親中売国が演説反対の理由

皇紀2682年(令和4年)3月19日

 映画『ゴジラ』や『あげまん』などで知られる俳優の宝田明さんがお亡くなりになりました。衷心よりお悔やみ申し上げます。

 これでかつて東宝専属だった俳優は、加山雄三さんと黒沢年男さんだけになってしまったでしょうか。数数の東宝映画やのちにミュージカルの舞台を踏まれた宝田さんが平成に入って再び映画俳優としての輝きを放ったのは、前出の伊丹十三監督作品に於ける「次の次の首相候補」役だったと思います。

 これで宝田さんの新たな魅力と巧さに気づかされた映像制作関係者は多かったでしょう。続く『ミンボーの女』では、暴力団に狙われ続けるホテルの総支配人役を好演されました。

 しかし、宝田さんのもう一つの魅力は、旧満洲國からの引き揚げで旧ソビエト連邦共産党軍に酷い目に遭わされたことから、徹底して反戦を提唱されたことです。

 それは時として現行憲法(占領憲法)第九条の堅持といった短絡性を見せましたが、実は私の祖父も旧満洲國で同じような経験をしており、やはり戦争反対をさかんにいいます。「露国映画なんぞ未だに見たくもない」とまでいわれた宝田さんのお話からも旧ソ連兵のやり口は、相当酷かったのでしょう。

 だからなのでしょうか、私の占領憲法無効・大日本帝國憲法真改正論に「(米軍がわが民族から交戦権を奪っただけの第九条ではなく)わが民族として反戦を明記する」考えの元になっています。反戦だからこそ武力を背景に外交で闘い、開戦を防ぐのです。第九条のままでは、韓国戦争(朝鮮戦争)やイラク戦争のように何度でもわが国が勝手に武力戦争に巻き込まれていきます。

 現在、奇しくも露国がウクライナ侵略戦争に手を染めたという形になりました。宝田さんはさぞ暗然たる想いで、十日の舞台挨拶から体調が急変なさったのでしょうか。

鳥越 俊太郎 @shuntorigoe

私はゼレンスキーに国会演説のチャンスを与えるのには反対する!どんなに美しい言葉を使っても所詮紛争の一方当事者だ。台湾有事では台湾総統に国会でスピーチさせるのか?

(Twitter)

 そこで立憲民主党の一部議員たちも然り、そして毎日新聞社の鳥越俊太郎元記者のこの主張に対し、これがウクライナを実は加害国と認識した上で、或いは米連邦議会で真珠湾攻撃を同時多発テロと同列に例示した大衆迎合を批判してのことならともかく、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の国会演説に反対する連中の或る種の裏を見ました。

 それは、さかんに鳥越氏が「台湾総統の国会演説」に反対していることです。

 中共・共産党人民解放軍が暴発し、台湾を侵略するような局面に差し掛かった場合、彼らは台湾総統の話を絶対に聞きたくないのでしょう。日頃から「話し合いで解決」などと外交をナメている対日ヘイトスピーカー(日本憎悪差別扇動家)たちの本音は、ここにありました。

 話し合うけれども「聞きたくないほう」の話は聞かないのです。

 ゼレンスキー大統領の巧妙さは、各国に演説を要請したことであり、ウラジーミル・プーチン大統領も要請すればよいのですが、ほぼ間違いなく受け入れる国はなく、本人も予定していないのでしょう。ただそれだけのことです。

 「聞いてくれ」というほうの話も聞かないで何が「話し合いで解決」なのか、対日ヘイトたちは説明しなさい。

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『親中売国が演説反対の理由』に1件のコメント

  1. ナポレオン・ソロ:

    220319-3
    ソロです。
    >>宝田明さん逝去
    享年87歳なら多分昭和10年のお生まれで帰国時には小学生でも上の方ですから、十二分に状況は記憶・判断が出来たでしょうが、悲惨極まりない話です。

    実は私が最初に入って22年もいた会社の女性事務員の方も満州の奥地ハルピンからの引揚者で、私の母方の裡も大連からの引揚者だったので良く話していましたが、或る時山崎豊子さんの「大地の子」が出てその2巻目を持っていたら「後で貸してね」と言われた。

    その直後出張が入ったので貸すと、2時間もし無い裡に「ごめん、読んでいたら涙が止まらなくなって、他人の前じゃ読めないわ、自分で買って家でよみます」と「じゃあ、俺、今から出張で2,3日帰ってこれないから貸しとくよ」と言うと「引き揚げ時の皆の様子が余りにリアルなので、じぶんの 蔵書にしたいの」との事だった。

    彼女も確か昭和10年の生まれだから、宝田さんと同じ世代ですね、宝田さんも奥地からの引揚げだと聞いたことがありますから、きっと彼女と同じ現場を目撃、体験したのでしょうね。

    この昭和一桁後期~10年代初期の年齢層は、子供時代に満足に食べるものがないから、上の学校に幾ら優秀でも行け無くて、悔しい思いをしたが、その原因は全て戦争に負けた事にあるわけですから、戦争反対は当然だと思いますね。彼らを焼け跡派っていいますね。

    私は彼らと話す時は大半は聞き役ですが、発言を求められてら身内からきいた体験談を話すと、お返しに思いがけない人から思いがけない話も良く聞きましたね。兎に角、この世代が鬼籍にはいる時代になったんだなあと言う感慨で一杯ですね、当に昭和が終わってゆく感じです。