深夜の地震に首都圏で何が
作曲家のすぎやまこういち(椙山浩一)氏が九月三十日、九十歳で亡くなられていたことが分かりました。衷心よりお悔やみ申し上げます。
誰もが知るほどのゲーム音楽『ドラゴンクエスト』、テレビドラマ『帰ってきたウルトラマン』の主題歌や映画『ゴジラVSビオランテ』のサウンドトラックなど数多の名曲を生み出し、世代を超えた支持を受けた方です。
また、わが国の音楽界では故・黛敏郎氏と並ぶ保守派言論人で知られ、胸にはいつもブルーリボン(北朝鮮による日本人拉致事件の解決を訴えるサイン)をつけておられました。
すぎやま氏の作品といえば世代によっては、ザ・ピーナッツの『恋のフーガ』、ザ・タイガースの『花の首飾り』、ガロの『学生街の喫茶店』や島谷ひとみさんのリバイバルも大ヒットしたヴィレッジ・シンガーズの『亜麻色の髪の乙女』を思い浮かべる方も多いでしょう。
本当にありがとうございました、と感謝申し上げたい巨匠でいらっしゃいました。
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昨日午後二十二時四十一分、房総半島(千葉県内)を震源とするマグニチュード5.9(速報値6.1)、東京都足立区や埼玉県川口市などで最大震度5強のやや強い地震が発生しました。お怪我をされた全ての方がたに、衷心よりお見舞い申し上げます。
六日記事冒頭の通り六日午前には、岩手県沖を震源とするほぼ同規模の地震が発生したばかりでしたが、首都圏で震度5強の揺れを観測したのは、十年前の東日本大震災以来でした。
東京都千代田区、目黒区や足立区などで地中の水道管が破損し、上水が道路に溢れ出ましたが、地震発生からわずか一時間半程度で修復してみせた都水道局職員の方がたには、本当に頭が下がります。
都交通局の日暮里舎人ライナーでは、足立区内を走行していた車両が緊急停止時に脱輪し、乗客数名が車内で転倒する事故が起きましたが、これも速やかに車外へ避難誘導され、警視庁も出動して事態を把握しました。
また、千葉県市原市を流れる養老川では、給水施設から浄水場へ架けられた水管橋が破損し、水が吹き出しましたが、これも市の給水課がすぐに水を停めて対応し、市民への影響はありません。
前出の過去記事で和歌山市の水管橋が崩落した事故を取り上げてから日を置かずに起きましたが、深夜の地震発生でも社会基盤(インフラストラクチャー)を支える人びとがいずれも最悪の事態を回避しています。
武漢ウイルス(新型コロナウイルス)騒動からの緊急事態宣言解除で、久しぶりに一仕事を終えて飲み会などに繰り出した方もいたでしょうが、あまりに多くの人びとを襲った「帰宅困難」は、深刻な疲労を伴ったに違いありません。
しかし、 一時滞在施設(学校やオフィスのロビー、ホテルのボールルームなど)の解放情報がSNSなどで共有され、官民の差なく共助が機能しました。
私たち国民は、阪神淡路大震災や東日本大震災などを経て、先人たちが培ってきた「大和民族の大和民族たる所以」を再確認し、現代共助の知恵を絞ってきたのです。
小泉内閣以来の「新自由主義」「自助任せ」は、岸田内閣の誕生で終焉を迎えます。いや、岸田文雄首相は、それを目指しているのです。
その重大な転換期にあって、私たちはまるでそれを身体で味わわされるがごとく、不思議なほどさまざまな現象にぶち当たっています。
災害列島育ちの民族にしか成しえない大きな力を、私たちは私たち自身の手で掴むのです。わが国の有用な政策提言は、自然祭祀や祖先祭祀を理解する者にしか出来ないのです。