台湾問題より重大なこと

皇紀2672年(平成24年)3月15日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120313/plc1203131039……
 ▲産経新聞:台湾代表の指名献花外し、対応に問題なし 藤村官房長官、前日の首相謝罪覆す

 政府が11日に主催した東日本大震災一周年追悼式典で、台湾を代表して出席した台北駐日経済文化代表処の羅坤燦副代表が指名献花から外されるなど冷遇された問題は、特に自民党の世耕弘成参議院議員が国会で追及していましたが、ならば自民党政権だったらどのように出来たとでも言い張るつもりでしょうか。

 台湾が官民を挙げて日本の被災に救援の手を差し伸べ、近隣のどの国よりも多くの義援金を送ってくれたことへの感謝の気持ちを、私たちは決して忘れることが出来ません。

 しかし、占領統治期までさかのぼって、わが国が台湾と中華民国をどう理解し、その上で桑港講和条約発効の七時間半前に秘かにいわゆる「日華平和条約」を締結し、後進の中共と国交を回復するべく昭和四十七年に勝手な失効宣言をしたのか、そもそも講和発効前に交戦権を否定した占領憲法でどうして平和条約に署名出来たのか、ここから日台関係の歯車は狂っていたのであり、政府の嘘と出鱈目をこれ以上放置していてはいけないのです。

 この根本的な問題から目を背けて台湾問題を語るより、追悼式典で天皇陛下と皇后陛下が御退席される際、場内には出席者に着席を維持するよう指示があり、全員が座ったまま両陛下を見送るという不敬行為があったことこそ大問題ではありませんか。

 台湾代表への失礼は、もうすでにここから始まっており、私たちはいつの間にか自分たちの国家の姿も何もかも忘れ、漫然と礼を欠いていられるようになってしまったのです。

 自国の憲法一つを例にとっても、政府の嘘と出鱈目を踏襲した上でしか護憲も改憲もありえず、どこまでも政府に騙されておこうとする根性では、台湾の扱い方など分かろうはずがありません。極めて厳しく申せば、俗に「改憲保守親台派」といわれる論壇がこの期に及んで大騒ぎしているのもみっともないのです。

 台湾人との友好は、双方に国際法上瑕疵のある問題をすべて整理・解決しなければ表立ってはかなわず、さらに米中との関係にある程度の覚悟を持たなければなりません。そして、私たちに出来るもう一つのことは、日台関係を友好のまま繋いでおく努力です。

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『台湾問題より重大なこと』に2件のコメント

  1. 素浪人:

    遠藤様に質問させて頂きます。
    サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾などの領有権を放棄しましたが、領有権の帰属先は連合国間で話し合われること無く、現在に至っています。こうした場合、国際法上、台湾は『無主の地』となっている状態なのでしょうか。もしそうであれば、台湾が主権国家として正当性を持つには、如何なる法的手続きが必要になるのでしょうか。ご教示下さるとありがたく思います。

    所で、上記の講和条約にて日本が同時に放棄した千島列島・南樺太に関しては、目下、露助が不法占拠している状態です。日本固有の領土である、いわゆる北方四島以外の千島列島島嶼・南樺太の帰属に関し、日本は国際社会に解決を求めるべきだと思います。

    現在は、何となく露助の物、みたいになっていますが、とんでもない言語道断の強盗行為で日本が奪われた領土ですから、キチンと決着を付けねばならない問題だと思います。時間が経ち過ぎている、日本が戦争に負けたから仕方無い、という意見がよく見られますが、この問題も現憲法とGHQ典範の無効性と同義の性質を持つ事案と思われます。

  2. 遠藤健太郎:

     台湾独立問題については、すでに何度も論じてまいりましたが、少し労力を要するものでございまして、その繰り返しをここではご勘弁くださいませ。

     極めて要約しますと、台湾はいまだ中華民国・国民党が領土とする条約類の承認、または住民自決に至っていない帰属未定の地であり、桑港講和を主導した米国ら当時の連合国(後発新興の中共が理事国に入っている現在の連合国ではない)が国際法に準じて「中華民国」とするか「台湾国」とするか決める段取りをしなければなりません。その訴訟はすでに米国でしましたが、明快な判決をもらえていないのが現状です。

     ただし、いわゆる「北方領土」は桑港講和の旧ソ連不調印の経緯から現在も日本に帰属があり、素浪人様のご指摘通り、その範囲は千島列島の全島と南樺太であることを確認しておきます。この筋を通さない限り、台湾の独立も確認されません。