控除の見直しはするのに…

皇紀2674年(平成26年)3月21日

 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140319/fnc140319……
 ▲産經新聞:配偶者控除の見直し指示 安倍首相、女性の活躍促進

 安倍晋三首相と昭恵夫人には子供がいないから分からない、いや、そもそもお金持ちの家の子供たちが結婚した夫婦だから苦労を知らない、といった批判を政治家がされるようではいけません。

 たとえ結婚していなくても、子供がいなくても、お金持ちでも貧しい家の出でも、多くの国民の喜びや悲しみを想像すら出来ないようでは、決して政策を決定することは出来ないのです。

 安倍首相の提案は、女性の働きやすさを考え、俗に言う「百三万円の壁」を取り払おうというのでしょうが、それでは一人とて子供を産み育てることが出来なくなります

 もともと所得の多い女性には関係のない制度改正案ですが、育児と仕事を両立させて家計をやりくりしている女性にとっては、まるで政府に「産むな」「既に産んでしまった人は仕事なんかやめて夫に稼がせろ」と言われるも同然です。

 で、夫が稼げる世の中になるのかと申せば、決してそうはなりません。私たちの殆どが過去に下げられた給与水準のままか、或いは第二次安倍政権になってさらに給与が下がった例も多数あります。

 育児はとてつもなく大変です。私のように人様の子供をお預かりしてきただけの身にも、それは想像に難くありません。夫に対して妻が専業主婦でいられればよいかもしれませんが、もともとわが国の家族の形というのは、女性も内外で働いているものでした。

 そうあるのが伝統だ、とは申しません。私たちの暮らしは自由であるべきです。しかし、「女性は家にいるもの」という考え方が伝統ではないのも確かなのです。

 とすると安倍首相の控除見直しは、いわゆる「河野談話」の見直しも出来ないくせに、それはともかく、言っていることと招く結果があべこべになります。ここは麻生太郎副首相兼財務相に反対の意志を貫いていただくほかありません。

スポンサードリンク

Comments are closed.