G20で日露首脳会談へ

皇紀2675年(平成27年)11月16日

 http://www.sankei.com/world/news/151112/wor151112……
 ▲産經新聞:プーチン大統領、APEC不参加を正式発表 安倍首相との会談練り直し
 http://www.sankei.com/world/news/151114/wor151114……
 ▲産經新聞:プーチン大統領 「G20で安倍首相と会談する」と明言

 十月二十日記事では、露国のウラジーミル・プーチン大統領の訪日が延期どころか中止になったと申しましたが、政府はせめて亜州太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた日露首脳会談を目指していたため、プーチン大統領のAPEC不参加表明には(外務省というより首相官邸が)落胆したようです。

 恐らくそのあたりの意思を露政府に伝えたと思われ、プーチン大統領自ら二十カ国・地域(G20)首脳会合での日露首脳会談を明言しました。

 重ねて申しておきますが、下段の産經新聞社配信記事にある「プーチン氏の訪日は準備の遅れから困難となって」の部分は不正確です。

 あくまで露国側は、訪日の準備を進めていました。間違いなく気の合う安倍晋三首相との会談を望んできたプーチン大統領が懐疑的になったのは、いわゆる「安全保障関連法」のことではなく、どうやらシリア問題への対処を巡るわが国側の態度を見極めかねたためのようです。

 十日記事でも申したように、プーチン大統領は(メドヴェージェフ大統領時代に)リビア問題で欧米に騙されたと認識しており、シリア問題では同じ轍を踏まないと決意しています。

 安倍首相はかつて、対シリア攻撃の同意を米国側から打診された際、攻撃根拠の提示を迫って事実上バラク・オバマ大統領の腰砕けを助けたような形になりました。で、目下の事態を安倍首相がどう見るかについて、プーチン大統領は確認したいはずです。

 「資源外交を急ぎたい露国」というほどプーチン大統領は甘くない、と腹を括らなければならないでしょう。露国とシリア問題は、各方面に影響を与える根深い問題になり始めているのです。

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『G20で日露首脳会談へ』に1件のコメント

  1. ゆき:

    イラクでの米国の間違いは、大量破壊兵器の有無の誤認以上にイラクの軍隊並びにバース党を解体して追放したことにある。高橋氏のコメントを聞いていてなるほどと思った。イラクはシーア派が多数を占めるが、元来スンニー派が支配する国家であった。民主主義になると当然数の多いものが優位に立つ。スンニー派を叩きのめして土台とも壊してしまえば、戦後日本に例えるなら、官僚システムからすっかりなくなったと言うことになる。イラクのシーア派はイランの支持もあり、決して引き下がらない。ちんぴらがテロを行うのとはわけが違う。周辺のスンニー大国に陰で支えられながら、権力から降ろされたスンニー派の分子が居場所を見つけようとしているのだろう。イラクの副首相はスンニー派だったが、命を狙われてトルコに亡命したという。テロリストはサイクスピコ条約の線引きにまで言及している。第一次大戦のアラビアのロレンスの時代から英仏は民族の事を考えずにトルコから巻き上げた中東の一部を勝手に線引きしてしまった。米国もテロリストになった者を支援していたことを考えると罪は大きい。ロシアもそのうちどこかで大規模なテロが起きるのではないか。日本は巻き込まれるべきではない。秋の叙勲にイラクを破壊した米国元ネオコンがくるらしいが、平穏に済むだろうか。