大阪維新に維新の精神ない

皇紀2679年(令和元年)5月16日

 三日記事で「登録が秒読み段階」と申した百舌鳥・古市古墳群(大阪府堺市・羽曳野市・藤井寺市)が、やはり世界遺産一覧に記載するよう国際記念物遺跡会議(イコモス)に勧告されましたが、気のせいでしょうか。従前よく見られたこのような際の「莫迦騒ぎ」が各社報道にないように思います。むろん地元は「これで観光客を誘致」などと沸いていますが、いわゆる「過熱報道」はありませんでした。

 無知蒙昧をさらすことの多い報道権力が前出記事で申したようなことを理解しているとは思い難いのですが、どこか「遺産? 陵墓が? 皇室があるのに?」という本能的違和感を隠せないのではないか、と。単に取材のしよう(浮かれよう)がなかったせいでしょうが、そのことも含めせめてそう思いたいのです。さもなくば本当に現世の私たちは阿呆丸出しではありませんか。

 私は、これは相当、登録を目指した堺市ら地元自治体と政府、特に(これまでは強く拒否してきたはずの)宮内庁が不敬なことをしたと思っています。このまま登録されても、遺産対応で陵墓をいじくりまわすことには絶対反対です。

「戦争」発言・丸山議員の辞職勧告案、自民は提出に慎重

 北方領土返還の手段として「戦争」に言及した丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名)は議員にとどまるべきか。与野党は批判を強めるが、辞職勧告決議案提出では足並みがそろわない。野党側は憲法の平和主義を尊…

(조일신문(朝日新聞)日本語版)

 さて、その陵墓を商業主義で利用する遺産登録に同じく疑問を呈してきたのが西村眞悟元衆議院議員(大阪十七区)ですが、日韓併合条約下の朝鮮人妓生たちがあたかも「軍に強制連行されて性奴隷にされた」かのようにいわれてきた(異称=慰安婦)問題で、西村元代議士が強くこれをはねのける発言をした際、当時日本維新の会所属であり、離党ではなく除籍されてしまいました。橋下徹大阪市長(当時)もかなり踏み込んだ発言をして一切お咎めなしだったにもかかわらずです。

 この時から私は、「維新」を掲げた大阪維新だろうが日本維新だろうが、この政党に「維新」の精神のかけらもないと断じました。ことあるごとに維新を批判すると必ず「的外れだ」何だと文句をいわれるのですが、熱心な維新支持者には申し訳ないのですが、この政党の略称を「大阪の会」か何かにしてください。維新を起こす気のない、自民党から府下の同和利権を持ち去っただけの「ただの利権共有サロン」に維新を名乗る資格などありません。「維新」といえば(規模はともかく)維新政党・新風だけです。

 よって十四日記事で申した顛末を経て、丸山穂高衆議院議員(大阪十九区)に対する今回の「大阪の会」の態度にも、ほかの野党は論外として、私は「ああ、そうでしょうね。いつも通り卑怯ですね」としか思いません。もともと橋下元市長との口論(ツイッター上で橋下元市長が丸山代議士を「ボケ」とののしった)に始まり、その端緒となる選挙結果の責任を丸山代議士に問われた松井一郎大阪市長の不愉快があって、ともすれば「その機会を狙われていて、わざわざ録音され嵌められたのではないか」とさえ思うほどです。

 西村元代議士に対しても、そもそも憲法観の違う「大先輩」を扱いきれずに機を見て追い出そうとしていたのではないか、と。表現の問題は、気になったなら注意してすませばよかったはずです。丸山代議士については、飲酒を咎めればすみました。どうやらこの方は、お酒と女性に弱いようなので。

 それを「戦争(すべきでないことは大前提だが武力で盗られたのは確かだろう)」という言葉に脊髄反射しただけの空虚な批判で本質を論じようとしない多くの姿勢は、そのまま北方領土(本来は千島列島と南樺太)がもう永遠に返ってこないことをわざわざ自分たちで決定づけたと申して過言ではありません。丸山代議士の発言を生かさず慌てて蓋をしたわが国は、わが日本は、露国に対してあまりにも大きく失敗したのです。

 露政府は今ごろ、間違いなくほくそ笑んでいます。「莫迦な日本」「弱腰日本」「従米日本」「占領日本」「九条ボケ日本」「チョロい日本」「どつき回して島盗っても、どつき返して取返しにも来ないヘタレのクソ日本」「どつき返すのはアリかどうかだけでナシ~~とかいっている五秒以内に絶滅したほうがマシなカス日本」など全て思われ、腹を抱えて笑われているに違いありません。悔しくないですか? あなたは、いつどんなことで人のために悔しいと感じるのですか? わが国の多くが寄ってたかって自らそんなことにしたのです。ああ、恥ずかしい。先人たちに申し訳がない。露国にしてもこんな日本に日露戦争で負けたといわれたくない、と思っているのです。

 不当な武力の結果を温存させてしまう現行憲法(占領憲法)がこのままでよいと思いますか?

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『大阪維新に維新の精神ない』に4件のコメント

  1. ねこ:

    丸山は創価公明党の政策、軽減税率等本気で批判してた戦う政治家だから公明党や創価学会からゴリ押しされてる足立やすしらからは敵視されてた。
    マスコミは創価公明党は擁護の立場。
    橋下もコントロールしにくい丸山が嫌い
    今回丸山はカメラの前で正々堂々謝罪したのに対し
    創価足立は与野党議員に誹謗中傷、デマ吐いて謝罪に追い込まれてもカメラの前で謝罪せず陰でコソコソ謝罪、証拠残さず信者向けには謝罪してないと二枚舌でその場しのぎ卑怯な足立とは大違いだ

  2. 心配性@我は蛮夷なり:

    >無知蒙昧をさらすことの多い報道権力が前出記事で申したようなことを理解しているとは思い難いのですが、どこか「遺産? 陵墓が? 皇室があるのに?」という本能的違和感を隠せないのではないか、と。

    関東地方でも、「古墳」や「古墳時代」を異様なまでに盛り上げている人々がいて「何だろうか?」と困惑していたのですが、やはり「世界遺産」絡みだったようですね。
    安倍政権が「金をになる文化財を積極的に活用する」という方針なので、なおさらかも知れません。

    関東にも古墳は無数にあるのですが、やはり墳丘の長さだけで500メートルを超す「仁徳天皇陵」とは比べようもない、小規模なものが大部分です。
    墳丘の高さもせいぜい1~3メートルかそれ以下といった「饅頭」のような古墳群の上を、少年少女が、駆け上ったり駆け下りたりしていて、「威容」を誇っている感じはしません。
    田舎の豪族が、終末期にかけて、見栄を張って沢山作った「小規模な墳丘墓」と、「仁徳天皇陵」のような壮大なスケールのものを「同じ文化」として同列に語ることは躊躇われます。

  3. きよしこ:

    信じがたいことに維新は直接ロシアに出向いて謝罪するそうです。こんな酷い政党だとは思いませんでした。

  4. ふわふわ(曾祖母はアイヌ):

    遠藤先生、お久し振りです。
    先のアイヌ新法の際は、丁寧にコメント欄でご指導頂き、まことに有難うございました。改めて、法律文書が苦手な自分を痛感し反省、遠藤先生の温かいご配慮に感謝します。

    さて、丸山穂高議員ですが、逆風の強い中、国会でアイヌ新法の不備についてご指摘下さり、一歩も退かない姿勢に勇気付けられておりました。お酒の失敗はお酒の失敗で、これに関しては言い訳できませんが、維新の松井代表には不信感を抱きました。丸山議員が辞表を提出しようとするも拒絶し、その上で除名処分。更に「まだ若いからやり直せる」と議員辞職を強要。果ては勧告決議案だと騒ぎ出す。この議員辞職勧告決議とは、逮捕や起訴処分など、違法行為に及んだ際に取り沙汰されるものと聞きました。まるで犯罪者と同列かのような扱いには納得できません。