公共工事は「悪」ではない

皇紀2673年(平成25年)1月6日

 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130103/……
 ▲産経新聞:南海トラフ地震、これが防災最前線 浮上式防波堤や現代版「稲むらの火」 和歌山で驚異の先進技術

 これは産経新聞社和歌山支局の記事ですが、東海・東南海・南海地震の危険性が叫ばれるようになる以前から、まず和歌山市議会に於いて南海地震対策の必要性が提起され、その議論は和歌山県議会へも飛び火しました。

 その結果、政府(小泉政権当時)が公式に対策を始める前よりすでに和歌山県は地震と津波から県民を守るためのあらゆる施策を始めていたのです。

 ご存知の方もおられるでしょうが、東日本大震災の発生後に一部で話題に上がった「稲叢(いなむら)の火」とは、安政元年に起きた南海地震で浜口梧陵が稲の束を燃やして津波の襲来から人々を守ったとされる故事を指します。

 正確には史実と違う部分もありますが、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の記述を尊重し、私たち和歌山県民は子供の頃から梧陵の偉人伝を聞かされてきたものです。東北地方でも神社の存在が現世への津波被害に対する警鐘となっていたように、先人から相続した国家を継承することで将来多くの人々の命を救うのがわが国の「国柄」であると再確認させられます。

 これまでの防波堤は港にコンクリートを積み上げるものでしたが、和歌山県で試されているのは海中の浮上式です。民主党政権は「コンクリートから人へ」を掲げ、結果的に将来多くの人命を犠牲にしかねない予算削減にまで手をつけ、それでも公約で謳ったいわゆる「埋蔵金」を捻出できずに失脚しました。

 何度でも申しますが、私たちは報道などによって煽られた「公共工事がすなわち『悪』である」という思い込みを捨てねばなりません。俗に言う「土建屋利権」は厳正な監視をもって防がねばなりませんし、わが国を人工物の塊にして自然を破壊し尽くすなど決してあってはなりませんが、安政の頃から変わらず人命を救うための知恵を形にし、現下の状況ではまず公共投資を増やして民間経済を刺激することが必要です。

 安倍政権は恐らくこの一石二鳥の政策を推進するでしょうから、間違いなく報道各社から総攻撃を受けることになります。その時皆様は、稲叢の火を伝承してきた和歌山県が取り組んできたことと東日本大震災のいまだ凄惨な被災地を思い出してください。

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