世界的混乱から自国回帰へ

皇紀2682年(令和4年)3月20日

アジアの「低コスト生産」はもう限界 日本回帰は進むのか

コロナ禍が引き起こしたサプライチェーンの混乱に追い打ちをかけるウクライナ危機。既にその影響は物流面で出始めている。人件費の安さを前提に日本の製造業が構築してきたサプライチェーンを、新たな環境に合わせてどのように変えていくべきなのか。…

(日経ビジネス電子版|日本經濟新聞社)

 この問題提起は非常に重要です。武漢ウイルス(新型コロナウイルス)の感染蔓延で、海外へ大きく拡げた供給網(サプライチェーン)が機能不全を起こしました。ウクライナ侵攻の影響は、今後さらに私たち国民の暮らしを直撃するでしょう。

 直撃とは、給与下落のまま物価上昇(スタグフレーション)を起こしていることです。

 その主原因は、資源価格の上昇であり、国内の危機に直面した中共が各国の食糧資源を買い漁り、わが国が買い負けを起こしていることにあります。ここで何度も指摘しました。

 日本經濟新聞社記事の指摘はよいのですが、中共の買い漁り人件費の高騰には一切触れていません。まるで東南亜からの脱出は既定路線ですが、中共からの脱出は論外とでもいうように、まるで語られていないのです。

 わが国企業の中共進出を「トレンド」のように扇動した日經らしいと申せばそれまでですが、東南亜が駄目になったら南亜のバングラデシュというのでは、わが国はまるでイナゴのようではありませんか。

 この記事の中に、わが国への生産回帰を語る上で重要な言葉が出てきます。ミネベアミツミの貝沼由久会長兼社長の「人材という、お金では容易に換算できない価値」と、専修大学商学部の池部亮教授の「コスト・効率から持続可能性へとシフトしようとしている」の二点です。

 これこそがわが国の国民に対する投資であり、教育であり、わが国の発展と結局は利益に繋がります。

 もっと早くにそれが実現していれば、これほどまでに深刻な少子化(団塊ジュニア・ジュニアの不発)を招かずに済んだでしょう。私たちは、目先の利益に奔って長期的利益を失ったのです。

 いわゆる「バブル経済の崩壊」以来の政府の無策に、経営者たちの将来に対する無責任(自分たちが経営者でいる間のことしか考えなくなったこと)がそれらの原因に挙げられます。

 まず自分たちの「飯」を自分たちで作れない国では、国民が「飯のタネ」で満足に稼ぐこともできません。いずれまた大東亜戦争後占領統治期のように、餓死するほかなくなるのです。

 真剣に自国回帰を目指し、政府がそれを牽引しなければなりません。和食材のほとんどが輸入品では、料理の技を磨いてもいざという時に何も食べられないのです。

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『世界的混乱から自国回帰へ』に1件のコメント

  1. ナポレオン・ソロ:

    220320-3
    ソロです。
    >>世界の勢力構造の変化に併せた順応が課題
    露・ウ戦争の停戦交渉の頻度が上がって、その行方が見え始めて居ますが、世界経済に影響しそうなのは、やはり、ロシアからの原油・ガスの禁輸で価格が一時的に暴騰する現象が数次起こり不安定な価格が暫く続くでしょうが、米国がシェールガス・石油の輸出に踏み切ったら、もしかしたら今より安くなる可能性だってありますがOPECとの調整次第ですね。

    ロシアもガス・石油・石炭の買い手を探さないとやっていけませんが、シナに期待するのは間違っていますね、共産シナが存続出来る場合、改革開放を止めて只管共産主義に徹するようなコメントを出していますが、ありえませんね。

    シナが存続出来るとすれば、最低でも4分割されるでしょう、先ず旧満州の東方部、次に北京周辺の華北、長江南の華南の広東省、そして奥地の四川省ですが、上海、大連、深セン、天津は特別市として国扱いになるかもしれません。 只、国内の少数民族が各地で独立運動を始めると経済破綻から立ち直れなくなります。

    ならばエネルギーはロシアはら買うとして、米国市場占有率70%でべったり依存してたのに、是をBANされて、代わりに簡単に買い手が出て来るとは思えません。つまり幾ら安く作っても、旧悪がたたって先進技術は出さないでしょうし、必要以上の付き合いもしないでしょう。

    日経の指摘は当たっている点はあるが、所詮DS追従・信仰者ですから、絶対に核心部は書きません、だから読む価値はないと私は思って居ます。

    日本は主要な貿易相手国を欧州からASEANと南アジアにゆっくりとシフトすべきですが、何せ政情がすぐに不安定になるのは、未だ、共産主義の「平等な社会」のプロパガンダを信仰してい知識人層が居る国が残っているからですが、是は日本と同じです。

    まぁ、ASEANの国々も此処からは相互間の競争になるので、経済面での合従連衡が必ず起こるから、此処からが正念場ですね。