石原元知事は渦中にいない

皇紀2676年(平成28年)9月17日

 http://www.sankei.com/politics/news/160916/plt160916……
 ▲産經新聞:都議会自民“崖っぷち” 豊洲移転の延期追及から一転…世論は小池百合子知事を支持

 報道各社は、わざと話をそらしているのでしょうか?

 或いは、東京都の石原慎太郎元知事への責めどころをようやく見つけて、しばし悦に入りたいだけなのかもしれませんが、いずれにしても石原元都知事は、豊洲新市場(江東区)に関する利権の渦中にはいない人物です。

 小池百合子都知事よりも「攻めています」とでも言いたげな日本共産党都議団も、十四日記事で申した通り「よく分からない」予算案を議会で承認した責任があり、手続き上「知事の予算案」という意味では、確かに石原元都知事の責任もゼロではありません。

 しかし、目下報道されている平成二十年五月のいわゆる「石原発言」より一年前の専門家会議で、既に都職員が地下空間を設けて利用したい旨の発言をしており、一貫して都が建物直下については盛り土よりも地下工作物の設置にこだわっていたことが分かります。

 石原元都知事が「下からあがってきた話」と言うのは、そういうことです。しかも、当時中央卸売市場長だった比留間英人氏も、例の海洋工学の専門家が提案したらしい「地下コンクリートの箱」案が不採用になったことを報告すると、石原都知事が「ああ、そうか」と答えて全くこだわっていなかったと証言しています。

 にもかかわらず、十四日記事でも申した「平成二十三年三月より都から請け負った日建設計」が地下工作物を設計図に盛り込みました。さらに申せば、コンクリートの箱にすらなっていない杜撰な地下空間が造られてしまったのです。

 ここが最も都民の知りたいであろう不正への転換点でした。

 関わったのは石原元都知事ではなく、数人の都職員と都議会議員に違いありません。都の中央卸売市場という部局は、一自治体の一部局というよりも喩えるなら農林水産省水産庁のようなところで大きな権限を有しています。市場長は、いわば長官です。

 比留間氏の後任の岡田至元市場長と、浜渦武生元副知事が何か知っているはずであり、産經新聞社記事で「崖っぷち」と書かれた都議会自民党から「関係者」が出てくるでしょう。彼らが司直の手に堕ちることになるかもしれません。

 これが東京五輪と連動した豊洲移転の利権にまつわる大枠であり、築地市場(中央区)を使い続けられず豊洲新市場へ移転もできないとなれば、正式名称・大井市場(大田区 通称・大田市場)にでも一旦仮設で寄り、築地を建て直すしかないというのも小池都知事が視野に入れていると思います。

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『石原元知事は渦中にいない』に2件のコメント

  1. 一都民:

    報道を見る限り、石原氏の話は工期短縮のための工法のことであり、今問題になっている地下構造の話ではありません。それをあたかも関係ある問題であるかのように印象付けようとしているメディアの姿勢は問題点を解っていないか、別の意図があるのか分かりません。ただ問題の核心に切り込めないメディアには期待できないことは分かります。

  2. 反骨:

    石原元都知事が最初「だまされた」と発言しましたが、これは
    部下に軽んぜられていることを意味する思わなかったのでしょうかね。
    こんな重大な造成、建造に対してどう進捗しているか視察をしていない
    事に呆れてしまいます。
    Livedoor ニュースで猪野亨氏が「無責任そのものでしょう。
     欺された、報告を受けていない、などとよくもぬけぬけと
    言えるものです。」と同じ感慨を述べておられます。
    複数のテレビの解説的ニュースでも石原元都知事のウソは分かりました。
    日刊ゲンダイ9月15日付けが「豊洲新市場“盛り土案潰し”
    真犯人は石原元都知事だった」とまた産経新聞9月18日付け
    が「コンクリート案検討 石原氏認める」と報じています。
    こうなった問題の原因が石原慎太郎氏にあったようですね。
    それで東国原英夫氏が指摘するように都知事選で増田寛也氏を推して
    いたのですね。
    石原氏支持は残念でした。(公表を目的としません)