橋下組!勘違いするなよ!

皇紀2672年(平成24年)12月18日

 第四十六回衆議院議員総選挙について、弁護士たちがいわゆる「一票の格差」を巡り、東京や大阪など全国十四の高等裁判所とその支部に選挙の無効を求める訴えを一斉に起こしました。

 彼らは選挙の前から一部左翼系市民団体とともに活動してきたのであり、ここでも取り上げましたが、実施されてしまったものの無効を訴えることが決して非現実的主張ではありません。占領憲法(日本国憲法)の無効確認と同様、間違った現実を正そうとすることに躊躇してはならないのです。

 しかし、まず今回特に投票率が占領統治期以降の衆院選において最低となった現実を見なければなりません。格差も何も、投票すらしない国民がこれほど多ければ、彼らがいくら「格差を是正しない限り日本の政治はよくならない」「民主主義は死んでいる」などと述べようとも非現実です。

 政党乱立や民主党への呆れ、自民党への回帰に諦めがあったことが投票しない理由であったにせよ、(仕事や病気治療などの理由は除いて)投票もせずに遊びに行ったなどの連中は、格差云々以前に今後一切政府の間違いや不作為に対して沈黙を強制させられると知らねばなりません。もう文句を言うことすら許されなくなったのです。

 だから私はどれほど自民党の安倍晋三総裁の首相再登板や大阪市の橋下徹市長らの政治姿勢に批判的でも投票に行きましたし、多くの方々に直接呼びかけてきました。東京および近畿比例区で「日本維新の会」、北海道比例区で「新党大地・真民主」、それ以外の比例区で「自民党」を推した目的は、大体これまで申してきたとおりです。

 ところが、日本維新の会では早くも旧大阪維新のいわゆる「橋下組」が、石原慎太郎代表のもとにありながら旧たちあがれ日本(太陽の党)の「真正保守組」に対して優位に立とうと「本流はこちらだ」などと言っています。

 もう一度申しますが、今回の選挙結果を分析した中で安倍総裁は最も正しい認識を披露しましたが、橋下市長の手前勝手な発言は頓珍漢なことこの上ありません。近畿地方で集まった維新の票はほとんど「真正保守組」を当選させるためのもので、かつて橋下市長らが望んだ「ふんわりとした期待」の浮動票など極めて少なかったに違いないのです。

 その証拠に、投票率が劇的に少なかったことで組織票の手堅い自民党と創価学会(公明党)が大勝しました。革新票は社民党や日本未来の党よりもはるかに組織が強固な日本共産党に集まり、議席がゼロになってもおかしくなかった民主党も、自治労や日教組らに助けられ救われたでしょう。

 落選された方の中でことのほか私が残念に感じたのは、兵庫県の強烈且つ異様な創価票に新党日本の田中康夫代表が破れ、議席を失ったことです。彼ほど真っ当な経済認識を示していた候補者はいなかったでしょう。

 浮動票がほとんど死んでいた現実を直視すれば、真正保守たる私たちの組織票が泣く泣く維新に動いたというのが事実であり、そのおこぼれで元宮崎県知事ら「橋下組」までもが当選してしまったのです。そのように比例名簿の作成を主導したのは君たちではありませんか。

 真正保守組が加わるまで、一時から維新は支持率を極端に下げていました。この過去も忘れてもらっては困ります。石原代表の体制になって息を吹き返したのが事実でしょう。それを忘れるな、勘違いするな、と。

 分裂するというなら、どうぞ橋下組が出ていきなさい。君たち、ご主人様の橋下市長は国会議員でないことも忘れるなよ。左翼の用いる「民主主義のルール」だか何だか知らんが、政党のルールにおいて首班指名は黙って「石原慎太郎」だ、莫迦垂れ!

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『橋下組!勘違いするなよ!』に3件のコメント

  1. matu:

    「真正保守はいらない」(=「天皇陛下(皇室)はいらない」)

    といった橋下は、そのままでは落ちる一方だったでしょう。国家も国柄も念頭にない人ですから。
    九州から出ればまだ許せるものを、近畿の比例1位となった筋違いの人も
    まったく分かっていませんね。

    次回で3回以上投票しない人の選挙権は剥奪し、欲しい人は改めて申請をしなければならない
    というのはどうでしょうね。 

  2. 篠の目:

    歴史の勉強をしたのかと問いたくなるような「維新」という言葉の使い方や、竹島を共同管理などと口走ったことで、相手の足元をみては「強い者に媚び弱い立場の者にはきびしく出る(役所や官僚を批判しても国民は味方をしてくれると踏んでいるのでしょう)」ただのポピュリストだと正体を見抜いた人が増えたのが直前の不人気の本質でしょう。

    「選挙で勝ったから何を言っても許される」と考えているらしく、その点でも小沢一郎などと同じく「日本国民の敵」だと私は認識しています。

    参院選を控えている以上まだまだ安心はできませんが、支那の動きを意識すれば安全保障・外交の立て直しこそ急務(逆説的ですが「選挙どころじゃない」とも言えました)であり、その意味で最も不安要素の少ない実務経験者である安倍自民党に支持が集まったのではないでしょうか。

  3. ベッラ・カンタービレ:

    橋下はどうにもならないですね。
    それにしても「たち日」はよく我慢をしました。

    私はgooでブログを書いているクラシックの声楽家、ベッラ・カンタービレです。
    このところ、安倍信仰のような「どんなことがあっても擁護」という安倍マンセーには
    参りました。
    これではカルトです。
    正しいことをはっきりと言う義務が有権者にはあります。
    変な安倍信者のために、保守が割れてはなりません。
    私のブログもそのことで大変でした。
    橋下はやがて消え行く政治家です。
    滋賀の知事もそうです。