る」と言われていましたから、本年三十四日目の駄目押しでした。

 首相官邸が情報連絡室から官邸対策室へ格上げして対応したのは、産經新聞社配信記事にはありませんが、恐らく第十一管区海上保安本部巡視船に対して海警船が「貴船はわが国の領海に侵入した。ただちに退去しろ」などと意味不明な強弁を繰り返したからでしょう。

 沖縄県内に侵入したのは中共公船のほうであり、今夏最大の関心事となった安全保障関連諸法案を「戦争法案」と国内で扇動したことが許容されるならば、残念ながらこれら中共の行為は「日本侵略」と総称され、国際社会に訴えるべきです。

 同日に結成会見を行った「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の諸氏には、この沖縄県の現実がどう見えているのでしょうか。何度でも申しますが、石垣市の漁業関係者からは、もはや悲鳴のような「中国が怖い」「なぜ日本の領海なのに私たちが海保にはねられるのか」といった声が上がっています。

 漁場を中共に荒らされることは、ことのほか彼らにとって死活問題であり、漁の恩恵を受けるはずの私たちの生活にも影響します。

 菅義偉官房長官は同日、報道番組に出演し、憲法問題について「(国民の議論が)今は深まっていない」と控えめに述べましたが、決してそのようなことはありません。むしろ本年ほど日本国憲法(占領憲法)が注目されたことは、久しぶりでした。

 米中関係の流れを見ていても、中共はわが国の法整備を待ってくれないでしょう。