皇紀2679年(令和元年)6月14日
安倍首相、ロウハニ大統領共同記者発表の詳報
イランを訪問中の安倍晋三首相は12日午後(日本時間13日午前)、ロウハニ大統領と首都テヘランで会談後の共同記者発表で「緊張緩和に向けて日本としてできる限りの役割を果たしたい」と述べ、米国とイランの対立激化に伴う中東地域の軍事衝突回避に向けて貢献していく考えを表明…
(産經新聞社)
昨日記事の前段で申したように日義関係のこれまでとこれからを考えたとき、安倍晋三首相の訪義(イラン訪問)はあまりにも遅すぎましたが、ハーメネイ最高指導者から改めて核兵器開発否定の言質までとれたのですから御の字でしょう。何度も申しますが原子力発電の可能性に触れたい義国に、核兵器までもを開発している形跡(シオニストの主張)は一切認められていません。
ところが、この歴史的な日義首脳会談が開かれ、まさにハーメネイ最高指導者が安倍首相と面会していたころ、ここで何度もその重要性と危険性に言及してきたホルムズ海峡に近いオマーン湾で、化学物質類輸送船(ケミカルタンカー)二隻が何らかの攻撃を受けました。
そのうちの一隻がたまたまわが国の国華産業(東京都千代田区)が運航するタンカー(パナマ船籍、一万九千トン級、乗組員の比国籍二十一人全員に怪我はない)だったために、大騒ぎになっています。しかし、今申したようにこれは「たまたま」なのです。安倍首相の訪義が原因でわざわざ日本の船が狙われたわけではありません。
皆さんもご存じのように輸送船(商船)の類いは常に、特定の海域で海賊などの襲撃に遭う可能性に直面しており、実際に襲われた例が何度もあります。乗組員たちはいつも、軍艦ではないため丸腰の船でこれに備え耐えているのであり、そのような方がたのおかげでわが国に物が入り、わが国で作った物が海外へ運ばれていくのです。
今回の攻撃も、ハーメネイ最高指導者の体制が一枚岩ではない(未だ彼を法学者と認めない勢力はある)がゆえに起きたものかもしれず、一方で米国が主張してきた「義国による攻撃」というのも、まず義国政府が主導して米国を襲撃した例はほぼないでしょう。むしろイスラエルのほう(破壊工作?)がよほど怪しいのです。
それでも米国が対義姿勢を強硬なまま保つのは、ホルムズ海峡だけが自分たちの思い通りにどうしてもならないからに違いなく、米国の同盟とされるサウジアラビアにしても、海峡に近い東岸は義国と同じ回教シーア派で占められ、いざとなれば米国に刃向かって義国側につくよう義国政府が唾をつけています。こうして自衛のための兵站が置かれているのです。
だからこそ米国が中東地域にいい加減な手出しをしないと宣言して初めて、義国は対米姿勢を緩めるでしょう。よって交戦権を剥奪された現行憲法(占領憲法)を「自国の憲法」などと寝とぼけたことをいい続けているわが国の首相に、この二か国の雪解け(平和への道)を演出することは絶対にできません。護憲派がいう「九条のおかげ」「平和国家」など真っ赤な嘘なのです。
いわばこの海域の緊張は、英国がもたらし米国が膨らませたようなもので、日本の商船は間接的にも「米国に攻撃されたようなもの」と申したほうがよほど現状をいい当てており、もっと申せばシオニストが強い影響力を行使する多国籍金融の脅威に、私たちはさらされ続けているのです。
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皇紀2679年(令和元年)6月13日
一部のテレビ局が昨日、半裸の男が共同住宅用と思われる受水槽に侵入し、まるでプールのように泳いでいる様子を放送したそうですが、水道汚染罪(懲役七年以下)に処される可能性のある犯罪行為としての指摘はもちろんのこと、これは単に「また莫迦がTwitterやTiKTokでやらかした」「本人特定されるぞ」では済まない問題をはらんでいます。
それは、ことほど左様にしていとも簡単に飲用水に毒物(細菌・ウイルスなど)を放り込まれるかもしれないことです。当該事例は、建設中の集合住宅用だそうですが、わが国は生物兵器、化学兵器対策を占領統治期に米軍によって奪われました。そのことと霞が関最底辺の前川喜平省、いや面従腹背省、いえ文部科学省が長らく獣医学部の新設を認めなかったことは関連しており、愛媛県今治市と学校法人加計学園の計画を鳩山政権になって「検討」へ格上げし、安倍政権がついにゴーサインを出したのは、わが国も再びこれをやるという意思表示なのです。それを些末な「反安倍」話に貶めたのは、一体どこの莫迦でしょうか。
さて、そこで安倍晋三首相の訪義(イラン訪問)ですが、現行憲法(占領憲法)によって交戦権(外交をする権利も含まれる)を剥奪されている外務省が、珍しく米国とは関係なく維持してきた日義関係を考えますと、あまりにも遅すぎたのであり、やはり首相の訪問ともなりますと米国の顔色を伺い続け、しかしながら今回はドナルド・トランプ大統領が「行っていいよ」というので訪ねることができました。
残念ながらそういうことなのです。決してトランプ大統領に「安倍首相、米義間の仲介を頼むよ」などといわれたわけではありません。義国にしても、かつてアザデガン油田の権益を獲りにきた日本が米国に「やめておかないと自民党議員のどれか(人間扱いしていない)を殺すぞ」と脅され泣きながら去っていった(ちなみにこののち中共が盗りにきて開発に失敗した)のを目前にしており、仲良くはしたいが頼れる国とは思っていません。
せいぜい「われわれは戦争を望んでいない」というハーメネイ最高指導者の言質を取れれば成功でしょう。それが義国の望みならば、永遠の平和国家たるべきわが国が一肌脱ぐべきですが、平和主義者を自称する連中が後生大事にする占領憲法のせいで、それができないのです。
ソウルの中心で親日を叫ぶ…「徴用工判決は歴史歪曲」韓国人研究者が国連へ – FNN.jpプライムオンライン

渡邊康弘 第二次大戦中の労働者は「奴隷」「差別」「無給」が定説の韓国 韓国人研究者が反論「日本人との差別は無く、奴隷でもなかった」 韓国最高裁は定説に引っ張られて判決を下したのか? 「労働者像設置は歴…
(FNN.jpプライムオンライン)
ここで表題の件。残念ながら韓国の保守系政党も、中共と組んで日韓関係を破綻させたい北朝鮮工作員の毒牙にかかって久しく、結局は対日ヘイトスピーチ(日本差別扇動)を自身の政権維持に利用する程度の「(落星台経済研究所の李宇衍研究員の言葉を借りますと)知識社会の薄さ」を露呈させてきました。
よって日米韓の安全保障連携という論点では、日韓が握手することはあっても、いわゆる「歴史問題」に話が移った途端、全く議論がかみ合わず、結局は日韓保守派の連携ができなかったのです。
これができないことにより、金大中政権や盧武鉉政権の誕生を許し、いよいよ朴前大統領が冤罪で弾劾されるがままとなり、ついに従前より酷い文在寅工作員の大統領就任を見逃してしまいました。
わが国の保守系政党には、そんな韓国と無理矢理にでも話を合わそうとする輩がおり、よって自民党の親韓派には平気で対日ヘイトにはしる「あるまじき売国奴」が数多いるのです。そこへ野党がほぼ対日ヘイト派ですから、なぜか立法府は対日ヘイトだらけになってしまいます。これが、わが国の政治が「(対日ヘイトが都合よく使うほうではない)日本人が心に秘める民意」から遠のく原因の一つなのです。
しかし、もし仮にも李研究員らのような健全な保守論壇が韓国に育てば、日韓対立の仕掛けを破壊できるかもしれません。何が何でも中朝の恐るべき殺人集団がこの動きを邪魔するでしょうが、何度も申しますように日米韓の連携は中朝の暴虐を食い止めるために必要なのです。
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皇紀2679年(令和元年)6月12日
十日の参議院予算委員会で、九日記事でも扱った年金に関する問題について、ナントカ民主党の謝蓮舫(村田蓮舫)議員が「国民は嘘だったと怒っている」とわめいたようですが、本当にこの人の神経を疑います。
そうです。多くの国民は、あなたの国籍が嘘だったと怒っています。出鱈目な釈明をしたまま未だ何も公開しないあなたの態度に呆れているのです。このような連中の追及にしかあわないからこそ、年金問題は何も解決しません。あなたたちが政権を牛耳っていたころにも全く解決できなかったでしょう。国民は怒っています。
そんな蓮舫議員の国籍があるやもしれぬ中共は、四月下旬から連日、沖縄県石垣市尖閣諸島の接続水域に船を出させ、ついにまたも沖縄本島と宮古島の間の海域を共産党人民解放軍海軍の空母「遼寧」に通過させました。これで三度目です。
十日記事で申した太平洋進出の策謀に於いて、むしろ「目くらまし」のように海軍艦を出す共産党の汚らわしい手口は、わが国の国防行政官たちを大いに煩わせます。それが狙いなのでしょう。実際にこれほど「ポンコツ」の空母で日米に割って入れるとは、彼らも思っていません。だから「日中関係の改善」などと両国政府がうたっている時こそ油断ならないのです。
歩道へのミリ単位の看板はみ出しにクレーム 「正論ジイサン」の暴走に商店街が崩壊寸前
「要するにここは天下の歩道なの。あそこに旗が立っている。椅子が置いてある」 89歳男性が三重県松阪市で突然始めた「歩道クリーンアップキャンペーン」に地元商店街が悲鳴をあげている。男性は4か月にわたりほぼ毎日商店街を回り、歩道に置いてある看板を蹴飛ばし、店内をにらみつける。 ミリ単位のはみ出しにクレームを出すだけではなく、看板を壊す、のぼりを切る、商品を投げるなど…
(J-CAST テレビウォッチ)
三重県松坂市か……。いや、何でもありません。とにかく、テレビ朝日系の情報番組に佇んでいる程度のコメンテーターには、的確に指摘すべきことが全く見えていません。毎度頓珍漢な自社の玉川徹解説委員、したり顔でいつも外す青木理氏(共同通信社出身といえば定番の変な人)、さらによく知らない弁護士、ものの見事に全員いっていることが間違っています。
三重県警察と商店会が「よく話し合って」とか、或いは障害者にも配慮すべき道路交通法上の問題というのは、あくまでこの番組が取り上げた中心的話題とほぼ無関係な商店街の在り方の問題であり、この八十九歳の老人の行ないについて、決して「正義感の暴走」なんぞという薄っぺらい言葉では語れない問題が潜んでいるのです。
昨日記事でも申したように、特にこの世代の道徳観や倫理観の押しつけは、平成の三十年間を棒に振った前代未聞の売国行政(大蔵省から財務省)を経て、もう全く通用しません。多くの後輩世代がそこから外されていったのです。
ところがそうした価値観といい換えてもよいでしょうが、それを据え置いたまま多くの国民に無理を強いた結果、とてつもないひずみが生じ、前出記事で申したようなことが起き始めた、と。
「お年寄りを大切に」などといっていられないのが正直なところになり始めたわが国で、人間の脳の中でも特に前頭葉の劣化がもたらす意思確認困難(コミュニケーション困難)は、松坂市の老人のような行動の典型です。よって本人に極端な言動の自覚はありません。
ですからはっきり申し上げて正論だの何だのではなく、まずこの老人を威力業務妨害の容疑で逮捕するしかないのです。このような行動は「一切が法律違反です」という確認を国民的にしなければなりません。商店主たちは、個人または法人の所有物を破壊されているのに、警察へ被害届を出していないのが間違いです。
老人がいい放つ「天下の歩道」は、思うほどもう安全ではありません。障害物があれば、自分で避けて通るしかないのです。老人の運転する車がいつ突っ込んでくるか分かりません(先月二十日記事参照)。それは、障害者も同じであり、健常な自分が「あ、手を貸したい」と思えば助けるのです。
そんな道徳観は、何度も申しますが教育勅語にあるのです。これ以上に余計に語る必要がどこにありますか? この老人は大日本帝國憲法時代を知っている、すなわち勅語をもとに憲法があった時代をわずかにでも知っているはずですが、もうすっかり忘れているのでしょう。自らの勝手な道徳観を商店街全体に押しつけて平気なのです。
ここでは、商店街の路上に物を置いている問題には一切触れません。そのことは、最も重要な問題とは別のことだからです。教育勅語という価値観を基にしていない現行憲法(占領憲法)を放置し続けていると、かくも人は身勝手に自分の価値観を語りだし、権利を主張し、挙げ句に暴力をふるうようになるという点に、わが国が抱える壮大な問題が透けて見えるのです。
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皇紀2679年(令和元年)6月11日
瀬取り:日本の批判に韓国が反論「韓国軍の作戦区域内では国際協力活動中」
日本政府が、北朝鮮による海上での違法な物資積み替え(瀬取り)を取り締まるための多国籍活動に韓国は参加していない、と明らかにした。日本の外務省は5日(現地時間)、「対北朝鮮海上監視のための多国籍活動に韓国も参加しているか」という米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の質問に、「韓国は参加していない。韓国が監視活動のため航空機や艦船を派遣した記録はない」と答えた…
(朝鮮日報日本語版)
韓国の文在寅(北朝鮮工作員)政権による韓国資産の北朝鮮への横流しは、その額面に於いていわゆる「瀬取り」どころではありません。しかし、文政権が韓国軍を出してまで北朝鮮の瀬取り行為を支えてきたことは、明らかに韓国国民を守るとする政府の責務を逸脱どころか放棄したようなものです。
その実態がバレたのが、海上自衛隊哨戒機P-1に対する韓国海軍駆逐艦「広開土大王」の火器管制レーダー(射撃管制用レーダー)照射事件でした。わが国の排他的経済水域(EEZ)内で、政権が変わるたびに組織改編や廃止、復活される海洋警察庁(つまり文政権の便利使い)の警備艦とともに視認された駆逐艦は、北朝鮮の船を守る不法行為を海自に発見され、慌てて攻撃態勢をとったとされています。
日米は少なくともこの情報を共有しており、外務省の認識も日米の結論を示しています。日米英仏加豪新の七か国による作戦海域に韓国がいないのは事実であり、わずかに黄海周辺で活動しているとする韓国軍の情報にも疑いを隠していません。
五日記事で取り上げた岩屋毅防衛相の態度は、今なお多くの批判を浴びていますが、ここ(亜州安全保障会議)での日米韓の合意を演出してこそわが国政府がこう発表してみせるところに、これまでの政権とは全く手法の違う韓国大統領への強烈な揺さぶりが垣間見えるのです。
阪急電鉄「働き方啓蒙」中づり広告「月50万円」に「不愉快だ」など批判、掲示とりやめ
阪急電鉄の中づり広告が批判を呼んでいる。働く人への啓蒙メッセージを掲載したものだが、「時代にそぐわない」「不愉快だ」といった声が多く寄せられ、阪急電鉄は10日で広告をとりやめることを決めた…
(侮日新聞日本語版)
さて、ここで表題の件。特に阪急電鉄を非難するつもりはありませんが、はっきり申し上げて「もうこの手の道徳の押しつけが国家の破綻をすら招くようになり始めている」ことに未だ気づかない人たちの愚かな所業といったところでしょうか。
これまた三日記事の関連で、二日の政策研究でも出た話なのですが、自民党の現行憲法(占領憲法)改正案がなぜ支持層の保守派にすら評判が悪いかと申せば、あまりにも余計な文言が多すぎるからです。改憲案に携わった某御大や議員らの道徳観や倫理観が散りばめられ、これが占領憲法の問題以前に指摘されることで議論の膠着を生んでいます。
「低賃金でもやりがいのある仕事」などといっていられた時代は、もう三十年も前に終わりました。そうしますとこの中吊り広告のうち、今度は「五十万円」か「三十万円」かというところまで気に障るようになり、阪急と申せば阪神間モダニズムの流れを受けた富裕な邸宅街を通る神戸本線(特に夙川駅)で知られていますから、余計に人びとの癇に障ったのです。誰が月収三十万で低賃金やねん、三十万ももろたら高収入やないかい、阪急沿線の方がたはよろしおすなぁ、と。
わざわざ道徳を説く人びとにこそ悪意がないのが最悪であり、阪急も「社内で懸念の声は全くなかった」というから呆れたものです。その程度の人たちの月収はおいくらですか、とさらに嫌味をいわれることになるでしょう。
最低限度の人としてあるべきこと、あってはならぬことは、例えば刑法に書かれており、もっとも教育勅語に書かれています。大日本帝國憲法はこれが前提となっており、この前提を取り払われた占領憲法を直そうとする人たちは、よって占領憲法自体に何の価値もないため、自分たちで価値を与えようと躍起になるのです。
ところが、それはその人たちの信じる価値であって、この広告と同様に不愉快な啓蒙にしかなりません。だから自民党の改憲草案は最悪の代物なのです。
阪急が示したがった道徳観や倫理観の根底から多くの日本人が外されていった結果、今や「8050問題(産經新聞社記事参照)」といわれる現象が近づき、極端な例としてかの事件が起きました。最も人数の多かった「団塊ジュニア世代」が丸ごとここに入り、究極的且つ致命的な少子化の原因にもなりました。団塊ジュニアは自分たちのジュニアを生まなかった、いや生めなかったのです。この世代を見捨てたことが、わが国の終焉の始まりでした。
教育勅語も取り戻せない程度の道徳観や倫理観で、私たちの働き方を啓蒙するなといいたい。
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皇紀2679年(令和元年)6月10日
習氏、米を暗にけん制「覇権主義が台頭している」(写真=AP)

ロシアを訪問中の中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は7日、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで演説した。米中貿易摩擦が激しさを増していることを念頭に「国際化に逆行するような覇権主義
(日本經濟新聞 電子版)
露中共に制裁を受けていますから、揃って文句をいいたいのは分かりますが、露国のウラジーミル・プーチン大統領と中共の習近平国家主席が結束を誇示した(一部報道)などとは勘違いもいいところです。この二か国ほど「同床異夢」が顕著な例もないと申せば過言でしょうか。
それでも習主席が米国のドナルド・トランプ大統領を「友人」と表現したのは、プーチン大統領と感覚を同じくしていると申すより米国防総省が対中非難を鮮明にし始めたことへの牽制の一種に違いありません。
国防総省が今月一日に発表したばかりの最新版「印太平洋戦略報告」は、自由と抑圧という対立軸で国家間の戦略的競争を捉え、明示しています。すなわち後者の「抑圧」は中共のことを指しているのです。
さらに台湾を「国」と表現したのも意図的でした。八日記事で申した台湾の惨状を覆すには、日米も腹をくくらねばなりません。太平洋防衛を共有する日米が台湾との関係を密にしなければ、台湾人が暮らしの安定を求めて共産党傘下の経済活動に甘んじるのを止めることなど(中共はお金をくれるが日米はくれないではないか、となって)できないのです。
また、六日に発表された別の戦略報告では、北極近接国家などととんでもないことをいい出した中共を「認めない」と断言しており、印太平洋地域での「抑圧」を北極圏でも繰り返そうとしている点を厳しく指摘しています。北極海航路の支配は、かねてより議論されてきたことであり、文字通り中共こそが「覇権主義」をひけらかしているのです。
沖縄県石垣市尖閣諸島の接続水域では、四月下旬から中共船籍の船が毎日航行し、そのうち四件は領海侵入だったことが明らかになっており、海上保安庁の緊張状態がもう二か月近く続いています。
このようなことは、読者諸氏ならよくご存じでしょう。私が七日記事で「日本人なら気づきましょうよ」と申したのは、気づいていれば現状のごとくに成り下がることはなかったという事例が(政治でも経済の分野でも)山のようにあり、決して「一般の国民を莫迦にしすぎている」などといわれる筋合いはありません。ここを読んでそう思う、そうののしりたくなる程度のちっぽけな感覚しか仮に私が待ち合わせていなかったとするなら、大きく国を語ることはしません。
五日記事の自衛隊員の覚悟についても、現職の隊員たちから恐らく聞いたわけでもないくせに「現場の感覚じゃないと思う」などとどの口でいっていますか? どれほど日韓関係が悪化してきてもその都度自衛隊は日米韓の安全保障連携を崩さずに堪えてきたのです。そのことを皆さんに知ってもらいたくて私が申したことを理解できない程度の頭しか実は私自身が持ち合わせていなかったなら、国防を語ることはないのです。
対日ヘイトスピーチ(日本人差別扇動)に執心する人種が嫌いなだけの、そのことに固執して思考が停止してしまうような議論をここで提示しても意味はない、と自身を戒めてきました。しかし、そうした記事が不愉快で、もっと中共人や韓国・朝鮮人の悪口雑言を吐けというなら、どうぞもう他所へ行かれてください。
私は、例えば三日記事以来断続的に取り上げている私たち日本人の暮らしの大問題をこそ議論し、実際によい方向を目指すことに最も重要な意義があると思っています。本当の「日本第一」とは、そういうことなのです。
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