旅行本にまで浸食する左翼

皇紀2671年(平成23年)9月22日

 つい先日、私は友人に伴われて或る大型書店に出掛け、久しぶりに旅行専門書が並ぶ一角を覗いてみました。長らく亜州各国を旅していないことから、航空券とわずかなお金を持って出掛けたおよそ十年前の自らを懐かしみつつ、馬国(マレーシア)を扱った旅行専門書のいくつかを手に取ってみたのです。

 そこにあった記述から、およそ馬国への旅行に興味を抱かれた方がお読みになるようなものでは決してない本を、偶然にも見つけてしまいました。

 http://www.jca.apc.org/nashinoki-sha/guide/malaysia……
 ▲梨の木舎:旅行ガイドにないアジアを歩く マレーシア

 そこに何と書かれていたかと申しますと、東南亜各国に対するわが民族の視点が「天皇絶対の差別観」に基づいてきたというのです。

 これはもう「1足す1は3」と書いてあるほどの間違いで、発展途上国に対する「援助」さえも「差別観による」と言い出しかねない物言いに他なりません。

 私が亜州各国で目にした彼らの伝統文化に対する深い尊崇の念を、ほかの誰も今まで感じてこなかったかのような決めつけを前提に、わが国の大東亜戦争を欧米による現地搾取型植民地化と同列に論じ、全く無関係なことを肉づけして「さもありなん」とする著者とは、一体何者でしょうか。

 共同執筆者のお1人である高嶋伸欣氏は、東京教育大学付属高校の社会科教員から琉球大学の名誉教授に就任した経歴をお持ちで、10年間にも及ぶ教科書検定意見に対する裁判を繰り広げてきた方でした。

 天皇陛下の御存在を「絶対」とすることのそもそもの短絡に加え、それが「他人種・他国家への差別を生む」とする何らの説明もない語が、馬国に関心を寄せただけの方にまで強烈な「思想統制」と化すことの恐ろしさを、高嶋氏は悪用しているとしか申せません。氏の別の著書で、教育勅語を「思想統制」としたのは、何かの悪い冗談でしょうか。

 私は、先日の集会に於けるご意見にお答えする形で、わが国の左翼を「世界用語での『左翼』とは到底呼べない、ただ国家解体を目論み叫ぶ『テロリスト』」と申しましたが、彼らは教科書や歴史書、新聞や報道・情報番組のみならず、旅行書にまで浸食して間違いを喧伝しています。

 現地取材に基づかれているようですが、何をもって「天皇絶対の差別観」と解釈したかは、書かれたご本人こそがいわゆる「差別主義」を大きく有していることによるもので、私たちには分かりえません。このような無解説の意味不明な用語を多用する著述の特徴は、官僚作成の論文に似ており、不整合な「結論ありき」を形にする時にこそ表れます。

 このような本が出ている以上、皆様にもお気をつけいただきたく、お知らせしました。

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『旅行本にまで浸食する左翼』に1件のコメント

  1. matu:

    ひどい話ですね。
    マレーシアは、ザビエルの墓があるというくらいで何百年とポルトガルやオランダそしてイギリスに占領されていて、日本軍が去ったあとも再度イギリスが支配していました。マラッカ海峡はうまみがあったのでしょうね。
    独立後はマハティール首相が日本に感謝し、日本に学ぶ姿勢をうちだして発展したといわれています。親日的な国ですよ。原住民が日本軍に協力したから開戦3カ月でイギリスを打ち破ることができたのですよね。
    ただ、あの国旗は・・・。
    それと独立記念碑。アメリカに依頼したせいか硫黄島勝利の記念碑とそっくりでマレーシア軍人といいながら、お顔が西洋人・・・。
    差別しているのは白人たちですよね、昔も今も。