北朝鮮再調査、官邸の動き

皇紀2674年(平成26年)5月30日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140529/plc140529……
 ▲産經新聞:【拉致再調査】 安倍首相「全面解決へ向けて第一歩となる」 ぶら下がり会見全文

 北朝鮮による日本国民拉致事件の解決は、早い話が「北朝鮮よ、しらじらしいのぉ。仕方がない。再調査という体裁を認めてやるから、さっさと『よく調べてみたら生きてました』と言え」ということでしょう、違いますか?

 安倍晋三首相は全面解決に向け、古屋圭司国家公安委員長に拉致問題担当の特命を与えたのですから、そこに嘘はないと思います。今回の日朝交渉でも、安倍首相がじかに外務省の伊原純一亜大洋州局長に指示を出していたと聞きました。

 しかし、官邸の判断はあまりにも拙速です。安倍首相の会見のあと、菅義偉官房長官が発表したことは、再調査開始の時点で、対朝制裁のうち「人的往来の規制措置」「送金などに関する規制措置」「人道目的の北朝鮮籍船舶の入港禁止措置」をすべて解除するというものでした。

 本来は、再調査の結果を受けて制裁の解除幅を決めるものであるはずです。

 とすれば、もう既に官邸は帰国する拉致被害者を知っていて、北朝鮮に「再調査という体裁」を認めたということにほかなりません。それが被害者の全員とは限らないでしょう。

 ただし、北朝鮮が経済的に困窮しきっているのは間違いなく、金一族体制の維持すら危うくなっているという情報もあるほどで、(韓国とは当然ですが)中共との関係もよくありませんから、わが国との関係に活路を見いだすのなら、北朝鮮に一層の「努力」を求める余地は安倍首相にあるはずです。

 私たち国民の一人一人がそれを強く望むことで、政府は妥協などできなくなります。被害者ご家族の苦しみは、政府の不作為によって生み出されたものであり、他人事ではないのです。

 【追記】
 古屋内閣府特命担当相は三十日午後、一部制裁の解除について、「再調査の結果を待ってからにする」という認識に改めたことを明言しました。賢明なご判断です。上記に記した「勘ぐられるようなことはない」とのことでした。

スポンサードリンク

Comments are closed.