非核三原則しかいえぬ日本

皇紀2682年(令和4年)3月1日

プーチン氏の精神状態を疑問視 米議員ら「何かおかしい」

 【ワシントン共同】ウクライナに侵攻した上、核兵器運用部隊に高い警戒態勢への移行を命じたロシアのプーチン大統領の精神状態を疑問視する声が、米国内の有力議員らから出ている。…

(一般社団法人共同通信社)

 露国のウラジーミル・プーチン大統領の精神状態がおかしいという話は、二月二十五日に開かれた自民党の外交部会でも実は出ました。確かにその可能性を頭に入れておいたほうがよいかもしれません。

 米政府が対露制裁網にわが国が加わったことを歓迎する声明を発表しましたが、これは岸田文雄首相と林芳正外相への不信の裏返しです。この声明で岸田・林外交を縛る目的があるでしょう。

 安倍晋三元首相が二十七日、フジテレビ系の報道番組で核共有(ニュークリア・シェアリング)について言及し、独伊蘭らが米国の核兵器を置き、自国の判断で使用できる例の適用をわが国でも議論すべきとしました。

 しかし、岸田首相は二十八日の参議院予算委員会で、これを「非核三原則」に基づき否定してしまいました。

 非核三原則は、沖縄県の返還を控えた当時の佐藤栄作首相がいわば「苦し紛れ」に提唱し、昭和五十三年には「国是」との表現で初めて決議採択(衆議院)されています。

 ところが、紛争当事国への武器供与拒否を国是とするスウェーデンで、マグダレナ・アンデション首相が二十七日、ウクライナへの武器供与を決めました。露国の圧力を受けて北大西洋条約機構(NATO)非加盟のスウェーデンが、国是を破って対応せざるをえない現下の国際情勢を岸田首相はまるで見ていないのです。

 二十五日記事で申したように「持たざる弱い国は攻められる」のであり、米軍による民間人大虐殺を目的に世界で初めて、唯一、そして最後の被爆国にされたわが国が、核兵器による人類最悪の災禍を再び逃れるために、核保有または核共有の議論すら否定されるのはありえません。

 本来は、被爆国ゆえに核兵器を禁止すべきです。しかしながらそれは、世界平和と同じ人類の最終目標であり、世界平和のために軍事力を行使せねばならず、核廃絶のために核保有に踏み切らねばならない「非戦非核への過渡期」という現在をまず直視せねばなりません。

 北朝鮮のような犯罪集団までもが核兵器を手放さないのは、まさに既存の核保有国の論理で動く国際情勢に対応したもので、仮にもわが国が核保有に踏み切る際には、この論理を打破する目的でありたいとは思います。

 プーチン大統領がもし、正常な判断能力を欠落させているとすれば、世界はいよいよ机上の空論で対応可能なほど甘くはありません。最悪の事態は、人類史のどの地点でも起きています。今まさにわが国もその地点に立たされていることを思い知らねばならないのです。

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米民主党は大敗する?

皇紀2682年(令和4年)2月28日

 沖縄県石垣市長選挙は昨日、投開票され、現職の中山義隆候補が当選しました。同市尖閣諸島防衛のための陸上自衛隊配備の方針は、これで守られるでしょう。
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 米国では、本年十一月に中間選挙が実施される予定です。

 わが国でも本年七月に参議院議員選挙の半数改選がなされますが、連邦議会上院の議席の三分の一(三十四議席)と下院の全議席(四百三十五議席)が改選されます。

 どうも二十五日記事で指摘したジョー・バイデン大統領の「フラつき」は、中間選挙に関係しているのではないでしょうか。

 急に露国を煽り、そのくせウクライナを見捨てた背景には、選挙を前にした「何らかの隠蔽」を匂わせます。それは、バイデン氏が勝利してしまった先の大統領選挙前に、さんざん指摘した次男のハンター・バイデン氏に関することに違いありません。

 ちょうど中国問題グローバル研究所の遠藤誉所長が少しこのことに触れています。

バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛(遠藤誉)

2月24日、CCTVの画面に大きく映し出されたウクライナ大統領が悲痛な声で叫んでいた。バイデンは昨年12月7日のプーチンとの会談後「戦争になっても米軍は派遣しない」と言っていたと解説委員が強調した。…

(Yahoo!ニュース)

 ハンター氏は、バイデン政権を屈中売国にする原因であり、且つ実は中共と親密な関係にあるはずのウクライナに於いて、天然瓦斯会社「ブリスマ・ホールディングス」の取締役でした。

 そのブリスマに過去の脱税疑惑が浮上し、彼が捜査対象になった際、バイデン大統領はウクライナ政府を脅して検事総長を解任させたのです。

 この酷い醜聞は、必ず中間選挙に強烈な影響を与えます。遠藤所長のいうように、ともすればこのことを在任中にも知っていたドナルド・トランプ前大統領がこの内幕を米国民に公表するかもしれません。

 私は、一つの可能性として、今回のウクライナ情勢が米民主党の解党的大敗を招くと思っています。わが国にとってはそのほうがむしろ好都合ですが、だからこそ岸田文雄首相は、十六日記事で申したようなことの半分でもよいので何か考えなければなりませんでした。

 露国とウクライナの停戦条件は、ウクライナが先の二十五日記事で申した北大西洋条約機構(NATO)に加盟できない現実を悟り、親露に転じることです。

 その現実を作ったのは、及び腰の欧州各国と米国にほかなりません。結局はウラジーミル・プーチン大統領の思う壺にはまるのです。

 わが国は全くの第三国として、この現実を利用して仲介者になれました。北海道へ自衛隊を集結させ、世界が驚く反応を示す日本の「力」を背景に、交渉の卓を設定できたはずなのです。

 日露講和条約の締結を露国に呑ませることもできたはずなのに……。

脱炭素と世界平和という嘘

皇紀2682年(令和4年)2月27日

SWIFT排除でEU分断 対ロシア制裁、エネルギー懸念が影

【2月26日 AFP】ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、西側諸国は厳格な対ロシア制裁措置に合意したが、「金融核兵器」とも呼ばれる国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト)の決済網からの排除については、エネルギー供給の途絶を懸念する欧州連合(EU)主要国の抵抗により発動が見送られた。…

(AFP通信社)

 二十五日記事で申したように、ウクライナを助ける気などさらさらない北大西洋条約機構(NATO)は、米国がさんざん露国を煽り、欧米各国一致団結で口先だけの非難をしながら、究極的制裁には及び腰です(一部制裁にとどまる見通し)。

 そもそも連合国(俗称=国際連合)常任理事国に、露国と第二次世界大戦時には存在しなかった中共がいる限り、連合国として彼ら自身が起こす侵略戦争に非難決議すら出せません。いや、米国の存在も同様です。

 私たちの世界は、一体いつまで第二次世界大戦の枠組みで物事を動かそうというのでしょうか。

 国際銀行間通信協会(SWIFT)決済網から露国の全金融機関を排除するのに反対した独伊は、東京電力福島第一原子力発電所事故以降の慌てふためいた「脱原発」で、電力資源をほぼ露国に依存しています。ハンガリー(洪国)に至っては、原発を露国製に依存し、建設費用も露国の融資を受けました。

 供給網(サプライチェーン)を海外に過剰依存し、経済的結びつきを深めることで「戦争はなくなる」と謳い上げてきた私たちの世界は、その実相として経済的結びつきを深めたせいで戦争を止められないのです。

 まるで「憲法九条で世界は平和になる」とわめいてきた或る思想の悪意に似ています。そうと思わせておいて実は人を死に追いやるほどタチの悪いものはありません。

 また、私たちの世界は「脱炭素」を叫び始めながら、もう一方の「脱原発」という出鱈目により火力発電の主力燃料である液化天然瓦斯(LNG)の使用を断てずにいます。露国のウラジーミル・プーチン大統領は、欧米の嘘と実態をよく知っているのです。

 以前から申していますが脱炭素は、もはや政治ではなく「ビジネス」という名の利権にほかなりません。それを主導したのが欧米です。

 しかし、こうした各国政府の方針に、もはや企業は本気になれないでしょう。口先だけの脱炭素にうわべで応え、本当に大きなお金を動かすのは「炭素をバラ撒くもの」なのです。

 緩やかな氷河期に突入している地球が温暖化しているのかどうかも、本当は分かりません。氷山の周期的分離を「極地の氷が解け、もともと海抜の低い島国が存続の危機にある」とわめく人びとを、むしろ脱炭素利権が利用しているだけです。

 そちらはそちらで小金を稼ぎ、脱炭素に取り組まない企業が槍玉にあげられるのを別の企業がせせら笑いつつ、今もなお炭素社会で儲け、炭素社会で戦争が起きて脱炭素提唱の国ぐにが青ざめています。

 私たちの世界は、世界平和や脱炭素というあまりにも多くの嘘を吐き、その嘘で人びとを苦しめておきながら、その嘘のせいで単なる本音が余計に死と苦悩の材料になっているのです。

 プーチン大統領は、そのような欧米の嘘を人質に取りました。欧米各国は、嘘を吐いてきた弱みにつけ込まれたのです。

 だから私は最初から「この好機に」と申すと不謹慎ですが、露国がこれまでに日露講和条約の締結に応じなかったことを理由に十六日記事の提案をしました。本音には本音でぶつかったほうが話が早いからです。

 にもかかわらずわが国もいつまで欧米の嘘につき合うのでしょうか。

 例えば、水素利用のハイブリッドを目指していると思われる日本の自動車産業が欧米に対して遅れているのではありません。堕ちたテスラなどもはや世界の眼中にない企業で、脱炭素の裏でリチウムイオン電池の廃棄問題に必ずぶち当たる彼らのEV技術が極めて不効率だから採用できないだけです。

 つまらない嘘がまた別のくだらない嘘を生み、いつか世界は破綻します。ウクライナ情勢に本気で抗するなら、せめて脱炭素という嘘をやめることです。

日本のイメージ戦略とは

皇紀2682年(令和4年)2月26日

海外から評価される日本がナチスのユダヤ人迫害に反対していた史実 | NewsCrunch

学校で習った「日本は侵略国家であり、悪い国だが、ソ連は戦勝国であって、いい国だ」といった単純な歴史観は、近年、とくにヨーロッパではすでに破綻してしまっていると、近現代史と情報史に詳しい江崎道朗氏は語ります。こうした近現代史の見直しの動きを、日本人はどのよ…

(ニュースクランチ | ワニブックス)

 米国が露国のウクライナ侵攻を誘導した今、意味ありげに、独ナチス党によるユダヤ人迫害に対してわが国がとった本当の態度を示しましょう。

 このような話は、まず私たち国民の多くが知らねばなりません。そして、世界に発信するのです。

 外務省の杉原千畝氏を知っていても、大日本帝國陸軍の樋口季一郎中将を知らないというのは、あまりにも私たち国民の無知であり、国史教育の怠慢にほかなりません。

 樋口中将の功績をこそ讃えようではありませんか。

 さらに、わが国として、日独伊三国同盟を前提としてもユダヤ人迫害を支持しなかった事実を知りましょう。東条英機首相(当時)こそ、ユダヤ人擁護の指示をすら出した宰相だったことを世界に知らしめねばなりません。

 満洲國の「五族協和」方針に、ユダヤ人を加えればよいとしたわが国の姿を知る人が、果たして世界にどれだけいるでしょうか。

 ソビエト共産党の支配を生んだ出鱈目な共産主義革命は、ユダヤ人によるものでした。その共産党に勝ち、露国を取り戻したのがゴルバチョフ政権以来、特にそれを目指したウラジーミル・プーチン大統領です。

 しかし、この世界は、世界へ散ったユダヤ人による支配を免れていません。わが国はその現実を、うまく利用しきれていないのです。印象操作とはよく申しますが、わが国の印象をどう誘導するかについて考えたこともないからでしょう。

 これは考えねばなりません。一つの闘い方です。

ウクライナは明日の日本か

皇紀2682年(令和4年)2月25日

 ついに露国のウラジーミル・プーチン大統領は、これまで否定してきたウクライナへの侵略戦争に手を染めました。北大西洋条約機構(NATO)対応でフラつき続けた米民主党のジョー・バイデン大統領の思う壺にはまったのか、それとも彼はこれまでの彼の望みを果たしうるのか、まさに見ものです。

 その彼の望みとは、昨日記事冒頭で注意深く「吸収」という言葉を用いたように、ウクライナを「併合」ではなくベラルーシのように傀儡化することでしょう。その足掛かりとして、東部に二つのいわゆる「共和国」の独立を承認しました。

 その意味では、プーチン大統領の歩みは一貫しています。むしろ液化天然瓦斯(LNG)利権をチラチラ睨みながらのせいなのか、まるで一貫していないのは米国のほうです。

 アフガニスタンからの米軍撤退で失点したバイデン大統領は、同じ「腰抜け」ぶりを披露したかと思えば、単なる露国軍例年の軍事演習を「侵攻だ」とさんざん煽るに転じました。

 プーチン大統領にとっては、彼の望みを果たすのに好都合だったかもしれません。最初からその気があったかなかったかはともかく、現状はその一撃を米国が露国にまんまと出させたのです。

 しかも腹立たしいことに、平成六年十二月のブタペスト覚書で、ウクライナが当時世界第三位の規模で保有していた核兵器の全面放棄と引き換えに露英米らがウクライナの国家主権と安全を保障したことを、侵略の一歩を踏み出した露国はもちろんのこと、米国も反故にしています。

 バイデン大統領は、在留米国民退避のためにすらウクライナに米軍を出さないと断言しました。これがその「約束破り」です。

 ということは、ウクライナはNATOに加盟できません。NATO第五条に、締約国への攻撃を全締約国への攻撃とみなして支援する旨の記載があり、ウクライナに対するこの米軍の方針は、第五条の拒否です。

 プーチン大統領の望みは、またも叶えられます。バイデン大統領は、侵攻を非難しウクライナを守りたいのか、ウクライナを見捨てて露国の思うようにやらせたいのか、まるで方針が定まっていません。

 核兵器を放棄して露英米の安全保障上庇護下にあったウクライナに対し、プーチン大統領は核兵器の使用をも示唆しました。こう申しますと、全く別の視点として、核を捨てて守ってもらっていたくせに露国に刃向かったウォロディミル・ゼレンスキー大統領ら現政権が悪いようにしか見えません。

 プーチン大統領は彼らを斬首し、新傀儡政権の誕生を模索、世界各国にそれを承認、或いは黙認させたいでしょう。停戦の落としどころはそこに違いありません。

 ならばそれでよいのでしょう。しかし、わが国はこれを到底見逃すことができないのです。

 核兵器を持たず、米政府の提示した条件(日米原子力協定)に従って原子力発電のみ許され、現行憲法(占領憲法)を未だ「憲法」と崇め奉り、米軍に基地を提供し続けてきたわが国は、ともすれば「明日のウクライナ」でしかないと思い知らされたからです。

 岸田文雄首相に、私が十六日記事で提案したようなことを実行に移すのは期待できません。それでも私たち国民が現状から学ぶことはあります。

 持たざる弱い国は攻められるということです。

 この現状認識を得なければ、ウクライナの犠牲は「犬死」にしかなりません。真に世界平和を希求する強い国を目指さなければ、ウクライナ国民の死を、そしていずれ私たち国民が味わう戦死の恐怖を止められないのです。

 占領憲法第九条というのは、周知の何の役にも立たないどころか、もはや害悪でしかありません。あれば安全だと思わせておいて人を戦死に追いやるのですから。

 冬季五輪北京大会(北京五輪)パラリンピックの開会式までに停戦できるか否か、米民主党の大統領ではあまりにもその希望は薄いと申さざるをえないのです。