反イルカ漁の偽善と太地町
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110228/biz11022821240047-n1.htm
▲産經新聞:和歌山・太地町のほぼ全世帯に「ザ・コーヴ」のDVD届く
米映画『ザ・コーヴ』のDVDを和歌山県太地町の約1400世帯に郵送した「海を考えるグループ」は、団体なのか(ありもしない「消費庁」などと書かれていたところを見ると)実は個人なのか不明なものの、一体どこから資金提供を受けているのでしょうか。
わが国では縄文時代から始まったとされている海豚(イルカ)漁は、主に和歌山県や静岡県、岩手県、北海道などで行なわれてきました。それが調査捕鯨とともに、環境保護団体を名乗るテロリスト集団の目の敵にされ始めたのです。
和歌山県民としては、非常に困惑しています。これを受け取った太地町民も気持ちが悪いでしょう。よく言われるのは、鯨や海豚がかわいそうならば、同じく貴重な蛋白源として食される牛や豚や鳥、兎などはかわいそうではないのか、という極めて素朴な疑問です。
特に畜産業の一部では、牛や豚や鳥を工場のような場所に押し込んで、自然環境から隔離し、効率的かつ生産的に管理していることこそ、問題なのではないでしょうか。
そのような「工業化された畜産業」に抗議し、例えば米大統領役の多いことで知られる(奇しくも映画『ベイブ』で高い評価を受けた)俳優のジェームズ・クロムウェル氏らが逮捕されたりもしていますが、いわゆる「エコテロリスト」は決してこの異様な現状には抗議しません。
夜昼なく「製造」させるために檻の中へ押し込まれた動物をして「虐待」と指摘せずに、或いは口蹄疫や鳥インフルエンザの発生に伴う刹処分を無思考に受け入れながら、漁のみを指して「動物虐待」とわめき散らす偽善を、偽善と感じない私たちの意識こそ問題なのです。
中には、刹処分に涙した畜産家たちを嘲笑するような意見も国内に散見しますが、実は涙する畜産家と涙しない畜産業者には厳然たる差があり、私たちが生きるため、食べるために自然の中で動物を飼育している畜産家と、あくまで産業革命以来の資本主義的に生産している畜産業者とでは、およそ別物と申して過言ではありません。
海豚漁では丁国(デンマーク)にも抗議したと胸を張る「シー・シェパード」らエコテロリストですが、彼らは単に日本独自の資源・食糧確保を妨害し、米国や豪州からの輸入体質を一層加速させるべく仕掛けられた資本主義者たち(昨日記事参照)の手先に過ぎず、本来の動物虐待に抗する意識など全くないのです。
この事実に気づいて下さい。そして、訴えて下さい。