日本赤軍を増長させた首相

皇紀2676年(平成28年)8月29日

 子供たちにとっては、夏休み最後の日曜日となった二十八日の午後、テレビ朝日系の番組で「日本赤軍十六年間の知られざる真実」が取り上げられたというのですが、これがもし昨夏に放送されていれば、確実に「SEALDs」というヘイトな(憎悪扇動の)人びとから抗議されていたでしょう。

 人間はいかに、暇を持て余しても何かについて深く考え込んではいけないか、考え込めばどんどん思想が原理的に堕ち、それに拘泥するようになると自由を失うかということが学生運動からよく分かります。大人でも同じです。

 http://www.sankei.com/affairs/news/150220/afr150220……
 ▲産經新聞:いまだ6人逃亡中「超法規的措置」の爪痕、今も 新たなテロ拡散も

 そしてこれは昨年二月二十日、極左テロ組織「日本赤軍」の城崎勉容疑者が逮捕された時の産經新聞社記事ですが、超法規的措置を乱発したのが福田赳夫元首相でした。

 一度目は、昭和五十年のクアラ・ルンプール事件であり、訪米中の三木武夫首相に代わってテロリストの要求通り収監中の凶悪犯を釈放すると決めたのが福田副首相兼経済企画庁長官(当時)で、二度目は、福田内閣が成立してからのご存知ダッカ事件です。

 もはや迷言というべき「人名は地球より重い」という福田元首相の決断は、結局つぎつぎに人命を危険にさらし、地球より軽いもののように扱いました。

 一度目に福田元副首相のおかげで釈放された凶悪犯も二度目の事件に加担しており、例えば坂東國男容疑者は、そもそも昭和四十七年のあさま山荘事件で警察官を殺害しており、必死の思いで捕まえたものを、この政府の決定を警察官たちはどう感じたでしょうか。忸怩たる思いだったに違いありません。

 このようなことの積み重ねが、国民より何より官僚の政治家に対する不信に繋がり、行政の停滞を招くことすらあるのです。超法規的措置というのは、それを決断した政治家を英雄のように仕立て上げるかもしれませんが、実は大原則としてやってはいけないことなのです。

 筋の通らないことを何度もやっているうちに、不公平・不公正が増幅し、国家が腐敗するのは間違いありません。残念ながらわが国は、国民の生命と安全を守るという点に於いて、現行憲法(占領憲法)の解釈変更などでそれを積み重ねてしまいました。

 平和国家を目指したわが国から生まれ、世界中に甚大な迷惑をかけた極左テロ組織は、あの占領統治がなければこれほど凶悪化する以前に対処されていたでしょう。大東亜戦争の前も後も、その最中を除いて共産主義の研究が大いに許されていたため、純朴に夢を追いかけたがる日本人だからこそあのような組織を産み落としてしまったのです。

 ところが、今や共産主義革命とも違うただの「反日」が叫ばれ、組織化されている始末であり、共産主義の死があったとはいえ左翼の不在が昨夏の莫迦騒ぎを起こしました。

 しかし昨日記事で申したように、その短絡的な反日騒ぎが私たちの安寧な暮らしを壊しにかかっています。政府は、二十七日記事で取り上げたテロ準備罪の設置に向けて動いていますが、もっと筋を通してもらわねば困るのです。

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『日本赤軍を増長させた首相』に2件のコメント

  1. やす:

    人命は地球より重いとはよく言ったものですが、人命を救うとは何も生きたまま助けるということではなく、場合によっては死なすことも救うことになるのではないでしょうか
    日本赤軍のようなテロリストは自分達の頭だけで考えすぎて、正義のつもりが実は地獄へと入り込んでしまって、自分達が何をやっているか分からなくなってしまったのでしょう
    その地獄から救うためには殺すことも致し方ないという決断も必要だと思いますし、救うということを皆一緒にして考えるから偽善的な言葉で対応を誤るのだと思います
    だから絶対に戦うという姿勢を崩してはいけないし、筋を通すというのは本当に難しいことです
    しかし本当の意味で人を救うというのはそういうことです
    福田氏は解決を急ぎすぎて、長期的な視点をもっていなかったのでしょう
    長い目でみたら被害を大きくしただけです

    今回のブログとは関係ないかもしれませんが、偽善と言えば昨日の24時間テレビも代表格です
    いい加減感動の押し売りはやめてもらいたいですし、障害者を美化しすぎるのもいい加減にしてもらいたいです
    障害者というのは健常者と呼ばれる人から見た価値観でそう区別されているだけで、本当なら失礼な話なんですよ
    頭の良さ 運動神経 そういった個人個人の能力の違いと同じで、単なるその人の個性であって障害者というのは存在しませんし、それはヘイトスピーチではないでしょうか
    100キロマラソンも何が感動するのか分かりませんが、テレビは本当に偽善だらけですね

  2. 弓取り:

    ヒマを持て余しての空理空論は、書斎の中か世捨て人になってすべきなのでしょう。それはそれで個人の趣味として否定はできないところです。もちろん、それが撞着して発展しなくなるか、逆に自画自賛できるようになると、他人に教えたくなるだろうし、世間に影響力を持ちたくなるでしょうけどね。これは迷惑でしょう。

    活動のための活動。手段の目的化。これはもっと悪い。サヨクの皆さんのことです。
    もちろん、国家転覆や国家破壊を目的に影響力を持ちたい人たちは絶対的な社会悪です。

    三木武夫元首相。高山正之の本を読んでいて出てきました。いろいろとマズイことをやってくれたんですね。